第10週目 定桐 右子の一週間
◆日記
今週は商品の仕入れも、陳列も全てを右子姉さんが行った。
僕はただ手持無沙汰なまま、ずっとその様子を見ているしかない。
最初はやや不安に思えたが、右子姉さんはしっかりとそれらを自分の手で行った。
時折、僕の考えていることと違う点も有ったが、よくよく見ればそれは失敗ではなく右子姉さんの意図があるのだと気付く。
少なくとも、右子姉さんの手際は僕がこの店を訪れた当初とは違っていたのだ。
「お疲れさま、全て自分一人の手で終わらせたね。」
僕は全ての業務を終えた右子姉さんにコーラの缶を差し出した。
それを嬉しそうな表情で受け取った右子姉さんが言う。
「有り難う。
私ね、シルバーンさん…ほら野菜のコンビニ店の店長さんに言われたの。
"仕事を、一度で良いから真剣に、最初から終わりまでやってみること"ってね。
だから、本気でやってみたわ。」
そう言ってから慌てて普段も真面目にやってましたよと弁明する。
「ふぅん。で…どうだった?」
「どうだったって言われても、疲れたし、文緒みたいにパパッと出来ないし…でも。」
「でも?」
「少なくとも今日一日のことだけで答えは出せないわね。
そんな簡単に答えを出したら、シルバーンさんも呆れるでしょうし。」
右子姉さんはニッコリと笑った。
「じゃあ、右子姉さんはコンビニ店の店長を続けるんだ…。」
「うん。暫くきっちり働いて、答えを出してみる。」
「そっか、でもその為には金魚坂グループからボーナスを貰わないとね。
このコンビニ店の契約はもう切れるわけだし、せめて次の店を開けるくらいの資金が無いと。」
「あ…。」
絶句する右子姉さん。
どうやらこの店の経営のことだけを考えていて、金魚坂グループのことをしっかり失念していたらしい。
「え~と…確か、頑張った店長には特別ボーナスだったよね?」
「違うよ、"大きく売り上げを稼いだ方"。」
「えとえと、…確かランキング的には…うう、上には上が居るし…。」
「ま、取り敢えず最後の商売を頑張ろう。それしかないよ。」
………
……
…
「懐かしいね、この帽子。」
僕は箪笥の上に載っていた古ぼけた、しかし大切に手入れがされている帽子を手に取った。
父が探偵らしい帽子とせがまれて右子姉さんに贈ったあの帽子だ。
右子姉さんは、あの夕闇国のコンビニ戦争を終えて以来、この帽子を被らなくなった。
「叔父さん、もしかしたら…。
探偵らしい帽子を被ってる間は、私が本当の探偵になれないんだぞって言いたかったのかも。
その帽子は目立つし、探偵には不向きよね。」
「…どうだろう。
そこまで回りくどい意味を込めてるかは分からないな。」
そう言いながら、僕は帽子を元の場所に戻す。
「でも、そんな風に考えられるようになったから、この帽子を被らなくなった訳だ。」
右子姉さんは僕の問いに苦笑いを浮かべる。
「コンビニ店の店長だって外見は大切よ。
その帽子は…ちょっとコンビニ店長には不似合いね。」
「つまり、父さんのセンスが悪いって言ってるようなものだ。」
僕はその言葉に思わず吹き出してしまった。
「良いのよ、それでも尊敬する叔父さんから貰った大切なものだもの。」
「…で、その父さんに絶対不向きと言われながらも、結局は探偵に戻ってきたと。」
右子姉さんは夕闇国を出た後、1年コンビニの店長を続けた。
珍しいコーラを数多く販売するなど固定客を掴み、売り上げも悪くは無かったらしい。
しかし、結局は探偵への道へ戻ることにした様だ。
そして、今度は父の探偵事務所とは違った事務所で二年働き、最近になって自分の小さな探偵事務所を開いたのだ。
「叔父さんには反対されたし、コンビニ店の店長も悪くなかったけど…私の道は探偵なの。」
「父さんにはね、僕の方が叱られたよ。」
「?」
「いや、右子姉さんが事務所の所長で、僕がその下で働くことになるだろう?
尻に敷かれるなって。」
「あら、嫌なら叔父さんの探偵事務所に戻る?
それとも、個人事務所でも開く?」
「嫌な人だね。」
「冗談よ、でも今のは文緒が悪いのよ。」
「僕が何かした?」
「何時までも右子姉さんは止めてって言ったでしょ。」
「あー…そうか。
えっと、じゃあ定桐所長って呼べば良いかな。」
「……。」
「ごめん、右子。」
僕はむくれる右子に機嫌を直して貰おうと、コーラの缶を差し出すのだった。
僕はただ手持無沙汰なまま、ずっとその様子を見ているしかない。
最初はやや不安に思えたが、右子姉さんはしっかりとそれらを自分の手で行った。
時折、僕の考えていることと違う点も有ったが、よくよく見ればそれは失敗ではなく右子姉さんの意図があるのだと気付く。
少なくとも、右子姉さんの手際は僕がこの店を訪れた当初とは違っていたのだ。
「お疲れさま、全て自分一人の手で終わらせたね。」
僕は全ての業務を終えた右子姉さんにコーラの缶を差し出した。
それを嬉しそうな表情で受け取った右子姉さんが言う。
「有り難う。
私ね、シルバーンさん…ほら野菜のコンビニ店の店長さんに言われたの。
"仕事を、一度で良いから真剣に、最初から終わりまでやってみること"ってね。
だから、本気でやってみたわ。」
そう言ってから慌てて普段も真面目にやってましたよと弁明する。
「ふぅん。で…どうだった?」
「どうだったって言われても、疲れたし、文緒みたいにパパッと出来ないし…でも。」
「でも?」
「少なくとも今日一日のことだけで答えは出せないわね。
そんな簡単に答えを出したら、シルバーンさんも呆れるでしょうし。」
右子姉さんはニッコリと笑った。
「じゃあ、右子姉さんはコンビニ店の店長を続けるんだ…。」
「うん。暫くきっちり働いて、答えを出してみる。」
「そっか、でもその為には金魚坂グループからボーナスを貰わないとね。
このコンビニ店の契約はもう切れるわけだし、せめて次の店を開けるくらいの資金が無いと。」
「あ…。」
絶句する右子姉さん。
どうやらこの店の経営のことだけを考えていて、金魚坂グループのことをしっかり失念していたらしい。
「え~と…確か、頑張った店長には特別ボーナスだったよね?」
「違うよ、"大きく売り上げを稼いだ方"。」
「えとえと、…確かランキング的には…うう、上には上が居るし…。」
「ま、取り敢えず最後の商売を頑張ろう。それしかないよ。」
………
……
…
「懐かしいね、この帽子。」
僕は箪笥の上に載っていた古ぼけた、しかし大切に手入れがされている帽子を手に取った。
父が探偵らしい帽子とせがまれて右子姉さんに贈ったあの帽子だ。
右子姉さんは、あの夕闇国のコンビニ戦争を終えて以来、この帽子を被らなくなった。
「叔父さん、もしかしたら…。
探偵らしい帽子を被ってる間は、私が本当の探偵になれないんだぞって言いたかったのかも。
その帽子は目立つし、探偵には不向きよね。」
「…どうだろう。
そこまで回りくどい意味を込めてるかは分からないな。」
そう言いながら、僕は帽子を元の場所に戻す。
「でも、そんな風に考えられるようになったから、この帽子を被らなくなった訳だ。」
右子姉さんは僕の問いに苦笑いを浮かべる。
「コンビニ店の店長だって外見は大切よ。
その帽子は…ちょっとコンビニ店長には不似合いね。」
「つまり、父さんのセンスが悪いって言ってるようなものだ。」
僕はその言葉に思わず吹き出してしまった。
「良いのよ、それでも尊敬する叔父さんから貰った大切なものだもの。」
「…で、その父さんに絶対不向きと言われながらも、結局は探偵に戻ってきたと。」
右子姉さんは夕闇国を出た後、1年コンビニの店長を続けた。
珍しいコーラを数多く販売するなど固定客を掴み、売り上げも悪くは無かったらしい。
しかし、結局は探偵への道へ戻ることにした様だ。
そして、今度は父の探偵事務所とは違った事務所で二年働き、最近になって自分の小さな探偵事務所を開いたのだ。
「叔父さんには反対されたし、コンビニ店の店長も悪くなかったけど…私の道は探偵なの。」
「父さんにはね、僕の方が叱られたよ。」
「?」
「いや、右子姉さんが事務所の所長で、僕がその下で働くことになるだろう?
尻に敷かれるなって。」
「あら、嫌なら叔父さんの探偵事務所に戻る?
それとも、個人事務所でも開く?」
「嫌な人だね。」
「冗談よ、でも今のは文緒が悪いのよ。」
「僕が何かした?」
「何時までも右子姉さんは止めてって言ったでしょ。」
「あー…そうか。
えっと、じゃあ定桐所長って呼べば良いかな。」
「……。」
「ごめん、右子。」
僕はむくれる右子に機嫌を直して貰おうと、コーラの缶を差し出すのだった。
STORY
とうとう経営黒字化を果たした金魚坂グループ無制限フランチャイズ作戦は終わり、雇われ店長さんたちは自由の身となった
そのまま店を続けるもの、店舗を譲渡し経営から去る者…そう、自由に
雇われ店長さんたちには約束通り報酬が支払われた
ゆらぎの通貨は累積闇円と同額の、それぞれの世界の通貨へと姿を変える
それは30884アメリカドルかもしれないし、30884ラオスキープかもしれない
あるいは海外旅行のあと、使えないお金が眠るように……引き出しの奥に眠るかもしれない
そのお金で、あなたは何を買うのだろう
――お買い物、しませんか?――
◆訓練
笑顔の訓練をしました笑顔が38上昇した
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
魅力の訓練をしました魅力が11上昇した
魅力の訓練をしました経験値が足りない
気品の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
◆送金
◆破棄
お飾り店長は有給40を破棄した!
お飾り店長は幻惑のベルを破棄した!
お飾り店長ははえぬき48を破棄した!
お飾り店長は魅了マニュアル52を破棄した!
◆購入
お飾り店長は弱化の壺を1425闇円で購入した!
お飾り店長はもやしビールを712闇円で購入した!
お飾り店長はもやしビールを712闇円で購入した!
◆作製
メモ帳52とフライヤー52を素材にして夕闇国の金魚コーラを作製した!
◆コンビニタイプ決定
マルチ に決定!!
◆アセンブル
スロット1にトクホコーラ『デスアベンジャー』を装備した
スロット2に高級コーラ『°˖✧༼・ん・*༽✧˖°』を装備した
スロット3に激レア癒し人形『コーラちゃん』を装備した
スロット4に鸚鵡印の杏露酒を装備した
スロット5に弱化の壺を装備した
スロット6に近所のお姉さんCM放送を装備した
スロット7にもやしビールを装備した
スロット8に純米大吟醸を装備した
スロット9に純米大吟醸を装備した
スロット10にもやしビールを装備した
スロット11に夕闇国の金魚コーラを装備した
スロット12に叶わぬ夢物語を装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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メッセージ
ENo.80からのメッセージ>>
(コーラの開けられた器から距離を取る……)
『いえいえ、よゆうですよ。ぜんぜんよゆう。ただ、しょうしょう、しげきてきでしたね。まあ、あまみのつよさがありました。えねるぎーです。』
(あなたの誘いに、少々考え込むようなそぶりを見せる)
『シヤハは、あてのなきたびをしておりまして、うーむ。ながいことはおれませんが……もしよかったら、あたたかくなるまで、おせわになってもよいですか。』
『はたらきが、ひつようであれば、がんばりましょう。……そういえば、おなまえを、うかがっておりませんでしたね。』
そうして、しばらくこの犬は、あなたのコンビニの店員になった。
本犬の言うように役に立つかは、まあ、たぶんそのうちわかるだろう。
ENo.133からのメッセージ>>
セレーヌ「あの……その……、お店の商品…色々見せていただいたばかりですが……」
セレーヌ「やっと…おうちに帰れる資金が貯まりましたので……そろそろおうちに帰ろうと思います……」
セレーヌ「あの、慣れないながらも……優しくして頂いて…ありがとうございました」
セレーヌ「あ、そうだ…良かったら…これ、食べてください…」
セレーヌ「(そういうとセレーヌは手作りシュークリームを差し出した)」
セレーヌ「わたし…魔王ヘキサの…魔王城に住んでいるので…遊びに来てくださると嬉しいです…」
セレーヌ「あ、そうだ…それと…、お土産に、コーラ…持っていきますね…皆に、広めます…。」
セレーヌ「えと…それでは、名残惜しいですけれども…、お元気で…ありがとうございました」
メッセージを送信しました
>>Eno.43 >>Eno.116 >>Eno.140 >>Eno.132 >>Eno.133 >>Eno.76 >>Eno.80
(コーラの開けられた器から距離を取る……)
『いえいえ、よゆうですよ。ぜんぜんよゆう。ただ、しょうしょう、しげきてきでしたね。まあ、あまみのつよさがありました。えねるぎーです。』
(あなたの誘いに、少々考え込むようなそぶりを見せる)
『シヤハは、あてのなきたびをしておりまして、うーむ。ながいことはおれませんが……もしよかったら、あたたかくなるまで、おせわになってもよいですか。』
『はたらきが、ひつようであれば、がんばりましょう。……そういえば、おなまえを、うかがっておりませんでしたね。』
そうして、しばらくこの犬は、あなたのコンビニの店員になった。
本犬の言うように役に立つかは、まあ、たぶんそのうちわかるだろう。
ENo.133からのメッセージ>>
セレーヌ「あの……その……、お店の商品…色々見せていただいたばかりですが……」
セレーヌ「やっと…おうちに帰れる資金が貯まりましたので……そろそろおうちに帰ろうと思います……」
セレーヌ「あの、慣れないながらも……優しくして頂いて…ありがとうございました」
セレーヌ「あ、そうだ…良かったら…これ、食べてください…」
セレーヌ「(そういうとセレーヌは手作りシュークリームを差し出した)」
セレーヌ「わたし…魔王ヘキサの…魔王城に住んでいるので…遊びに来てくださると嬉しいです…」
セレーヌ「あ、そうだ…それと…、お土産に、コーラ…持っていきますね…皆に、広めます…。」
セレーヌ「えと…それでは、名残惜しいですけれども…、お元気で…ありがとうございました」
メッセージを送信しました
>>Eno.43 >>Eno.116 >>Eno.140 >>Eno.132 >>Eno.133 >>Eno.76 >>Eno.80
◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 4282
貢献収入 611
マルチ補正 5%
行動順報酬!! 18%
合計闇円収入6061
商品販売数 1個
◆経験値が56増加しました……
◆体力が25増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 611
マルチ補正 5%
行動順報酬!! 18%
合計闇円収入6061
商品販売数 1個
◆経験値が56増加しました……
◆体力が25増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
お飾り店長は新人マニュアル56を入手した!
お飾り店長は新人マニュアル56を入手した!
お飾り店長は鳥の羽56を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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定桐 右子(さだぎり みぎこ) コンビニ店長。 全く客が落ち着けない雰囲気を醸し出す、外装をピンク色に塗りたくった小さなコンビニを経営している。 元々は探偵として大都会に事務所を構える叔父の下で働き指導を受けていたが 叔父が現役から退く前に「探偵には超絶不向き、駄目です、駄目。」との認定を受ける。 自分には探偵として決定的に欠けている資質があるのだろう。 そんな思いを心の隅に抱えながらも日々をゴロゴロ暮らす彼女に、ある日叔父より突然の話が舞い込んだ。 「…取り敢えず、店の采配はオマエに任せるから。頑張って…叔父さん、割と罪悪感があるんだ。」 その数日後、右子は自分が店長となる(叔父が出資した)コンビニに足を踏み入れた。 叔父の頼みだから断れなかった訳ではない。 無職が怖かった訳でもない。 ただ、右子には果たしたい野望が有った為である。 年齢24歳。身長165cm前後。 不思議な形の帽子を被り、長い茶髪を後ろで纏めている。 コンビニ店長という職に誇りを持っておらず、仕事に対する責任感は非常に弱い。 一方で私的な欲求には熱心で『ありとあらゆる世界中のコーラを売ってやる!』という野望に燃えている。 推理小説好き。 夕闇国で好評の推理小説シリーズ「大怪盗と111人のワンちゃん」に夢中。 「灰色の脳細胞」ではなく「野性の勘」で犯人を当てる派である。 コーラが大好きで、コーラを飲んでると幸せ。 ペットボトルは嫌いで、缶は許せて、瓶を愛する。 意気揚々とコンビニ店を開店したは良いが、やはりと言うべきか当然の事と表するべきか。 あっという間に経営は大赤字モードに転がりこむ。 その状況を見かねた叔父は、右子のサポートの為、探偵志望であり自分の息子を社会修行と言う名目で送り込んだのであった。 その為、現在コンビニ店の経営権は完全に右子の手から離れてしまっている。 ◇右子 http://raitokai.xrea.jp/loe/img6/migi0.png | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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