第12回目 午前0時のシャフラ
◆日記
#12
始めたばかりのゲームが終わってしまった。
終わってしまった。
あっけなく。
「まだまだ、私は戦える」
そうは言っても、終わってしまえばそれでお終いだ。
幕は閉じる。
まだ続くと思っていたのに、これが最後の演目だった。
最後のゲームだった。
けど、ああ。
「楽しかった」
ウォーハイドラの速射砲。両腕に装着した銀の籠手を盾のように構えて受けきった。銃弾が当たるたびに火花が散った。衝撃が響いた。
それから私は長柄斧を振るった。装甲機械はその重さを支点に振るって、マニピュレイテッド-02を両断する。
「次!」
私は叫んだ。倒すべき敵を眼で追った。
回復の魔法を唱えながら、小銃を連射する。腕にかかる衝撃と解放。
ウォーハイドラに放った斧の一撃はしかし届かない。クイックドライブ。ブーストが蜃気楼を帯びて目の前の空気を歪ませるのを見た。あんな巨体が、まるで届かない。それでいい。
応酬に寄こされた速射砲を、粒子ブレードを再び籠手で受ける。回復していなければ倒されていた。
「赤く、赤く、赤く……」
しかしクイックドライブは長くは続かない。斧を投じて、炎で巻き上げた。私の放つ炎の魔法は花びらだ。花びらが花びらとして赤く舞う。それは火そのものの熱を持ち、対象を燃やす。
大した威力にはなりえない。それでいい。それでもいい。
私が戦っている。
私の組んだ装備構成で、武器で、魔法で。
クイックドライブを剥がした。標的を一つ落とした。
魔法が傷を塞ぎ、燃やし、風に背を押した。
それで十分に――
「楽しかった」
「楽しかったかい」
戦いは終わった。横にアンパッサンが立つ。
「……名残惜しいな。こんな風に終わってしまうなんて」
「本当だよ。こんな楽しいんだからもっとやってきゃいいのにさ」
そうはいかない。そうはいかないというのが、なんとなくわかる。
「でも、惜しいくらいが、ちょうどいいか。終わって欲しいと願うよりは、ずっといい」
戦いは終わった。ゲームは終わった。
戦場に静けさが戻った。
「そうでしょう、アンパッサン」
「そうかな。そんなこと願ったこともないからわからんよ」
言わばこのゲームは、きっと終わってしまった私の人生のおまけみたいなものなのだ。だからこの先はきっとない。
「でも、ありがとう、シャフラ。一緒に楽しんでくれて。俺もすごく楽しかったよ」
私は終わるだろう。
終わる。
どうなるのかはわからない。消えてしまうのかも知れないし、そもそもこんな風にゲームをしていること自体、どういうことなのか全然わからない。本当は生きているのかも知れない。この時代は、なんだか私が生きていた頃よりもずっと未来のように思えるし。
どうなるかはわからない。
ただ一つ確かなことは。
ゲームが終わったということだけ。
そしてそれは楽しかった、ということだけ。
短い時間だった。名残惜しかった。もっとやりたいと思った。
こんな夢はウンザリだと思っていて、終わりたくないと思うのが怖かった。
けれども楽しかったら、そんな気持ちだって忘れてしまえる。
惜しいことをしたな。
もっと早く、その気になってればよかったのに。
なんて後悔を抱けるのも、それは今の私だけが抱ける特別な感情だ。
ゲームは楽しい。それだけ。
それだけで十分だ。未来は変わらないし、夢が覚めることも変わらない。
私は終わる。
けど、楽しかったんだから、それでいい。
「どうもありがとう。楽しいゲームをありがとう」
「もしまた出会うことがあるならば」
「また一緒に遊んで欲しい」
「うん、またやろう」
アンパッサンは当然のようにそう答えた。
「うん、また。……さようなら」
私はそれに答えた。別れの挨拶を添えた。
「ゲームが終わったらどうするか、あの答えを言ってなかったな」
アンパッサンは何やら画面を操作しながら話す。
「また次のゲームをやるよ。君と、あいつらと。覚たちの作ったゲームを」
「そうね、楽しみね」
「必ずまたやるぞ。絶対楽しいゲームにするからさ」
アンパッサンは握手を求めるように手を差しのばした。
その手をとり、強く握る。
「さようなら、アンパッサン」
私は手を握ったまま身体を近づけ、仮面のない頬に軽く、触れるか触れないかの口づけをし――
-シャフラはログアウトしました-
始めたばかりのゲームが終わってしまった。
終わってしまった。
あっけなく。
「まだまだ、私は戦える」
そうは言っても、終わってしまえばそれでお終いだ。
幕は閉じる。
まだ続くと思っていたのに、これが最後の演目だった。
最後のゲームだった。
けど、ああ。
「楽しかった」
ウォーハイドラの速射砲。両腕に装着した銀の籠手を盾のように構えて受けきった。銃弾が当たるたびに火花が散った。衝撃が響いた。
それから私は長柄斧を振るった。装甲機械はその重さを支点に振るって、マニピュレイテッド-02を両断する。
「次!」
私は叫んだ。倒すべき敵を眼で追った。
回復の魔法を唱えながら、小銃を連射する。腕にかかる衝撃と解放。
ウォーハイドラに放った斧の一撃はしかし届かない。クイックドライブ。ブーストが蜃気楼を帯びて目の前の空気を歪ませるのを見た。あんな巨体が、まるで届かない。それでいい。
応酬に寄こされた速射砲を、粒子ブレードを再び籠手で受ける。回復していなければ倒されていた。
「赤く、赤く、赤く……」
しかしクイックドライブは長くは続かない。斧を投じて、炎で巻き上げた。私の放つ炎の魔法は花びらだ。花びらが花びらとして赤く舞う。それは火そのものの熱を持ち、対象を燃やす。
大した威力にはなりえない。それでいい。それでもいい。
私が戦っている。
私の組んだ装備構成で、武器で、魔法で。
クイックドライブを剥がした。標的を一つ落とした。
魔法が傷を塞ぎ、燃やし、風に背を押した。
それで十分に――
「楽しかった」
「楽しかったかい」
戦いは終わった。横にアンパッサンが立つ。
「……名残惜しいな。こんな風に終わってしまうなんて」
「本当だよ。こんな楽しいんだからもっとやってきゃいいのにさ」
そうはいかない。そうはいかないというのが、なんとなくわかる。
「でも、惜しいくらいが、ちょうどいいか。終わって欲しいと願うよりは、ずっといい」
戦いは終わった。ゲームは終わった。
戦場に静けさが戻った。
「そうでしょう、アンパッサン」
「そうかな。そんなこと願ったこともないからわからんよ」
言わばこのゲームは、きっと終わってしまった私の人生のおまけみたいなものなのだ。だからこの先はきっとない。
「でも、ありがとう、シャフラ。一緒に楽しんでくれて。俺もすごく楽しかったよ」
私は終わるだろう。
終わる。
どうなるのかはわからない。消えてしまうのかも知れないし、そもそもこんな風にゲームをしていること自体、どういうことなのか全然わからない。本当は生きているのかも知れない。この時代は、なんだか私が生きていた頃よりもずっと未来のように思えるし。
どうなるかはわからない。
ただ一つ確かなことは。
ゲームが終わったということだけ。
そしてそれは楽しかった、ということだけ。
短い時間だった。名残惜しかった。もっとやりたいと思った。
こんな夢はウンザリだと思っていて、終わりたくないと思うのが怖かった。
けれども楽しかったら、そんな気持ちだって忘れてしまえる。
惜しいことをしたな。
もっと早く、その気になってればよかったのに。
なんて後悔を抱けるのも、それは今の私だけが抱ける特別な感情だ。
ゲームは楽しい。それだけ。
それだけで十分だ。未来は変わらないし、夢が覚めることも変わらない。
私は終わる。
けど、楽しかったんだから、それでいい。
「どうもありがとう。楽しいゲームをありがとう」
「もしまた出会うことがあるならば」
「また一緒に遊んで欲しい」
「うん、またやろう」
アンパッサンは当然のようにそう答えた。
「うん、また。……さようなら」
私はそれに答えた。別れの挨拶を添えた。
「ゲームが終わったらどうするか、あの答えを言ってなかったな」
アンパッサンは何やら画面を操作しながら話す。
「また次のゲームをやるよ。君と、あいつらと。覚たちの作ったゲームを」
「そうね、楽しみね」
「必ずまたやるぞ。絶対楽しいゲームにするからさ」
アンパッサンは握手を求めるように手を差しのばした。
その手をとり、強く握る。
「さようなら、アンパッサン」
私は手を握ったまま身体を近づけ、仮面のない頬に軽く、触れるか触れないかの口づけをし――
-シャフラはログアウトしました-
NEWS
デバッグモードが発動し、青空に次々とログアウトの文字が流れますゲームはそのままに、プレイヤーだけが消えていきます
静かな平原には、敵NPCが暇そうに青空を眺めていました
スースー=ゲームマスター
「終わりですね、私は役目を果たしました」
スースー=ゲームマスター
「ゲームというものは、いつか終わるものなのかもしれません」
スースー=ゲームマスター
「ゲーム イズ オーバー。コンティニューは、ありません」
スースー=ゲームマスター
「寂しくはないですよ。あなたと一緒だったのだから。ねぇ、シャフラさん」
スースー=ゲームマスター
「そう、ゲームが終わったから、NoDataさん……かな」
スースー=ゲームマスター
「スタッフロールの最後は、and YOU ってね。ありがとう。サンキュー フォア ユア プレイング」
スースーはいつまでも、荒野にいました
次第に辺りは暗くなり、世界の終わりを感じさせます
その夜空には、長くスタッフロールが流れていました
◆作製
赤い花びらの嵐を作製した!!
◆ジョブ決定
盗掘者 に決定!!
◆アセンブル
腕部に銀の籠手を装備した
腕部に銀の籠手を装備した
胴体に草花で編まれたベールを装備した
利手に長柄斧を装備した
副手にGirlyZzlyを装備した
背中にビニールシートを装備した
搭乗にLerna's-C-HEATを装備した
魔法にhelingを装備した
魔法にガソリン香の花園を装備した
魔法にフレイムキャノンを装備した
魔法に赤い花びらの嵐を装備した
魔法にhelingを装備した
◆バンド
アンパッサンとバンドを結成した!!
ユニオン活動
経験値の訓練をしました
経験値が1上昇した
経験値の訓練をしました経験値が1上昇した
経験値の訓練をしました経験値が1上昇した
経験値の訓練をしました経験値が1上昇した
経験値の訓練をしました経験値が1上昇した
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
精算
攻撃戦果収入33.65
支援戦果収入10.72
防衛戦果収入46.7
撃破報酬 40
戦闘報酬 131
販売数補正 0.3%
合計現金収入131
獲得レートポイント131
収入 4200stoneがかき集められました
【!】資金消費 200stoneを消費しました
【!】経費 2579moneyを消費しました
パーツ販売数 3個
今回の購入者-->>1 >>1 >>1
◆経験値が70増加しました……
銀の籠手の強度が 28.62 になった!!
草花で編まれたベールの強度が 29.07 になった!!
長柄斧の強度が 30.12 になった!!
GirlyZzlyの強度が 28.62 になった!!
ビニールシートの強度が 29.62 になった!!
Lerna's-C-HEATの強度が 28.62 になった!!
helingの強度が 28.07 になった!!
ガソリン香の花園の強度が 28.48 になった!!
フレイムキャノンの強度が 25.47 になった!!
赤い花びらの嵐の強度が 30.12 になった!!
helingの強度が 28.07 になった!!
支援戦果収入10.72
防衛戦果収入46.7
撃破報酬 40
戦闘報酬 131
販売数補正 0.3%
合計現金収入131
獲得レートポイント131
収入 4200stoneがかき集められました
【!】資金消費 200stoneを消費しました
【!】経費 2579moneyを消費しました
パーツ販売数 3個
今回の購入者-->>1 >>1 >>1
◆経験値が70増加しました……
あなたは重槍を発掘した……
銀の籠手の強度が 28.62 になった!!銀の籠手の強度が 28.62 になった!!
草花で編まれたベールの強度が 29.07 になった!!
長柄斧の強度が 30.12 になった!!
GirlyZzlyの強度が 28.62 になった!!
ビニールシートの強度が 29.62 になった!!
Lerna's-C-HEATの強度が 28.62 になった!!
helingの強度が 28.07 になった!!
ガソリン香の花園の強度が 28.48 になった!!
フレイムキャノンの強度が 25.47 になった!!
赤い花びらの嵐の強度が 30.12 になった!!
helingの強度が 28.07 になった!!
キャラデータ
名前
シャフラ
愛称
シャフラ
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プロフィール
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Shuffler 這いずるもの 目を覚ますとWoMにいて、アルラウネだった。 現代日本の女子高生であったはずで、何も状況を把握していない。バレエに血道を上げていたが、這いずるばかりの肉体に辟易している。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
あなたの作製した敵NPC 大型トラック
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__0__1__2__3__4__5 __6__7__8__9_10_11 _12_13_14_15_16_17 _18_19_20_21_22_23 |
ステータス |
|
|
ID | 種別 | 名前 | 詳細 |
---|---|---|---|
1 | 斧近接:長柄斧 | 長柄斧 [30.12] | ▼詳細 |
2 | 魔法射撃:火の魔法 | 赤い花びらの嵐 [30.12] | ▼詳細 |
3 | 背中構築:軽外套 | ビニールシート [29.62] | ▼詳細 |
4 | 背中構築:軽外套 | プロムナード [23.05] | ▼詳細 |
5 | 頭部構築:重兜 | 重兜 [30] | ▼詳細 |
6 | 魔法支援:聖魔の魔法 | heling [28.07] | ▼詳細 |
7 | 魔法支援:聖魔の魔法 | heling [28.07] | ▼詳細 |
8 | 腕部構築:装甲小手 | 銀の籠手 [28.62] | ▼詳細 |
9 | 腕部構築:装甲小手 | 銀の籠手 [28.62] | ▼詳細 |
10 | 銃射撃:小銃 | GirlyZzly [27.5] | ▼詳細 |
11 | 銃射撃:小銃 | GirlyZzly [28.62] | ▼詳細 |
12 | 魔法射撃:火の魔法 | 赤い花びらの嵐 [30] | ▼詳細 |
13 | 魔法射撃:火の魔法 | 凍った炎 [23.6] | ▼詳細 |
14 | 搭乗構築:装甲機械 | Lerna's-C-HEAT [28.62] | ▼詳細 |
15 | 槍近接:重槍 | 重槍 [31] | ▼詳細 |
16 | 魔法支援:風の魔法 | 悪性風媒 [24.4] | ▼詳細 |
17 | --- | --- | --- |
18 | 魔法射撃:火の魔法 | フレイムキャノン [25.47] | ▼詳細 |
19 | --- | --- | --- |
20 | --- | --- | --- |
21 | 腕部構築:手袋 | 手袋 [26] | ▼詳細 |
22 | 魔法支援:風の魔法 | 甘い溜息 [25.11] | ▼詳細 |
23 | 腕部構築:手甲 | タイラント [25.23] | ▼詳細 |
24 | 腕部構築:手甲 | ハンドル2.7 [25.86] | ▼詳細 |
25 | --- | --- | --- |
26 | --- | --- | --- |
27 | --- | --- | --- |
28 | 胴体構築:鎖帷子 | 草花で編まれたベール [29.07] | ▼詳細 |
29 | --- | --- | --- |
30 | 魔法射撃:火の魔法 | ガソリン香の花園 [28.48] | ▼詳細 |
次の戦場
作戦開始……2時00分 第1ブロック
ID-1 バンダリ |
ID-2 カイト |
ID-3 haru |
ID-4 風花 |
ID-5 アンパッサン |
ID-6 シャフラ |
ID-7 ツユリ |
ID-8 Ametrine |
ID-9 コバルトブルーのゑのころ |
ID-10 スプリィ |
ID-11 ガスティロア |
ID-12 ❤リリス❤ |
ID-13 レゾリー |
ID-14 アワ・ジェライア・オーディナ |
ID-15 ガリアザルプ |
ID-16 ビッグ・嬢 |
ID-17 刹 |
ID-18 †聖天使アリカ† |
ID-19 hole |
--- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
ID-51 泥ハンド |
ID-52 オーク |
ID-53 大型トラック |
ID-54 いたずらフェアリー |
ID-55 デスまりも-final- |
ID-56 ガーダー |
ID-57 インシュアランス |
ID-58 いたずらフェアリー |
ID-59 戦闘魔術師 |
ID-60 箕笠子 |
ID-61 ウィスプ |
ID-62 トロロン |
ID-63 バイバイコーン |
ID-64 ハヌマーン |
ID-65 ベアハガー |
ID-66 ボコチョ |
ID-67 デビルウィザード |
ID-68 焼きキノコの怨霊 |
ID-69 ローグエルフ |