第20週目 Nightingaleの一週間
◆日記
《ナイチンゲール》、《フェアレーター》、そして《フィネデルシエロ》。
過去を取り戻すために望んだすべてが、いま、この手の中にある。
最後のミッションを前に、HCSの最終チェックが走る。
モニタを流れる光のひとつひとつが《時空震》への道を拓いてゆく。
「……戦闘システム確認、フィネデルシエロ。アセンブル確認……」
『Nightingale』の機械音声が棺内に響く。HCSに接続されたパーツの状態は極めて良好だ。
棺と一体化しているウィルスユニットはもちろん、全てのパーツはこの日のために自分で設計したのだから。
「機体状況確認。警告、出力不足。超広域探知状態、エンサイクロペディア・フラグメント可能……」
転移した先がどのような状況にあるか分からない以上、水中、あるいは真空……どんな致命的な環境にあっても、
せめてもう一度転移する時間が稼げるよう、棺の耐久性能の強化を図り、できる限りの準備はした。
けれど、これは杞憂に終わる――わたしがはっきりと『望み』を思い描くことさえできれば。
「僚機確認、ナンバー302、『ヨシャファート』……」
――あなたという存在が好きだからだよ。
ヨッシャー、最初で最後の、わたしの僚機。
その声には温かい眼差しさえ感じて。父が《わたし》に見せた、そのままの。
「……意思表示確認、転移許容」
父はわたしを歓迎するだろうか。手土産に目を輝かせる姿は想像に難くない。
完成したウィルス設計書、特別な戦闘システム。
そして、《ドゥルガー》と接触し、時を超えた、わたしの存在も、きっと。
――その存在を、……わたしは、大事にして欲しいと思った。
ワジオン、《外》から来た、白く輝く鋼のように、しなやかで強いひと。
わたしは幾度も彼を困らせたのに、それでも諦めずに語り掛けてくれた。
結論を押し付けることなく、優しく諭すように。
「……最終チェック完了。警告、出力不足。……出撃準備完了」
警告をスキップし、チェックを完了させると同時に、サブモニタに外部メッセージが表示された。
シルウェストリスからミッションの最終確認と、ターゲット『デバステイター・センチネル』の最新の映像。
――戦うことに、他の全てはいらなかった。私は……この、領域拡散精神遊離環と共にある。
≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫、戦う使命を持つ兵器。
わたしが『できそこない』でなければ、彼女のように在れただろうか。
全てを失ってなお、戦い続けるだけの――生き続けられるだけの意味を、その命に見出して。
――生きていくために必要なものが『望み』だと言うのなら、あなたのそれは、死ぬために生きているようなものだ!
ファロ、ウォーハイドラ『バーントイエロー』。わたしと同じく「ひとではないもの」。
≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫と同じ兵器であるはずの彼は、この後また泣くのだろうか。
差し伸べた手の先に、もう何もないことを知って。
――そんなの、私は、嫌です……!
彼の『望み』を乗せたメッセージは今日までに何通も届いていた。
彼らはただわたしの決断を見守り、待っていてくれる。
けれどわたしの『望み』は――
――新たな望みや、複数の望みを、見つけて欲しいと願っている。
『茶碗蒸し』を食べに行きたい。
『黒金乱眼』に会いたい。
『雪華雪香』をもっと知りたい。
《残像領域》の外を――海を見たい。
この数か月、様々なひととの繋がりの中で、わたし自身が見つけた『望み』。
過去の《わたし》の夢よりも、亡くなった父への誓いよりも、
人生においてはずっとささやかな、けれど確かにこの時空にあるもの。
《時空震》の先に向かえば失われてしまう、わたしだけの、叶えたい未来。
「……予定時刻まで残り4分。システムを戦闘モードに移行してください」
動かない手を咎めるような『Nightingale』の警告を無視し、目を閉じる。
――何も全てを諦める選択肢を選ばなくたって、いいじゃないですか。
――あなたが機能したいように機能するのがいいんじゃないかって、そう思っちゃうんだ。
――あなたの囀りを、待っていますよ。
過去を取り戻すために望んだすべてが、いま、この手の中にある。
最後のミッションを前に、HCSの最終チェックが走る。
モニタを流れる光のひとつひとつが《時空震》への道を拓いてゆく。
「……戦闘システム確認、フィネデルシエロ。アセンブル確認……」
『Nightingale』の機械音声が棺内に響く。HCSに接続されたパーツの状態は極めて良好だ。
棺と一体化しているウィルスユニットはもちろん、全てのパーツはこの日のために自分で設計したのだから。
「機体状況確認。警告、出力不足。超広域探知状態、エンサイクロペディア・フラグメント可能……」
転移した先がどのような状況にあるか分からない以上、水中、あるいは真空……どんな致命的な環境にあっても、
せめてもう一度転移する時間が稼げるよう、棺の耐久性能の強化を図り、できる限りの準備はした。
けれど、これは杞憂に終わる――わたしがはっきりと『望み』を思い描くことさえできれば。
「僚機確認、ナンバー302、『ヨシャファート』……」
――あなたという存在が好きだからだよ。
ヨッシャー、最初で最後の、わたしの僚機。
その声には温かい眼差しさえ感じて。父が《わたし》に見せた、そのままの。
「……意思表示確認、転移許容」
父はわたしを歓迎するだろうか。手土産に目を輝かせる姿は想像に難くない。
完成したウィルス設計書、特別な戦闘システム。
そして、《ドゥルガー》と接触し、時を超えた、わたしの存在も、きっと。
――その存在を、……わたしは、大事にして欲しいと思った。
ワジオン、《外》から来た、白く輝く鋼のように、しなやかで強いひと。
わたしは幾度も彼を困らせたのに、それでも諦めずに語り掛けてくれた。
結論を押し付けることなく、優しく諭すように。
「……最終チェック完了。警告、出力不足。……出撃準備完了」
警告をスキップし、チェックを完了させると同時に、サブモニタに外部メッセージが表示された。
シルウェストリスからミッションの最終確認と、ターゲット『デバステイター・センチネル』の最新の映像。
――戦うことに、他の全てはいらなかった。私は……この、領域拡散精神遊離環と共にある。
≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫、戦う使命を持つ兵器。
わたしが『できそこない』でなければ、彼女のように在れただろうか。
全てを失ってなお、戦い続けるだけの――生き続けられるだけの意味を、その命に見出して。
――生きていくために必要なものが『望み』だと言うのなら、あなたのそれは、死ぬために生きているようなものだ!
ファロ、ウォーハイドラ『バーントイエロー』。わたしと同じく「ひとではないもの」。
≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫と同じ兵器であるはずの彼は、この後また泣くのだろうか。
差し伸べた手の先に、もう何もないことを知って。
――そんなの、私は、嫌です……!
彼の『望み』を乗せたメッセージは今日までに何通も届いていた。
彼らはただわたしの決断を見守り、待っていてくれる。
けれどわたしの『望み』は――
――新たな望みや、複数の望みを、見つけて欲しいと願っている。
『茶碗蒸し』を食べに行きたい。
『黒金乱眼』に会いたい。
『雪華雪香』をもっと知りたい。
《残像領域》の外を――海を見たい。
この数か月、様々なひととの繋がりの中で、わたし自身が見つけた『望み』。
過去の《わたし》の夢よりも、亡くなった父への誓いよりも、
人生においてはずっとささやかな、けれど確かにこの時空にあるもの。
《時空震》の先に向かえば失われてしまう、わたしだけの、叶えたい未来。
「……予定時刻まで残り4分。システムを戦闘モードに移行してください」
動かない手を咎めるような『Nightingale』の警告を無視し、目を閉じる。
――何も全てを諦める選択肢を選ばなくたって、いいじゃないですか。
――あなたが機能したいように機能するのがいいんじゃないかって、そう思っちゃうんだ。
――あなたの囀りを、待っていますよ。
NEWS
ザーッ……ザザッ……ザーッ……もし、この放送が聞こえているとしたら……
あなたはきっと、生きているのでしょう
そして、あなたはきっと、戦いに勝ったのでしょう
雨の中、水に飲まれゆく中で、戦ったハイドラの――
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「シルウェストリスへの協力に感謝する」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「気が付いたか? ここはタワーだ。シルウェストリスの空挺が君を救助したのだ」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「残念だが、ハイドラは解体される。危険視されたわけではないが」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「もはや、操縦棺は効力を失ってしまった。それは、操縦棺が残像領域を作り変える力を持っているからだ」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「そして、残像領域は消えた」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「水に押し流され、泡のように消えてしまった」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「残ったのはこのどこまでも広がる海と、タワーだけだ」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「大丈夫だ、君が望めば、残してもらえるはずだ」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「新しい世界には、新しい力が必要だ。そう――」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「ふふ、早速やってきたようだな!」 |
どこまでも青い空が広がっていた
どこまでも水平線が伸びていた
水平線には、積乱雲が立ち上る
静かな海だった
ただ一つ、海面から突き出す巨大な塔を除いて、他には何もなかった
雨上がりの後の世界は、夏風の通り抜ける、大洋に変わっていた――
ザーッ……ザザッ……ザーッ
……謎の飛行船団が上空に出現……
あれはいったい……!?
消えた……何だったのだろうか
しかし、あの姿は、ハイドラと戦った『グレムリン』に――
Ending...6/12
◆訓練
制御の訓練をしました制御が152上昇した
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは時渡り・黎を0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールはOur_Gravesを0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールはInfernoを0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは試製卵プラズマ砲A-0を0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは試製卵プラズマ砲A-0を0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールはカワイイエンジンⅩⅣを0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは試製装甲プラズマ砲A-0を0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは試製卵プラズマ砲A-0を0cで購入した!!
生体電池手術成功!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは人工霊制御装置『揺籃期の終わり』を0cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
レプリカ=ナイチンゲールは試製薄装減霧領域瞬間霊送箱A-0を0cで購入した!!
レプリカ=ナイチンゲールは試製AP回復霊障装甲A-0を461cで購入した!!
レプリカ=ナイチンゲールは封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を1187cで購入した!!
レプリカ=ナイチンゲールは封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を1187cで購入した!!
レプリカ=ナイチンゲールは封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を1187cで購入した!!
◆作製
資金を100を投入した!!
侵襲型修復ユニット『ナイチンゲールⅢ』と試製AP回復霊障装甲A-0を素材にして侵襲型修復ユニット『ナイチンゲール=D』を作製した!!
◆戦闘システム決定
ステルス に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に卵殻型補助ユニット『パルティータ』を装備した
脚部2に耐久型銀輪ユニット『ベルガマスカF』を装備した
スロット3に侵襲型修復ユニット『ナイチンゲール=D』を装備した
スロット4に多筒型推進ユニット『タランテラ』を装備した
スロット5に多筒型推進ユニット『タランテラ』を装備した
スロット6に薄装型探査ユニット『セレナータF』を装備した
スロット7に薄装型探査ユニット『セレナータF』を装備した
スロット8に封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を装備した
スロット9に封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を装備した
スロット10に封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を装備した
スロット11に封霊型予見ユニット『マドリガーレF』を装備した
◆僚機設定
ヨシャファートとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションC
ユニオン活動
Nidus avisの活動記録
ユニオン設備……なし!!ユニオン連帯
……なし!!
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
制御の訓練をしました
制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
メッセージ
ENo.116からのメッセージ>>
あなたから通信の返事が来たことに、機械の男はひどく驚いたようだった。
そうして男はじっと、あなたからの通信に耳を傾けていた。そうして目を閉じ、しばらく何か考え込んだ後、言葉を選ぶように口を開いた。
ここまで言って、男は再び口を噤んだ。何を言うべきか迷っているようだったが、不意に笑って続ける。
少し泣きそうな顔で笑う男の顔を最後に、メッセージは終わっている。
ENo.116からのメッセージ>>
最終決戦の、その直前。
ノイズの向こう、Eno.116からの通信が入る。落ち着いた、しかし隠しようのない喜びの声がした。
ENo.116からのメッセージ>>
合流時刻。指定された地点にいた半人半蟲の異形の機体から通信が入る。画面の向こう、機械の男は満面の笑みであなたを迎えた。彼もまた表情に疲れが見えるが、それ以上にあなたと合流できた喜びの方が大きいようだ。
しかしそのあとに続くあなたの言葉に、男は浮かれた笑みを消した。唇を引き結び、神妙な表情になってあなたを見る。
などと言いかけた男だったが、あなたの「一度しか聞かない」という言葉に、はたと手を止めた。画面の向こうで緑の両目を瞬く。数秒の思案のあと、ゆっくりと口を開いた。
男が息を吐く。そして、意を決したように顔を上げ、画面越しにあなたをまっすぐに見つめる。
冗談めかしてそう言ってから、男は表情を緩める。そうして、少しはにかむように微笑みながら言った。
ENo.116からのメッセージ>>
あなたからの指摘に、機械の男は明らかに動揺した。オロオロと慌てた様子を見せる。
言いかけて、続くあなたの言葉に男が口を閉じる。そのまま神妙な顔であなたの言葉を聞いていた。やがて彼は、恥じ入るように目を伏せた。
いたずらっ子のように、しかし親しげにくすくすと笑う。
彼もまた少し先の未来を見ているようだ。目を細めて微笑む。
それから、機械の男は今一度表情を消す。神妙にあなたの言葉を聞き、画面越しにもはやどこにも傷跡の見えないあなたの白い手を見る。
そして。
『泣き虫』、というあなたの言葉に、男は大きく目を見開いた。顔が一気に紅潮するが、それは怒りではなく羞恥心によるものらしい。口元をもごもごさせていたが、やがて観念したように、頬を赤らめたまま苦笑する。
そう言って、『ファロ・マクルス』だった男は子供のように笑ってみせた。
ENo.116からのメッセージ>>
そう言って笑うサイボーグの青年は、今はオペレーター用の制服に身を包んでいる。ヘッドセットもまだつけたままだ。
そうして、あなたの言葉に紫のカメラアイを不思議そうに瞬く。
メニューは何がいいかな……などと、随分気の早い独り言を呟いていた青年だったが、改まった様子のあなたに、彼もまた居住まいを正した。
恥ずかしそうに言って肩を竦めてみせる。顔がやや紅潮している。
それから気を取り直すように頭を掻いて、青年は再びあなたの方を見た。
ENo.117からのメッセージ>>
* * * *
振り返った金髪の男は、少女の決断を仲間から聞いていたのか、それほど驚いてはいないようだった。ただ目を細めて、ほんの一瞬穏やかに目の前の少女を見てから、にやりと片口を引き上げて笑った。
軽く片手を上げて。困惑を滲ませる彼女に、いつもと変わらぬ様子で挨拶を。そして、戸惑いながらも状況を口にする相手の様子を見やりながら、ふんふんと頷き、
けたけたと笑う男の声は、沈み崩れ行く《残像領域》に、いっそ軽やかに響く。彼女の不安を軽くするように。自らを鼓舞する少女の背を押すように。
黒金乱眼の名を出されると、少し驚いたように目を見張って。それから、にいっと大きく笑い、
そういって、開いた口が、薄い唇が、ゆっくりと彼女の新しい名を形作り……
* * * *
* * * *
目の前に立ち、後悔——羞恥からか、言葉を選ぶように口籠る小柄な少女を、穏やかに見おろす。
金髪で目つきの悪い男がそばにいたら、即座に突っ込まれそうな事を堂々と言い放つ白い男。(残念ながら、金髪は今は少し離れた場所にいるため突っ込みは飛んでこなかった)
しかし、軽口のような言葉とは裏腹に、黒い瞳は柔らかく細められていて……
大きく指の長い白い手が、相手の差し出すチップを受けとる。説明を受ける表情は穏やかなままだが、視線には真面目な色が宿る。頷き、
重大な、重いデータを秘めたチップを受け取り、なんでもない仕草でパイロットスーツの隠しに仕舞う。彼女が彼女を恐れるのなら、それを止める手段が確実にあるのだという事を知らしめるように、隠しの上をぽんと一つ叩いた。
ひとつ荷を下ろした様子の彼女を言葉に聞き入る。——それは、彼女という存在が生まれてずっと抱えていた、悩み続けていた諸々の欠片たち。多の希求によって求められ望まれ生まれ導かれた存在に負わされた夢と孤独と絶望。
懸命に微笑む少女の笑みに、一度、強く頷き、
恐怖と共に行く事を選んだ。絶望を抱えたまま歩む事を選んだ。それは強さであり、しなやかさだと、そう告げて……
重要な事柄を告げる、茶目っ気を滲ませた瞳。これまで落ち着いて話をしていた白い男が、大きく目を見開いた。
しかし、彼女の名前は『過去の《彼女》』の名前であり、痕跡であり、彼女の言うとおり、彼女を形作り縛りかねないもの。——男は、ふっと、おもてに暖かい笑みを滲ませ、
すい、と顔を上げて目を閉じ、数秒の思案。ゆっくりと目を開けて、まっすぐ彼女を見つめ、
男はあなたの手をとり、掌の上で『Lucia・Avialae』と綴った。——続いて『Eugene・S・Luscinia』と綴り、
そう言って、小さな手をぽんぽんと優しく叩き……
* * * *
ENo.302からのメッセージ>>
《大丈夫も何も、ほんとのことだからね。
やあ、そんなに喜ばれると、ちょっと照れるけど……》
《だけど、そういうことなんだよ。
私は、私が知ってるあなたしか知らないんだ。
そこにどれだけ新しい情報を足されたって……けっきょく、こうして話した以上のあなたのことはわからない》
《正解か……私は……》
《……できることだけをして生きてきた。
さっきも言ったようにね……。
私はもうずっと、機能することだけを考えていたんだ、レプリカ。
それはどちらかと言えば、人間のそれよりも装置としての生き方に近かった。
ようするにそれは、迷わないで生きてきたってことなんだ。
悩むことも迷うことも――それは人間らしさの特権だったのにね。
私はけっきょく、きみみたいな複雑さを持てないまま、年ばかり食っちまった》
《私はすごく単純なんだ。
だから、言えることだってこんなことばかりになってしまう。
それが思いやりや、友情のように見えることもあるかも知れない。
だけどそれはけっきょく、きみが私のなかに見てとってくれたからであって……》
《もう少し力になれたら良かった。
もっと手を貸せたら。
だけど私には、そのための能力と機能が欠けている。
できるのはせいぜい、次の戦場できみの横を飛び跳ねるくらいだ》
出撃前――あるいは戦闘開始の少し前。
《ハロー、レプリカ!
こうして並んで戦場に立てるのはけっきょく一度きりになってしまったが……よろしく》
《それで相談なんだが、……いや私も、フィネデルシェロのことはよくわかってないからね、かなり無責任な提案になっちまうんだが。
もしこのシステムで起こせる時空震が、禁忌戦争のときと同じようなものだったら、ちょっと面白いことができるんじゃないかと思ってね。
今回《タラント》は重量マイナス、つまり次元潜航するように組んである。
で、だ……フィネデルシェロがごく小規模な時空震を起こすものであり、行先の選択はライダーの意思次第だった場合、》
《ああいや、込み入った話をしてる余裕はないな、悪かった。
うんと手短にいこう!
重量がマイナスってことは、もう機体としては「あってないようなもん」だろう?
つまり、そこにはウォーハイドラ一機分の「空き」があるってことさ。
その分……私の《タラント》が「あってないようなもん」になった結果生まれるかも知れない、余剰の時空震……もし何かに使えそうだったら使っておくれ》
《なんか……そういうことじゃないかも知れないし、そうはうまくいかないかも知れない。
だいたい、まあイチかバチかだしね。
気が進まないなら無視してくれ。
だけどもし――それできみが「帰りの切符」か、それに近いものを手に入れられるなら。
ちょっとばかしお得なんじゃないかと思ってね》
《レプリカ》
《……私こそ、きみみたいな娘がいたら良かったんだけどなあ》
《ハイドラとばかり遊んでここまで来てしまったよ》
《良い戦場を。
……》
メッセージを送信しました
>>Eno.116 >>Eno.117 >>Eno.116 >>Eno.117
あなたから通信の返事が来たことに、機械の男はひどく驚いたようだった。
ファロ 「レプリカさん!? レプリカさんですか!? ああよかった、ご無事だったんですね? ずっと心配しておりましたよ、巨人もあんなことになってしまって……」 |
ファロ 「……でも、お顔を見て安心いたしました。本当によかった」 |
ファロ 「はは、あなたは本当に優しくて律儀な方だ。私は……そんなつもりはなかったんですが、結果として泣き落とすような真似をしてしまったし、あなたの『望み』に水を差してしまった。それなのににこうしてお返事をくださるのだから」 |
ファロ 「……そんなあなたに『私を恨んでくれていい』なんて言うのは、うん、我ながらどうしようもないことをしてしまっていたなと反省しております。申し訳ありません」 |
ファロ 「でも、あなたに死んでほしくないと、生きていてほしいと思ったのは本当です。これが私のエゴだということは分かっています。しかし『終わって』しまったら全てはそこまでで、その先には何もなくて、私はあなたがそうなるかもしれないということが、どうしても受け入れ難かった」 |
ファロ 「『望み』だなんて大層な言葉を使いましたが、単に私は、自分が大事だと思う人たちと繋がっていたいんでしょうね。私は、バーントイエローはライダーと接続することで完成するハイドラです。だから私はこの姿でも、親しみを覚えた相手に何らかの形での『接続』を求めてしまう。……あなたに死んでほしくないと思うのも、きっとその延長です。あなたは大事な友人で、ある面で私の同胞でもあるのだから」 |
ファロ 「そういえば、ヨッシャさんと僚機を組まれたんですね。いいご判断だと思います。今のこの不安定な状況で一人きりでいるのは得策ではないでしょうし、それに……あの方は、我々のような存在にも寛容に接してくださる。そこらのよく分からない相手と組むよりはずっと安全でしょう」 |
ファロ 「……ヨッシャさんも、艦長もレグルスさんもリベルタも、私も、見ていたのは『あなた』でしたよ。過去に存在した、あなたの元になった人物ではなく『今ここにいるあなた』と出会ったんです。あなたがお父様に認められたいと思っている、そのことは分かっています。けれど私達が呼びかけたのは他でもない『あなた』だということも、ほんの少しだけでいい。知っておいてほしかった」 |
ファロ 「先日お知らせした私の緊急回線ならいつでも開けております。いや、巨人の崩壊に巻き込まれるようだったら無理矢理にでも亜空間に飛び込む感じだったんですが、それはどうにか回避できましたので、最後の戦いぐらいまではこちらに残れそうな様子です。私はギリギリまでお待ちしております。もしお気持ちが変わったら、どうかご連絡を」 |
ファロ 「そしてもしも、こちらにいらして下さったその際は、私のことは『モンテズマ』とお呼びください。あなたにはまだお話ししていなかった、艦隊に所属する一軍人としての私の名前です」 |
ファロ 「ただのライダーの『ファロ』としてお話しするのはとても楽しかったですよ、レプリカさん。『バーントイエロー』という機体としての私を受け入れてくださったことも感謝します。……そして願わくば、『モンテズマ』としての私もあなたにお目にかけたい。ご連絡を、お待ちしています」 |
ENo.116からのメッセージ>>
最終決戦の、その直前。
ノイズの向こう、Eno.116からの通信が入る。落ち着いた、しかし隠しようのない喜びの声がした。
ファロ 「こちら『モンテズマ』。……ご連絡いただき感謝します、レプリカさん。委細承知いたしました。戦闘中の合流は、難しいでしょうね。センチネルがそんな余裕を残してくれているとは思えない」 |
ファロ 「ですからこちらも随時、あなたの位置をトレースしておきます。戦闘終了後、合流座標と最短ルートをお送りします。最後の戦いです、どうかお気をつけて!」 |
ファロ 「あっ! レプリカさーん! お時間バッチリです、来てくださるって信じておりましたよ!」 |
しかしそのあとに続くあなたの言葉に、男は浮かれた笑みを消した。唇を引き結び、神妙な表情になってあなたを見る。
ファロ 「愛する人に『ここにいる自分』を認めてもらいたいという思いは、意志ある者なら誰でも持つ望みです。だからこそ、あなたが今も悩むのも無理のないこと。そうさせてしまったのは私です。あなたのせいではありません。……それでも、あなたは私を恨まないと言ってくださるんですね」 |
ファロ 「……本当にありがとうございます、レプリカさん。私の手を取ってくださったこと、私達を信じてくださったこと、その全てに今一度、心からの感謝を」 |
ファロ 「……おっと! そうでした、まずはそちらの機体にアクセプトシステムをインストールしていただかなくては! 操縦棺の気密性と耐久性のチェックも必要ですが、それはインストールや我々の機体の修理と並行して行うとして……ちょっと時間もかかると思いますから、もしヨッシャさんや、お知り合いの方にご挨拶をされるのであれば、その間にでも……」 |
ファロ 「……レプリカさん。その答えは、今は保留しておきたい。私はあなたとの関係をここで固定したいとは思わないのです。ここまであなたの人生に深入りしておいて、今更単なる『友人』だの『同僚』だの言うのはいささか薄情に過ぎると思いますし……何より、あなたとの関係性をうまく表す言葉を、私自身がまだ見出せないでいる」 |
ファロ 「少し話はズレますが、私の正体は艦隊でも伏せられています。私が『バーントイエロー』であると知っているのはここにいる三人以外ではほんの一部だけで、戸籍上では私はアンドロイドとして登録されています。それは多種多様な種族が交流するあちらの世界であっても『自律意志を持つ兵器をどう扱うか』という問いに対する答えが未だ出ていないからです。私は、やろうとすれば自分の意志で大勢の人を殺めることができる。それに恐怖する人は多いでしょうから」 |
ファロ 「……白状しますとね、あなたに正体がバレたと知った時、本当に怖かった。おしゃべりの相手が兵器だったと知ったあなたがどんな反応をするのかと……でも、あなたはそれを受け入れてくださった。私の生い立ちも、今の私の有りようも。それどころかあなたはご自身の『望み』までも私に明かしてくれた。それらを話すことは、きっとあなたにとっても辛いことだったでしょうに」 |
ファロ 「そんなあなたが絶望のうちに終わってしまうなんて、私には間違っているとしか思えなかった。あなたがなかったことになるなんて嫌だった。独りきりで死んでほしくないと思った。……そんなふうに思える相手をどう言い表せばいいのか、私にはまだ適切な言葉が見つからない。ですから、ごめんなさい。もう暫く時間をください」 |
ファロ 「向こうでの生活はこことは随分様変わりすると思います。何しろ宇宙船に住み込みですし、残念ながら外敵との戦闘行為もある。けれど、あなたがあちらでの生活に1日でも早く馴染めるよう私は尽力するつもりです。……私はあなたに重大な決断を強いてしまった。それがどれほど大変なことだったのかを推し量ることは私には叶わない。それならばせめて、少しでもあなたが生きやすいように……」 |
ファロ 「私達の世界でも、あなたの心の穴を埋めるものは見つからないかもしれない。あなたのお父様やご家族の代わりはいないのだから。……けれど、その欠落に寄り添える何かはあると思いますし、私も私なりに、あなたの孤独を少しでも和らげるお手伝いをしたい。我々が最終的にどんな関係に落ち着くのであっても……あなたが独りきりで放り出されてしまうことがないよう、力を尽くします」 |
ファロ 「……まあ、私は機械でも生命でもない半端者ですから、その方法はちょっと風変わりなことになってしまうかもしれませんけども!」 |
ファロ 「幸いといいますか、私も寿命があるんだかないんだか分からない身でしてね。あなたとは長い付き合いになるのではないかと予測しています。……そして、私にはそれがとても嬉しい」 |
ファロ 「改めて、これからもよろしくお願いしますね、レプリカさん!」 |
あなたからの指摘に、機械の男は明らかに動揺した。オロオロと慌てた様子を見せる。
ファロ 「……え? いや、レプリカさん、私は、そんなつもりじゃ……」 |
ファロ 「……すみません、おっしゃる通りです。たとえお誘いしたのが私だったとしても、あなたの選択はあなたのものだ。それを軽んじるようなことを言ってしまって、ごめんなさい」 |
ファロ 「でも、私はあなたをお誘いしたことを後悔していませんし、間違っていたとも思いません。もしも私の行動が献身に見えるのだとしたら、それは罪悪感ではなく純粋な好意によるものです。それだけは、覚えておいて頂けると嬉しいです」 |
ファロ 「だって、向こうにはあなたにお見せしたいものがいっぱいあるんですもん! 1日でも早く慣れていただいた方が、よりたくさん楽しめるってものですし……そうそう、『黒金乱眼』もね! もしかしたら五年前の記録で画像か映像はご覧になっているかもしれませんが、直接見ると本当に綺麗な機体ですよ。今頃整備が終わって、もっとピカピカになっているはずですね。それを見たレグルスさんがどんな反応をするかも、多分ちょっとした見ものですよ」 |
ファロ 「海なら我々の母星にありますし、海洋リゾートを売りにしている小惑星やコロニーもあります。あ、食堂のメニューはリクエストができるんですよ。茶碗蒸しも、そのうちリクエストしてみましょう。コロニーに寄った時に食べに行くのもいいですね!」 |
ファロ 「……しばらくはどうしても、バタバタしてしまうと思いますが……落ち着いたら、皆でどこかに遊びに行きましょうね」 |
それから、機械の男は今一度表情を消す。神妙にあなたの言葉を聞き、画面越しにもはやどこにも傷跡の見えないあなたの白い手を見る。
そして。
ファロ 「……っ!」 |
ファロ 「……はは、これは、叶わないな。あなたはもしご自分が兵器でなかったとしても、私を拒絶しないと言ってくださる。私を泣かせるようなことはしたくないとまで……」 |
ファロ 「ええ、きっと何かしらの『答え』を私は見つけるでしょう。私達なりの、『ひとではないもの』としての言葉で。……今から、それがとても楽しみです」 |
ファロ 「そうですね、これからは『モンテズマ』としてのお付き合いとなりますが……でも、たまには『ファロ』って呼んでくださってもいいですよ。ここで出会った我々だけの、秘密の名前といたしましょう」 |
ENo.116からのメッセージ>>
リベルタ 「……レプリカ! ああ、おれは大丈夫だ。あなたも無事でよかったよ」 |
そうして、あなたの言葉に紫のカメラアイを不思議そうに瞬く。
リベルタ 「ん? 迷惑なんてことはないぞ、レプリカ。……状況はおれも聞いているけれど、何も知らない場所に飛び込むのはとても勇気がいることだ。あなたにとっては別世界で、おまけに宇宙の真っ只中なんだからな。それなのにあなたはおれ達と一緒に来ることを選んでくれた。そのことにまずは感謝したい。ありがとう」 |
リベルタ 「そうそう、まさかサルガッソがあんなことになってしまうなんてなあ。すぐに『茶碗蒸し』は難しいかもしれないが、何かしらの集まりは開けると思う。多分、お互い精密検査漬けで大変だろうけれど、その後にはちょっとだけ休みがもらえるだろうから、その時に皆で何か食べに行こう。企画しておくよ」 |
リベルタ 「……いいや、そのことについては気にしないでくれ。おれもファロからあなたの成り立ちについて聞いてしまっているからな、おあいこさ」 |
リベルタ 「おれも一度死んでから、改造されて今のおれになったんだ。だからファロもおれ達のことをあなたに話そうと思ったんだろう。それを『必要だ』と判断したことについて、あいつを責めるつもりはないよ。安心してくれ」 |
リベルタ 「そうだな……辛くなかったと言えば嘘になるけれど、あの過去があったからこそ今のおれがいる。だから、うん。あまり気持ちのいい話じゃないんだが、向こうに戻ってから、ゆっくり話そう」 |
リベルタ 「……あ、その、レグルスとの出会いについては、ちょっと我を失ってしまうかもしれないが、その時は大目に見てやってくれると嬉しい。……どうにも感情過多なんだ、おれは」 |
それから気を取り直すように頭を掻いて、青年は再びあなたの方を見た。
リベルタ 「ああ、入隊後のことは心配しないでくれ。おれ達も全力でバックアップするし、艦長だってあなたの味方だ。それにおれだって、入隊してまだ五年かそこらだしな、あまり先輩面はできない。……誰だって最初は不慣れなんだ。だからって、おれ達はあなたを見捨てたりなんかしない。大丈夫だよ」 |
リオ 「……っと、その名前は……そうか、あなたは五年前の記録を見ていたんだったな。それじゃあ、これからはそちらで名乗らせてもらおう」 |
リオ 「リオ・B・ミナスジェライスだ。至らないところの多い先輩で恐縮だけれど……こちらこそよろしく頼むよ、レプリカ」 |
* * * *
振り返った金髪の男は、少女の決断を仲間から聞いていたのか、それほど驚いてはいないようだった。ただ目を細めて、ほんの一瞬穏やかに目の前の少女を見てから、にやりと片口を引き上げて笑った。
レグルス 「よう。まあ、久しぶりってほどの事はねえな。……ああ、聞いてるぜ。調子はどうだ?」 |
レグルス 「っはは。俺が教えてやれるような事は少ないだろうが、まあ、出来るだけの事はするさ。といっても、お前なら案外、万年上等兵の俺をさっさと飛び越しそうだけどなァ?」 |
黒金乱眼の名を出されると、少し驚いたように目を見張って。それから、にいっと大きく笑い、
レグルス 「ああ、勿論だ。完璧に整備されてるはずだから、いつもに増して見応えがあると請け合う。最高に強くて、最高に綺麗なんだぜ、黒金乱眼は。会って驚くなよ、」 |
* * * *
* * * *
目の前に立ち、後悔——羞恥からか、言葉を選ぶように口籠る小柄な少女を、穏やかに見おろす。
ワジオン 「そうですねえ。私でしたら『えへ』、と笑ってどうにかすると思いますよ。」 |
しかし、軽口のような言葉とは裏腹に、黒い瞳は柔らかく細められていて……
ワジオン 「照れているあなたは愛らしいが……あなたがこうして『決めて』くれた事を嬉しく思いこそすれ、何か気にしたりなど、致しませんよ。」 |
ワジオン 「『ナハティガル』と『フェアレーター』……。承知しました。受け取っておきましょう。……『ナイチンゲール』を破壊する手段を知らなければ、それはすなわち『ナイチンゲール』を治療する手段も分からないままになる可能性が高い。ウイルスと抗ウイルス薬は、揃ってこその情報だ。」 |
ひとつ荷を下ろした様子の彼女を言葉に聞き入る。——それは、彼女という存在が生まれてずっと抱えていた、悩み続けていた諸々の欠片たち。多の希求によって求められ望まれ生まれ導かれた存在に負わされた夢と孤独と絶望。
ワジオン 「『大きな望み』も『誰かから引き継いだ望み』も、素晴らしいものです。けれど私は、あなたのいう『小さな望み』が大好きなんですよ。小さくて、時には気づかないほど小さくて、けれど、何より美しいもの見せてくれる。……それに、私はいつも、それに生かされてきた。」 |
ワジオン 「茶碗蒸しを食べましょうね。黒金乱眼にもきっと会える。雪華雪香の姿を見る事もできる。海は、私の休暇が取れるよう、裏工作に手を貸していただかないと」 |
ワジオン 「なんどでも言いましょう。あなたは強い。そして、しなやかだ。」 |
ワジオン 「名前……。」 |
ワジオン 「あ、ああ。いえ、我々はここでの活動中、この名前を使っていたというだけで、《残像領域》の痕跡を絶対に変えなければならないというルールは特にはありませんが……。」 |
ワジオン 「……非常に、重要な役目を任されてしまったな。己の力不足の感は否めませんが、……それでも、あなたが望んでくれるのなら。」 |
ワジオン 「それでは、祝福を込めて。『ルシア・アヴィアラエ』。誕生を祝します、新たな鳥の翼よ。その瞳と、その翼で、あなたが沢山のものを見つけ、見つめ、飛んで行けるように。」 |
ワジオン 「私は、ユージン。ユージン・ルスキニア。艦長である時間は多いけれど、ユージンである時間が全て消えるわけではない。ええ、そうですとも。『ルシア』と『ユージン』は、必ず、海を見に行きます。そしてあなたは初めて見る海で、また新たになにかを見つけるでしょう。それを私に教えてくださいね。」 |
ワジオン 「こちらこそ、どうぞよろしく、ルシア。」 |
* * * *
ENo.302からのメッセージ>>
《大丈夫も何も、ほんとのことだからね。
やあ、そんなに喜ばれると、ちょっと照れるけど……》
《だけど、そういうことなんだよ。
私は、私が知ってるあなたしか知らないんだ。
そこにどれだけ新しい情報を足されたって……けっきょく、こうして話した以上のあなたのことはわからない》
《正解か……私は……》
《……できることだけをして生きてきた。
さっきも言ったようにね……。
私はもうずっと、機能することだけを考えていたんだ、レプリカ。
それはどちらかと言えば、人間のそれよりも装置としての生き方に近かった。
ようするにそれは、迷わないで生きてきたってことなんだ。
悩むことも迷うことも――それは人間らしさの特権だったのにね。
私はけっきょく、きみみたいな複雑さを持てないまま、年ばかり食っちまった》
《私はすごく単純なんだ。
だから、言えることだってこんなことばかりになってしまう。
それが思いやりや、友情のように見えることもあるかも知れない。
だけどそれはけっきょく、きみが私のなかに見てとってくれたからであって……》
《もう少し力になれたら良かった。
もっと手を貸せたら。
だけど私には、そのための能力と機能が欠けている。
できるのはせいぜい、次の戦場できみの横を飛び跳ねるくらいだ》
出撃前――あるいは戦闘開始の少し前。
《ハロー、レプリカ!
こうして並んで戦場に立てるのはけっきょく一度きりになってしまったが……よろしく》
《それで相談なんだが、……いや私も、フィネデルシェロのことはよくわかってないからね、かなり無責任な提案になっちまうんだが。
もしこのシステムで起こせる時空震が、禁忌戦争のときと同じようなものだったら、ちょっと面白いことができるんじゃないかと思ってね。
今回《タラント》は重量マイナス、つまり次元潜航するように組んである。
で、だ……フィネデルシェロがごく小規模な時空震を起こすものであり、行先の選択はライダーの意思次第だった場合、》
《ああいや、込み入った話をしてる余裕はないな、悪かった。
うんと手短にいこう!
重量がマイナスってことは、もう機体としては「あってないようなもん」だろう?
つまり、そこにはウォーハイドラ一機分の「空き」があるってことさ。
その分……私の《タラント》が「あってないようなもん」になった結果生まれるかも知れない、余剰の時空震……もし何かに使えそうだったら使っておくれ》
《なんか……そういうことじゃないかも知れないし、そうはうまくいかないかも知れない。
だいたい、まあイチかバチかだしね。
気が進まないなら無視してくれ。
だけどもし――それできみが「帰りの切符」か、それに近いものを手に入れられるなら。
ちょっとばかしお得なんじゃないかと思ってね》
《レプリカ》
《……私こそ、きみみたいな娘がいたら良かったんだけどなあ》
《ハイドラとばかり遊んでここまで来てしまったよ》
《良い戦場を。
……》
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◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 2000
追加収入 75
攻撃戦果補正2.55%
支援戦果補正15%(MAX)
防衛戦果補正15%(MAX)
販売数補正 1.6%
サブクエスト18.32%
敵警戒値補正0.674%
追い上げ補正3.1%
合計現金収入3511
--弾薬費請求 0
--整備控除修正額540
整備請求額 0
ユニオン費 -100
手当金 100
パーツ販売数 16個
今回の購入者-->>46 >>46 >>46 >>53 >>53 >>53 >>84 >>116 >>116 >>120 >>120 >>120 >>258 >>268 >>450 >>455
◆反応値が10成長しました
◆制御値が8成長しました
◆整備値が6成長しました
◆適性値が2成長しました
◆経験値が105増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
追加収入 75
攻撃戦果補正2.55%
支援戦果補正15%(MAX)
防衛戦果補正15%(MAX)
販売数補正 1.6%
サブクエスト18.32%
敵警戒値補正0.674%
追い上げ補正3.1%
合計現金収入3511
--弾薬費請求 0
--整備控除修正額540
整備請求額 0
ユニオン費 -100
手当金 100
パーツ販売数 16個
今回の購入者-->>46 >>46 >>46 >>53 >>53 >>53 >>84 >>116 >>116 >>120 >>120 >>120 >>258 >>268 >>450 >>455
◆反応値が10成長しました
◆制御値が8成長しました
◆整備値が6成長しました
◆適性値が2成長しました
◆経験値が105増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
レプリカ=ナイチンゲールはパルスジェット39を入手した!
レプリカ=ナイチンゲールは冷却パイプ39を入手した!
キャラデータ
名前
Nightingale
愛称
レプリカ=ナイチンゲール
機体名
WH『Nightingale』
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プロフィール
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
過去を望むものは少なくない。 この少女もその一人だ。 彼女が求めるのは亡き《父》に届ける弔歌。 《模倣》ではない《本物》の記憶。 ---- 《レプリカ》 長い赤毛に灰色の目を持つ少女。 よく通る澄んだ声で戦況を告げる。 ---- 《Nightingale》 ウィルス/索敵機体。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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|
1 | ウィルスA | ウィルスA設計書 [20/変形/---] 特殊B[80] [設計書] |
▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | ウィルスB | ウィルスB設計書 [23/AP回復/---] 特殊B[140] [設計書] |
▼詳細 |
3 | レーダーB | レーダーB設計書 [29/索敵/---] 特殊B[260] [設計書] |
▼詳細 |
4 | レーダーC | レーダーC設計書 [30/AP回復/---] 特殊B[280] [設計書] |
▼詳細 |
5 | 軽車輪A | 軽車輪A設計書 [31/精度/---] 特殊B[300] [設計書] |
▼詳細 |
6 | 重ブースターA | 重ブースターA設計書 [33/耐火/---] 特殊B[340] [設計書] |
▼詳細 |
7 | 中車輪A | 時渡り・黎 [37/重保証/AP回復] 機動[736] AP[1557] 旋回速度[11] 防御属性[電子] 防御値[489] 貯水量[239] 弾数[1] 積載量[2400] 消費EN[48] 金額[1187] 重量[974] [車輪] *作者* |
▼詳細 |
8 | 操縦棺A | Our_Graves [37/---/---] | ▼詳細 |
9 | 焼夷機関砲A | Inferno [37/重変形/重変形] 火力[55] 発射数[50] 防御属性[物理] 防御値[219] 精度[14] 貯水量[59] 弾数[200] 武器属性[漏出] 異常追加[5] 消費EN[1] 金額[1187] 弾薬費[6] 重量[298] [火炎射撃] *作者* |
▼詳細 |
10 | プラズマ砲A | 試製卵プラズマ砲A-0 [37/卵/旋回] 火力[4786] 発射数[1] 旋回速度[74] 防御属性[粒子] 防御値[553] 精度[168] 貯水量[338] 弾数[3] 武器属性[衝撃] 異常追加[5] 消費EN[1847] 金額[461] 重量[1300] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
11 | 重ブースターA | 多筒型推進ユニット『タランテラ』 [32/保証/保証]《装備:4》 | ▼詳細 |
12 | 重ブースターA | 多筒型推進ユニット『タランテラ』 [32/保証/保証]《装備:5》 | ▼詳細 |
13 | プラズマ砲A | 試製卵プラズマ砲A-0 [37/卵/旋回] 火力[4786] 発射数[1] 旋回速度[74] 防御属性[粒子] 防御値[553] 精度[168] 貯水量[338] 弾数[3] 武器属性[衝撃] 異常追加[5] 消費EN[1847] 金額[461] 重量[1300] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
14 | エンジンB | カワイイエンジンⅩⅣ [37/AP回復/AP回復] | ▼詳細 |
15 | プラズマ砲A | 試製装甲プラズマ砲A-0 [37/装甲/耐物] 火力[4797] 発射数[1] AP[185] 防御属性[物理] 防御値[612] 精度[169] 貯水量[339] 弾数[3] 武器属性[衝撃] 異常追加[5] 消費EN[1847] 金額[461] 重量[1300] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
16 | プラズマ砲A | 試製卵プラズマ砲A-0 [37/卵/旋回] 火力[4786] 発射数[1] 旋回速度[74] 防御属性[粒子] 防御値[553] 精度[168] 貯水量[338] 弾数[3] 武器属性[衝撃] 異常追加[5] 消費EN[1847] 金額[461] 重量[1300] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
17 | 素材 | パルスジェット39 [39/重跳躍/---] 特殊B[460] [素材] |
▼詳細 |
18 | 操縦棺D | 卵殻型補助ユニット『パルティータ』 [31/AP回復/出力]《装備:1》 | ▼詳細 |
19 | レーダーC | 光翼型共鳴ユニット『オラトリオ』 [29/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
20 | ウィルスB | 侵襲型修復ユニット『ナイチンゲール=D』 [38/AP回復/AP回復]《装備:3》 培養[11] 特殊B[658] 旋回速度[725] 防御属性[霊障] 防御値[123] 貯水量[120] 噴霧量[11] 武器属性[ウィルス付与] 消費EN[742] 金額[1202] 重量[500] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
21 | 軽車輪A | 耐久型銀輪ユニット『ベルガマスカF』 [35/重保証/重保証]《装備:2》 | ▼詳細 |
22 | 操縦棺A | 人工霊制御装置『揺籃期の終わり』 [37/旋回/重装甲] | ▼詳細 |
23 | 領域瞬間霊送箱A | 試製薄装減霧領域瞬間霊送箱A-0 [37/薄装減霧/高握力] | ▼詳細 |
24 | 素材 | 冷却パイプ39 [39/薄装貯水/---] 特殊B[460] [素材] |
▼詳細 |
25 | レーダーB | 封霊型予見ユニット『マドリガーレF』 [37/耐霊/薄装甲]《装備:8》 | ▼詳細 |
26 | レーダーB | 封霊型予見ユニット『マドリガーレF』 [37/耐霊/薄装甲]《装備:9》 | ▼詳細 |
27 | レーダーB | 封霊型予見ユニット『マドリガーレF』 [37/耐霊/薄装甲]《装備:10》 | ▼詳細 |
28 | レーダーB | 封霊型予見ユニット『マドリガーレF』 [37/耐霊/薄装甲]《装備:11》 | ▼詳細 |
29 | レーダーB | 薄装型探査ユニット『セレナータF』 [36/薄装甲/薄装甲]《装備:6》 | ▼詳細 |
30 | レーダーB | 薄装型探査ユニット『セレナータF』 [36/薄装甲/薄装甲]《装備:7》 | ▼詳細 |