ENo.0569　ミカ・ミレーミ

[ミカのメモ]
・音速を超える

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「……」

晴れた夜空を見上げる。
かつてでは絶対に見えなかった、冬の星空。

目の前には鋼鉄の墓。
カンペイ・ミレーミ。 かつて蜜柑の名を通していた、彼女の父親の墓。

(結局ウナギなんとかには行ってねえな。 今度行って顔だけ出しとくか。
名前忘れた……乳首浮いてた女の知り合いっつえば通して貰えるだろ)

(一息ついたら殴り合いも減るだろうし、財布も厳しくなんだろうな。
遊んでても殴ってりゃ金が余る生活も終わりか……あーあ)

溜息が街灯の光を浴びて、白く照らされる。

｢……｣

(ま、リルもいるし……きっと大丈夫さな、多分。
時代が変わっても、所詮私のやるコトは変わんねーか)

(じゃあな親父。
アンタの痕跡ゃ戦場にいるだろうが、魂ぐらいは休ンどくんさね。
少なくとも、このガレージはアンタの第二の実家だろ？)


(バーに顔出して、リルに顔出して、それから……
……そういや、ピザ食い放題のチラシが来てたな。どうしたもんか――)

思考を他所に北風を受ける。
身震いののち、少女らしいくしゃみを一つ。


(……コートとジャージぐらいは買っとくか)


そんなことを考えつつ、財布を片手にハイドラへと乗り込むのであった。

残像領域のある場所。
ある都市のうちのひとつ、霧都市。

都市のはずれ、その中にひとつ、霧の中でぼんやりと明かりが灯っている建物が見える。

霧と混じる工房の煙。
ここは、ダガー工房。
ハイドラのためのダガーを造るための人々が集う場所。
硬質ダガーに魅せられた人々が集う場所。

今日もダガーの職人、技術者、お客、全然関係ない人。
いろいろな人物がいろいろな目的で集まっている。

その様子を工房の片隅で、
無口なバーテンが笑顔で見ている。


※説明
・ダガーユニオン
・【訓練】格闘*5　【購入】経験値+1
・雰囲気ユニオン
・片隅にショットバー