ENo.0068　棄却元理

「わたしたちにはねはない」

「たとえ大鷹(ヤストレブ)の名を冠していたとしても」
「その翼はニセモノ」

「この鉄鋼はしょせん」
「たたかい」
「傷つけるための」
「道具(へいき)でしかない」

***
おめでとう■■■■
パンドラの匣は開けられてしまったようだよ

VOICE LOG #004


『ああそうだね。ここで造ってるのは、22ミレニアム宣言……釜山条約かシンガポール規定とかいわれてたっけ？』
『あんなもの全然遵守されてないよ』

『当たり前じゃないか』
『兵器の製造をやめたところで戦争なんてなくなりやしないんだからさ』


*noise*



『って散々話してきたけど、キミはここを辞めようとしないね』
『正直、恐ろしいよ』


『まあ、あんなこと言ったけどさ。もちろん人命救助用のも居るからね』
『大丈夫大丈夫、いきなり人を放って死なせたりはしないよ』
『そのために、教導員としてのニンゲンが居るのだし』

『……ヤストレブが人類に反旗を翻すのはまだ早いって言ってるんだからさ』

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***VOICE LOG #001
『やあ、はじめまして。君が今日から配属される■■■■クンだね』
『私の名前はシキナミ。ここの所長だよ』

『最初に言っておくけども、』
『此処に人類の希望なんてものはないよ』

『君が国家統廃合戦争ですべてを無くしたは私も知ってるよ』
『そして、君があの災いを繰り返さぬように独り戦い続けて来たことも』

『だけど君も賢いだろうから、人類が闘争をやめたことなんて一度もなかったことくらい知っているでしょう？』

***noise***

『だからこそ、私たちは悪魔を作ろうとしてるんだ』
『あの戦争のような災禍をふたたび引き起こさないような抑止力になるものを、ね』

『君も、科学者ならば”悪魔”の存在くらいはしっているだろう？』
『なにせ科学者はそれに打ち勝つために観測してきたのだからね』

***noise***

『……ああ、一つだけ忠告しておくけども』
『悪魔を飼いならすことはできても、滅ぼすことはできないよ』
『たとえ我々人類が、”彼ら”より下に置かれることがあっても、だ』

星空に私の翼はとどかない。
それでも私は羽根を広げる。
どこまでも、どこまでも

ハイドラと、未識別(みしらぬ)機体。
どこかで見覚えがあるけども、彼らは私たちに刃を向ける。
私は彼らと仲良くしたいのに。
どうしてかしら。


遠い昔、私はアレに載っていた記憶がある。
だけども、何故か明確に思い出せない。
…どうしてかしら。

歌は聴こえない。
いつだって、いつまでも。

わたしはアイドルのはずなのに。