ENo.0042　グリアル行衛

「相変わらず静かなンだか騒がしいンだか…わっかんねェとこだなァ」

「地味に売り上げも悪ィワケじゃないしなァ、別モンとは言えサービス業のサガってヤツ？…しっかし有給にしちゃエライ休んだ感覚なンだけど…いや、休みかコレ？そもそも夢かコレ？」

「なまじやってることが変わってねェからなァ…」

「…相変わらずすさまじい独り言ね」

「ん、癖だ、諦めてくれ」

「そう………」

「……？」

「…グリアルは、今が楽しい？」

「…？まァ、楽しいけど…？どうした？」

（……本当私は何をしでかそうとしていたのかしら？）

「いいえ、なんでも？…グリアルが楽しいならまあ、今はそれでもいいかなって」

「…ん、もしかしてアレか？まーだ気にしてたのか？だから俺は」

「ええ、ええ、分かってますとも！どうせ私にはもうどうしようもない気もしてたし、それならいっそ連れて行ってしまおうかなんて思ってもいたわ」

「でもよく考えてみれば貴方は昔の私のことを知らない、別に死にたがっているわけじゃない、なにより貴方自身は何にも気にしてない！夢で結構！貴方の夢が覚めるまでの時間をただ寄り添って過ごそうじゃない？」

「お、おぅ…？てかなに、ひょっとして俺殺されそうだったワケ？」

「端的に言えばそうね、ちょっと決意揺らいじゃって」

「げぇ…決意を固めてくれたコトに感謝するわ…」

「ふふ、ごめんなさい！さ、開店の準備をしましょ！」

「先週すっぽかしてしまったし、頑張るわ、私」

「……」

「ん、じゃあやるか！」