ENo.0129　コール＝ターナー

戦いは最終局面を迎えている、らしい。
どうにも実感が湧かない。
雇い主さんの戦いの時もそうだったが。

まあ、こちらとしてはやる事は変わらない。
とりあえず、コーヒーショップを開くためには生きていないといけない。

まずは生きて帰る事。

さあ、未来を探そう。

どうやらジャンク財団も何とかなったらしい。
また、新しい別の敵も現れたようだが。
次は何が出て来るんだろうか。

未来は何処だ？

できることをやる。
いつも通りに。

未来は何処だ？

どうやら、雇い主さんの本部への異動を阻止するのが次の仕事のようだ。
と言ってもやる事は……できることはそう変わりが無い。
グレムリンを駆り、多くの敵を破壊する事。それが、どのように本部への異動を阻止することにつながるかはわからないが。

未来は何処だ？

ジャンク財団が暴れているようだ。
しかし、こちらの戦場にはあまり変化が見られない。
世界から取り残されているのかもしれないが、まあそういうのも悪くない気はする。

まずは自らの職務を全うしよう。
いつもどおりに。

未来はどこだ？

いつの間にやら、雇い主さんと違う戦場に行っていたらしい。
そんなこと起こり得ないと思うかもしれないが、実際そうなった。
どちらかが気がつくだろう、普通。

しかし、最近雇い主さんは何やら仕事の時も割とうわの空で、
心ここにあらず、といったような様子だった。
体調でも悪いのだろうか。

何はともあれ次回は合流する予定である。
未来はどこだ？

ジャンク財団という組織が絡んできているようだ。未識別機を掌握したとかしていないとか。わざわざ宣言しているくらいなのだから。そうなのだろう。ということは、これからは未識別機ともやり合う事になるのだろうか。面倒そうなことだ。

あと、雇い主さんの体調が優れないようである。
こちらも面倒事に巻き込まれているのだろうか。

未来はどこだ？

どうやら、そろそろ借金の返済が終わるらしい。
とりあえず、今の職は続けて蓄えを増やすつもりでいる。

やることは今のところ変わらなそうだ。

未来はどこだ？

雇い主さんがまたフレーム詐欺にあっていた。
フレーム換装に騙されるものが後を絶たない現状、
なるべくフレーム換装は控えたほうが良いかもしれない。
気付いたら、全然知らないフレームに換装されていた、なんてことも起こり得そうだ。

それで戦場に出るのはわりと正気の沙汰ではない。

未来はどこだ？

やたらと派手な鳥がいきなり服をついばんで来て、腹が立った。服がのびた

温泉という施設に行った。
機械の身体では温泉自体に入ることはできない。
けれど、コーヒー牛乳は飲む事ができた。
ビールもだ。

ビールにはアルコールという毒が入っているようだった。何故、温泉とセットで毒を好んで飲むかはわからないが、温泉と言えばビール……らしい。このあたりの趣向はよくわからない。

卓球という球技も試した。
ルールからしてわからなかったが意外と楽しめた。
たまにはスポーツというのも悪くない。

総括すると温泉は意外と面白い、ということだ。
温泉自体には入らなかったが。

どうも、雇い主さんの体調が悪いようだったので、差し入れにいった。
体調が悪い人間を見舞うには、りんごが良いと聞いた事があるので、りんごを持っていく。
もちろん、買い出しの時に支給された金から支払った。

雇い主さんはグレムリンのフレーム詐欺にあったから体調を崩したのかと思ったのだが、そうでは無いようだった。原因に関してははっきりとしなかったが、あからさまに体調が悪そうな顔色ではある。

そこに、男が訪ねて来た。雇い主さんのほうは顔見知りであるようだったが、俺は初めて見る男だ。

いったい何の用だったのか？

雇い主さんに取り次ごうとした瞬間、顔色が2倍ほど悪くなったので急遽男には帰って貰った。どうにも苦手な相手らしい。

見ただけで、顔色が悪くなるような男か。
恐らく、長年放置したコーンミールのような男なのだろう。

そんなのに絡まれるなんて雇い主さんも大変だな。

そう、コールは思いながら、グレムリンの整備に向かった。

ブースターの種類を変える事で、機体の速度が飛躍的に向上した。問題はその機体の速度に自分自身が耐えられるかどうかだったが、これも特に支障は無かった。

機械の身体はこういった面で便利である。
グレムリンとの機体接続のための半身機械化であるが、それ以外の時も有用の時は多い。特に戦闘関連では。

また、半身肉体で、有用な面もある。
料理の味が分かる事だ。

というわけで、この身体の有用性を活かすには、
なるべく美味しい料理を食べた方が良いという事だ。

未来はどこだ？

意外とフレーム換装後も動けたようだ。
不安だったが、何も問題なくて良かった。

撃墜数もそれなりだったため、雇い主さんからコーヒーを奢って貰った。珍しい事もある。

コーヒーは良い。
何しろ味が良い。

逆に紅茶は良くない。
あの色は錆の色に似てる。

今度の仕事ではコーヒー豆を拾いたい。
そして、コーヒーショップでもやろうと思う。

案外、未来とはそういうところにあるのではないだろうか。

フレームを勝手に換装させられていた。

人の機体を勝手にフレーム換装するのは何かしらの罪に問われないのだろうか。しかし、この世界には法は無い。いや、法律、規則、それに近いものはあるが、少なくとも裁判所は無い。

強襲試作機。

試作機というからには安全性を見た耐久になっているか
と思ったら、前回のフレームより軟弱である。
攻撃寄りの機体、ということらしい。

少しアセンブルをいじらなければならない。
耐久が落ちるということはそれだけ早く相手を殲滅しなければならないということだ。

未来はどこだ？

また、猫缶を拾った。
ついでに、猫じゃらしも拾った。

どうやらこの世界は猫好きの温床らしい。
猫は全然いないのに。

そういう、見えない猫を追い続けるのもこの世界の未来へのアクセスの仕方なのかもしれない。

見えない神を信仰したり、見えない猫を信仰したり。

そういえば、グレイブネットで『死んだ傭兵を見た』という噂を聞いた。

そういった噂を求めて、歩き続ける者もいるだろう。

未来はどこだ？

猫缶が4つ手に入った。
4つも、だ。

俺達が乗る巡洋艦…【ベルーガ】には猫はいない。
いなかったように思う。

なのに、4つも。
何に使うというのだろう。

皆目見当がつかないが、ひとつはパーツ作製の素材として使うことにした。

それでも、あと3つも余る。

とりあえず、食べてみる事にした。
不味かった。
この艦の食事と同じように。

残りは…
猫に譲ろう。

どこにいるかもわからない猫に。
仕事を続けていれば、どこかでそういった猫に出くわすこともあるだろう。

とりあえず、次のミッションのおおよその目的は決まった。傭兵の仕事をこなし、猫も探す。

未来はどこだ？

未来が見えている。

そう、恐らくこれから先の毎日は、このようにこき使われながら過ぎていくのだろう。

そして、俺はその過ぎ去っていく日々を特にどうすることも無い。ただただ積み重なっていく毎日をボーっと眺めている。

それのどこに悪いことがある？

変わりない日々を眺めるだけ。
そういう生活も悪くない。