第3回目 午前2時の二位王
プロフィール
名前
二位王
愛称
ニオ
経歴 【二位王】 結婚領域に迷い込んだ機械の天使。 かつては自信の体で霧蔓延る戦場を駆けていた。 現在は無力な少女の殻を纏い、協力者の下で領域を駆け巡る。 【K・K(ケーケー&ケイツー)】 かつて霧蔓延る戦場で武器商人をしていた人と機械のコンビ。運転手と売り子。 この世界に存在する武器を拾い集めてマーケットを開いている。 【シルバー】 K・Kと二位王の護衛役。今回のクライアントのK・Kたちに連れられてやってきた。 主に戦闘面での陽動や工作、単独での戦闘行動を担当する。 世界を越える力に耐える為、常にコートとマスクをかぶっている。 |
僚機プロフィール
名前
ニルス=ヴォルフトン
愛称
ニルス=ヴォルフトン
経歴 残像領域のハイドラライダー。 レーダーやブースター作製が本業。 既婚。 今回の騒動には、いくらか思うところもありつつ、小娘に協力する。 |
霊障見舞金として1000cの資金が送られました
「……そうして、結婚領域は消滅。みんなばらばらに飛ばされてしまったの」
男の子
「えーっ、そんなのありー!?」
女の子
「それから、どうなったの!?」
-----
「そうだねぇ、みんな幸せに暮らしましたとさ、じゃダメかな」
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「あの二人は、どこでどうしているかなぁ」
夜空には、いくつもの流星が流れています
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「きっと……きっと、冒険を続けているんだと思うよ」
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「いろんな人が、いろんな道に向かって、それぞれ、歩いていく」
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「たまたま、それが交わって……みんなが一緒になった。それが結婚領域」
-----
「ご祝儀……33000cのご祝儀、使いきれてるかなぁ、あのお兄さん」
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「みんなの進む道は違うけど、でも――」
窓の外に謎の通行人
「さしずめ、全身ご祝儀纏、といったところか」
窓の外に謎の通行人
「――きっと、みんな切り開いていくんだ。ハードラックなダガーでさ」
夜は巡り――そして、静かに過ぎ行く
誰が為でもなく、見守るように
◆日誌
ガクとマヒロとの話を済ませた後、パーツを調達してきたケイツーとシルバーと合流して拠点へと戻った。
最初に助けてくれた彼らのグレムリンは機動砲システムを採用した、ロボット兵器が跋扈する世界の中ではレトロなストライカータイプだ。
ケイツー曰く、ケーケーの趣味であり、愛機を模したものらしい。どれほどロボット兵器が蔓延ろうと、四駆の安定感と地に足の着いた走りは唯一無二で安心んだとか。
今やオートマでのロボット操作や無人兵器が当たり前の時代。それでもマニュアルを好むユーザは、それでも多いと聞く。彼も概ねその類の人間なのだろう。
「……貴様は手伝わんのか」
「通信端末を扱えても、通信端末の作り方なんざ普通は分からんだろ。餅は餅屋に任せとけ」
一時間で調整を終えると言い残して、K・K達はグレムリンを格納するガレージへと篭り始めた。その間はシルバーと二人きり。何をするわけでもなく、工廠の隣接した立地の悪い事務所のような手狭な事務室の中で留守番をしていた。
煙草という嗜好品を手に、ライターで着火して紫煙を昇らせる。そこでガスマスクを取った彼の顔は初めて見た。
フードを下ろして視えた銀の短髪はあまり手入れがされていないのか、ウルフカットに纏めつつも所々跳ねている。黄色寄り色暗くした肌に、悪人寄りのシャープな顔立ちで、狼を思わせる鋭い翠色の眼。ひん曲がった口元はへなへなと笑っているようにも小馬鹿にしているようにも見える。体付きはがっしりしている武人のような体躯なのに、遊び慣れした軽い印象を思い浮かべる。
以前の戦役でも似たような奴は何人も見たことがある。これは典型的な手合いの傭兵だ。
応接用のソファーで横になる自分と、その対面で煙草を吸いながら待機する彼。
いかがわしい事務所のような荒廃した光景だ。
「貴様はこの世界をどう思っている。この領域は意義のあるものか」
「さてな。俺ァその日暮らしの傭兵だぞ。金さえもらえればどこにでも飛ぶ荒くれ者。この世界の何たらとかを考えても仕方ねェだろうよ、お嬢さん」
「この世界は結婚を前提に成り立っている。婚姻とは人と人とが結ぶ儀式だろう。誰かが結ばれればクリアするこの世界は歪であると推察する。ラジオで聞こえて来たガクとヒロの傍にいた娘、あれらも渦中にある人物だろう。娘が婚姻が出来たなら、この世界には変革が訪れる」
彼の気怠げな言葉を無視して、勝手に言葉を並べ立てていく。ひとつ呼吸を置いてから、訊いてみたいことを告げた。人に対する疑問であり、己に宿った好奇心の結果だ。
「なぜ、彼女なのだろうな。先の街でみた婚姻を迫っている奴らが結ばれればよいのではないか。同性同士だろうと結婚したがっている者らで結ばれれば話が速いはずだ」
「嬢ちゃんはそういうの、非生産的で理解不能だって言う奴だと思ってたわ」
「常であるならそう零すし本意ではない。当機は一秒でも早く戻りたいだけだ。何事も効率の問題だ」
「人は効率だけで動かないってことよ、ロボ子ちゃんよ。俺だってブサイクの女に言い寄られてもやんわりと回れ右をしてもらう」
「よくは分からんが話の軸が違うのではないか」
「似たようなモンさ。街の男たちな、口では結婚してくれって言ってもああいう手合いはえり好みしてるぞ。自分の価値観とマッチングして、逸脱がなければアタックを仕掛ける。結婚に限ない話じゃあない。戦闘用のアンドロイドが人と同じように振る舞えって言われても厳しいものがある。負荷になることは疲れるだろ」
シルバーは紫煙を吐き出し、手近にある灰皿を手繰り寄せて灰を落とす。
「で、なぜ彼女か……だったか? そりゃあんだけ度胸あるオンナならスポットライトを当てても良いんじゃね、とか思ったんだろ」
「よく分からん」
「ああいう奴は退かないし逃げない。俺らみたいな半端モンや、気乗りしない嬢ちゃんより真摯に向き合っている。じれったいから代役になるなんて絶対言わないだろ」
「……」
「人生には絶対主役になる時が3度起こるんだ。生誕に結婚に葬式な。生まれを望まれなかったり、結婚しなかったり、孤独死して主役になれないのもあるけどよ。そもそも起こるか分からんイベントなんだから、そいつがメイン張っても良いんだろうよ」
三本の指立てた彼は、話はこれで終わりとでも言うかのように咥えていた煙草を灰皿に捻じ込んで火を消した。
仮に、街でセールスや婚活をしていた人たちが何かを為したとして、それが成就したとしてもこの世界は認めることはしないだろう。
ただ婚姻するだけなら儀礼的なもので済む。そこに面倒な手順や時間をすっ飛ばした結果だけを得ることは、およそ本意ではないのかもしれない。この世界の理に狂った彼らがはたしてそれで良いのかは、やはりそうなってみないと分からない。
本物の愛などと気取った臭い言葉があったとして、時間なり、資産なり、何かしらの予算をつぎ込んでいるのは間違いない。彼女がどれだけ花婿を想っているのか、それまでの道程を知らない自分には他人事でしかないものの、確かな意志がそこにはあるのだ。
「……当機らは、製造も廃棄も業務的である。婚姻も行うことも無い。いずれ生産される後継機のナンバリングにクレジットが載る程度で、感傷的なものは一切が無い」
よしんば残っても、いずれは最適なものだけが継承され、それ以外は簡単なリストに名が載るだけ。誰の印象にも止まらず、祝福もされない。それこそが自分にとっての当たり前なのだから。
人を羨ましいとは思わないし、面倒なシステムが連続して続くのだ。やはり、人の営みは傍観して見ている方が気楽でいられる。
「そろそろあちらも準備が出来ただろう。ドレスコードのチェックも済ませた。参列に向かうぞ」
ならば、この世界ではわき役で構わない。気付けばどちらともなく立ち上がっていた。
武装の無い衣装を正し、黄色いリボンを結び、少女らしく一歩回転しながらスカートの裾を舞わせた。
「まァ良いさ。俺もちゃんとおめかししないとな」
スチームゴーグルマスク男爵を倒すのは彼の役目。ガスマスクを装着し、武装したシルバーは戦場における規定の服と武装を手に。
準備が出来ましたと呼びにいたケイツーの元気な声を受けながら、戦場へ赴くことになった。
そうして激闘の果てに蒸気のグレムリンを追い詰め、ついに全員でスチームゴーグルマスクを打倒し、花嫁と花婿を助けることが出来たのだ。
最前線にいるガクとマヒロ、その後方でストライカーは停止していた。
「さぁ、皆さん、結婚するなら今のうちですよ! 時空震によって、元の世界とか、新たな世界とか……弾き飛ばされます」
そんな娘が高らかに叫ぶ戯言を受け流しながら、ストライカーの後部ハッチが開く音に耳を傾けた。
「直にこの世界は時空震によってのみ込まれる。彼女の言葉が真実ならば元の世界に帰れるだろう」
「別の世界に行っちゃってもまた運んであげるからね! また会えたら会いましょ!」
「……世話になった」
最後まで運転手となった彼は多くを語る存在ではなかった。片割れのケイツーこそよく喋りよく気にかけてくれたが、堅実な仕事には目を見張るものがあった。口元もマスクで隠れているからよく分からないし、謎多き男であったが。
抱き着いてくるケイツーを無理やり引きはがして嘆息していると、武器を操作していたシルバーも、ケイツーからアタッシュケースを受け取るとストライカーを降り始めた。
「……貴様は奴らと帰らないのか?」
「ここにいる間までの雇われだし、あとは自由にやるだけさ。それよかケーケー、本当にこのグレムリンごと持って帰る心算か。無駄なパーツまで大量に買い込みやがって」
「技術の収集が我々の仕事であり趣味なものでな。早く降りろ、我々と戻りたくなければな」
「わかったよ」
口うるさい小言を嫌うかのように肩を竦めると、シルバーはグレムリンを降り、それに合わせて自身も下車した。
「さて、一時間の間に他のパーツも回収に向かう。次の戦役のための資金稼ぎだ」
「はい、了解しました!」
ストライカーはこの場から逃げるようにして、ハッチを閉めながら走り去っていく。時間の惜しさが伝わるように、ケイツーが手を振る姿が見えていた。
「……共に戦えたこと、誇りに思う」
彼の方へは向かず、光の中心に向かって歩き出す。ここで結婚とやらをする気はない。己は速く帰りたい。少しくらい近づけば、もっと早く帰れると思って。
ライターを開く音と吐息から察するに背では一服しているのだろうシルバーは、動かず待つ心算か。
「また奇妙なモンに惹かれたら出会うかもな。もう少しちんちくりんじゃあなくて美人になってこいや」
「失敬な奴だな、貴様は」
手を伸ばす。星光に向かって指を広げる。
星屑を振りまいてライスシャワーを振るうように。
ブーケトスを待ちわびる恋多き少女のように。
一筋の星の如く瞬いた硬質ダガーは、あまりに煌いていて。
瞬間、この世界から弾き飛ばされるような感覚が襲い掛かった。
◆後日談◆
K・Kの場合
https://www.evernote.com/l/AXZ07lYzEYVBPKGb4IfDOA_xFRHn01O6Zgo/
シルバーの場合
https://www.evernote.com/l/AXZCphMMcXJBOKqDcEUHgK1rVE3C0hqqJkc/
???の場合
https://www.evernote.com/l/AXbUNOg4BY9NxYid_e0oF_XansI_gek7cik/
最初に助けてくれた彼らのグレムリンは機動砲システムを採用した、ロボット兵器が跋扈する世界の中ではレトロなストライカータイプだ。
ケイツー曰く、ケーケーの趣味であり、愛機を模したものらしい。どれほどロボット兵器が蔓延ろうと、四駆の安定感と地に足の着いた走りは唯一無二で安心んだとか。
今やオートマでのロボット操作や無人兵器が当たり前の時代。それでもマニュアルを好むユーザは、それでも多いと聞く。彼も概ねその類の人間なのだろう。
「……貴様は手伝わんのか」
「通信端末を扱えても、通信端末の作り方なんざ普通は分からんだろ。餅は餅屋に任せとけ」
一時間で調整を終えると言い残して、K・K達はグレムリンを格納するガレージへと篭り始めた。その間はシルバーと二人きり。何をするわけでもなく、工廠の隣接した立地の悪い事務所のような手狭な事務室の中で留守番をしていた。
煙草という嗜好品を手に、ライターで着火して紫煙を昇らせる。そこでガスマスクを取った彼の顔は初めて見た。
フードを下ろして視えた銀の短髪はあまり手入れがされていないのか、ウルフカットに纏めつつも所々跳ねている。黄色寄り色暗くした肌に、悪人寄りのシャープな顔立ちで、狼を思わせる鋭い翠色の眼。ひん曲がった口元はへなへなと笑っているようにも小馬鹿にしているようにも見える。体付きはがっしりしている武人のような体躯なのに、遊び慣れした軽い印象を思い浮かべる。
以前の戦役でも似たような奴は何人も見たことがある。これは典型的な手合いの傭兵だ。
応接用のソファーで横になる自分と、その対面で煙草を吸いながら待機する彼。
いかがわしい事務所のような荒廃した光景だ。
「貴様はこの世界をどう思っている。この領域は意義のあるものか」
「さてな。俺ァその日暮らしの傭兵だぞ。金さえもらえればどこにでも飛ぶ荒くれ者。この世界の何たらとかを考えても仕方ねェだろうよ、お嬢さん」
「この世界は結婚を前提に成り立っている。婚姻とは人と人とが結ぶ儀式だろう。誰かが結ばれればクリアするこの世界は歪であると推察する。ラジオで聞こえて来たガクとヒロの傍にいた娘、あれらも渦中にある人物だろう。娘が婚姻が出来たなら、この世界には変革が訪れる」
彼の気怠げな言葉を無視して、勝手に言葉を並べ立てていく。ひとつ呼吸を置いてから、訊いてみたいことを告げた。人に対する疑問であり、己に宿った好奇心の結果だ。
「なぜ、彼女なのだろうな。先の街でみた婚姻を迫っている奴らが結ばれればよいのではないか。同性同士だろうと結婚したがっている者らで結ばれれば話が速いはずだ」
「嬢ちゃんはそういうの、非生産的で理解不能だって言う奴だと思ってたわ」
「常であるならそう零すし本意ではない。当機は一秒でも早く戻りたいだけだ。何事も効率の問題だ」
「人は効率だけで動かないってことよ、ロボ子ちゃんよ。俺だってブサイクの女に言い寄られてもやんわりと回れ右をしてもらう」
「よくは分からんが話の軸が違うのではないか」
「似たようなモンさ。街の男たちな、口では結婚してくれって言ってもああいう手合いはえり好みしてるぞ。自分の価値観とマッチングして、逸脱がなければアタックを仕掛ける。結婚に限ない話じゃあない。戦闘用のアンドロイドが人と同じように振る舞えって言われても厳しいものがある。負荷になることは疲れるだろ」
シルバーは紫煙を吐き出し、手近にある灰皿を手繰り寄せて灰を落とす。
「で、なぜ彼女か……だったか? そりゃあんだけ度胸あるオンナならスポットライトを当てても良いんじゃね、とか思ったんだろ」
「よく分からん」
「ああいう奴は退かないし逃げない。俺らみたいな半端モンや、気乗りしない嬢ちゃんより真摯に向き合っている。じれったいから代役になるなんて絶対言わないだろ」
「……」
「人生には絶対主役になる時が3度起こるんだ。生誕に結婚に葬式な。生まれを望まれなかったり、結婚しなかったり、孤独死して主役になれないのもあるけどよ。そもそも起こるか分からんイベントなんだから、そいつがメイン張っても良いんだろうよ」
三本の指立てた彼は、話はこれで終わりとでも言うかのように咥えていた煙草を灰皿に捻じ込んで火を消した。
仮に、街でセールスや婚活をしていた人たちが何かを為したとして、それが成就したとしてもこの世界は認めることはしないだろう。
ただ婚姻するだけなら儀礼的なもので済む。そこに面倒な手順や時間をすっ飛ばした結果だけを得ることは、およそ本意ではないのかもしれない。この世界の理に狂った彼らがはたしてそれで良いのかは、やはりそうなってみないと分からない。
本物の愛などと気取った臭い言葉があったとして、時間なり、資産なり、何かしらの予算をつぎ込んでいるのは間違いない。彼女がどれだけ花婿を想っているのか、それまでの道程を知らない自分には他人事でしかないものの、確かな意志がそこにはあるのだ。
「……当機らは、製造も廃棄も業務的である。婚姻も行うことも無い。いずれ生産される後継機のナンバリングにクレジットが載る程度で、感傷的なものは一切が無い」
よしんば残っても、いずれは最適なものだけが継承され、それ以外は簡単なリストに名が載るだけ。誰の印象にも止まらず、祝福もされない。それこそが自分にとっての当たり前なのだから。
人を羨ましいとは思わないし、面倒なシステムが連続して続くのだ。やはり、人の営みは傍観して見ている方が気楽でいられる。
「そろそろあちらも準備が出来ただろう。ドレスコードのチェックも済ませた。参列に向かうぞ」
ならば、この世界ではわき役で構わない。気付けばどちらともなく立ち上がっていた。
武装の無い衣装を正し、黄色いリボンを結び、少女らしく一歩回転しながらスカートの裾を舞わせた。
「まァ良いさ。俺もちゃんとおめかししないとな」
スチームゴーグルマスク男爵を倒すのは彼の役目。ガスマスクを装着し、武装したシルバーは戦場における規定の服と武装を手に。
準備が出来ましたと呼びにいたケイツーの元気な声を受けながら、戦場へ赴くことになった。
そうして激闘の果てに蒸気のグレムリンを追い詰め、ついに全員でスチームゴーグルマスクを打倒し、花嫁と花婿を助けることが出来たのだ。
最前線にいるガクとマヒロ、その後方でストライカーは停止していた。
「さぁ、皆さん、結婚するなら今のうちですよ! 時空震によって、元の世界とか、新たな世界とか……弾き飛ばされます」
そんな娘が高らかに叫ぶ戯言を受け流しながら、ストライカーの後部ハッチが開く音に耳を傾けた。
「直にこの世界は時空震によってのみ込まれる。彼女の言葉が真実ならば元の世界に帰れるだろう」
「別の世界に行っちゃってもまた運んであげるからね! また会えたら会いましょ!」
「……世話になった」
最後まで運転手となった彼は多くを語る存在ではなかった。片割れのケイツーこそよく喋りよく気にかけてくれたが、堅実な仕事には目を見張るものがあった。口元もマスクで隠れているからよく分からないし、謎多き男であったが。
抱き着いてくるケイツーを無理やり引きはがして嘆息していると、武器を操作していたシルバーも、ケイツーからアタッシュケースを受け取るとストライカーを降り始めた。
「……貴様は奴らと帰らないのか?」
「ここにいる間までの雇われだし、あとは自由にやるだけさ。それよかケーケー、本当にこのグレムリンごと持って帰る心算か。無駄なパーツまで大量に買い込みやがって」
「技術の収集が我々の仕事であり趣味なものでな。早く降りろ、我々と戻りたくなければな」
「わかったよ」
口うるさい小言を嫌うかのように肩を竦めると、シルバーはグレムリンを降り、それに合わせて自身も下車した。
「さて、一時間の間に他のパーツも回収に向かう。次の戦役のための資金稼ぎだ」
「はい、了解しました!」
ストライカーはこの場から逃げるようにして、ハッチを閉めながら走り去っていく。時間の惜しさが伝わるように、ケイツーが手を振る姿が見えていた。
「……共に戦えたこと、誇りに思う」
彼の方へは向かず、光の中心に向かって歩き出す。ここで結婚とやらをする気はない。己は速く帰りたい。少しくらい近づけば、もっと早く帰れると思って。
ライターを開く音と吐息から察するに背では一服しているのだろうシルバーは、動かず待つ心算か。
「また奇妙なモンに惹かれたら出会うかもな。もう少しちんちくりんじゃあなくて美人になってこいや」
「失敬な奴だな、貴様は」
手を伸ばす。星光に向かって指を広げる。
星屑を振りまいてライスシャワーを振るうように。
ブーケトスを待ちわびる恋多き少女のように。
一筋の星の如く瞬いた硬質ダガーは、あまりに煌いていて。
瞬間、この世界から弾き飛ばされるような感覚が襲い掛かった。
◆後日談◆
K・Kの場合
https://www.evernote.com/l/AXZ07lYzEYVBPKGb4IfDOA_xFRHn01O6Zgo/
シルバーの場合
https://www.evernote.com/l/AXZCphMMcXJBOKqDcEUHgK1rVE3C0hqqJkc/
???の場合
https://www.evernote.com/l/AXbUNOg4BY9NxYid_e0oF_XansI_gek7cik/
NEWS
-----「……そうして、結婚領域は消滅。みんなばらばらに飛ばされてしまったの」
男の子
「えーっ、そんなのありー!?」
女の子
「それから、どうなったの!?」
-----
「そうだねぇ、みんな幸せに暮らしましたとさ、じゃダメかな」
-----
「あの二人は、どこでどうしているかなぁ」
夜空には、いくつもの流星が流れています
-----
「きっと……きっと、冒険を続けているんだと思うよ」
-----
「いろんな人が、いろんな道に向かって、それぞれ、歩いていく」
-----
「たまたま、それが交わって……みんなが一緒になった。それが結婚領域」
-----
「ご祝儀……33000cのご祝儀、使いきれてるかなぁ、あのお兄さん」
-----
「みんなの進む道は違うけど、でも――」
窓の外に謎の通行人
「さしずめ、全身ご祝儀纏、といったところか」
窓の外に謎の通行人
「――きっと、みんな切り開いていくんだ。ハードラックなダガーでさ」
夜は巡り――そして、静かに過ぎ行く
誰が為でもなく、見守るように
◆フレーム変更申請
ラスト に決定!!
◆アセンブル
【主兵装】にトポロジーガンを装備した
◆僚機
ニルス=ヴォルフトンとバディを結成した!!
移動
北↑へ移動し、西北西海域【赤渦】へと到達した
ユニオン活動
ハザマクランの活動記録
領域に流れ着いた中でも特定の世界から来た人物たちが身を寄せ合うクラン
青花+1の活動をしました
青花+1が1上昇した
青花+1の活動をしました青花+1が1上昇した
青花+1の活動をしました青花+1が1上昇した
青花+1の活動をしました青花+1が1上昇した
青花+1の活動をしました青花+1が1上昇した
メッセージ
ENo.17からのメッセージ>>
唐突に顔を顰める。何かを。あるいは誰かの事を思い出してしまったらしい。当人は覚えていないが、この表情を浮かべるのも随分と久々の事だった。
いつだってオマエは、ワタシの事を苛立たせてきた。苛立ちの残滓は今なお残っている。生まれ変わりだとしても、何かしなければ気が済まない程に
鎧の生まれ変わり。そしてもしいるのなら馬の生まれ変わりよ。恨むならあのガチャガチャと五月蠅かった、あの鎧を恨む事だ―ー
ENo.55からのメッセージ>>
ニルス=ヴォルフトン
「お疲れ様だったな。久しぶりだったが、何の問題もなく合わせられて良かった。」
ニルス=ヴォルフトン
「とりあえず、なんとか花婿さんは救出されたようだな。何よりだ。」
ニルス=ヴォルフトン
「唐突な仕事になった分、家族サービスが必要になるな。そうさせてもらおう。
また、向こうで機会があればよろしく<BR>」
唐突に顔を顰める。何かを。あるいは誰かの事を思い出してしまったらしい。当人は覚えていないが、この表情を浮かべるのも随分と久々の事だった。
いつだってオマエは、ワタシの事を苛立たせてきた。苛立ちの残滓は今なお残っている。生まれ変わりだとしても、何かしなければ気が済まない程に
鎧の生まれ変わり。そしてもしいるのなら馬の生まれ変わりよ。恨むならあのガチャガチャと五月蠅かった、あの鎧を恨む事だ―ー
ENo.55からのメッセージ>>
ニルス=ヴォルフトン
「お疲れ様だったな。久しぶりだったが、何の問題もなく合わせられて良かった。」
ニルス=ヴォルフトン
「とりあえず、なんとか花婿さんは救出されたようだな。何よりだ。」
ニルス=ヴォルフトン
「唐突な仕事になった分、家族サービスが必要になるな。そうさせてもらおう。
また、向こうで機会があればよろしく<BR>」
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
精算
報酬 0
合計現金収入0
経費 0
【!】残弾枯渇 トポロジーガンは弾数が枯渇しました。弾薬を購入したり、コンテナを入手、開封し、装弾をする必要があります
合計現金収入0
経費 0
【!】残弾枯渇 トポロジーガンは弾数が枯渇しました。弾薬を購入したり、コンテナを入手、開封し、装弾をする必要があります
【物資入手】夜空に翻る影……何かが落下してくる!!
あなたはパイルを手に入れた……(コンテナ入手率 11.5%)
【試作フレーム開放】あなたは哨戒試作機を使用できるようになった
キャラデータ
名前
二位王
愛称
ニオ
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あなたの作製した敵NPC シルバー 攻撃種別:電子射撃火器 敵情報:迷い込んだ傭兵。 小型の機械を駆り、戦場を攪乱する | ||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5 __6__7__8__9_10_11 _12_13_14_15_16_17 _18_19_20_21_22_23 |
ステータス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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