ENo.0080　花と羽毛と群棲の魔王

送られてきたイメージが途切れた瞬間、ラウ一行は顔を見合わせた。
ゴクリ、と誰ともなく生唾を飲み込む。
不吉な事が起きる。それも今まで以上に。
希望があるとすれば、デバステイターが言う『ゼロのレガリア』の具現化だろう。
ゼロの魔法とゼロのレガリア。二つのゼロが相反するものなのか、それとも同一のものなのか、今はまだ分からないが。

「……アイスでも食べて気を取り直しましょうか」

「ええ。冷気の勇者お手製の」

「ぷきゃあー」

異議なーし。

確実に待ち受ける困難。
自分達に今出来る準備は全てした。
未来を見る力はなく、例え見えたとしても幾重にも分かれた可能性から起こり得る現実を選び取れたかと言われれば、答えはNOだ。
だからこそ冷静にいつも通りに、いや、いつも以上に心に余裕を持ち、物事に対処する必要がある。
口の中に広がったソーダの爽やかさが、重い空気を払拭してくれた。