ENo.0071　アキラ・ハリアエトゥス

セクション7へのルートが確立され、まもなく侵攻が始まる。
外は水浸しになり、人々はタワーに逃げ込んでるというが多分、俺にはさほど関係がない。

……前まで使っていたガレージがもうとうに水の底なんだろうと思うと少し、寂しくはなるが。



それよりも今やっているのは、長距離かつ高空での飛行能力を追求した飛行ユニットの調整だ。
この戦いはきっと、またハイドラの勝利で終わる。
だから俺はその後の悪巧みについて考え始めることにした。


どこまでも続く、青い、青い空。俺はそこに行きたくて禁忌戦争の終わりにそのための飛行ユニットを作っておいた。……それはもう水底だろうが。
とにかく、にもかかわらず俺は時空震で5年すっ飛ばされ、こうやって今遺跡のなかでドンパチやっている。
いい加減にあの空に手が届いたって、いいだろう？




外は水浸しになり、人々はタワーに逃げ込んでるという。

────だが、空はある。

どこまでも高く、どこまでも青く、誰のものでもない空はある。
だから俺は“パンディオン”を空戦型にした。

気性もあれば残像領域に流れ着く前の場所での経験もあるだろうが、俺はとにかく飛んでいたかったんだ。
海原を行く船もいいが、俺は束縛するもののない空へと上がりたい。

“パンディオン”の整備はできている。あとは最後の飛行ユニットを仕上げて、微調整をする。
できればあの100連ミサイルも積んで無敵の飛行マシンになりたかったんだが…………やっぱり手に入らなかった。

首尾よく行けば決戦の後速やかに俺は空へ出る。缶詰も操縦棺にたんまりと積み込んだし、一週間は補給無しで行けるはずだ。
さあ、仕上げにかかるとしよう。

廃棄された様々なものが集まり、
それを目当てに人々が集まり、
集まるために様々な建物が増えていった地区。
ハイドラパーツの素材になりそうな質の資材も転がっているようだ。







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