ENo.0029　S.A.L.I.G.

『――――
今回の調査の目的？　簡単よ、あの現象を
うまいこと利用できたらアタシたちの
仕事の役に立つはずだから。
使い道なんていろいろと……いやん！？
ノイズで不意打ちなんて相変わらずね！』

『――――
野暮なこと言うからだろ。まず違えし。
いつ俺たちが巻き込まれるかわからない、
場合によっちゃ世界を危険にさらす現象だ。
余裕があるうちに対策したいんだよ。
見た感じダガーの女の子も、その彼氏を
拉致ったおっさんも原因じゃあねえのか？
一応どこの世界に飛んだか追跡頼むわ。』

危機は脱した、といったところか。
離脱準備に……あの小娘、何と言った？
引き出された力は群がる機体の内部から来ている。
来訪者、否、参列者から祝福を集めて成立する儀式。
結婚領域。成る程。……以上、調査を終了する。

『――――
ハラハラしましたねえ、久々に。
連絡が途切れるのは想定外だそうで、社長が
のたうち回っていました。ああ面白かった。
無事に帰還できて何よりですが、貴方は
楽しかったですか？　無視ですか。さて、
いい写真を撮れたか一緒に見てみましょう。
任務の成否を確認しなければ。』

雑魚の写真で満足なら幾らでも撮ろう。だがそ
んなものよりましな資料があるからくれてやる。
存分に解析しろ。語る価値もない企みを集団で
打ち砕いた戦闘兵器の同型機だ。今回の装置？
画素数が足りん、しかも補正とかいう機能は
全くもって役に立たない。疑うなら試してみろ、
鬱陶しいだけだ。他人で試す前に貴様が苦しめ！