導入

――北へ
残像領域に生い茂る巨大樹木。木漏れ日の間に、澄んだ風が通り抜ける。そんな、世界を迎え、幸せな結末を迎えた、5年後のこと
そのニュースは、北からもたらされた!

未踏破領域に存在する謎の遺跡。霧に包まれた領域
そこでは、消えたはずの電磁波も存在していた。世紀の発見。なぜなら……遺跡の碑文が指し示す、遺跡の主。それは、組み立て前のドゥルガー素体だというのだ
今、大いなる力の支配権を求め、あらゆる勢力が、北へと――!

――残像領域北部
気候風土は何ら変わりなく、肌寒く、湿度の高い、静かな世界。アルラウネの密林はどこまでも続いていた。その密林がどこまで勢力を伸ばしているのか調べるため、調査団が東西南北へと派遣される
そう、北にも

調査団は、大地に巨大な亀裂を発見する
それ自体はありふれた光景だ。アルラウネの成長は残像領域に大規模な地殻変動をもたらした
調査団が見つけたのは……亀裂から覗く、巨大な回廊だった

第1話

「索敵が足りない……コネクト機体を回してくれ」
「こちらブラボーチーム。セクション2に到達」
「こちらフォックストロット。セクション4を制圧。ここを拠点とする」

いまだ争いは続く。様々な勢力が、新たな発見と権益の確保に向けて動いていた。そう、残像領域は力こそ全て。早い者勝ち、強いもの勝ち。狼の群れが獲物をしとめた時と同じような、パワーバランスが存在している

残像領域で最も強い力。それは、ハイドラ――有人制御式の武装ロボットと言えば近い――すべてをなぎ倒す力であった。曰く、ハイドラに向かう砲弾は、彼に届かず、魔法のように躱され、跳ね返される。ハイドラの正確無比な火力は、たとえ外れてもこちらを追いかけ、撃墜する。そう、ハイドラを統べし者が、全ての餌を独占する存在となるのだ

「こちらフォックストロット。セクション5に到達。ここから先は未知の領域となる。レコーダ起動。オレが死んだら、回収してほしい」
「フェフフェト、期待している。こちらは邪魔が多い。世紀の発見は、君に任せた」
「ボフトン、頼むぞ。レコーダを回収してくれなかったら、教科書に載れなくなる」

フェフフェトは、ノイズだらけの通話を打ち切った。ブラボーチームとかなり距離が空いてしまったようだ。このハイドラチームは白兎生体化学の企業契約ハイドラであり、3人チームを3部隊、支援1機の10機で遺跡に挑んでいた。フェフフェトのチーム、フォックストロット隊は2機が被弾により撤退し、フェフフェトは判断を迫られていた。探検の最大深度、セクション4を制圧し、この先……セクション5に挑む権利を得たのだ。ただ、フェフフェトは一人だった

「オレはフェフフェト。いま、セクション5のゲートを開く。ここから先、目に映る全てが、誰も知らない場所だ」

レコーダに向かって話しかける。フェフフェトのハイドラ、『シグナルウェイブ』は、闇の中へ飛び込み、そして――帰ることはなかった

フェフフェトのレコーダは、回収されなかった

第2話

自らを運がいいか、悪いかと思うのは、自身の資質によるものが大きい。その結果幸福になったり、不幸になったりするが、それはまた別の話だ。いずれにせよ、運というものは、本人の感覚から生み出された、脳内の幻灯であるかもしれない

セクション5。北の遺跡は一定の階層ごとに貫通不可能なシールドが建設されており、そこを抜けるにはゲートを開放せねばならない。ゲートはハッキングによって解放可能であるが、警備も厳重であり、越えられない関門として立ちはだかる。その階層ごとに、セクションが割り振られていた。セクション5は、未踏の第5階層である

「ここを過ぎれば、俺は、俺は――」
≪HCS、アウト・オブ・コントロール。ENの光を観測。制御不能≫

遺跡回廊に投げ出された、残骸のような機体。もはや動くことすらできない。被弾個所は46箇所。コンソールにはそう書いてある。ミストエンジンの空転音。警備機械……装甲車や機動破壊兵器が遠巻きに様子を伺う。もはや、攻撃は無意味と判断しているのだろう。彼のハイドラは――撃墜された

モルスは、デスケル重工の委託傭兵であり、名誉を求めて遺跡に挑んでいた。結果は粗大ゴミになるなんて、彼は思ってはいなかった。いや、少しは思っただろうが――自分には関係ない。そう思っていたことは否めない。彼は運に賭け、戦いに挑み、そして当然のように、賭けに負けた

「すぐそこなんだ。セクション5は。すぐに、手が届く。なのに、どうして届かないんだ。こんなんじゃ……手を伸ばさないのと同じだ」
≪HCS、再起動に失敗...30秒後にリトライします≫

モルスは賭けに出る必要があった。むしろ、それ以外の道はなかった。それ以外の道は、彼が全て塞ぎ、打ち捨てててきた。モルスの夢は、名誉だった。名誉のために、彼は、ハイドラ乗りになった。それが最短距離であり、もっとも強い道であった

彼は名誉が欲しかった。普通の生き方では得られない名誉。むしろ、普通の生き方に絶望すらしていた。苦痛しかないと思われた道を全て断ち、自らを最も輝かせる生き方を求めて、彼は周囲の反対を押し切り、ハイドラ乗りを目指し、ついに、彼はそれになった。そして、5年が過ぎた

最短距離に思っていた、いちばんまともに見えた、最も幸せな道に見えたその生き方は、次第に傾斜を強め、狭まり、棘のある草に阻まれ、もはや進めないところまで来てしまった。あの峠を越えたら、きっと報われる。そう信じて、最後の賭けに出た。企業の募集する遺跡探索依頼。莫大な報酬。セクション5の開放という偉大な名誉

「……何だったんだろう、俺の生き方は。明日、また明日には、きっと報われると信じて走って、いつも、いつも、届かない場所で息を切らして、何も手に入らない」
≪HCS、再起動に失敗...30秒後にリトライします≫

モルスはハッチを開けた。かび臭い遺跡の古い空気が出迎えた。徒歩でセクション5に向かう。荒唐無稽な想像に、思わず笑ってしまった。穴の開いたハイドラの頭部に腰掛け、ポケットからスキットルを取り出し、苦いアルコールを舐めた。もはや、帰還すら不可能。あとは4階層の地下深くで朽ち果てるだけだ

ヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィ……
ルルルルルルルルル……
規則正しいミストエンジンの音が聞こえる。モルスは、一瞬自機のエンジンが復活したと喜んだ。だが、違う。自機のエンジン音によく似ているが、違う。なぜなら……いたのだ。ハイドラが。目の前に。警備の装甲車や機動破壊兵器が警戒モードに入る。なぜ……なぜ? モルスは困惑する。目の前のハイドラは、紛れもなく、自機だ。自分のエンブレムが輝く。では、自分が腰かけている粗大ゴミは何だ?

正体不明のハイドラは、素早く動き、装甲車を粉砕した。軽々しく宙に舞い、速射砲を放っていく。機動破壊兵器の砲撃は……当たらない!

「あれは……誰なんだ? いや……」

どうでもよかった。いま、自らのエンブレムを掲げ、戦うハイドラがいる。それも、自らの夢見た、そのままの……いや、それ以上の華麗さで、舞うハイドラ。彼は立ち上がり、こぶしを握った。次々と、敵機は撃墜されていく。ハイドラは被弾するが、誰もその機動を止められない!

「いいぞ……その調子だ。セクション5は、もうすぐだ。頼む、お前が……その扉を開けるんだ。手を伸ばせ! もうすぐだ! がんばれーっ」

汗を飛ばし、声の限り叫んだ。被弾個所は増え、弾は尽き、残す敵は手負いの機動破壊兵器。それでも、勝てる気がした

「がんばれーっ、負けるな……そこだーっ」

腰から電磁アックスを取り出したボロボロのハイドラは、機動破壊兵器の頭上にジャンプをして斧を振りかぶる
ルルルルルル……
ヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィ……
ウウウウウウォーッ……
3つのミストエンジンが吠えるように駆動する!

「いまだ……や、やった、やったーっ、やったーっ、やったーっ!」

爆散する機動破壊兵器。声の限り叫んで、こぶしを突き上げて、モルスは活躍を見届けていた。爆炎の向こう、機体のハッチを開けて身を乗り出した自分の影は、モルスに振り返りもせず、セクション5の闇へと消えていった

第3話

手を触れる接触。言葉の接触、空気の接触、感情の接触、思いの接触。それ以上の接触、それ以降の接触。その結果は、誰にも読めず、まさに運に支配されているように思える。運の結果ゆえに、絶対の成功はない。ただ、絶対の運であるならば、絶対の失敗もない。それを誰もが信じられようか

守護者たち。北の遺跡は無数の敵対勢力がひしめく危険地帯だ。敵は、よく見知った兵器の影を帯びて現れる。ヘリ、戦闘機、装甲車、機動破壊兵器、DR、そしてハイドラ。よく似ているが、意思疎通は不可能。撃破せねば進むことはできない。ゆえに、正体不明ながらも、撃破し道を切り開く

「サイトに入った。トリガーを引く。完璧な射線……撃破成功」

自然と独り言が漏れる。これは彼女の癖だった。彼女……エリベルは、孤独なスナイパーだった。誰かと行動を共にすると、そのせいで危機を迎える。なので、邪魔になって、とうとう彼女は一人になってしまった

エリベルもまたデスケル重工の委託傭兵であり、遺跡開拓プロジェクトの成果が芳しくなく、募集を締め切りつつあったところ、無理を言って参加した経緯がある。たった一人の潜入侵攻。企業側は無謀だと心配したが、エリベルは金さえ寄こせばいいと、作戦を強行した

「もうすぐセクション5。アクセルとシフトレバー。完璧な機動。狙撃ポイントに到達」
≪HCS、システムエラー。索敵性能が低下しています≫

索敵障害がひどい。ただ、照準は生きているので、敵さえ補足すれば撃破できる。そして彼女は、とうとうセクション5のゲートに到達した。頼みの狙撃砲には誘発装置をドッキングしており、誘発弾を放てる

彼女は団体行動が苦手だった。いつも、ほかの誰かに足を引っ張られ、余計なタスクを押し付けられ、消耗する。だから、一人で全部やった方が気楽だった。そして、彼女は一人で生きてきた

そして、セクション5に挑む彼女がいた。一人で何でもやる。どこまでも一人で行く。ひとりで行けない場所は全て到達した。そして、彼女はどこへでも行けた。ただ……そのたびに、彼女は猛烈な苦しさを感じる。自慢する友も、吉報を待ちわびる恋人もいない。ただ、自分という存在がA地点から、B地点へとスライドしただけ

「完璧な戦闘、完璧なルート。完璧な作戦……なのに、満たされないでいる。私は欠けている。いや、いらないものだと切って捨てた肉が、傷口になっている。あれは、病巣だ」
≪HCS、システムエラー。索敵性能が低下しています≫

自分を喜ばせるのが、下手だ。そう結論付けた。何度も。自分で自分を喜ばせることができれば、真に自分は満足できる。そんな思いがあった。そして、その理想はいまだ叶わない

照準をのぞき込む。目指すはセクション5、ゲートロック。そこに、誘発弾を叩き込み、ゲートを開かせる。唇を舐める。全神経を集中させて、失敗の許されない一撃を叩き込む。自分ならできる。自分一人でもできる。確信があった。しかし、一つ、確信が持てないものがあった

「私は、満足できるだろうか」

「アレを壊したら、私は自分に勲章を上げることが、できるんだろうか」

分からなかった。その結果は、分からない。しかし、もし、満足できなかったら? 前人未踏のセクション5.その道を開いても、満足できなかったら?

「私は、何をしたら、満たされるんだろう」

トリガーに指を、静かにかける。その指先に、涙が滴った。どうしようもないほど、計算が狂っていた。それでも、彼女は、それに賭けた

「サイトに入った。トリガーを引く。完璧な射線……撃破成功」

ゲートロックが破壊され、セクション5のゲートがゆっくりと開いていく。感動はなかった、失望もなかった。ただ、道が開かれた。答えは先延ばし。そう、死ぬまで――? 彼女は、絶望を想像し、ふっと笑った

「結局、最後に私の足を引っ張っていたのは、私自身だったな。私の希望を捨て、私はどこまでも行く。私は、私自身にも束縛されない。自由だ」

ゲートの向こうに誰かいる。人型の――ハイドラだろうか。向こうも自分に気付いているようだ。ミサイルの弾数を確認。ドッグファイトもいくらかできそうだ。狙撃砲を折りたたみ、エリベルは未知と接触し、そして――


第4話

道化と舞踏の違いはどこから来るのだろう。ただやみくもに手足を動かしても、道化にしかならない。舞踏にするには、計算が必要だ。それは、よく美しさと称される動作である。そして、戦いの中で計算された動きもまた、舞踏と呼ぶのに、ふさわしい所作であるのかもしれない

セクション1。ハイドラキャンプ『サルガッソ』。ここは、セクション1の洗礼と歓迎を受け、生き延びたハイドラが最初にたどり着く拠点である。ここには無数の物資が流れ込んでおり、さながら年末の郵便局のような、混沌とした状態となっている――年末の郵便局など見たことはないが

「鳥が飛んでいたんだよ。見たんだ」

キャンプの安酒場……キャンプにはもちろん、ライダーや随伴隊員たちの憩いの場である、各種遊戯や飲食店などが無秩序に営業しており、どこから持ってきたのだかわからない、缶詰の食材をぶちまけ、薬臭いアルコールや濁った水で流し込む

酔いながらそう店員に絡むのは、まだ若いサシュラ。彼は、ハイドラライダーとしてこのミッション挑み、ひと時の休息を味わっていた

「遺跡の中に鳥なんかいないよ」
「いるさ。この目で見たんだ。捕まえてきてやるよ。俺のハイドラは、速いんだ」
「ハハッ、楽しみ」

酔いが深く、彼はそのまま眠りに落ちる。朝、目を覚ます。そして、いつものように探索の日々が始まる。彼は、酔いの残った頭をアップルミント味の冷水で叩き直し、空き缶を捨てた。空き缶は小気味いい音を立てて満杯のゴミ箱に吸い込まれた

成果が出せないでいた。サシュラは、幾度となくセクション4深層に挑み、何の成果も得られず、セクション1、『サルガッソ』に帰還する。その日々を繰り返していた。その中で、一つだけ、彼は発見をした。鳥だ

飽き飽きしていた。成果の出ないミッションに。その中で、彼の興味は、セクション5から、謎の鳥に向かっていった。セクション4深層で、飛び交う無数の鳥を見たのだ。その光景に……遺跡に差す淡い緑の光の中、ホログラフのように瞬いて飛ぶ鳥の群れに

「セクション5は忘れて、鳥を探そう。そう、先に進めないときは、わき道を探すんだ」
サシュラは、軽量二脚WHを滑るように遺跡深層へ……セクション4へと進めた

足踏みばかりの生き方だった。彼は速さをいつも求めていた。誰よりも速く、誰よりも強く生きようとするたびに、時間が歪み、運命がねじれ、彼の速度は停滞してしまう。いざという時に、雨が降って台無しになる。告白した女は、次の日引っ越しして、そのまま会うことはなかった。ハイドラのライセンスに至っては、発行直後に紛失して再発行だ

セクション4に入る。どこまでも速く、誰よりも速く、彼の軽二脚は進んでいく

「僕は……この速度を維持して、どこまでも……」

レーダーが敵影を捉え、アラートがなる。旋回し、迎撃に出る。謎のシグナルだ。見える姿は、人型の機影。HCSがアラート

≪HCS…警告します。デバステイター・センチネルを確認。デストロイ・ザ・ドゥルガー。残像領域はわが手に。わが手は黄金の担い手となり……≫ 「なんだ、このエラーは……マニュアルに載せてくれ」

軽パルス砲を構える。その時、翻る影。鳥だ……鳥が舞っている! すぐ、そばに! 掴めばすぐ届く場所に!

「鳥だ……捕まえて、帰らなくちゃ……すぐそこにいたんだ」

手を伸ばす。すぐそばにいるのに、サシュラの手は届かない。速度が足りないのだ。彼の手と飛ぶ鳥との距離はやがて遠くなり、鳥は――ホログラフの光となって、消えた

≪HCS…警告します。デバステイター・センチネルを確認。デストロイ・ザ・ドゥルガー。残像領域はわが手に。わが手は黄金の担い手となり……≫


第5話

それは、戦うために生まれた。それは破壊するために、生まれた。けれども、戦い続ける中で、自らを滅ぼし、後悔の中でそれが選択した道は……戦うことで、護ることだった。ゆえに、それは尖兵となり、世界を救命する敵を滅ぼす

セクション1。ハイドラキャンプ『サルガッソ』。時計の針が8時を指し、慌ただしく……いつものように、出撃のサイレンが鳴る。と同時に、いつもなら、夜襲のハイドラ部隊が帰還する。そうして、昼と夜が入れ替わる。その手はずだった

「おかしいな……夜戦部隊が帰還しない」

シルウェストリス管制が、印刷物だらけの管制室でぽつりと呟く。彼は、何かの間違いかと思った。昨晩出撃したハイドラ中隊は、シルウェストリス航空最新機の高機動ハイドラ「ラグドール」15機。および、航空支援として虚空次元実験戦闘機「デボンレックス=ヴォイド」5機。絶対に勝てる編成だった

「帰還の通信は受け取ったはずだ。帰り道。しかも、セクション1の目と鼻の先。何かが起きる……そんなはずはない」

ガリガリとプリンタがしきりに印刷物を繰り返している。夜戦部隊の送信した滞留シグナルを検知し、サルベージしているのだ

何も問題ない、通常通りのシグナル。ただ、気になることがあった。時間が長すぎる。寄り道でもしているのだろうか。そして、もう一つの異常

別の部隊の識別信号が紛れ込んでいる。21人いるのだ。識別シグナルは……白兎生体化学。報告は何もない。感知されずに、同行しているのだ

「なんだこれは……こいつが、原因なのか?」

シグナルを辿り、一つのデータを受信する。それは、操縦棺内部の映像だった。モニターが映っている。しかし、映されているはずの外の光景が見えない。電源が切れたような、黒い画面にノイズが走る。時折、緑のシステムメッセージが流れていく。それを解読するには、解像度が足りない

操縦者の姿は、カメラの死角に入り、見えない。音声もない。無味乾燥した映像だ

「ヒントがあるはずだ」

やがて、見知ったシステムメッセージが現れた。HCSのエラーメッセージだ。時刻を見る。7時55分。スケジュールでは、サルガッソに到達する時間。なぜか、HCSは、エラーの後に、古びたかび臭い聖句を引用する

≪HCS…警告します≫
≪デバステイター・センチネルを確認≫
≪デストロイ・ザ・ドゥルガー≫
≪残像領域はわが手に≫
≪わが手は黄金の担い手となり≫
≪収穫と戦魂を司る女神の代行者となり≫
≪わが手は南風の復讐者となり≫
≪失われた聖魔に差し伸べる手となる≫
≪HCSメインプログラム……修正完了≫
≪わが手の算術は崩壊せしゆえに≫
≪全ての不条理を活性させる手となる!!≫

視界の隅で、操縦者の手が動いた。それは素早く……シフトレバーを切り、やがて映像はノイズの塊となって消えた

第6話

セクション1。ハイドラキャンプ『サルガッソ』。無秩序に建設された仮ごしらえの施設が立ち並ぶ。生臭いにおい、オイルのにおい。人の呼吸する街

街に境界はなく、適当に寄り集まった人間の巣、といった様相である。車やDR、その他の壊れた機体をそのまま積み重ね、利用した住まい。店も、同様である。一夜限りの夢と知りながら、商売に熱狂する人々

セクション1を潜り抜けたものが最初に到達するのが、このキャンプである。ここからセクション2、3、4のゲートが放射状に伸びており、目と鼻の先にあるセクション5の鍵が開く、という仕組みだ。ただ、2、3、4のゲートキーを手に入れセクション5に挑んだ者は少ない

サルガッソの南部はジャンクパーツマーケットになっており、広域出品されたパーツやアイテムが無秩序に流れ込み、バーゲンセールを開いている。便乗して日用雑貨、食料品を売りさばく業者。建築からペットまで何でもそろう

西部は演習場になっており、ハイドラや機械の試運転や火器の試射が行われ、騒音と爆音に包まれている。迷い込んだら、いい的になる。瓦礫とジャンクと空薬莢の世界

東部は行政区になっており、企業の支店や営業所、一応は自治するつもりのある自治体の本部がある。各種手続きは東に行くといい

北部は歓楽街になっており、いかがわしい店や、遊技場、スタジアム……といってもただの空き地にボロボロの観客席をつけただけのもの。あとは劇場、映画館などなど。治安も悪く、女性や子供が一人で出歩く場所ではない

あらゆるゴミや生き物が、複雑に絡み合い、流れ着く。ここはサルガッソ。ハイドラの海の底。そして――

サルガッソーへ、ようこそ


第7話

ひとは予測能力に優れた生き物である。時として、それは起こりうる悲劇を未然に防ぎ、手に入れられないはずの栄光を掴む。まさに、神のなせる業であった。誰もがそれを信じ、それに裏切られ、破滅が微笑む――その時まで

シルウェストリス副社長、ネア=ミル=フェイ。彼女は一夜にして、シルウェストリス全社員の運命を預かることになる。いまや、社長代行。なぜなら、シルウェストリス幹部は、一夜にして消し炭になってしまったからだ

原因は分かっていた。超予測世界シミュレータによる、新技術開発の実証機の暴走。主犯の行方は知れない。主犯……少女Dは、高度に機械化されており、新型兵器のユニットとして組み込まれている。いつまでも生きられるものではない。企業のメンテナンスが無ければ

経緯1:戦闘システム「ブリンクトリガー」を搭載した新型機、「プロジェクト・GsR-80-1」――名前はまだ決まっていない――の起動に失敗、再起動を施す

経緯2:GsR-80-1、異常起動。「ブリンクトリガー」が変異。次元潜航開始。次元圧上昇。GsR-80-1、次元臨界。この際、研究所が消滅。研究員・作業員128人が観測不能に

経緯3:GsR-80-1、次元跳躍を開始。座標、本社ビルと確定。「デボンレックス・ヴォイド」による迎撃。ロジックミサイル117発を受けるも健在。GsR-80-1、反撃開始。短距離次元跳躍により接近。素手による攻撃で、「デボンレックス・ヴォイド」を12機撃墜する

経緯4:GsR-80-1、次元跳躍完了。本社ビル上空に出現。演習用の焼夷爆弾を投下し、本社ビルを破壊。再び次元跳躍。座標追跡に失敗。GsR-80-1、完全に消失

新型機の暴走は、決して許される失敗ではなかった。なんとかして、シルウェストリスを立て直さねばならない。しかし、もし新型が他企業に鹵獲されたら……全ての終わりだ。全ての投資、全ての研究、全ての知識が奪われてしまう

ネア社長代行は、カードキーと網膜認証を通し、地下施設へと足を踏み入れる。そこには、得体のしれない機械に繋がれ、訓練……実験を繰り返す被験者たちがいた

「私たちには、まだ希望が……切り札がある」

見上げた先には、塔のような、巨大な機械がそびえたっていた

第8話

意味について考えたことはあるだろうか。行為の意味、思考の意味、そして、感情の意味。結局は意味というものは幻想なのかもしれない。この世に真実があるわけでもなく、全ては消えゆく前の瞬きにすぎず、あらゆる意味は張りぼてだとしても……ひとは、意味をなくして生きてはいけないのだろうか

白兎生体化学遺跡探索チームは、はっきり言うと暴走した一機関の勝手な任務に過ぎない。すでに、本部は支援を打ち切り、人員も予算も送られていない。そして探索チームの権限は、研究員『ブレア』に一任されていた

彼女は、一人走り出していた。闇の中、光へと向かって。大いなる光……闇をたたえた、遥かなるシルエット・レガリア。その存在を、彼女は予見していた。それは、領域殲滅兵器の研究から生まれた

領域殲滅兵器―デバステイター・ユニット―には、他に3つのバリエーションがあったとされている。それらをひと繋ぎにする何かがあると、考えたのだ。カテゴリーが同じということは、それに課せられた役割とか、放つ性質が同じだということ

名前の意味するものが、何なのか。デバステイター。荒廃させるもの。何をもって、それを作り上げたのか。歴史では、ドゥルガーの正面装甲を破るために生まれたという。それに、ブレアは異議を唱えた

自らの仮説を立証するため、彼女は奔走した。闇の中、一人、走り続けた。他の全てを置き去りにして、速く、ひたすらどこまでも、走り続けた

気づけば、社内での出世ルートが絶たれていた。彼氏もいなければ、親もなくし、親戚、友人、あらゆる繋がりを希薄にしても、気付かなかった。気付いていては、ダメなのだ。それは、速さには不要だった

一度だけ、彼女は立ち止まった。彼女の肺は、余命半年を宣告した。一瞬の迷いが、彼女の足を止めた。足を止めて……再び闇へと走り出した

正しさ、真実、意味、結果。あらゆる思いが彼女の中で渦巻き、それでも、確固たる思いが彼女の中にあった。それこそが、遥かなるシルエット・レガリア……古代魔法文明の光。それを……魔力を荒廃させるために、デバステイターは……残像領域を身に纏い、そして――

「ヒヒッ、世界は滅びる……ゴホゴホッ……残像領域を生み出した、デバステイターの手によって……ゴホッ……やがて、我々は取り戻すだろう……魔力の光を……残像領域の、向こう側の……向こう側の……ゴホッ!」

血の飛び散った原稿を捨て、彼女は再びペンを取った。夜を越え、光の差す場所へ向かって、ブレアは――

第9話

幼いころの記憶は呪いとなり、あるいは希望となり、その後の人生全てを動かし続ける。呪いか、希望か、その区別は分からない。ただ、大きな力となって彼を走らせる。まるで、ロケットが発射されて、軌道に乗るまでのように、凄まじいエネルギーを燃やして、ひとは幼少期を駆け抜けていく。それが不幸か、幸せかは、まだ分からない

バルベナは孤独な少女だった。周りの大人たちは、いつも忙しそうにしていて、誰も彼女に構ってくれやせず、孤独が癒されることはなかった。ただ、一人……彼女に向き合う、少し年の離れた少女がいた。名前はダルア

バルベナとダルアは、二人でいつも遊んでいた。二人の住む場所は、乾燥した場所だった。白く模様の無い壁に囲まれた病院のような場所。別室にはたくさんの少女の気配。ただ、それが何かは分からない。会話するには壁が厚いし、会ったこともない

「バルベナ、わたし、『適性』があるんだって」
ある日、ダルアはそう切り出した。次の日、ダルアは部屋を出ていき、二度と会うことはなかった

孤独。部屋に1人、バルベナは膝を抱えていた。ダルアはいつも言っていた
「わたし、旅を続けるんだ」

ダルアの口癖だった。ここではないどこかへ向かうため……それがダルアの生きる目的だった。そして、彼女は旅立った。『適性』が何なのかもわからない。どうして、自分たちがこうして軟禁されているかもわからない

部屋の外の大人たちが、慌ただしくなった。話し声はよくわからない。ただ、何かを恐れているようだった

「……領域が完全に……ユニットの……で……」
「そんな! ……は……」

そして、大人たちがやってきた。バルベナを無視するように、言い争いながら

「残念なことが起こったな。計画を急がなくてはいけない。研究員の半分を持っていかれた」
「そんな、バルベナはまだ『未適合』で……早すぎます。せめて、メルサリアのレベルまで調整しないと」
「そのメルサリアも敵に下った。もはや我々に残された手段は少ない」

そして、悪夢のような手術が始まった。それから、バルベナは変わった。幼い記憶の別とは人格が芽生え、彼女に生きる理由を授けた。そのときのことはよくわからない。頭の中に何かが流れ込んできて、彼女の心が変わってしまった
手術が終わり、白衣を着た老人が尋ねる

「おはよう。知識レベルはどうかな? 君の名前は……言えるはずだ。授けられたミッションの内容も」
「はい。わたしはデバステイター・ユニット≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫。世界を救命するために……」

いくつかの歴史が廻った。世界は幾度も変わった。強大なドゥルガー・ユニット。彼の者の光が領域を焼き尽くすさまも見た。だが、そんなものは些細な問題に過ぎない。本当の破滅が、迫っている

やがて、世界は滅びるだろう。世界が、偽りだと気付いた瞬間。この世界が破壊された世界の残滓であり、残像であることを世界が気づいた瞬間。この世界を維持する全てが崩壊する

「この世界を、護らねばならない……この、領域拡散精神遊離環の力。そして……ドゥルガー・ユニットの力でもって」

セクション・6。彼女の視線の先には、心臓を脈打たせ、今まさに眠りから解凍されつつある……かつて世界を滅ぼした、ドゥルガー・ユニットの一つが薄目を開けていた

第10話

名前というものは、最終的に、自分自身を象るものかもしれない。それを好いていようと、嫌っていようと、似合わないと思っていても。そして、それは……自らの意志とは関係なく決定され、自らと同化し、染みこみ……縛っていく

ネコは裕福な家庭に生まれた少女だった。猫好きの両親の間に生まれ、幸せな時を過ごすことを期待されて……彼女もまた、「ネコ」と名付けられた

結果は、あまり良い話にならなかった。ネコは両親の勝手な愛情に辟易し、両親もまた、思い通りにならないネコに対し、愛情を冷やしていった。そして、19年が過ぎた。ネコは両親の元を離れ、宗教に依存するようになっていた

「先生、私は教団に帰依して2年になりました。私の願いを……どうか」
ある日、ネコは自らの改名を志願した。彼女の属するヒルコ教団は、その程度造作もないはずだった。しかし、ネコの先生は、それを拒んだ

「なぜ、名前を変えるのです?」
「猫は嫌いです」
「それと名前を変えることに、何か関係が?」
「嫌なものを名乗りたくないです」

先生は静かに目を細めて、座禅をほどき、すっと立ち上がると、長い廊下に向かってゆっくりと歩きだした。ネコは、静かに付き従う。月明かりが廊下を照らしていた

「確かに、それは感情ですね。ひとは、生まれ持った顔を化粧で変えたり、不自由な体を医療や機械化で刻んだり、好きなように変える自由がある。名前を変えても、別に自由」
「では……」

「……自由とは、つまり、責任を伴うということ」
先生はゴミのような街を一望できるテラスにネコを連れてきた。街は、ぴかぴかと何かの生き物のように輝き、うねっていた

「そして、名前を変えるということは、自己に消えない変化をもたらすということ。それは、今までのあなたを変えてしまう、ということ。その責任を負う、ということ」
「今までの自分に、よいことなんて一つもありませんでした」
「今までは、これからを生みます。それが、千里眼術の極意です」

先生は、ぎらりと目を光らせる。ネコは、息をのみ、続きを待つ。いま何かを話せば、声が震えそうな気がした
「あなたは何も間違っていない。良いことが無かったのは、あなたのせいではないのですよ。それなのに、自己を変容させるリスクを負うこともない」
「リスク……」

ふっと表情を崩す先生。静かにネコの肩を寄せ、首に軽くキスをした。年上の女性の、柔らかい感触がした
「あなたは、あなたに護られている。それを変えることはないのですよ」

護られている。自分自身に。それを、ネコはしばらく考えていた。たかが名前一つ。気に喰わない名前一つ。それでも、ネコ自身を表し、保っているという
そうは思えなかった。ネコは、相変わらず猫が苦手だし、どうしようもない半生の何一つ肯定できなかった

それでも……ネコは、何かを眼底の奥に感じずにはいられなかった。自分の未来を見通すすべを得た時。その時……名前一つの変更で後悔するだろうか

数日後、ネコはハイドラ大隊の指揮を命じられた。それは突然のことだった
「上手くやる必要はないですよ。必要なことは全てバックアップします」
先生はそう言ってくれた
「なぜ、私に?」

先生は静かに微笑んでいた。
「あなたは、護られているからですよ。あなた自身によって」

その意味は解らなかった。ただ、言えるのは……護られていないものは、死ぬという予感だけだった

第11話

信用、信頼、秩序、あらゆる構造物、そして生命。それがどれほどの努力や時間でもって築き上げたとしても、破壊されるときは一瞬である。それは何よりも背筋の凍る恐怖であり、ひとはそれに悩み、眠れる夜を過ごす。ただ一言、救済を待っている。世界はそんなに、簡単には壊れないよ、と――

レオは、この計画を知るまで、全くただ一人の社員に過ぎなかった。フルフェイスヘルメットの制服は、彼に個性を与えず、ただひとつの歯車として機能する以外の、何も期待されなければ、責任もないはずだった

「領域破壊計画……デバステイター・センチネルの脅威……こんな、こんなことが」

にわかには信じられなかった。マテリアルベルトの社長室で、彼は呆然と立ち尽くすしかなかった。しかし、信じるほかなかった。なぜなら、全ての謎に「答え」が示されてしまったからだ

「レオ、君は私と同じだ。自分の身体が超常の存在だと、気付いていない訳ではあるまい」
「そうです。いや、しかし……」
「使命を果たす時が来たのだ。私と、同じようにな」
「『勇者』……の、末裔……私が……」

社長の腕には切り傷があった。そこから流れ出る血は……塩の塊となって乾燥し、傷口は一瞬にして塞がる。伝承のままの姿。『勇者』の血族……。その現象は、奇しくもレオの身体的特徴と酷似していた

「かつて世界を維持していた英雄の一族、勇者は……伝承の中で、二つのグループに分かれた。片方は、世界の果てに塔を築き、世界を監視した。もう片方は、世界に溶け込み……世界と共に生きた」
「では……」

「……その、目的を果たすという時が来たのだ。なぜ、世界に留まったか。それは、世界の人々と、共に生きるためだ」
社長は自らの腕を切り裂いたナイフを収め、席から立ちあがり、社長室の窓から世界を一望した。雑多な街が、どこまでも広がる

「それが、この使命の意味、だと……」
「分かるはずだ。ドゥルガーは危険だ。血が騒ぐはずだ。ドゥルガーの目覚めは近い。かつて、世界を滅ぼした……いや、滅ぼしかけた、ドゥルガー」
「……分かります」

何度も夢に見た光景があった。世界の崩壊後、深海底に泡となって浮かび上がった残像領域に、築かれた栄光の都市群。幸せな生活、夢の文明……それらを破壊し、燃えカスのようにしたドゥルガーのデバステイター・ユニット。あれ以来、世界は霧で守られ、汚染され荒涼とした大地に、作物は育たない

「破滅は近い。ただ、猶予が欲しい。世界を救うためには……時間が必要だ。レオ、君の使命はそれだ」
「デバステイターを、破壊する……そして、破滅を遅延させる」

「『指令』は、常に届いているはずだ。世界の果てにある、勇者の塔からのシグナルを、君は理解できるはずだ。私と同じようにな。後は、君の判断だ。血に従うか、無視するかは自由だ」
「……私は、この身体が、憎いです。人と違う身体、不滅の身体……それを好ましく思う人間は少なく、私はいつも孤立していました」
「では……」

「今までの全ての苦痛が、使命によるものだとしたら……私の意味は、使命にあります。私にお任せを。遺跡のドゥルガー素体、必ずや破壊します。そして私の血の呪いに、決着をつけます」

そして、レオはハイドラ大隊の指揮担当に着任した。そして、遺跡破壊のために動き出す
「Motor de fuga……これが、わが社の切り札だ」
出陣の際に、社長が渡したプログラムが、それだった
「残像領域永劫化要塞出力破壊システム……」

血の使命が正しいか、シグナルの指令が正しいか、あまり意味の無いことかもしれない。ただ、破壊によって、レオは……自らの苦痛が無意味でないことに、祈るほかなかった

登場人物


フェフフェト
遺跡調査に向かい、消息不明となるハイドラライダー。肉薄し射撃勝負を挑む好戦的なスタイルだが、本人はいたって冷静沈着。クイックドライブモードをシフトレバーで入れられるよう改造するこだわりがある。31歳。女性


ボフトン
遺跡調査に向かった白兎生体化学のハイドラライダー。他社のハイドラチームの挟み撃ちに会い、死亡した。猫を3匹飼っている。名前は、あんこ・みたらし・ずんだ。26歳。男性


モルス
遺跡調査に向かったデスケル重工の委託傭兵ハイドラライダー。セクション4最深部にて撃墜。死亡した。多数の射撃火器を扱い隠し玉の電磁アックスを生かすためエンジンを3基も搭載しているが、隠し玉にスロットの半分近くを割いているため、特に強くはない。19歳。男性


エリベル
遺跡調査に向かったデスケル重工の委託傭兵ハイドラライダー。セクション4最深部にて撃墜を確認。死亡した。一撃必殺の狙撃砲を、類まれなる射撃センスで直撃させる。壊れた家電を捨てられないタイプ。27歳。女性


サシュラ
遺跡調査に向かったマテリアルベルト発動機の委託傭兵ハイドラライダー。セクション4最深部にて撃墜を確認。死亡した。軽快な軽二脚を駆る高速戦闘ライダー。電車に乗るたびに遅延するジンクスに悩んでいた。23歳。男性


ネア=ミル=フェイ
シルウェストリス社長代行。天才的な経営手腕と、大学院での高レベルな研究が評価され、若くして副社長の座についていた。私生活では美少年マニアということを隠している。36歳。女性


メリー=ブレア
謎多き白兎生体化学研究員。彼女の学説は異端とされているが、不思議と研究は打ち切られない。ひつじのぬいぐるみを集めるのが趣味。34歳。女性


ヤマダ・ネコ
ごく普通のヒルコ教団巫女。自分の名前が嫌い。激辛麺を食べるのが好き。19歳。女性


レオ=レオン
勇者の血を引くマテリアルベルト発動機社員。顔が怖いのでヘルメットが制服のマテリアルベルトに就職する。休日には家でゲームをする。36歳。男性