第11回目 午前2時のS.Owen
プロフィール
名前
S.Owen
愛称
S.Owen
経歴 鴉にも鷹にも成れなかったただの鳶。 頭部と左手の甲に大きな傷跡があり、肉体と脳の所有者が異なる。 時々ちぐはぐで噛み合わない挙動がみられる。 【脳: ■eli■a■】 かつてC.C.という名の機体を駆っていた記憶がある。 肉体に振り回される頻度が上がった。愛想がなく、口が悪い。 唯一部下のことだけは信用している。健康温泉は少し気に入った模様。 本人は認めたがらないが、乗せられやすい。 思い出せない過去の記憶に近付きたいが、肉体に邪魔をされるので苛立ち気味。 外部干渉により肉体との接続が途切れた。 【肉体: Shawn】 若干筋肉質な肉体。くしゃみが豪快。 比較的温厚な性格で、食事が好きだった様子。 脳の持ち主を上長と呼び慕っていた。 補助寄りの気質。よく言えば献身的。 時々脳の命令を無視して勝手に動く。 一部のジャンクテイマーに素性を知られている。 過去に何が起きたか知っており、脳が思い出すことを拒んでいるようだが、■■■■■■■■■■ (以降の文字は読み取れない) |
◆日誌
【Da■ 10】
――傷跡の存在を感じない。
肉体の痛みは何処までも遠く朧げだった。
代わりに、別の感覚が脳を麻痺させる。
――『呼ばれている』。
脳。思念。制御。『■■■■■』――
暗闇に響くノイズ交じりの音声が混濁し、掠れ、徐々に遠のくと同時に、視界に少しずつ光が戻る。
しかし――脳が認識したのは巨大機体から照射された黄色の光ではなく、一面に立ち込める白い靄。
誰かが何かを見せようとしている前兆。現実の視界と肉体から離れた、或いは切り離した脳を取り込む世界の導入。
今までと異なるのは、これまで脳を覆っていた不可視の思念を知覚出来ないこと。
故に今回は恐らく肉体の……部下の干渉はない。
では、今この場を支配し、見せる情報を制御するのは誰か――否、『何』か。
数刻前であれば思索を巡らせていた筈の脳は、既に思考を停止していた。
ゆっくりと、引きずられるままに下降する。
阻むものはなく、警告音も鳴りを潜めている。
かつて脳の来訪を拒絶した「暗い廊下」まであっさり辿り着くと、乾いたシャッター音を立てて景色が切り替わった。
映し出されたのは白い空間。粉塵に塗れた屋外ではなく、空調の効いた室内らしい。
上方に取り付けられた白色灯が、場に存在する人間を照らし出す。
彼らが纏うのは防塵スーツではなく白衣……のようだが、白と呼ぶには色がくすみ褪せている。
その上に時折緑がかった影が揺らめく――そう認識した時には、白衣も、壁も、白色灯も、視界全体がうっすらと緑に染まっていた。
ごぼり。
下方から吐き出された巨大な泡が、視界を歪めて上方へと消えた。
行き来する人間の形が左右に伸縮する。
気付けば数人の視線が『こちら』に向けられている。顔は判別出来ないが、どことなく見覚えがあるように思える輪郭。
そのうち一人の口が動いたが、声と思しき音は間延びし、言葉としては聞き取れない。
『こちら』を指し示す手。メモを取る人間。
脳は思考する意志すら持たず、映し出される光景をただ見ていた。
やがて一人の男が眼前に立ち、パネルを操作する。
数条の光線が奔ると同時に、視界に別の光景が重なる。
数秒ずつ差し込まれる、断片的で脈絡のない映像。
それらは切り替わる間隔を狭め、秒間60、120、240――そして脳の処理上限を……超えた。
******
「――――」
――呼ばれている。
気付けば視点は『C.C.』の操縦棺内部に戻り、正面には先程より距離を縮めた巨大機体と表面の『目』、ゆっくりと蠢く触腕が映っていた。
アーロと呼ばれていた男の機体との通信は切断されており、モニタを覗いてもそれらしい機影が確認出来ない。
しかし、彼の顛末に気を払う者はいない。脳の意識は、他機体を介さずに『C.C.』と視界を染め上げる黄の光にのみ向けられていた。
装甲に点在する無数の『目』が光を放つ。
脳が肉体の目を通じて認識しているはずの光は、脳に直接照射されているように鮮烈で、かつ記憶にあるどの光よりも暖かく柔らかい。
郷愁に似た感覚を呼び起こされ、光に意識を絡め取られ、呼応しそうになった時。
光の中に、走馬灯を思わせる映像が次々と投影され始めた。
*フラッシュバックと記憶の連環に奈落が口を開け。
見覚えのない機体。グレムリンの成れの果て。
否、識っている。中身を視た。白く沈む夢。死者を再現した機械音声。人型の靄。
操縦棺が棺たる所以。墓標。逝き場を無くした機体と魂の集積場。
見知った傭兵が未識別機動体の操縦棺をこじ開けた時に覚えた、強烈な既視感と違和感。
酷似した光景。何時。データ。何処で。シミュレータ。接続。『何度も』。
*希望を謳う檻から霧が誘う。
ダスト・グレムリンによる再製を待つ世界。理を外れ綻び増殖するバグ。
傭兵達が恐れた未識別機動体と、死して尚動く存在と向かい合う。
やがて、言葉を持たぬ巨大機体が呼び掛ける。意志疎通と呼ぶには一方通行の、光に宿った思念が脳髄に流し込まれ――鮮明に理解する。
*捻くれた傷跡を広げて明滅する光は赤に青に黄に。
不具合の結実たる我等が融合体の一部と成りたいと願うのならば。
……お前も我々と同類であるならば、こちらへ来い。
手を伸ばせ、さすれば受け容れられん。
――『呼ばれている』、
******
「――――」
何を思考出来る訳でもなかった。
ニューロンが焼き切れる程の衝動に、呼ばれるままに『手』を伸ばす。
脳が鎮座する肉体は動かない。しかし、その肉体を擁する機体は駆動した。
今や脳は肉体に依ることなく、搭乗グレムリン『C.C.』を制御下に置いていた。
脳内で思念が反響する。
――――手を伸ばせ。
前方に『C.C.』の右手が映し出される。
生身の人間と比較して遥かに巨大な手。
しかし――大振りの電磁ブレードを握りしめていたはずのその手には、何も握られていない。
ワイヤーで牽引されるようにぎこちなく、無防備に開かれた掌が巨大機体へと伸ばされる。
……肉体は、その動作を止める術を持たなかった。
――手を■■せ、
目前の機体からは、仲間の来訪を歓迎すべく触腕が伸び、『C.C.』の右手を受け止める。
そのまま右腕全体に絡み付くと、関節部の強度を確認するように撫でる。
脳は、肉体の口が大きく開かれ、喉奥から咆哮が迸っている事にも気付かない。気付けない。
そして。
――『手を寄越せ』。
触腕が、右肘から先を折り取った。
アラートで真っ赤に染まるモニタの向こうで、外気に晒された上腕内部が火花と液体を散らす。
間髪を入れずに、触腕が断面から侵入を始める。
ぎちぎちと音を立て、右肩から体部へ到達し、操縦者を取り込むべく。
肉体に激痛が走る。しかし脳にその痛みは届かない。
失った右腕ではなく、侵入してきた触腕にのみ向けられる意識。
その先端が機体に入り込み、肩部に到達したのを合図に、脳が干渉を開始した。
――捕獲。対象: 『■■■■■』――識■■■■一致。
思念接続開始。認■エラー――■■――クリア。■■■――■握。
■■■■■■■■■■――
――『成功』。
その途端、巨大機体がぴたりと停止した。
蠢いていた触腕は微動だにしなくなり、放たれていた光は急速に力を失っていく。
脳が駆動する。流れ込む膨大な情報を処理し、制御し、思念をシンクロさせる。
そして、数分の間の後――巨体が動作を再開した。
******
巨大機体の最上部。『口』の外郭がぎこちなく動き、内包した砲口を露わにする。
しかし、エネルギーを放出する気配はない。代わりに発されたのは軋んだ音。
何重にもひび割れたノイズが周囲一帯に響き渡る。少し間を置いて『口』を開閉すると、ア、だとかウ、に近い音が漏れる。
発声練習と呼べそうな動作を数度繰り返した巨大機体は、やがて緩慢ながらはっきりと、一音一音区切りながら――予めそう動作するようプログラムされていたかのように『言葉』を発した。
し、ン、ク、れ、ン、り、ノ――
――――『真紅連理のために』。
次の瞬間。
まるでその言葉を待っていたかのように、グレムリンが次々と姿を現す。
その数7機。たった今増援として到着したのか、或いはステルス状態で様子を窺っていたのか。
明白なのは、全ての機体に真紅連理所属を表す輝かしいエンブレムが刻まれていることだけだった。
巨大機体は動かない。同様に『C.C.』も静止している。
統率の取れた動きで周囲に展開した機体群は、巨大機体の破壊ではなく捕縛を試みているように見えた。
攻撃を加えないのは接続中の『C.C.』への配慮か――と思われたのも束の間、一機が右腕側に接近する。
そのまま触腕がめり込んだ右上腕部――巨大機体との接合部を固定し、拘束する。
外部干渉により接続が乱れ、脳と巨大機体間を流れる思念が僅かに弱まった。
と、突然『C.C.』が暴れ出した。
肉体による抵抗。両機体に接続した脳から強引に『C.C.』の制御権を奪い取り、操縦レバーを握り込むと、右肩を巨大機体と真紅連理機から引き剥がすべく乱暴に機体を捻る。
程なくして、ブチブチと音を立てて巨大機体と『C.C.』の右腕が離れた。
断面からは千切られた触腕が幾本も垂れ、砕けた上腕部の欠片が粉塵を映して零れ落ちる。
バランスを崩し左に機体を傾けながら、辛うじて無事な左手で握った速射砲を振り回し、追ってくる真紅連理機に機関砲を向け、照準を合わせないまま発射する。
至近距離にいたのは1機のみだが、異変に気付いたらしい6機が遅れて向かってくるのが見えた。
閃く光線。追尾型ミサイルの発射音。回避。回避――被弾。
直撃は免れているものの、装甲の損傷は徐々に程度を増す。
機体が衝撃を受ける度、肉体が軋む。全身が熱を帯び、刺すような痛みと共に傷跡が疼く。
更に数十秒後。巨大機体が唸り声を上げると、砲撃に加え黄の光が追ってきた。
――脳は思念切断のショックから復帰していない。その前に光から逃れなければ。
機体は中空を闇雲に駆け、僅かに緩んだ攻撃の合間を縫い、絶え間ない激痛に襲われながら、ただ全てを振り切るようにその場から離脱を試みた。
やがて、『C.C.』は思念に融けるように行動を停止し、視界が暗転し――
――傷跡の存在を感じない。
肉体の痛みは何処までも遠く朧げだった。
代わりに、別の感覚が脳を麻痺させる。
――『呼ばれている』。
脳。思念。制御。『■■■■■』――
暗闇に響くノイズ交じりの音声が混濁し、掠れ、徐々に遠のくと同時に、視界に少しずつ光が戻る。
しかし――脳が認識したのは巨大機体から照射された黄色の光ではなく、一面に立ち込める白い靄。
誰かが何かを見せようとしている前兆。現実の視界と肉体から離れた、或いは切り離した脳を取り込む世界の導入。
今までと異なるのは、これまで脳を覆っていた不可視の思念を知覚出来ないこと。
故に今回は恐らく肉体の……部下の干渉はない。
では、今この場を支配し、見せる情報を制御するのは誰か――否、『何』か。
数刻前であれば思索を巡らせていた筈の脳は、既に思考を停止していた。
ゆっくりと、引きずられるままに下降する。
阻むものはなく、警告音も鳴りを潜めている。
かつて脳の来訪を拒絶した「暗い廊下」まであっさり辿り着くと、乾いたシャッター音を立てて景色が切り替わった。
映し出されたのは白い空間。粉塵に塗れた屋外ではなく、空調の効いた室内らしい。
上方に取り付けられた白色灯が、場に存在する人間を照らし出す。
彼らが纏うのは防塵スーツではなく白衣……のようだが、白と呼ぶには色がくすみ褪せている。
その上に時折緑がかった影が揺らめく――そう認識した時には、白衣も、壁も、白色灯も、視界全体がうっすらと緑に染まっていた。
ごぼり。
下方から吐き出された巨大な泡が、視界を歪めて上方へと消えた。
行き来する人間の形が左右に伸縮する。
気付けば数人の視線が『こちら』に向けられている。顔は判別出来ないが、どことなく見覚えがあるように思える輪郭。
そのうち一人の口が動いたが、声と思しき音は間延びし、言葉としては聞き取れない。
『こちら』を指し示す手。メモを取る人間。
脳は思考する意志すら持たず、映し出される光景をただ見ていた。
やがて一人の男が眼前に立ち、パネルを操作する。
数条の光線が奔ると同時に、視界に別の光景が重なる。
数秒ずつ差し込まれる、断片的で脈絡のない映像。
それらは切り替わる間隔を狭め、秒間60、120、240――そして脳の処理上限を……超えた。
******
「――――」
――呼ばれている。
気付けば視点は『C.C.』の操縦棺内部に戻り、正面には先程より距離を縮めた巨大機体と表面の『目』、ゆっくりと蠢く触腕が映っていた。
アーロと呼ばれていた男の機体との通信は切断されており、モニタを覗いてもそれらしい機影が確認出来ない。
しかし、彼の顛末に気を払う者はいない。脳の意識は、他機体を介さずに『C.C.』と視界を染め上げる黄の光にのみ向けられていた。
装甲に点在する無数の『目』が光を放つ。
脳が肉体の目を通じて認識しているはずの光は、脳に直接照射されているように鮮烈で、かつ記憶にあるどの光よりも暖かく柔らかい。
郷愁に似た感覚を呼び起こされ、光に意識を絡め取られ、呼応しそうになった時。
光の中に、走馬灯を思わせる映像が次々と投影され始めた。
*フラッシュバックと記憶の連環に奈落が口を開け。
見覚えのない機体。グレムリンの成れの果て。
否、識っている。中身を視た。白く沈む夢。死者を再現した機械音声。人型の靄。
操縦棺が棺たる所以。墓標。逝き場を無くした機体と魂の集積場。
見知った傭兵が未識別機動体の操縦棺をこじ開けた時に覚えた、強烈な既視感と違和感。
酷似した光景。何時。データ。何処で。シミュレータ。接続。『何度も』。
*希望を謳う檻から霧が誘う。
ダスト・グレムリンによる再製を待つ世界。理を外れ綻び増殖するバグ。
傭兵達が恐れた未識別機動体と、死して尚動く存在と向かい合う。
やがて、言葉を持たぬ巨大機体が呼び掛ける。意志疎通と呼ぶには一方通行の、光に宿った思念が脳髄に流し込まれ――鮮明に理解する。
*捻くれた傷跡を広げて明滅する光は赤に青に黄に。
不具合の結実たる我等が融合体の一部と成りたいと願うのならば。
……お前も我々と同類であるならば、こちらへ来い。
手を伸ばせ、さすれば受け容れられん。
――『呼ばれている』、
******
「――――」
何を思考出来る訳でもなかった。
ニューロンが焼き切れる程の衝動に、呼ばれるままに『手』を伸ばす。
脳が鎮座する肉体は動かない。しかし、その肉体を擁する機体は駆動した。
今や脳は肉体に依ることなく、搭乗グレムリン『C.C.』を制御下に置いていた。
脳内で思念が反響する。
――――手を伸ばせ。
前方に『C.C.』の右手が映し出される。
生身の人間と比較して遥かに巨大な手。
しかし――大振りの電磁ブレードを握りしめていたはずのその手には、何も握られていない。
ワイヤーで牽引されるようにぎこちなく、無防備に開かれた掌が巨大機体へと伸ばされる。
……肉体は、その動作を止める術を持たなかった。
――手を■■せ、
目前の機体からは、仲間の来訪を歓迎すべく触腕が伸び、『C.C.』の右手を受け止める。
そのまま右腕全体に絡み付くと、関節部の強度を確認するように撫でる。
脳は、肉体の口が大きく開かれ、喉奥から咆哮が迸っている事にも気付かない。気付けない。
そして。
――『手を寄越せ』。
触腕が、右肘から先を折り取った。
アラートで真っ赤に染まるモニタの向こうで、外気に晒された上腕内部が火花と液体を散らす。
間髪を入れずに、触腕が断面から侵入を始める。
ぎちぎちと音を立て、右肩から体部へ到達し、操縦者を取り込むべく。
肉体に激痛が走る。しかし脳にその痛みは届かない。
失った右腕ではなく、侵入してきた触腕にのみ向けられる意識。
その先端が機体に入り込み、肩部に到達したのを合図に、脳が干渉を開始した。
――捕獲。対象: 『■■■■■』――識■■■■一致。
思念接続開始。認■エラー――■■――クリア。■■■――■握。
■■■■■■■■■■――
――『成功』。
その途端、巨大機体がぴたりと停止した。
蠢いていた触腕は微動だにしなくなり、放たれていた光は急速に力を失っていく。
脳が駆動する。流れ込む膨大な情報を処理し、制御し、思念をシンクロさせる。
そして、数分の間の後――巨体が動作を再開した。
******
巨大機体の最上部。『口』の外郭がぎこちなく動き、内包した砲口を露わにする。
しかし、エネルギーを放出する気配はない。代わりに発されたのは軋んだ音。
何重にもひび割れたノイズが周囲一帯に響き渡る。少し間を置いて『口』を開閉すると、ア、だとかウ、に近い音が漏れる。
発声練習と呼べそうな動作を数度繰り返した巨大機体は、やがて緩慢ながらはっきりと、一音一音区切りながら――予めそう動作するようプログラムされていたかのように『言葉』を発した。
し、ン、ク、れ、ン、り、ノ――
――――『真紅連理のために』。
次の瞬間。
まるでその言葉を待っていたかのように、グレムリンが次々と姿を現す。
その数7機。たった今増援として到着したのか、或いはステルス状態で様子を窺っていたのか。
明白なのは、全ての機体に真紅連理所属を表す輝かしいエンブレムが刻まれていることだけだった。
巨大機体は動かない。同様に『C.C.』も静止している。
統率の取れた動きで周囲に展開した機体群は、巨大機体の破壊ではなく捕縛を試みているように見えた。
攻撃を加えないのは接続中の『C.C.』への配慮か――と思われたのも束の間、一機が右腕側に接近する。
そのまま触腕がめり込んだ右上腕部――巨大機体との接合部を固定し、拘束する。
外部干渉により接続が乱れ、脳と巨大機体間を流れる思念が僅かに弱まった。
と、突然『C.C.』が暴れ出した。
肉体による抵抗。両機体に接続した脳から強引に『C.C.』の制御権を奪い取り、操縦レバーを握り込むと、右肩を巨大機体と真紅連理機から引き剥がすべく乱暴に機体を捻る。
程なくして、ブチブチと音を立てて巨大機体と『C.C.』の右腕が離れた。
断面からは千切られた触腕が幾本も垂れ、砕けた上腕部の欠片が粉塵を映して零れ落ちる。
バランスを崩し左に機体を傾けながら、辛うじて無事な左手で握った速射砲を振り回し、追ってくる真紅連理機に機関砲を向け、照準を合わせないまま発射する。
至近距離にいたのは1機のみだが、異変に気付いたらしい6機が遅れて向かってくるのが見えた。
閃く光線。追尾型ミサイルの発射音。回避。回避――被弾。
直撃は免れているものの、装甲の損傷は徐々に程度を増す。
機体が衝撃を受ける度、肉体が軋む。全身が熱を帯び、刺すような痛みと共に傷跡が疼く。
更に数十秒後。巨大機体が唸り声を上げると、砲撃に加え黄の光が追ってきた。
――脳は思念切断のショックから復帰していない。その前に光から逃れなければ。
機体は中空を闇雲に駆け、僅かに緩んだ攻撃の合間を縫い、絶え間ない激痛に襲われながら、ただ全てを振り切るようにその場から離脱を試みた。
やがて、『C.C.』は思念に融けるように行動を停止し、視界が暗転し――
◆10回更新の日記ログ
◆9回更新の日記ログ
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◆5回更新の日記ログ
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◆3回更新の日記ログ
◆2回更新の日記ログ
NEWS
幕間の物語翌日、グレイヴネットは騒ぎになっていた
謎のイメージ、脅威の存在、それらを伝えるシステム
そして、船を失ったジェトとルキムラもまた、話題になっていた
あなたは情報を求めて、あるいは他の理由で、あるいは強制的に
グレイヴネットに接続します
グレイヴネット・インターフェース
「認証に成功。思念接続を開始……対流域を確保。ようこそ、グレイヴネットへ!!」
グレイフロッグ『ジェト』
「参ったな、機体も船も海の底だ」
傭兵『フレッシュメイデン』
「ジェトさんともあろうひとが、不意打ちを食らうとはね」
傭兵『フレッシュメイデン』
「氷獄ならこちらも近くにいる。代わりに行こうかねぇ」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「……? ん、ああ、なるほど」
グレイフロッグ『ジェト』
「……! そうか、そうだな、氷獄、うん、氷獄」
傭兵『フレッシュメイデン』
「なんだい、歯切れが悪いねぇ。ルートについては、こちらも把握しているよぉ」
傭兵『フレッシュメイデン』
「どうやら思念の共有か何かで、情報が流れ込んでくるからねぇ」
グレイフロッグ『ジェト』
「……頼みたい。俺たちは、少し……やることがある」
傭兵『フレッシュメイデン』
「機体もないのにがんばるねぇ、まかせてよ」
グレイフロッグ『ジェト』
「すまない。本当に……助かる」
カラフルスネイル『リスプ』
「……どうやら、共有の通り、ジャンクの拠点は領域中にあるようね」
カラフルスネイル『リスプ』
「……氷獄、虚ろの海、赤渦、静かの海、横道潮流、赤の海、巨人の島、南の島」
――プルルルル
――あなたの端末が鳴り始める
航空者
「我らだ。航空者と呼ばれるものだ。指示をする。強襲のタイミングを合わせるぞ」
航空者
「参戦を希望するのなら、共有した領域に3日後、結集してくれ」
航空者
「合言葉は『大とびうお座星雲を西へ』だ。これを基本大隊とする」
航空者
「合言葉を変えて遊撃部隊、絶滅部隊としての参戦も歓迎する」
航空者
「拠点には敵の幹部、および最新鋭グレムリンの存在が確認されている」
航空者
「激しい戦いになる……戦力増強のために、新型パーツの情報も提供した」
航空者
「鹵獲・解析されるとまずいので、情報は渋っていたが……ここは使い時だ」
航空者
「よろしくたのむ」
――長い戦いの、最初の始まり
――そんな予感を告げる、最初の号令だった
ここは南の島。ヤシの木が生えている
南国の少年『ハターカ』
「いやー椰子はうまいなぁ」
南国の少年『ハターカ』
「敵さんの拠点も、椰子があるからここに来たのかな」
南国の少年『ハターカ』
「しばらくここに留まってくれよ! みんな来るだろうしさ」
少年が椰子を食いながら話しかけてくる
CC-CA-01を出品した!!
S.Owenは大猩猩を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenは第二乗換申請書を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenは急出力エンジン+5を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenは次元干渉推進装置を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenはアヴァランテを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenは097-COFFIN《CENTRAL》を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenはフレイムランチャーを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
◆アセンブル
【頭部】におおば(広域レーダー電波撃高耐久)を装備した
【腕部】に大猩猩を装備した
【操縦棺】に097-COFFIN《CENTRAL》を装備した
【脚部】に005-LEG《REX》を装備した
【エンジン】に急出力エンジン+5を装備した
【索敵】に検眼を装備した
【主兵装】にアヴァランテを装備した
【副兵装】に術導重機関砲を装備した
【背部兵装】にフレイムランチャーを装備した
【機動補助】に次元干渉推進装置を装備した
◆僚機と合言葉
移動
あなたはその場に留まった
ユニオン活動
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
◆友軍からの通信
精算
報酬 30
売上 3
┗パーツ販売数 3個
今回の購入者-->>137 >>149 >>168
経費 -7
フラグメンツ獲得 26
【!】弾薬獲得 あなたは弾薬を 6発 入手しました
【!】残弾枯渇 アヴァランテは弾数が枯渇しました。補給所で弾薬を入手したり、コンテナを入手、開封し、装弾をする必要があります
【!】増殖 術導重機関砲は弾数が増加し 13発 になりました
売上 3
┗パーツ販売数 3個
今回の購入者-->>137 >>149 >>168
経費 -7
フラグメンツ獲得 26
【!】弾薬獲得 あなたは弾薬を 6発 入手しました
【!】残弾枯渇 アヴァランテは弾数が枯渇しました。補給所で弾薬を入手したり、コンテナを入手、開封し、装弾をする必要があります
【!】増殖 術導重機関砲は弾数が増加し 13発 になりました
あなたはフラグメンツと交換で葉巻を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でドラム缶を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で髑髏のヘルメットを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でドラム缶を手に入れた……
【物資援助】あなたは[連動増槽]が付与されたデバステイターユニットを入手した……
夜空には静かに星が浮かぶ……(コンテナ入手率 14.72%)
キャラデータ
__0__1__2__3__4__5
__6__7__8__9_10_11
_12_13_14_15_16_17
_18_19_20_21_22_23
所持品リスト
中わいるどはーと
《広域DLパーツ:フィムヴァ=ビヴロス(Eno153)からのDL》
[tips]
種別:低圧エンジン [ミストエンジン]
零1耐4《広域DLパーツ:フィムヴァ=ビヴロス(Eno153)からのDL》
[tips]
重術導重機関砲
【装弾数】…… 13
[tips]
種別:術導重機関砲 [連射聖魔射撃火器]
零4耐3【装弾数】…… 13
[tips]
軽未開封コンテナ
種別:未開封コンテナ [コンテナ]
零耐【未開封】
[tips]重鉄の仮面
《広域DLパーツ:藍珠(Eno34)からのDL》
[tips]
種別:鉄面頭部 [頭部]
零3耐5《広域DLパーツ:藍珠(Eno34)からのDL》
[tips]
中反射漏出ファントムハート
[tips]
種別:ファントムハート [グレイヴエンジン]
零2耐1[tips]
重大猩猩
《広域DLパーツ:不退転の大盾ゴットハルト(Eno131)からのDL》
[tips]
種別:ゴリラ [腕部]
零3耐3《広域DLパーツ:不退転の大盾ゴットハルト(Eno131)からのDL》
[tips]
重レジスタントアーム
[tips]
種別:巨大腕部 [腕部]
零3耐5[tips]
重ライジン
《広域DLパーツ:イレヴン(Eno35)からのDL》
【装弾数】…… 1
[tips]
種別:電磁クレイモア [連射電子格闘火器]
零4耐1《広域DLパーツ:イレヴン(Eno35)からのDL》
【装弾数】…… 1
[tips]
紙第二乗換申請書
[tips]
種別:第二乗換申請書 [書類]
零耐[tips]
重超重装ハイパレーダー
[tips]
種別:ハイパレーダー [レーダー]
零1耐6[tips]
軽デバステイターユニット
[tips]
種別:デバステイターユニット [誘発装置]
零1耐1[tips]
重CC-CA-01
《広域DLパーツ:クロウラー(Eno116)からのDL》
[tips]
種別:巨大腕部 [腕部]
零2耐5《広域DLパーツ:クロウラー(Eno116)からのDL》
[tips]
重UT_Dinocerata
《広域DLパーツ:ペリュトン・ペリュトン(Eno65)からのDL》
[tips]
種別:ウインタテリウム [多脚]
零2耐7《広域DLパーツ:ペリュトン・ペリュトン(Eno65)からのDL》
[tips]
軽機密データ
[tips]
種別:機密データ [FCS]
零1耐1[tips]
重急出力エンジン+5
《広域DLパーツ:MEDICINE BAD DREAM(Eno107)からのDL》
[tips]
種別:急出力エンジン [ミストエンジン]
零3耐5《広域DLパーツ:MEDICINE BAD DREAM(Eno107)からのDL》
[tips]
中ジャミングバード
《広域DLパーツ:藍の羽(Eno3)からのDL》
[tips]
種別:リコンキトゥン [レーダー]
零3耐3《広域DLパーツ:藍の羽(Eno3)からのDL》
[tips]
重検眼
《広域DLパーツ:リト・Е・ドレエヴニエフ(Eno151)からのDL》
[tips]
種別:リコンキトゥン [レーダー]
零2耐5《広域DLパーツ:リト・Е・ドレエヴニエフ(Eno151)からのDL》
[tips]
重005-LEG《REX》
《広域DLパーツ:死喰い鳥のザミエル(Eno13)からのDL》
[tips]
種別:レックス [逆関節]
零4耐3《広域DLパーツ:死喰い鳥のザミエル(Eno13)からのDL》
[tips]
軽パンプキンヘッド
[tips]
種別:パンプキンヘッド [頭部]
零耐[tips]
超重術導超重機関砲
《広域DLパーツ:藍の羽(Eno3)からのDL》
【装弾数】…… 13
[tips]
種別:術導重機関砲 [連射聖魔射撃火器]
零4耐5《広域DLパーツ:藍の羽(Eno3)からのDL》
【装弾数】…… 13
[tips]
重次元干渉推進装置
《広域DLパーツ:Lost Number(Eno16)からのDL》
[tips]
種別:アグニブースター [ブースター]
零5耐1《広域DLパーツ:Lost Number(Eno16)からのDL》
[tips]
重097-COFFIN《CENTRAL》
《広域DLパーツ:ポストマン(Eno97)からのDL》
[tips]
種別:セントラル [操縦棺]
零2耐4《広域DLパーツ:ポストマン(Eno97)からのDL》
[tips]
軽未開封コンテナ
種別:未開封コンテナ [コンテナ]
零耐【未開封】
[tips]重フレイムランチャー
《広域DLパーツ:オズワルド・エコール(Eno138)からのDL》
▮▮▮▮ FULL ▮▮▮▮
【装弾数】…… 18
[tips]
種別:拡散火球砲 [連射火炎射撃火器]
零4耐《広域DLパーツ:オズワルド・エコール(Eno138)からのDL》
▮▮▮▮ FULL ▮▮▮▮
【装弾数】…… 18
[tips]
重おおば(広域レーダー電波撃高耐久)
《広域DLパーツ:(Eno94)からのDL》
[tips]
種別:広域レーダー [レーダー]
零3耐2《広域DLパーツ:(Eno94)からのDL》
[tips]
中マッチボックス
《広域DLパーツ:レイジー・サム(Eno113)からのDL》
[tips]
種別:圧壁操縦棺 [操縦棺]
零1耐4《広域DLパーツ:レイジー・サム(Eno113)からのDL》
[tips]
クーラーボックス
種別:クーラーボックス [素材]
零耐【付与】ボルトアンカー限定
[tips]肉の缶詰
種別:肉の缶詰 [素材]
零耐【付与】アサルトダガー限定
[tips]錆びた弾帯
種別:錆びた弾帯 [素材]
零耐【付与】アサルトダガー限定
[tips]肉の缶詰
種別:肉の缶詰 [素材]
零耐【付与】レッドバイク限定
[tips]象の目
種別:象の目 [素材]
零耐【付与】耐衝撃逆関節限定
[tips]冷えたビール
種別:冷えたビール [素材]
零耐【付与】アサルトダガー限定
[tips]髑髏のヘルメット
種別:髑髏のヘルメット [素材]
零耐【付与】硬質ダガー限定
[tips]うに
種別:うに [素材]
零耐【付与】フォックスサイト限定
[tips]象の目
種別:象の目 [素材]
零耐【付与】盾二脚限定
[tips]冷えたビール
種別:冷えたビール [素材]
零耐【付与】フォルスラコス限定
[tips]ドラム缶
種別:ドラム缶 [素材]
零耐【付与】有爪腕部限定
[tips]冷えたビール
種別:冷えたビール [素材]
零耐【付与】高速推進飛行限定
[tips]錆びた弾帯
種別:錆びた弾帯 [素材]
零耐【付与】低圧エンジン限定
[tips]肉の缶詰
種別:肉の缶詰 [素材]
零耐【付与】アサルトジャイロ限定
[tips]髑髏のヘルメット
種別:髑髏のヘルメット [素材]
零耐【付与】連装粒子剣限定
[tips]錆びた弾帯
種別:錆びた弾帯 [素材]
零耐【付与】レックス限定
[tips]ドラム缶
種別:ドラム缶 [素材]
零耐【付与】機体炎上誘発限定
[tips]葉巻
種別:葉巻 [素材]
零耐【付与】ウィンドミル限定
[tips]葉巻
種別:葉巻 [素材]
零耐【付与】ハンドガン限定
[tips]ドラム缶
種別:ドラム缶 [素材]
零耐【付与】バシネット限定
[tips]髑髏のヘルメット
種別:髑髏のヘルメット [素材]
零耐【付与】ウィンドミル限定
[tips]ドラム缶
種別:ドラム缶 [素材]
零耐【付与】フォックスサイト限定
[tips]