第20週目 Anubisの一週間
◆日記
次が最後の戦い
当然死ぬ気なんかはない
だけど
何が起こるかはわからない
最悪の事態だって、ありうる
……ネコ、あなたの祈り<Oracion>は
この世界に、届きましたか
私が生きた、この世界を
私の大切な人たちが生きる、この世界を救えるのなら
私も、あなたの祈り<Oracion>を信じる
……あなたは、いなくなってしまったけれど
必ず、みんなで生きて帰ってくる。
約束を守るために。
笑顔で、また明日をむかえられるように。
・
・
・
・
・
『……夜遅くにすまない』
「構わないさ。そうでもなければ、彼女も寝静まっていないだろうしね」
「約束のものはできたよ。全てが終わり次第、必ず送り届ける。
こんな小型のものを組みあげたことなんて初めてだから、なかなか苦労したけどね……」
『心から感謝する。 ……必ず、無駄にはしない』
「……信じているよ、キミたちを」
https://www.dropbox.com/s/mrn7xp4b2y2gy2g/kiri_5_nikki21.txt?dl=0
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当然死ぬ気なんかはない
だけど
何が起こるかはわからない
最悪の事態だって、ありうる
……ネコ、あなたの祈り<Oracion>は
この世界に、届きましたか
私が生きた、この世界を
私の大切な人たちが生きる、この世界を救えるのなら
私も、あなたの祈り<Oracion>を信じる
……あなたは、いなくなってしまったけれど
必ず、みんなで生きて帰ってくる。
約束を守るために。
笑顔で、また明日をむかえられるように。
・
・
・
・
・
『……夜遅くにすまない』
「構わないさ。そうでもなければ、彼女も寝静まっていないだろうしね」
「約束のものはできたよ。全てが終わり次第、必ず送り届ける。
こんな小型のものを組みあげたことなんて初めてだから、なかなか苦労したけどね……」
『心から感謝する。 ……必ず、無駄にはしない』
「……信じているよ、キミたちを」
https://www.dropbox.com/s/mrn7xp4b2y2gy2g/kiri_5_nikki21.txt?dl=0
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NEWS
ザーッ……ザザッ……ザーッ……もし、この放送が聞こえているとしたら……
あなたはきっと、生きているのでしょう
そして、あなたはきっと、戦いに勝ったのでしょう
雨の中、水に飲まれゆく中で、戦ったハイドラの――
ヒルコ教団からのメッセージ 「機体のサルベージを完了しました。ようこそ、ヒルコ教団の救民船団へ」 |
ヒルコ教団からのメッセージ 「我々はドゥルガーの知識を手にいれ、魔王領域の秘密を手にいれました」 |
ヒルコ教団からのメッセージ 「そして、新たな神を迎えることができたのです」 |
ヒルコ教団からのメッセージ 「おお……我らが神が、いま、虚空領域に翻る……」 |
その中の一つ、ぴかぴかと光り輝くヒルコ神の姿を――
どこまでも青い空が広がっていた
どこまでも水平線が伸びていた
水平線には、積乱雲が立ち上る
静かな海だった
ただ一つ、海面から突き出す巨大な塔を除いて、他には何もなかった
雨上がりの後の世界は、夏風の通り抜ける、大洋に変わっていた――
ザーッ……ザザッ……ザーッ
……謎の飛行船団が上空に出現……
あれはいったい……!?
消えた……何だったのだろうか
しかし、あの姿は、ハイドラと戦った『グレムリン』に――
Ending...2/12
◆訓練
制御*3の訓練をしました制御*3が10上昇した
制御*3の訓練をしました制御*3が11上昇した
制御*3の訓練をしました制御*3が12上昇した
制御*3の訓練をしました制御*3が13上昇した
制御*3の訓練をしました制御*3が14上昇した
制御*3の訓練をしました制御*3が16上昇した
制御*3の訓練をしました制御*3が17上昇した
制御*3の訓練をしました経験値が足りない
制御*3の訓練をしました経験値が足りない
Anubisは『生命の救世主』を456cで購入した!!
航空支援要請成功!!
空挺攻撃要請成功!!
AnubisはUDP『蔓擬』を1187cで購入した!!
Anubisは高射砲A設計書を600cで購入した!!
航空支援要請成功!!
空挺攻撃要請成功!!
AnubisはS-Suicideを461cで購入した!!
◆作製
資金を100を投入した!!
作成時補助発動! 超重!! パーツ重量が 152 増加!!
旋回強化!
作成時補助発動! 超重!! パーツ重量が 152 増加!!
旋回強化!
S-SuicideとカワイイエンジンⅩⅢを素材にして連装祝砲”Hero&Messiah”を作製した!!
◆戦闘システム決定
オラシオン に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にUDP『蔓擬』を装備した
脚部2にHRLML-01【サテライト・ロンド】を装備した
スロット3に『ウイスキー』を装備した
スロット4に『ウイスキー』を装備した
スロット5に鶯のさえずりを装備した
スロット6に鶯のさえずりを装備した
スロット7に”ShootingStar”を装備した
スロット8にmirageを装備した
スロット9に『生命の救世主』を装備した
スロット10にパルディアーを装備した
スロット11に連装祝砲”Hero&Messiah”を装備した
◆僚機設定
insanelyとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……死亡許容
◆ミッション
ミッション設定……ミッションB
ユニオン活動
毛皮の無い灰狼の活動記録
『おにいちゃんへ。
落ち着いたら、一緒にクッキー買いにいきたいです。
それと、今度は、おにいちゃんのほうから、だっこして、もらいた……い、です……
……………つ、つうしん、おわり……!』
聞き届けた男は、ふぅむと感嘆とも呻きとも取れる唸りを上げた。
彼女なりに勇気を振り絞っての誘いなのだろう、ということは男にも想像がついた。以前二人で一晩過ごして以来、彼女が男に兄としての態度を求めてくることは無かった。余程自制していたのだろう。彼女のモチベーションを高めてやれることは男にとっても得なことだった。
すぐにツチノコに連絡をしたところ、応答したカラに『カロスは既に遺跡に居るわよ』とだけ伝えられ通信を切られた。男は再び呻きに似た唸りを上げた。
「そんなわけで、ファティマと買い物に行ってこようと思うんだけど、構わないかな」
「うん、私は大丈夫。気をつけて行ってきてね」
ジルに断りを入れても笑顔で二つ返事だった。男は久し振りに硬い義手で顎の下を擦った。余りいい予感がしなかった。
†
「はい。ロイドだけど、忙しくしてないかな」
『あ……!よかった、無事だったんだ』
「ああ〜……言ってなかったな、平気だって……心配かけてごめん。問題無いよ」
通信越しにファティマは大きく安堵の息を吐くのが聞き取れた。
「いや、悪い。済まない。本当に申し訳ない。
お詫びじゃないんだけど、連絡もらってたお誘い、今からでも平気かな」
『えっ、今……から?』
「俺としては今のうちの方がいいんだ。というより、今後何がどうなるかわからないしね。
都合のいい時間になったら連絡してもらえるかな」
『は、はい!準備しておくね』
「ゆっくりでいいよ。それじゃ」
慌てた様子のファティマを宥めて、通信を切った。
今のうちに少しリハビリしておくのも悪くない、男はそう考えながらガレージへと足を向けた。
†
二度のノックに応じて、ファティマがドアを開けて顔を覗かせた。
「レッ……ドさん…………?」
「うん?レッドだけど……何か変かな?」
先日と同様に輝くようなファティマの笑顔があっというまに曇っていき、男は逆に鼻白んだ。何かやらかしたかと慌てて五体を確認したが、手足はちゃんと人工皮膚膜で覆っているし、脚も逆関節状になってない。後は……と考えたところで、視界にかかっている自身の頭髪にようやく気がついた。
「こ、これか?!」
炭のように黒い髪の一房を引っ張って示した男に、ファティマはこくこくと不安げに頷いた。
「原因はわからんけど、だんだんとこうなってきちゃってね……中で話させてもらっていいかな」
「う、うん、入って」
罰が悪そうに指先でくるくると髪の毛をいじり続けながら、男はファティマに続いてリビングへと入った。
「ごめん。前と違って、どうも色をいじれてないみたいだ。
……今も試してみてるけど、今後はちゃんと染めなきゃ無理だな。便利だったんだが」
「えっと、無理しなくても……」
「君にとっては重大事、だろう?俺にとっても無理でも何でもない。
それなら遠慮は無用だよ。多分、兄妹(きょうだい)というのはそういうもの……であってるのかな」
男は無意味に指を踊らせながら、自信無く言葉尻を濁らせてそう言った。男なりの厚意はファティマにとり心の浮き立つような甘いものではあったが、その一方で男の炭のような黒髪と自壊しかけていたグレイハウンドの姿がどうしても不吉に重なっていた。
「大丈夫。死ぬってことはなさそうだよ。
ただ、一度死んでからあれこれ降って湧いたものが零れ落ちていってるだけだと思う」
ファティマの憂患は男も感じ取っていた。ただ、自分の対応が最善かについては全く自信が無かった。自信が無いまま、ファティマの柔らかく癖のない頭を硬い義肢で撫でた。
「あ……硬い」
「うん。最初に会った頃に使ってた義肢と同じ。
いつの間にか生えてた手足が突然溶けて消えたんで、また付き合い始めたわけだ」
ファティマの心中でいくつかの感情が真っ向から対立した。男は先の言葉を繰り返さなかった。代わりに、少女を促すように軽く頷いた。
「不便じゃないの?」
「かれこれ20年以上世話になってる。まあ、あれも便利だったけど、こっちの方が落ち着くな」
「どこか痛くないの?」
「少なくとも今のところは。昔からこいつと付き合うために体鍛えてるしね」
以前とは違って区切るように尋ねるファティマの頭を撫でながら、男は5年前を思い出していた。寿命を迎えた肉体から、培養細胞で再建した複製(クローン)へと記憶も精神も損ねることなく渡れた僥倖。正面から受容してくれたのはジルだけだった。ショックを受けていたベティが、事の次第を聞いて見せた渋面を忘れたことはなかった。あの時と同じ失敗はしていない、と断じる自信は無かった。しかし、ファティマに対しその不安を露呈させることだけはできないとも考えていた。彼女の求める、頼れる兄に許される態度ではないと決めつけていた。
ファティマは素直になることを選んだ。男が四肢を損ねたことを微塵も惜しんでいないのならば、何を躊躇うこともなかった。自身の髪を撫でる男の手に、自身の手を重ねた。軽く握ると、初めて自身の手を取った、あの硬い感触が返ってきた。
「でも、無理はしないでね。
無理した結果、最後にレッドさんがボロボロになるの、見たくないもん」
「心しておくよ」
苦笑する男に微笑み返して、ファティマは焦がれ続けていた硬い感触をじっと愛おしんだ。
†
カロスは目抜き通りの入り口で店を開いていた。
「このドゥルガーももう終わりだからね。まともなやつは救助便でどんどん出ていくからこんな場所が取れた。」
「子供達の様子はどうだ?洪水が出たと流れてるが。バニラクッキー20本。」
そんなに、と小さく声を上げたファティマに軽くウィンクして、カロスは大きな紙袋を二つ突き出した。
「500クレジットね。皆のんびり暮らしてるよ。1000年毎にこの手の面倒があるけど、箱がいいんで楽なもんだよ。
こんな大所帯で逃げるのは初めてだけど、まあなんとでもするさ。」
「有難う。それじゃあ後は宜しく頼む。」
「お前も息災でね。お嬢ちゃんも、生き残れたらまた買ってくれ。」
「はい、また、買いに行きます」
からからと笑いながら手を振るカロスに、ファティマはぺこりとお辞儀を返した。男は一瞥しただけだった。行こうか、と声を掛けて、少女の返事を待たずに踵を返した。
「こんな買っちゃって、よかったの?」
「半分は俺の買い溜めだ。保存状態が良くてたっぷり日持ちするから心配いらないよ、ゆっくり食べてくれ。
それに、天変地異と遺跡の崩壊と……二度と店を開けないかもしれないからね」
ファティマの住まいまでの僅かな距離を連れ立って歩きながら、男はふと脚を止めて少女へと振り向いた。
「俺はこの先何があろうとも、その時々であらゆる手段を駆使して生き残る可能性を追求する。
……その時、ひょっとすると俺は君と会ったり話したりできなくなるかもしれない」
「………………」
「可能な限りそうはならないようにするけどね」
ファティマもニュースを聞いていないわけではない。地上が容易ならざる状況に陥っていることは朧げながら把握していた。
「俺の言ったこと、覚えておいてくれ。自分のできることを果たすこと。できないことは助けを得ること。
その内訳が何であれ、それが生きていく力だ。君と君に関わる者が自由に生きていくために請求される対価だ」
「不安に、させないで……!」
押し黙っていたファティマが耐えかねたように切り込んだ。首を横に振り乱し、涙を湛えた瞳で睨むように男を見つめ、その胸のあたりに頭から突っかかった。
「これじゃあまるで、最後のお別れみたいじゃん……」
「逆だよ。そうならないように、君にも強かに生きて欲しいだけだ」
言い方悪かったな、ごめんと言いながら、男は自分の胸に顔を埋めるファティマを慎重に抱き締めた。後ろに回した手でファティマの小さな背中を撫で、おずおずと見上げてくる顔を覗き込んだ。
「甘く見積もっていいなら、俺と君はそれぞれが十分に対価を支払い合えたと思う。
これっきりなんて考えないでくれ。何かあっても、きっと兄妹(おれたち)はまたお互いを探し当てられるさ。
だから、君もうまく生き存えてくれ。何かあったら助け合おう。損はさせない。きっと、お互いいい感じになれるさ」
ファティマの端が滲んだ目に、男は軽く頷いて微笑んだ。ファティマもこくりと頷いて応じた。
男はファティマを離すと、小さな手を取り、提げていた紙袋の一つを握らせた。
「……どんな時も、諦めるなよ。面倒が終わったらまた会おう」
「きっとだよ。レッドさんも、死なないで……」
「なんとかするさ」
「なんとか、じゃなくって、絶対、だからね」
男は口を閉じて、軽く頷くに留めた。それが彼の虚勢の限界だった。
落ち着いたら、一緒にクッキー買いにいきたいです。
それと、今度は、おにいちゃんのほうから、だっこして、もらいた……い、です……
……………つ、つうしん、おわり……!』
聞き届けた男は、ふぅむと感嘆とも呻きとも取れる唸りを上げた。
彼女なりに勇気を振り絞っての誘いなのだろう、ということは男にも想像がついた。以前二人で一晩過ごして以来、彼女が男に兄としての態度を求めてくることは無かった。余程自制していたのだろう。彼女のモチベーションを高めてやれることは男にとっても得なことだった。
すぐにツチノコに連絡をしたところ、応答したカラに『カロスは既に遺跡に居るわよ』とだけ伝えられ通信を切られた。男は再び呻きに似た唸りを上げた。
「そんなわけで、ファティマと買い物に行ってこようと思うんだけど、構わないかな」
「うん、私は大丈夫。気をつけて行ってきてね」
ジルに断りを入れても笑顔で二つ返事だった。男は久し振りに硬い義手で顎の下を擦った。余りいい予感がしなかった。
†
「はい。ロイドだけど、忙しくしてないかな」
『あ……!よかった、無事だったんだ』
「ああ〜……言ってなかったな、平気だって……心配かけてごめん。問題無いよ」
通信越しにファティマは大きく安堵の息を吐くのが聞き取れた。
「いや、悪い。済まない。本当に申し訳ない。
お詫びじゃないんだけど、連絡もらってたお誘い、今からでも平気かな」
『えっ、今……から?』
「俺としては今のうちの方がいいんだ。というより、今後何がどうなるかわからないしね。
都合のいい時間になったら連絡してもらえるかな」
『は、はい!準備しておくね』
「ゆっくりでいいよ。それじゃ」
慌てた様子のファティマを宥めて、通信を切った。
今のうちに少しリハビリしておくのも悪くない、男はそう考えながらガレージへと足を向けた。
†
二度のノックに応じて、ファティマがドアを開けて顔を覗かせた。
「レッ……ドさん…………?」
「うん?レッドだけど……何か変かな?」
先日と同様に輝くようなファティマの笑顔があっというまに曇っていき、男は逆に鼻白んだ。何かやらかしたかと慌てて五体を確認したが、手足はちゃんと人工皮膚膜で覆っているし、脚も逆関節状になってない。後は……と考えたところで、視界にかかっている自身の頭髪にようやく気がついた。
「こ、これか?!」
炭のように黒い髪の一房を引っ張って示した男に、ファティマはこくこくと不安げに頷いた。
「原因はわからんけど、だんだんとこうなってきちゃってね……中で話させてもらっていいかな」
「う、うん、入って」
罰が悪そうに指先でくるくると髪の毛をいじり続けながら、男はファティマに続いてリビングへと入った。
「ごめん。前と違って、どうも色をいじれてないみたいだ。
……今も試してみてるけど、今後はちゃんと染めなきゃ無理だな。便利だったんだが」
「えっと、無理しなくても……」
「君にとっては重大事、だろう?俺にとっても無理でも何でもない。
それなら遠慮は無用だよ。多分、兄妹(きょうだい)というのはそういうもの……であってるのかな」
男は無意味に指を踊らせながら、自信無く言葉尻を濁らせてそう言った。男なりの厚意はファティマにとり心の浮き立つような甘いものではあったが、その一方で男の炭のような黒髪と自壊しかけていたグレイハウンドの姿がどうしても不吉に重なっていた。
「大丈夫。死ぬってことはなさそうだよ。
ただ、一度死んでからあれこれ降って湧いたものが零れ落ちていってるだけだと思う」
ファティマの憂患は男も感じ取っていた。ただ、自分の対応が最善かについては全く自信が無かった。自信が無いまま、ファティマの柔らかく癖のない頭を硬い義肢で撫でた。
「あ……硬い」
「うん。最初に会った頃に使ってた義肢と同じ。
いつの間にか生えてた手足が突然溶けて消えたんで、また付き合い始めたわけだ」
ファティマの心中でいくつかの感情が真っ向から対立した。男は先の言葉を繰り返さなかった。代わりに、少女を促すように軽く頷いた。
「不便じゃないの?」
「かれこれ20年以上世話になってる。まあ、あれも便利だったけど、こっちの方が落ち着くな」
「どこか痛くないの?」
「少なくとも今のところは。昔からこいつと付き合うために体鍛えてるしね」
以前とは違って区切るように尋ねるファティマの頭を撫でながら、男は5年前を思い出していた。寿命を迎えた肉体から、培養細胞で再建した複製(クローン)へと記憶も精神も損ねることなく渡れた僥倖。正面から受容してくれたのはジルだけだった。ショックを受けていたベティが、事の次第を聞いて見せた渋面を忘れたことはなかった。あの時と同じ失敗はしていない、と断じる自信は無かった。しかし、ファティマに対しその不安を露呈させることだけはできないとも考えていた。彼女の求める、頼れる兄に許される態度ではないと決めつけていた。
ファティマは素直になることを選んだ。男が四肢を損ねたことを微塵も惜しんでいないのならば、何を躊躇うこともなかった。自身の髪を撫でる男の手に、自身の手を重ねた。軽く握ると、初めて自身の手を取った、あの硬い感触が返ってきた。
「でも、無理はしないでね。
無理した結果、最後にレッドさんがボロボロになるの、見たくないもん」
「心しておくよ」
苦笑する男に微笑み返して、ファティマは焦がれ続けていた硬い感触をじっと愛おしんだ。
†
カロスは目抜き通りの入り口で店を開いていた。
「このドゥルガーももう終わりだからね。まともなやつは救助便でどんどん出ていくからこんな場所が取れた。」
「子供達の様子はどうだ?洪水が出たと流れてるが。バニラクッキー20本。」
そんなに、と小さく声を上げたファティマに軽くウィンクして、カロスは大きな紙袋を二つ突き出した。
「500クレジットね。皆のんびり暮らしてるよ。1000年毎にこの手の面倒があるけど、箱がいいんで楽なもんだよ。
こんな大所帯で逃げるのは初めてだけど、まあなんとでもするさ。」
「有難う。それじゃあ後は宜しく頼む。」
「お前も息災でね。お嬢ちゃんも、生き残れたらまた買ってくれ。」
「はい、また、買いに行きます」
からからと笑いながら手を振るカロスに、ファティマはぺこりとお辞儀を返した。男は一瞥しただけだった。行こうか、と声を掛けて、少女の返事を待たずに踵を返した。
「こんな買っちゃって、よかったの?」
「半分は俺の買い溜めだ。保存状態が良くてたっぷり日持ちするから心配いらないよ、ゆっくり食べてくれ。
それに、天変地異と遺跡の崩壊と……二度と店を開けないかもしれないからね」
ファティマの住まいまでの僅かな距離を連れ立って歩きながら、男はふと脚を止めて少女へと振り向いた。
「俺はこの先何があろうとも、その時々であらゆる手段を駆使して生き残る可能性を追求する。
……その時、ひょっとすると俺は君と会ったり話したりできなくなるかもしれない」
「………………」
「可能な限りそうはならないようにするけどね」
ファティマもニュースを聞いていないわけではない。地上が容易ならざる状況に陥っていることは朧げながら把握していた。
「俺の言ったこと、覚えておいてくれ。自分のできることを果たすこと。できないことは助けを得ること。
その内訳が何であれ、それが生きていく力だ。君と君に関わる者が自由に生きていくために請求される対価だ」
「不安に、させないで……!」
押し黙っていたファティマが耐えかねたように切り込んだ。首を横に振り乱し、涙を湛えた瞳で睨むように男を見つめ、その胸のあたりに頭から突っかかった。
「これじゃあまるで、最後のお別れみたいじゃん……」
「逆だよ。そうならないように、君にも強かに生きて欲しいだけだ」
言い方悪かったな、ごめんと言いながら、男は自分の胸に顔を埋めるファティマを慎重に抱き締めた。後ろに回した手でファティマの小さな背中を撫で、おずおずと見上げてくる顔を覗き込んだ。
「甘く見積もっていいなら、俺と君はそれぞれが十分に対価を支払い合えたと思う。
これっきりなんて考えないでくれ。何かあっても、きっと兄妹(おれたち)はまたお互いを探し当てられるさ。
だから、君もうまく生き存えてくれ。何かあったら助け合おう。損はさせない。きっと、お互いいい感じになれるさ」
ファティマの端が滲んだ目に、男は軽く頷いて微笑んだ。ファティマもこくりと頷いて応じた。
男はファティマを離すと、小さな手を取り、提げていた紙袋の一つを握らせた。
「……どんな時も、諦めるなよ。面倒が終わったらまた会おう」
「きっとだよ。レッドさんも、死なないで……」
「なんとかするさ」
「なんとか、じゃなくって、絶対、だからね」
男は口を閉じて、軽く頷くに留めた。それが彼の虚勢の限界だった。
ユニオン設備……なし!!
ユニオン連帯
……なし!!
ユニオン金庫……11398c
利子配当…………1139c
適性の訓練をしました
適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
Anubis 「[献金しました] 」 |
メッセージ
ENo.67からのメッセージ>>
-disconnected-
ENo.92からのメッセージ>>
仮面の男からのメッセージは途切れた。
ENo.432からのメッセージ>>
メッセージを送信しました
>>Eno.432: >>Eno.447 >>Eno.432 >>Eno.113 >>Eno.7
サダメ 「・・・まぁここのことはここの連中がうまくやるんだろう。きっとな。そうであってほしいもんだ。」 |
サダメ 「知り合いが言ってた、思い出に残るならそれは永遠ってな。」 |
サダメ 「だからその・・・私のこともたまにはおもいだしてくれると嬉しいぜ。」 |
サダメ 「うまくやるさ。絶対に。」 |
サダメ 「今までありがとうな。なんかいろいろ聞かせちまって。」 |
サダメ 「じゃあ・・・またな。いずれ会おう、」 |
ENo.92からのメッセージ>>
ジュネリア 「ジルさん、今後はお幸せに。私はファティマさんと領域外で過ごすつもりだ」 |
ジュネリア 「………なんとなく、だが、今も安全装置はつけていないんだろう?」 |
ジュネリア 「それを咎めようというわけじゃあない。君にも譲れないものがあるというのは重々承知だ。それでも―――」 「今後は、リーと幸せに過ごしてほしい。もし会えることがあれば領域外で、また」 |
仮面の男からのメッセージは途切れた。
ENo.432からのメッセージ>>
リー 「……テステス、ジル、聞こえるか? ありがとう。通信機能の最終テストもグリーン。」 |
リー 「………………そうだ。 この後さ、髪短くしようと思うんだ。昔みたいに」 |
リー 「元々、ナチュラルな変装の一環だったし……今の混乱の中なら、いい評判を立ててもらえば もう少し堂々としてられるかな、って。いつまでも君に後ろめたい思いさせたくないし」 |
リー 「……はは、ありがとう。 もうすぐ降下地点だ。君は後方だが、奴の手は”長い”。十分注意してくれ。」 |
リー 「ああ、必ず一緒に生きて帰る……いや。 ……君を愛している、必ず君を連れて帰る。頼りない男だけど、よろしく支えてくれ」 |
リー 「じゃ、行こうか」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.432: >>Eno.447 >>Eno.432 >>Eno.113 >>Eno.7
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 2000
追加収入 75
攻撃戦果補正15%(MAX)
支援戦果補正15%(MAX)
防衛戦果補正6.08%
撃墜数補正 1.2%
販売数補正 0.1%
サブクエスト25%
敵警戒値補正3.37%
追い上げ補正0.1%
合計現金収入3814
--弾薬費請求 -1885
--整備控除修正額-970
整備請求額 -970
ユニオン費 -96
手当金 100
パーツ販売数 1個
今回の購入者-->>25
◆射撃値が7成長しました
◆反応値が10成長しました
◆整備値が10成長しました
◆適性値が10成長しました
◆経験値が105増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
追加収入 75
攻撃戦果補正15%(MAX)
支援戦果補正15%(MAX)
防衛戦果補正6.08%
撃墜数補正 1.2%
販売数補正 0.1%
サブクエスト25%
敵警戒値補正3.37%
追い上げ補正0.1%
合計現金収入3814
--弾薬費請求 -1885
--整備控除修正額-970
整備請求額 -970
ユニオン費 -96
手当金 100
パーツ販売数 1個
今回の購入者-->>25
◆射撃値が7成長しました
◆反応値が10成長しました
◆整備値が10成長しました
◆適性値が10成長しました
◆経験値が105増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
Anubisは3年保証書39を入手した!
Anubisは精密設計図39を入手した!
キャラデータ
名前
Anubis
愛称
Anubis
機体名
『―――――』
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジル・スチュアート 残像領域で両親を失った末、生活のためにハイドラ乗りとなり、5年前の戦争を生き抜いた少女。 考えることもするが、体を動かすほうが楽、という活発タイプ。 5年前の戦争時、まだ子供だったころたくさんの人に優しくされたこともあり 可能な限り、人には優しくを心がけている。 5年前、戦場をともにした知人たちがまたいるのではないか。 また、『ドゥルガー』に少なからず思うところがあり、なんとかしたいと考え参加。 4期(Eno534)時、insanely(Eno303)と親しくなり、同居同然の暮らしをしている。 16歳ほど 身長159cm 体重53kg 戦いの中で生き残る為、左目を多機能な機械義眼にし 意識を失うほどの衰弱状態に陥ったこともあって バイオ融合によって、ある程度の肉体強化も為されている。 また、Anubisとのリンクの親和性を高めるため 生体部品改造も行った。 Anubis操縦中は機体と精神が繋がっている状態で有り 正しい手順を踏まずに強制解除すると、本人の精神に異常をきたす危険が伴う。 そのため脱出装置など、緊急で機体から離脱するセーフティなどは取り付けることができない。 (常時死亡許容です) ・Anubis 4期後半から最後まで搭乗していた機体。 人型で、肩や膝、頭部などに鋭く尖ったフレームを持つ。 Zukunftと違い、霧の中でも目立つような黒いボディと 機体の節々には流動するエネルギーを思わせるラインが走り 起動中は赤い光が通っている。 装甲の下は機械と肉で構成されており、そこへライダーから採取した血液を循環させ 擬似的に「本人に近づける」ことでライダー本人とのリンクを可能にしている。 そのため、操縦には一定の血液を必要とし また、過剰なエネルギーを生み出す為にも血液を要するため 一時期、衰弱状態に陥ったことも。 操縦のたびに精神リンクを重ねた結果、徐々に自己を得てゆき ジルの危機に対して覚醒、自我を確立した。 女性型のAIで、落ち着きのある大人の女性、という声で話す。 解析不能な未知のデータが含まれており、複製は不能。 多脚時は、腰から下がZukunftの首元と接合されており 獣人のような形態を取っている。 4期では格闘を主体としていたが、5期では射撃を主体として運用。 中距離、近距離で撃ち分け可能な可変機構を備えた中型の粒子ライフルを携行している。 中距離時は口径が閉じ、ライフルに 近距離時は口径が開き、ショットガンに変形する。 ・Zukunft 4期中盤から、Anubisまでに搭乗していた機体。 支援型であり、霧にまぎれるような白いボディと 狼を思わせる姿を持つ、獣型のハイドラ。 アイコンはEno7ニシュカ・パーシスタンスさんから頂きました。 感謝……! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
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1 | 重二脚A | 『救世主の安息』 [36/重旋回/重旋回] 機動[332] 跳躍[113] AP[4088] 旋回速度[571] 防御属性[物理] 防御値[2137] 貯水量[1567] 弾数[2] 積載量[4200] 消費EN[301] 金額[530] 重量[1888] [二脚] *作者* |
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2 | 素材 | 演算装置38 [38/重精密/---] [素材] |
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3 | 旋回障害誘発A | ”Rotation” [36/耐霊/重変形] | ▼詳細 |
4 | 蒸気アイマスク | 蒸気アイマスク [35/高跳躍/---] [素材] |
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5 | 素材 | 機械油38 [38/旋回/---] [素材] |
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6 | 霊障装甲A | 赤い服と白い髭のお爺さんが乗ってくる橇 [35/重装甲/重装甲] | ▼詳細 |
7 | 操縦棺D | 染み広がる緑煙 [34/超重装甲/重変形] | ▼詳細 |
8 | 霊障装甲A | 『生命の救世主』 [36/高圧軽量/高圧軽量]《装備:9》 | ▼詳細 |
9 | 速射砲A | パルディアー [35/耐火/変形]《装備:10》 火力[856] 発射数[4] 防御属性[火炎] 防御値[376] 精度[548] 貯水量[10] 弾数[30] 武器属性[速射] 異常追加[35] 消費EN[5] 金額[523] 弾薬費[12] 重量[150] [物理射撃] *作者* |
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10 | 軽ブースターA | フロリダホワイト [36/高噴霧/高噴霧] | ▼詳細 |
11 | エンジンE | 『ウイスキー』 [35/重変形/高圧変形]《装備:3》 | ▼詳細 |
12 | エンジンE | 『ウイスキー』 [35/重変形/高圧変形]《装備:4》 | ▼詳細 |
13 | 制動障害誘発A | ”ShootingStar” [37/超重装甲/重旋回]《装備:7》 制動障害誘発[34] AP[1342] 旋回速度[148] 防御属性[物理] 防御値[470] 貯水量[350] 弾数[1] 消費EN[352] 金額[537] 重量[496] [制動障害誘発] *作者* |
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14 | 術導肢A | 霊白虎の神脚 [34/重変形/重変形] | ▼詳細 |
15 | 旋回障害誘発A | 旋回障害誘発A設計書 [35/---/---] 金額[600] [設計書] |
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16 | 軽多脚A | HRLML-01【サテライト・ロンド】 [35/重旋回/重旋回]《装備:2》 機動[624] 跳躍[200] AP[1284] 旋回速度[1766] 防御属性[霊障] 防御値[238] 貯水量[233] 積載量[3600] 消費EN[954] 金額[1158] 重量[1180] [多脚] *作者* |
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17 | 照準障害誘発A | mirage [34/高誘発/高誘発]《装備:8》 | ▼詳細 |
18 | 素材 | 3年保証書39 [39/重保証/---] 特殊B[460] [素材] |
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19 | 素材 | 精密設計図39 [39/高圧変形/---] 特殊B[460] [素材] |
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20 | 腕部A | 鶯のさえずり [36/重変形/重変形]《装備:5》 | ▼詳細 |
21 | 操縦棺D | UDP『蔓擬』 [37/装甲/装甲]《装備:1》 | ▼詳細 |
22 | 高射砲A | 高射砲A設計書 [37/---/---] 金額[600] [設計書] |
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24 | 腕部A | 鶯のさえずり [36/重変形/重変形]《装備:6》 | ▼詳細 |
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26 | エンジンB | 塀を突き抜けた街路樹 [36/噴霧/超重装甲] | ▼詳細 |
27 | 高射砲A | 連装祝砲”Hero&Messiah” [38/重旋回/重旋回]《装備:11》 火力[1153] 発射数[8] 旋回速度[304] 防御属性[電子] 防御値[470] 精度[322] 貯水量[245] 弾数[24] 武器属性[対空] 異常追加[20] 消費EN[3] 金額[1202] 弾薬費[10] 重量[754] [物理射撃] *作者* |
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30 | 粒子爆雷A | 粒子爆雷A_変形変形付与_36 [36/変形/変形] 火力[366] 発射数[25] 防御属性[電子] 防御値[212] 精度[14] 貯水量[57] 弾数[30] 武器属性[対地] 異常追加[30] 消費EN[18] 金額[743] 重量[100] [粒子射撃] *作者* |
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