第2回目 午前2時のスリーピング・レイル
プロフィール
名前
スリーピング・レイル
愛称
スリーピング・レイル
経歴 記憶喪失のグレムリンテイマー。 自分に関すること、そしてこの虚空領域に関することは何一つわからない。 唯一「グレムリンの操縦」だけは体が覚えている。 『スリーピング・レイル』とは身に着けていたエンブレムに刻まれていた文字列。 (イラストはすのだ様からの頂き物です) |
僚機プロフィール
名前
ネグロ
愛称
ネグロ
経歴 元真紅連理所属、整備士の資格を持つ。 身長166cm 体重79cm 年齢43 両腕バイオ生体置き換え済 第一次七月戦役時、徴兵以来を受け真紅連理の強襲部隊に所属。 戦役中に左腕を失い、右腕を換金した後両腕をバイオ生体置き換え手術を行う。 現在まで拒否反応含む異常なし。 真紅連理降伏後、第一次七月戦役より消息をたつ。 その後、各地でゲリラ的活動の目撃情報有り。【僚機詳細】 |
◆日誌
『希望も未来も自らの手で絶って。今や、その傷跡だけがお前を物語る』
* * *
ずんぐりとした鳥の姿をしたグレムリン『スリーピング・レイル』は、操縦者の意志を汲み、ゆっくりと首をもたげる。
そこに、想像よりもずっと速く、敵機たるシュヴァルベ・ドライが踏み込んできて、単装砲を放つ。
響く鈍い音。装甲で一撃を受けた気配が操縦棺に、そして手に、わずかな痺れとして伝わってくる。
だが、『スリーピング・レイル』の装甲は厚い。軽い一撃であればあえて避けるまでもなく――むしろ、相手が「こちらの間合い」に入った合図と、捉える。
「……それじゃあ」
片方の目で、全視界型ディスプレイに映し出されたシュヴァルベ・ドライを見据えて。
「僕の、番だ」
呟きと共に踏み込み、翼の代わりに取り付けられたパンツァークリンゲでシュヴァルベ・ドライを強く打つ。質力が生み出す激しい衝撃で相手の動きが鈍ったところで、機関砲がその装甲をまだらに撃ち抜いた。
ぐら、と目の前の機体が揺れ、海へと墜ちてゆく。
それを見送りながら、無意識に止めていた呼吸を、ひとつ吐き出して。
シアンの明かりに照らされながら、自分の手を握って、開く。
それが「自分の手」であることが、まだ信じられない。グレムリンを駆る自分が「自分自身」であることが、まだ信じられない。
けれど、これは紛れもなく現実で。
――午前二時、三十一分。
視界の片隅の時計を確かめて、それから、空を見上げる。ディスプレイ越しの空は何を語ることもなく、ただ、ただ、そこに広がっていた。
* * *
静かに――なった。
がんがんと鳴り響いていた放送は止み、男から渡されたコートを肩から羽織ったミアは、その場に座り込んでいた。
果たして、あの男は無事なのだろうか。
そう思った瞬間、轟音がこちらに近づいてきた。
見れば、廃工場にあのグレムリンが戻ってきたのだった。最初にそれが置かれていたところに収まると、操縦棺が開き、白髪の男が床の上に降り立つ。
「大丈夫!?」
ミアは慌てて男に駆け寄るが、男の体に傷はない。男は髪に隠れていない右の目をぱちりと瞬いて、それから、低い声で言った。
「うん。攻めてきた機動体は、墜とした。しばらくは、大丈夫だ」
墜とした。あっさりと言ってのけたが、そう簡単な話ではない。もしそれが簡単なことであれば、未識別機動体に世界が蹂躙されることもなかったはずだ。
けれど、目の前の男と――このグレムリンには、その力がある、ということか。
ミアはぞくりとする。それは目の前にある圧倒的ともいえる「力」への恐怖か、それとも。
「あなた、何者なの? グレムリンはことごとく機能を停止してるはずなのに、どうしてグレムリンを動かせたの?」
ミアの矢継ぎ早の問いかけに対し、男はこくん、と首を傾げて。眉を顰めて、
「僕にも、わからない」
と、のたまうのだ。
ミアは目を丸くして、改めて男を見る。先ほどまで死線で戦っていたとは思えない、茫洋とした表情。つい、ミアは唇を尖らせる。
「わからないって、自分のことでしょ?」
「わからない、んだ。ここがどこなのかも、僕が、誰なのかも」
くしゃ、と髪に指を通して、男は途方に暮れた声音で言う。その場しのぎのごまかしにも見えない調子に、ミアまで途方に暮れてしまう。けれど、沈黙しているわけにもいかないから、何とか言葉を搾り出す。
「記憶喪失、ってこと?」
男は「きおく、そーしつ」とミアの言葉をぼんやり鸚鵡返しにして、それから曖昧に頷いた。
「じゃあ、どうして、グレムリンが動かせるのかもわからないんだ」
「わからない」
と答えた男は、しばらく口を噤んだ後、「でも」とぽつりと付け加えた。
「……僕は、きっと。これで戦うために、いる、んだと思う」
男が見上げる鳥型のグレムリンは何も語らない。ただ、ただ、その場に佇むのみ。ミアは噛み付くように問い返す。
「どうして、何も覚えてないのに、そんなことがわかるのさ」
「わかったわけ、じゃない、けど。戦えるなら、戦わなきゃ」
そう言う男は、もう、途方に暮れてなどいなかった。その目は凛として、ミアをじっと見据えている。
「僕はきっと、戦うことしか、できないけど。それが、誰かを、助けることになるなら」
髭に縁取られた薄い唇を、ほんの少しだけ、歪めて。
「嬉しい、から」
どきり、とした。
この世界は終わろうとしている。誰もが諦めようとしている。ミアだって、正直に言ってしまえば、ただ自分が生きるだけで精一杯だった。
けれど、この男は。戦う力を持った上で、その力を「誰か」のために振るうことを躊躇わないというのか。
馬鹿げている、と笑い飛ばすことだってできたはずだ。いくらグレムリンを操り、未識別機動体を倒す力があったとしても、ただ一人でどうこうすることなど、できやしない。
なのに、ミアの中には熱を帯びた思いが湧き出してくる。かつて見た、遠ざかっていく大きな背中の影のイメージと共に。
その、言葉にならない思いを持て余していると、男が唇を開く。
「行かなくちゃ」
「……え?」
「ここの他にも、敵が、いると思う、から」
男の目はもう、ミアを見てはいなかった。廃工場の外、虚空領域の戦場を見据えている。自分がいるべき場所を……、見つめて、いる。
それに気づいた瞬間に、もう、ミアはいても立ってもいられなくなっていた。
「だから、君は――」
「あたしも、連れてって!」
男の言葉を遮るように。ミアは、声を上げた。
男がもう一度視線をミアに戻す。ミアは唇を引き結び、男を見上げる。男は目に見えてうろたえた様子で、かろうじて一言だけを吐き出した。
「危険だ」
「危険は承知の上。それに、あなた、グレムリンに乗れても、整備はできるの?」
「せい、び?」
男がまた、ぼんやりとした声を上げる。これは絶対にわかっていない声だ。
「グレムリンだって、ただ乗り続けてたら疲労するばかりだし、敵によってはパーツを変える必要だってある。その知識があなたにある?」
男は口をぱくぱくさせるだけで何も言わなかったが、つまり「そんなこと知らない」ということだ。
ミアはわざとらしく溜息をついて、それからにっと歯を見せて笑ってみせる。
「だから、あたしも連れてって。絶対にお役に立つよ、何しろ、整備士なんだから」
本当は「見習い」だけれども。その言葉はぐっと飲み込む。
「けど」
「煮え切らないな! ダメって言っても勝手に乗り込むからね!」
言って、男が制する前に操縦棺を無理やり開く。通常、一人がぎりぎり乗れる程度のスペースしかない操縦棺だが、この機体の操縦棺は思ったよりも広く、男が操縦席に座った上でミアが乗り込むことも十分できそうだ。
身軽に操縦棺に滑り込んだミアに手を伸ばした男は、しかし、すぐに諦めたらしく手を下ろして、ゆっくりと首を振った。
「わかった。一緒に、行こう。それで、教えてほしい。ここのこと、グレムリンのこと、それから……、ええと、君の、ことも」
言って、男もまた、操縦棺に乗り込んでくる。全視界型ディスプレイの放つシアンの光に照らされた男の顔を見上げて、ミアは笑う。
「あたし、ミア。あなたは……、そっか、名前わかんないんだっけ」
「ああ。ただ、一つだけ、わかることがあって」
男の指先が、ミアの肩から垂れ下がるコートの襟元に向けられる。ミアが襟を引っ張ってみると、そこにはずんぐりとした鳥をモチーフとしたエンブレムと、小さな文字列が縫いとめられていた。その文字列を、指でなぞり。
「『スリーピング・レイル』?」
「気づいたら、着てた、から。これが、僕の、唯一の手がかり」
よく見れば、男が着ている防護服にも同じエンブレムが見える。描かれた鳥が妙にこのグレムリンの形に似ているのは偶然か否か。
「スリーピング・レイル……。どう考えても、人の名前じゃなさそうだけど」
「そう、かな?」
「そうなの。でも、あなたが嫌じゃなきゃいいや」
スリーピング・レイル。眠る水鳥。果たして、その名前が「何」に向けられたものなのかは、ミアにももちろんわからないけれど。
「じゃあ、レイル、って呼べばいい?」
そう問いかければ、男――レイルは、眩しそうに目を細めた。もしかすると、笑ったのかもしれなかった。
「うん。よろしく、ミアさん」
ミアさん。
その声の響きに妙にくすぐったいものを感じて、ミアは唇をふにゃふにゃさせる。レイルはそれに気づいているのかいないのか、操縦席に座ると、計器をおぼつかない手つきで弄り始める。
「それで、レイル。これからどこに行くの?」
「さっき、通信を受け取ったから、そこに、行ってみようと思う」
通信で受け取った座標をセットして。
ミアが座席にしがみついたのを確認して、レイルはグレムリンを発進させる。
「そういえば、このグレムリンの名前は? 呼び名がないと不便だと思うけど」
「『スリーピング・レイル』」
「なんでわざわざ同じ名前つけるの?」
「思い、つかなかったから……」
そんな、他愛も無い言葉を交わしながら、グレムリン『スリーピング・レイル』は二人を乗せて虚空領域を行く。
目指すは通信の出所――『継ぎ接ぎ幽霊船(パッチワーク・ゴーストシップ)』。
【Scene:0002 旅立ち】
* * *
ずんぐりとした鳥の姿をしたグレムリン『スリーピング・レイル』は、操縦者の意志を汲み、ゆっくりと首をもたげる。
そこに、想像よりもずっと速く、敵機たるシュヴァルベ・ドライが踏み込んできて、単装砲を放つ。
響く鈍い音。装甲で一撃を受けた気配が操縦棺に、そして手に、わずかな痺れとして伝わってくる。
だが、『スリーピング・レイル』の装甲は厚い。軽い一撃であればあえて避けるまでもなく――むしろ、相手が「こちらの間合い」に入った合図と、捉える。
「……それじゃあ」
片方の目で、全視界型ディスプレイに映し出されたシュヴァルベ・ドライを見据えて。
「僕の、番だ」
呟きと共に踏み込み、翼の代わりに取り付けられたパンツァークリンゲでシュヴァルベ・ドライを強く打つ。質力が生み出す激しい衝撃で相手の動きが鈍ったところで、機関砲がその装甲をまだらに撃ち抜いた。
ぐら、と目の前の機体が揺れ、海へと墜ちてゆく。
それを見送りながら、無意識に止めていた呼吸を、ひとつ吐き出して。
シアンの明かりに照らされながら、自分の手を握って、開く。
それが「自分の手」であることが、まだ信じられない。グレムリンを駆る自分が「自分自身」であることが、まだ信じられない。
けれど、これは紛れもなく現実で。
――午前二時、三十一分。
視界の片隅の時計を確かめて、それから、空を見上げる。ディスプレイ越しの空は何を語ることもなく、ただ、ただ、そこに広がっていた。
* * *
静かに――なった。
がんがんと鳴り響いていた放送は止み、男から渡されたコートを肩から羽織ったミアは、その場に座り込んでいた。
果たして、あの男は無事なのだろうか。
そう思った瞬間、轟音がこちらに近づいてきた。
見れば、廃工場にあのグレムリンが戻ってきたのだった。最初にそれが置かれていたところに収まると、操縦棺が開き、白髪の男が床の上に降り立つ。
「大丈夫!?」
ミアは慌てて男に駆け寄るが、男の体に傷はない。男は髪に隠れていない右の目をぱちりと瞬いて、それから、低い声で言った。
「うん。攻めてきた機動体は、墜とした。しばらくは、大丈夫だ」
墜とした。あっさりと言ってのけたが、そう簡単な話ではない。もしそれが簡単なことであれば、未識別機動体に世界が蹂躙されることもなかったはずだ。
けれど、目の前の男と――このグレムリンには、その力がある、ということか。
ミアはぞくりとする。それは目の前にある圧倒的ともいえる「力」への恐怖か、それとも。
「あなた、何者なの? グレムリンはことごとく機能を停止してるはずなのに、どうしてグレムリンを動かせたの?」
ミアの矢継ぎ早の問いかけに対し、男はこくん、と首を傾げて。眉を顰めて、
「僕にも、わからない」
と、のたまうのだ。
ミアは目を丸くして、改めて男を見る。先ほどまで死線で戦っていたとは思えない、茫洋とした表情。つい、ミアは唇を尖らせる。
「わからないって、自分のことでしょ?」
「わからない、んだ。ここがどこなのかも、僕が、誰なのかも」
くしゃ、と髪に指を通して、男は途方に暮れた声音で言う。その場しのぎのごまかしにも見えない調子に、ミアまで途方に暮れてしまう。けれど、沈黙しているわけにもいかないから、何とか言葉を搾り出す。
「記憶喪失、ってこと?」
男は「きおく、そーしつ」とミアの言葉をぼんやり鸚鵡返しにして、それから曖昧に頷いた。
「じゃあ、どうして、グレムリンが動かせるのかもわからないんだ」
「わからない」
と答えた男は、しばらく口を噤んだ後、「でも」とぽつりと付け加えた。
「……僕は、きっと。これで戦うために、いる、んだと思う」
男が見上げる鳥型のグレムリンは何も語らない。ただ、ただ、その場に佇むのみ。ミアは噛み付くように問い返す。
「どうして、何も覚えてないのに、そんなことがわかるのさ」
「わかったわけ、じゃない、けど。戦えるなら、戦わなきゃ」
そう言う男は、もう、途方に暮れてなどいなかった。その目は凛として、ミアをじっと見据えている。
「僕はきっと、戦うことしか、できないけど。それが、誰かを、助けることになるなら」
髭に縁取られた薄い唇を、ほんの少しだけ、歪めて。
「嬉しい、から」
どきり、とした。
この世界は終わろうとしている。誰もが諦めようとしている。ミアだって、正直に言ってしまえば、ただ自分が生きるだけで精一杯だった。
けれど、この男は。戦う力を持った上で、その力を「誰か」のために振るうことを躊躇わないというのか。
馬鹿げている、と笑い飛ばすことだってできたはずだ。いくらグレムリンを操り、未識別機動体を倒す力があったとしても、ただ一人でどうこうすることなど、できやしない。
なのに、ミアの中には熱を帯びた思いが湧き出してくる。かつて見た、遠ざかっていく大きな背中の影のイメージと共に。
その、言葉にならない思いを持て余していると、男が唇を開く。
「行かなくちゃ」
「……え?」
「ここの他にも、敵が、いると思う、から」
男の目はもう、ミアを見てはいなかった。廃工場の外、虚空領域の戦場を見据えている。自分がいるべき場所を……、見つめて、いる。
それに気づいた瞬間に、もう、ミアはいても立ってもいられなくなっていた。
「だから、君は――」
「あたしも、連れてって!」
男の言葉を遮るように。ミアは、声を上げた。
男がもう一度視線をミアに戻す。ミアは唇を引き結び、男を見上げる。男は目に見えてうろたえた様子で、かろうじて一言だけを吐き出した。
「危険だ」
「危険は承知の上。それに、あなた、グレムリンに乗れても、整備はできるの?」
「せい、び?」
男がまた、ぼんやりとした声を上げる。これは絶対にわかっていない声だ。
「グレムリンだって、ただ乗り続けてたら疲労するばかりだし、敵によってはパーツを変える必要だってある。その知識があなたにある?」
男は口をぱくぱくさせるだけで何も言わなかったが、つまり「そんなこと知らない」ということだ。
ミアはわざとらしく溜息をついて、それからにっと歯を見せて笑ってみせる。
「だから、あたしも連れてって。絶対にお役に立つよ、何しろ、整備士なんだから」
本当は「見習い」だけれども。その言葉はぐっと飲み込む。
「けど」
「煮え切らないな! ダメって言っても勝手に乗り込むからね!」
言って、男が制する前に操縦棺を無理やり開く。通常、一人がぎりぎり乗れる程度のスペースしかない操縦棺だが、この機体の操縦棺は思ったよりも広く、男が操縦席に座った上でミアが乗り込むことも十分できそうだ。
身軽に操縦棺に滑り込んだミアに手を伸ばした男は、しかし、すぐに諦めたらしく手を下ろして、ゆっくりと首を振った。
「わかった。一緒に、行こう。それで、教えてほしい。ここのこと、グレムリンのこと、それから……、ええと、君の、ことも」
言って、男もまた、操縦棺に乗り込んでくる。全視界型ディスプレイの放つシアンの光に照らされた男の顔を見上げて、ミアは笑う。
「あたし、ミア。あなたは……、そっか、名前わかんないんだっけ」
「ああ。ただ、一つだけ、わかることがあって」
男の指先が、ミアの肩から垂れ下がるコートの襟元に向けられる。ミアが襟を引っ張ってみると、そこにはずんぐりとした鳥をモチーフとしたエンブレムと、小さな文字列が縫いとめられていた。その文字列を、指でなぞり。
「『スリーピング・レイル』?」
「気づいたら、着てた、から。これが、僕の、唯一の手がかり」
よく見れば、男が着ている防護服にも同じエンブレムが見える。描かれた鳥が妙にこのグレムリンの形に似ているのは偶然か否か。
「スリーピング・レイル……。どう考えても、人の名前じゃなさそうだけど」
「そう、かな?」
「そうなの。でも、あなたが嫌じゃなきゃいいや」
スリーピング・レイル。眠る水鳥。果たして、その名前が「何」に向けられたものなのかは、ミアにももちろんわからないけれど。
「じゃあ、レイル、って呼べばいい?」
そう問いかければ、男――レイルは、眩しそうに目を細めた。もしかすると、笑ったのかもしれなかった。
「うん。よろしく、ミアさん」
ミアさん。
その声の響きに妙にくすぐったいものを感じて、ミアは唇をふにゃふにゃさせる。レイルはそれに気づいているのかいないのか、操縦席に座ると、計器をおぼつかない手つきで弄り始める。
「それで、レイル。これからどこに行くの?」
「さっき、通信を受け取ったから、そこに、行ってみようと思う」
通信で受け取った座標をセットして。
ミアが座席にしがみついたのを確認して、レイルはグレムリンを発進させる。
「そういえば、このグレムリンの名前は? 呼び名がないと不便だと思うけど」
「『スリーピング・レイル』」
「なんでわざわざ同じ名前つけるの?」
「思い、つかなかったから……」
そんな、他愛も無い言葉を交わしながら、グレムリン『スリーピング・レイル』は二人を乗せて虚空領域を行く。
目指すは通信の出所――『継ぎ接ぎ幽霊船(パッチワーク・ゴーストシップ)』。
【Scene:0002 旅立ち】
NEWS
グレイヴネット・インターフェース「認証に成功。思念接続を開始……対流域を確保。ようこそ、グレイヴネットへ!!」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「はいはいー、私、フヌ! グレイヴネットより来る、思念の使者!! ひとは私を、ネットの妖精と呼ぶ……」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「というわけで、今回の零錆戦線もまた、私、フヌがあなたをサポートするよ。いっぱい頼ってね」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「零錆戦線、って言われても、って感じだよね。それは、この戦いのこと。世界を取り戻す戦いだよ」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「あなたにしてほしいことは一つだけ。フロントラインの確保だよ」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「グレムリンの持つ零力の光で、この闇に覆われた世界を照らし、我々の手に取り戻す」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「ま、その辺はグレムリン操作マニュアルにインストールされているから後で確認してね」
グレイヴネット・インターフェース『フヌ』
「じゃ、いっぱい戦って、たまにはここに戻ってきてね。ここにはみんながいるから、寂しくはないよ。じゃね~~~」
メールが届いています。自動展開します
差出人:スネイクパレット『ホーレツァー』
「ナイスバトル😁おじさん関心しちゃったナ😉キミのファンになっちゃお😘」
メールを破棄しますか?(y/n)
ここはペンギン諸島。ただ氷原だけが広がっている
《ペングイン大帝》
「我が帝国は完全無敵!」
《ペングイン大帝》
「なぜなら、我が完全無敵故、我が国民我が一人故!」
一匹の王冠を被ったペンギンがシャドーボクシングで威圧していた
スリーピング・レイルはフライトレス・フェザーを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルは重鎮を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルはアヴァランテを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルは緊急推進装置を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルはサファイアコフィンを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルはCC-CA-01を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルはストレイ・キャットⅠを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
スリーピング・レイルは仮設ボイラー《グラスサーグ》を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
フライトレス・ビークは燐光の小瓶で強化された!!(素材消費)
◆アセンブル
【頭部】にフライトレス・ビークを装備した
【腕部】にCC-CA-01を装備した
【操縦棺】にサファイアコフィンを装備した
【脚部】に重鎮を装備した
【エンジン】に仮設ボイラー《グラスサーグ》を装備した
【索敵】にストレイ・キャットⅠを装備した
【主兵装】にアヴァランテを装備した
【副兵装】にフライトレス・フェザーを装備した
【背部兵装】にフライトレス・フェザーを装備した
【機動補助】に緊急推進装置を装備した
◆僚機と合言葉
ネグロとバディを結成した!!
次回ピグマリオン・マウソレウムに協賛し、参戦します
ピグマリオン・マウソレウム担当「フゥーッ!! アイドルしてる? いいね、あげる!!」
移動
北↑へ移動し、北部海域【ペンギン諸島】へと到達した
ユニオン活動
パッチワーク・ゴーストシップの活動記録
迷子の迷子の幽霊船。継ぎ接ぎだらけの幽霊船。
仮初の船長と集まって来た人達を乗せ、目指すのは粉塵の果て、霧の果て――
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
戦艦をもとに継ぎ接ぎに足された船に乗る人達や、その船と情報交換してくれる人の集まり。
仮初の船長と集まって来た人達を乗せ、目指すのは粉塵の果て、霧の果て――
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
戦艦をもとに継ぎ接ぎに足された船に乗る人達や、その船と情報交換してくれる人の集まり。
スリーピング・レイル
「……ええと。もしかして、不愉快な思いをさせてしまった、かな」
ミア
「レイル、意外と気にする方なんだ……」
スリーピング・レイル
「それは、……これから、一緒にやっていく相手、だしね。
できれば、不安はない方がいいかなと、思って」
スリーピング・レイル
「ともあれ、これからよろしく。……僕に、できることは、したいと思うよ」
ミア
「あたしも! お役に立ちますので! よろしくお願いします!」
シュピネ
「ワレワレはグレムリン『ザイルテンツァー』とその整備担当だ。これから世話になるニィ」
ルイン
「各々事情はあるだろうが、まずは要請に応じてもらえた事、感謝する。どうやら未識別機はグレムリンを狙う傾向が強いが、丸腰というのはやはり不安だからな。」
ルイン
「また、帯同は出来ないが情報交換に応じてくれた者がいるのもありがたい。……こんな混沌とした場所だ、情報はある程に精度も増すだろう」
ルイン
「……艦内で寝食する者たちは、なるべく揉め事は起こさないように。仲間意識を持て、とは言わんが最低限の節度くらいはわきまえてもらいたいものだな」
ネグロ
「…………チッ」
チャルミィ
「まあ!素敵な船ですこと。
とくに、ココとココの色と素材がちがうあたりがオシャレでしわ」
チャルミィ
「ワテクシの名前はチャルミィ。
情報や戦力の提供をしてもよろしくってよ?
うふふンッ♪」
チャルミィ
「衣食住の提供って言ってましたわよね?
ワテクシは高性能なアニマロイドですの!
食事はいりまてんわ」
チャルミィ
「でも"衣"は気になりますわ。
かわいいパジャマとかありますかしら?」
メッセージ
ENo.51からのメッセージ>>
ネグロ
「おい、ねぼすけ野郎。テメエがどうなろうと俺はしったこっちゃねえ、が、戦場で余計な事するなよ」
ネグロ
「俺ァな、テメェみてえなタイプが一番気に入らねえ」
ネグロ
「何も知らねえヤツは、だまって隅で震えてりゃいいのによ、クソッ」
ENo.96からのメッセージ>>
チャルミィ
「ご機嫌麗しゅうございますですわ!
あなたの声はワテクシにも届いておりましてよ」
チャルミィ
「ワテクシの名前はチャルミィ。
あなたもテイマーですのね?」
チャルミィ
「同じくこの世界をいくのですもの、
挨拶は大事でしわね。
その点ワテクシはバッチリですわ!」
チャルミィ
「あなたのお名前も教えてくださるかちら?」
3件のメッセージを送信しました
>>Eno.51 >>Eno.140 >>Eno.51
ネグロ
「おい、ねぼすけ野郎。テメエがどうなろうと俺はしったこっちゃねえ、が、戦場で余計な事するなよ」
ネグロ
「俺ァな、テメェみてえなタイプが一番気に入らねえ」
ネグロ
「何も知らねえヤツは、だまって隅で震えてりゃいいのによ、クソッ」
ENo.96からのメッセージ>>
チャルミィ
「ご機嫌麗しゅうございますですわ!
あなたの声はワテクシにも届いておりましてよ」
チャルミィ
「ワテクシの名前はチャルミィ。
あなたもテイマーですのね?」
チャルミィ
「同じくこの世界をいくのですもの、
挨拶は大事でしわね。
その点ワテクシはバッチリですわ!」
チャルミィ
「あなたのお名前も教えてくださるかちら?」
3件のメッセージを送信しました
>>Eno.51 >>Eno.140 >>Eno.51
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
◆友軍からの通信
空母船団
【コロッセオ・レガシィ】の戦果通信
>>友軍の戦闘結果【コロッセオ・レガシィ】の戦果通信
アラシア【覚醒】
「ハロー、こちらグロイディア。
あたしの方はお仕事を順調に進めてるよ。
そっちはどうだい?オーバー。」
>>友軍の戦闘結果
イゾルフ中速【覚醒】
「こちら、イゾルフ。敵の偵察任務を終了する。まぁ結局落としちゃったけど。オーバー」
>>友軍の戦闘結果
ツィール・ブライ超速【覚醒】
「終わりました~」
>>友軍の戦闘結果
藍珠停滞【覚醒】
「今日も生き残れたな...」
>>友軍の戦闘結果
アダム音速【覚醒】
「アダム・ライソン、帰還しました」
>>友軍の戦闘結果
ネーヴェ【覚醒】
「このまま進み続ける!」
>>友軍の戦闘結果
専務【覚醒】
「はは、なんとか勝てましたが……。休暇は……ダメですか。ですよね」
>>友軍の戦闘結果
P2鈍重【覚醒】
「こちら『ペリュトン』のP2ッスよお~~
オレのいたとこは勝ったんで、安心してほしいッスねえ~~」
>>友軍の戦闘結果
ソラノ超速【必殺】
「こちらソラノ、戦闘に勝利」
>>友軍の戦闘結果
ギーズノウ高速【覚醒】
「お、どうやら上手くいったみたいだな!」
>>友軍の戦闘結果
アレヴァト
「敵機の破壊を確認。」
>>友軍の戦闘結果
Title:定時報告
└状況:勝利を確認
└請求:危機生存手当 [ 送信 ]
...
......
[!]申請は承認されませんでした
>>友軍の戦闘結果
クィリー中速
「ラビットホール社の協賛者ってまだ4人だけなの?
とんだ戦場だったわ。この先これが続くわけ」
クィリー中速
「この世界の遺産についての知識……
興味はあるけどね、先を急ぐの。面白かったら通信ででも教えて。バーイ」
>>友軍の戦闘結果
フィム中速【必殺】
「おつかれさまー、みんな!
ぶじならいいけど… むりしないでね?
こっちはだいじょうぶ、つぎもがんばろー!!」
>>友軍の戦闘結果
ジェリィ
「誰かどっかうまい店教えてくれ、祝杯上げに行くから」
精算
報酬 30
売上 10
┗パーツ販売数 10個
今回の購入者-->>15 >>22 >>22 >>22 >>66 >>73 >>85 >>109 >>135 >>156
経費 -8
フラグメンツ獲得 32
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 3発 になりました
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 3発 になりました
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今回の購入者-->>15 >>22 >>22 >>22 >>66 >>73 >>85 >>109 >>135 >>156
経費 -8
フラグメンツ獲得 32
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 3発 になりました
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 3発 になりました
あなたはフラグメンツと交換で鉱石ラジオを手に入れた……
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夜空には静かに星が浮かぶ……(コンテナ入手率 11.5%)
キャラデータ
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所持品リスト
鉱石ラジオ
種別:鉱石ラジオ [素材]
零耐【付与】リコンキトゥン限定
[tips]重フライトレス・ビーク
[tips]
種別:鉄面頭部 [頭部]
零4耐4[tips]
鉱石ラジオ
種別:鉱石ラジオ [素材]
零耐【付与】リンクヘッド限定
[tips]鉱石ラジオ
種別:鉱石ラジオ [素材]
零耐【付与】大型ボイラー限定
[tips]鉱石ラジオ
種別:鉱石ラジオ [素材]
零耐【付与】アイアンソウル限定
[tips]中バトルシールド
[tips]
種別:バトルシールド [装甲]
零1耐4[tips]
重フライトレス・フェザー
【装弾数】…… 3
[tips]
種別:術導重機関砲 [連射聖魔射撃火器]
零4耐3【装弾数】…… 3
[tips]
重フライトレス・フェザー
《広域DLパーツ:スリーピング・レイル(Eno15)からのDL》
【装弾数】…… 3
[tips]
種別:術導重機関砲 [連射聖魔射撃火器]
零4耐3《広域DLパーツ:スリーピング・レイル(Eno15)からのDL》
【装弾数】…… 3
[tips]
重重鎮
《広域DLパーツ:闇(Eno20)からのDL》
[tips]
種別:ウインタテリウム [多脚]
零2耐7《広域DLパーツ:闇(Eno20)からのDL》
[tips]
重アヴァランテ
《広域DLパーツ:ネーヴェ(Eno45)からのDL》
【装弾数】…… 1
[tips]
種別:パンツァークリンゲ [物理格闘火器]
零4耐5《広域DLパーツ:ネーヴェ(Eno45)からのDL》
【装弾数】…… 1
[tips]
中緊急推進装置
《広域DLパーツ:PHM(Eno46)からのDL》
[tips]
種別:緊急推進器 [ブースター]
零2耐2《広域DLパーツ:PHM(Eno46)からのDL》
[tips]
中サファイアコフィン
《広域DLパーツ:エリーゼ・ティンダーリア(Eno66)からのDL》
[tips]
種別:圧壁操縦棺 [操縦棺]
零1耐4《広域DLパーツ:エリーゼ・ティンダーリア(Eno66)からのDL》
[tips]
重CC-CA-01
《広域DLパーツ:クロウラー(Eno116)からのDL》
[tips]
種別:巨大腕部 [腕部]
零2耐5《広域DLパーツ:クロウラー(Eno116)からのDL》
[tips]
中ストレイ・キャットⅠ
《広域DLパーツ:アレクシア・エコーズ(Eno130)からのDL》
[tips]
種別:リコンキトゥン [レーダー]
零2耐3《広域DLパーツ:アレクシア・エコーズ(Eno130)からのDL》
[tips]
中仮設ボイラー《グラスサーグ》
《広域DLパーツ:スタンダール・《RL》・コタール(Eno149)からのDL》
[tips]
種別:大型ボイラー [ミストエンジン]
零2耐3《広域DLパーツ:スタンダール・《RL》・コタール(Eno149)からのDL》
[tips]