ENo.0166　ステラ＝アレグレット

「調子はどう？」


恐る恐る、私は彼女に聞いた。


「絶好調！本当に手足が戻ってきたみたい！」


彼女の笑顔に、心の中でガッツポーズ。
ようやく、私は正解に辿り着いたらしい。


「いや～でも、なかなか感慨深いものがあるねえ。
　何度もベアのこと怒らせて、それで悩んだりした日もあったなあ……
　私自身も、途中で絶対やめたくなかったから、色々と誤魔化したりとかね、うん、あったなあ」

「本当に、何度殴ってやろうかと思ったかわかったもんじゃないわ」

「はは、でも、こうして最終的には全部丸く収まったわけだし、いいんじゃないかな？」

「能天気すぎる結果論ね。途中で破綻する道なんていくらでもあったじゃない」

「そうだね。でも、そうならなかったのは、やっぱり私達の努力の結果なんだよ。
　ハイドラ弄りみたいなものでさ、途中は何度でも失敗して、失敗の道筋を虱潰しみたいに潰していってさ
　少しずつ、少しずつ、正解への道を探していくんだ。
　私達がここまでこれたのは、やっぱりそういうさ、お互いに信じるものを諦めなかった結果なんじゃないかなって思うんだ」

「まったく……相変わらず頭の中がお花畑で困るわ。
　でも、まあ、そういう話も嫌いじゃないわ」

「そうだと思った」


ステラはまた、にかっと笑う。
相変わらず、良い笑顔をする。
私には真似できない、そういうところ、本当に嫌い。


「さて、でもまだまだのんびりはしていられない。
　私の問題は解決したけど、世界にはまだまだ問題が山積みなんだもん」

「なるほど、その問題にいちいち首を突っ込んでは解決していこうって話ね」

「そりゃそうだよ！
　なんたって私はハイドラ技師だからね！
　目の前の問題の山なんて見たら、もう突っ込まずにはいられないよね！」

「そうね。私もそういうのはわかるわ」

「だから、ベア、好き」

「私は貴女のことが嫌いだわ」


そう言って、ふたり笑う。
本当に久しぶりに、彼女と心が通った気がした。


「それじゃあ行こうか！次の冒険へ！
　ベアとなら、どんな問題にぶつかったって、なんとかなる気がするよ！」

「そうね、私も、そう思う」