第5回目 午前2時のスリーピング・レイル
プロフィール

名前
スリーピング・レイル
愛称
スリーピング・レイル
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経歴 記憶喪失のグレムリンテイマー。 自分に関すること、そしてこの虚空領域に関することは何一つわからない。 唯一「グレムリンの操縦」だけは体が覚えている。 『スリーピング・レイル』とは身に着けていたエンブレムに刻まれていた文字列。 (イラストはすのだ様からの頂き物です) |
霊障見舞として救援物資が送られました(フラグメンツ+20)
霊障見舞として鉄板が送られました
◆4回更新の日記ログ
◆3回更新の日記ログ
◆2回更新の日記ログ
巨大な光の河が東から昇り、西へ沈んでいく
その夜の明かりの下、靄をかき分けて視点が下がっていきます
やがて一つの戦場へとあなたの意識は降りていきます
グレイフロッグ『ジェト』
「捉えたぞ! 未識別グレムリン!!」
????????『?????』
「ザッ……ザザーッ……こちら、グレ……リン大隊、……クパレット、2番機! 戦果、良好ォ!! ザザーッ」
グレイフロッグ『ジェト』
「操縦棺をばらばらにしてやる、幽霊め!!」
カエルのエンブレムの機体が、ノイズのちらつく機体を捕まえ、操縦棺をこじ開けます。そこには――

グレイフロッグ『ジェト』
「なんだよ、これ……!!」
????????『?????』
「ザッ……ザザーッ……こちら、グレ……リン大隊、……クパレット、2番機! 戦果、良好ォ!! ザザーッ」
グレイフロッグ『ジェト』
「ちくしょう、お前はただの、影だ!!」
カエルのエンブレムの機体が、そのまま掴んだ機体をばらばらにします
火花を散らして爆散する、ノイズちらつく機体
あなたはそのままゆっくりと意識を失い、視界に光が満ちて、そして――
グレイヴネット・インターフェース
「認証に成功。思念接続を開始……対流域を確保。ようこそ、グレイヴネットへ!!」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「……よう、そこのテイマー……お前も、見たか?」
傭兵『スコルパピー』
「あっ、ルキムラのなりきりアカウント」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「ま、なりきりでもいいさ。伝説の傭兵ルキムラがこんな所にはいないからな、それより」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「見たか? お前……そう、光の河が昇って、西へ……」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「見たならいいんだ。それを確かめたかった。俺だけが見たただの夢ではない、ということだ」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「頼みたいことがある。夢の続きを、ジェトを探してほしい」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「あいつは知っているはずだ、未識別グレムリンが何なのか」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「核心に迫っていなくとも、何か手がかりを持っているはずだ」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「【領域通信】を使えばジェトにも届くかもしれん。助けを求めているはずだ」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「なんでそんな確信を持っているのか……気になるのならば、答えておこう」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「俺は見たんだ。天使と、天国をな。少し、昔話をしよう」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「俺は伝説と呼ばれるまでに、戦って、戦って、戦い続けた」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「ある時、俺は命を落としかけた。機体は爆散。傷だらけのスーツは緊急遮断機構が働き皮膚ごと硬化」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「名前も知らねぇ島の海岸に打ち上げられて、じっと横になって目を閉じた」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「見たんだよ。夢をな。巨大な光の河が昇って、西へ……」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「そして、夢に天使が出てきて、海岸の向こうをずっと指さしていた」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「俺は海岸を歩いた。天使が導くままに。やがて、目の前に錆びついた機体が横たわっていた」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「天使はにっこりと笑って、自己紹介をして、消えていった」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「目が覚めて、天使の導いた方へ歩いて行ったら、錆びた機体が夢のまま横たわっていた」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「光の河の夢は、あの時のままだ。俺は助けられた。今度は、助ける番だ」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「だから、頼んだぞ、【領域通信】だ。頼む……この借りはいつか返す」
バグズキャンバス『ルキムラ』
「……そう、天使。名前は『フヌ』って言ってたな。じゃあな」
ルキムラがログアウトしました
傭兵『スコルパピー』
「フヌ……か。聞いたこともないな。不思議な名前だ」
傭兵『スコルパピー』
「俺もジェトさんを探してみるかね」
スコルパピーがログアウトしました
ここは雨音列島。しとしとと、雨が降り続いている
武士『センリツ』
「かたじけない……ジェラートアイスかたじけない……」
武士『センリツ』
「天国か。それこそ、約束の場所、辿り着く場所なのだ。幸せの場所とは限るまい」
ファンシーなおじさんが雨の中剣を振るい、舞っている
【頭部】にフライトレス・ビークを装備した
【腕部】にCC-CA-01を装備した
【操縦棺】にサファイアコフィンを装備した
【脚部】にフライトレス・レッグスを装備した
【エンジン】に仮設ボイラー《グラスサーグ》を装備した
【索敵】にフライトレス・キャットを装備した
【主兵装】にアヴァランテを装備した
【副兵装】にフライトレス・フェザーを装備した
【背部兵装】にフライトレス・フェザーを装備した
【機動補助】に緊急推進装置を装備した
ピグマリオン・マウソレウム担当
「フゥーッ!! アイドルしてる? いいね、あげる!!」
霊障見舞として鉄板が送られました
◆日誌
『希望も未来も自らの手で絶って。今や、その傷跡だけがお前を物語る』
* * *
――眠れない。
スリーピング・レイルは、その名に反して眠れぬ夜を過ごしていた。
廃工場で「目覚めた」とき。それがレイルの最初の記憶になるが、それ以来まともに眠れた日はなかった。体が限界を訴えて「落ちる」ことはあるけれど、まとまった睡眠を取るということができずにいた。
とはいえ、そんなことをミアやルインたちにわざわざ伝える気にもなれなくて、レイルは今日も寝台の上でぼんやりと暗い天井を眺めていた。瞼を閉じてみても、ざわざわとした心地がして上手く眠れない。頭の中に、いくつもの声が浮かんでは沈み、レイルが眠るのを許してくれないのだ。
だから、こうして夜をやり過ごすことしかできずにいた、のだが。
レイルは寝台の上に体を起こすと、懐中電灯を持って部屋を出た。どうせ眠れないのだから、今夜は適当に歩いてみようと思ったのだ。そうしたところで眠れるわけではなかったけれど。それでも、少しは気分が変わるのではないか、と思ったのだった。
他の乗員の眠りを妨げないように、足音を殺して歩いていく。幽霊船の夜は、船のあちこちに張り巡らされた管を通る空気やら何やらの音で、意外とにぎやかだ。これも、夜、船の中を歩いてみなければわからないことではあった。
日々眠れぬ夜を過ごしているからだろう、足取りは重く、片目だけの視界もどこか曖昧だ。こんな毎日を続けていたら、早晩どこかが壊れてしまうだろうな、とレイルは内心苦笑する。人間の体に「壊れる」という言葉はふさわしくないかもしれないが、何となく、自分にはその言葉がしっくり来る、ような気がした。
今宵、レイルの足は、自然とグレムリンの格納庫に向かっていた。
いっそ、グレムリンで夜の海を駆けたら気分が晴れるだろうか?
実際にそんなことを考えたわけでもないはずなのだが、引き寄せられるように、レイルは船を深く深く下りていく。
やがて、グレムリンたちが眠る場所にたどり着こう、としていたその時、行く手に明かりがついていることに気づく。
――誰か、いるのか?
疑問符を浮かべながら、ちいさな明かりに照らされた通路を歩いていき、格納庫の扉をそっと開ける。
すると、ライトに照らされた二足歩行のグレムリンの姿がまず目に飛び込んできた。引き出されているのは僚機である『カズアーリオス』だ、と判断するのと同時に、その足元に立っていた人物と目が合った。
「ネグロ、さん」
こんばんは、と挨拶するも、ネグロは一瞬こちらを睨めつけた後に露骨に視線を逸らす。相手をする気がない、という意思表示だ。
そもそも、僚機という関係性を結んではいるが、本当にそれは戦場に在るときだけの関係性で。今の今に至るまで、レイルはネグロと打ち解けることができないままでいる。それどころか、日々溝を深めているようなありさまだ。
『何のつもりだ。訳知り顔で言いやがって。お前が俺の何を知ってるってんだ』
『テメェの死ぬ理由に他人を使うのは勝手だが俺を巻き込むじゃねえよ。俺は死ぬつもりはない。たとえこの世が地獄だとしてもな』
『逃げねえっていうならせいぜい働くんだな。どうせ、戦場以外じゃ何も出来ねえんだからよ』
なるほど、言われていることはもっともなのかもしれない。レイルは妙に納得してしまったものだった。納得はしたが、それで自分の行動や思考を改められるかというと、また別の話だ。
戦いを嗜好しているわけではないのだが、その一方で自分に「戦わない」という選択肢があるとは思えないでいる。目の前に危機に瀕しているものや場所があって、戦う力があるならばそれらを守るために戦うべきだ――そう、レイルは考えずにはいられないのだった。
ミアからも「ただでさえ危険な戦い方をしてるんだから、無茶しないでよ」と散々言われているが、必要とあらば無茶をするだろうな、と他人事のように思っている。これではネグロから「死ぬ理由に他人を使う」と言われても反論できるはずもない。
そんな詮無きことを考えながら、レイルは『カズアーリオス』に歩み寄る。どうやら、『カズアーリオス』は整備中であったらしく、ところどころに足場がかけられ、パーツのいくつかが取り外されている。
ネグロには整備の心得があるようで、ここ最近はミアがことあるごとにネグロについて回る姿が見られるようになった。ミアにとって、ネグロの側で整備の様子を見ていることは、よい刺激なのだそうだ。
レイルには、グレムリンの仕組みはよくわかっていない。やっと最低限のアセンブルはこなせるようになったが、細かな調整はミアに任せきりだ。だからネグロの腕をレイルが推し量ることはできない、けれど。
「こんな時間まで、整備をしていたんだ」
これが、ネグロにとっての大事な「手続き」なのだろう、とは思う。
ネグロはこちらを見もしなければ整備の手を止めもしなかった。が、レイルが次の言葉を放つよりも先に、不意にレイルの意識の中に声が入り込んできた。
「……何だ、鬱陶しい」
それがネグロの声だと気付いたのは、一拍遅れてからだった。レイルは「ごめんなさい」と反射的に謝ってしまってから、ネグロの背を改めて見やる。
そういえば、声をかけても罵倒されないのは初めてだと気付く。だから、いつも言おうとして言えていなかったことを、言っておくことにした。
「いつも、ミアさんに、色々教えてくれてありがとう。僕も、とても、助かってる。それと」
それと。……常々、どこか噛み合わない言葉を交わしながら、ずっと思っていたこと。
「質問が、あるんだ」
ネグロはレイルには背を向けたまま作業を続けている。果たしてこの言葉も聞こえているかもわからない、が、レイルはそのまま言葉を続ける。
「ネグロさんは、本当は、テイマーじゃなくて、整備士だって、ミアさんから、聞いた」
すると、微かに、舌打ちの音が聞こえた。果たしてそれが、どのような感情から放たれたものなのか、レイルにはわからない。わからない、けれど。
「その時から、ずっと、気にかかっていたんだ。……ネグロさんは、どうして、グレムリンに乗って、戦いに身を投じているんだ?」
ネグロは答えない。だが、作業の手は既に止まっていた。
「ネグロさんは『お前が俺の何を知ってる』って言った。確かに、僕は何も知らない、けど。……ネグロさんが、戦いを好んでいるようには、どうしても、見えない」
――だって、いつだって、辛そうだ。
レイルは内心でそう付け加える。戦闘に赴く時、そして戦闘中に通信から漏れ聞こえるネグロの声に耳を傾ければ、それが、尋常な感情から出ているものではないことくらいは、レイルだって気付いている。
「だから、僕は、ネグロさんが戦う理由を、知りたい」
そこまでを語り終えたところで、ゆっくりと、ネグロがこちらを振り向いた。睨むように目を細め、眉を寄せてみせる。それでも、ネグロが真っ直ぐにこちらを見た、というそれだけでも、レイルにとっては十分であった。
「……知らないから知ろうって言うのか、殊勝な事だな」
ネグロの、低く唸るような声が、静かな格納庫に響く。
「――知りたきゃ教えてやる。生きる為に戦うんだ」
「生きる、為に」
レイルはネグロの言葉を鸚鵡返しにする。生きる為。この虚空領域は、ただ生きているだけでも難しい世界だ。生きるにも力が要るということはレイルにもわかる。必ずしも「戦う力」である必要はないかもしれないが、何らかの力が。
ただ、ネグロにとって、その力は――。
「俺は、俺の身体が動く限り、この世界を破壊しやがった全てを……俺がブチ壊してやるんだ……!」
あまりにも激しく燃え盛る「怒り」だった。
苛烈な感情に歪んだ表情で吐き捨てられた言葉に、レイルは何かに撃たれたような感覚に陥る。体を震わせ、ぎり、と歯を鳴らしたネグロは、再びレイルに背を向ける。
「……終わりだ。これ以上は何もねえ」
それきり、ネグロは口を噤んだ。何も無い、という言葉通りに。
レイルは、しばし、その場に立ち尽くす。整備を再開するのかと思われたネグロは、けれど、動こうとしない。音一つ聞こえない沈黙がそこにあった。
その重苦しい静寂を破ったのは、レイルの方だった。
「それが、ネグロさんにとって『生きる』ということなのか」
生きる為に、必要なこと。
「それだけ、ネグロさんの『世界』は、大切なものだったんだな」
レイルはかつての世界を知らない。それがネグロから見た世界であるなら、尚更。
だからこそ、思うのだ。
「僕はネグロさんと、もっと、一緒に居たい」
それは、言葉を交わしているうちに、レイルの中に生まれた望みだった。
「僕には無いものを、ネグロさんが持っていると思うから。僕には無いものを、守れたらいいと思うから」
――それは、例えば、『生きる』という意志だとか。
それがどのような形でも、今のレイルには得難いものであったから。
「終わりだって言ったのは、聞こえなかったのか?」
背を向いたままのネグロの声は、僅かに震えているように聞こえた。レイルはそこに含まれた感情を読み取ることはできない。ただ、これ以上話をする気はないという意志表示であることは、伝わった。
レイルはネグロの背に向けて、軽く頭を下げる。
「……おやすみ、ネグロさん」
【Scene:0005 眠れぬ夜】
* * *
――眠れない。
スリーピング・レイルは、その名に反して眠れぬ夜を過ごしていた。
廃工場で「目覚めた」とき。それがレイルの最初の記憶になるが、それ以来まともに眠れた日はなかった。体が限界を訴えて「落ちる」ことはあるけれど、まとまった睡眠を取るということができずにいた。
とはいえ、そんなことをミアやルインたちにわざわざ伝える気にもなれなくて、レイルは今日も寝台の上でぼんやりと暗い天井を眺めていた。瞼を閉じてみても、ざわざわとした心地がして上手く眠れない。頭の中に、いくつもの声が浮かんでは沈み、レイルが眠るのを許してくれないのだ。
だから、こうして夜をやり過ごすことしかできずにいた、のだが。
レイルは寝台の上に体を起こすと、懐中電灯を持って部屋を出た。どうせ眠れないのだから、今夜は適当に歩いてみようと思ったのだ。そうしたところで眠れるわけではなかったけれど。それでも、少しは気分が変わるのではないか、と思ったのだった。
他の乗員の眠りを妨げないように、足音を殺して歩いていく。幽霊船の夜は、船のあちこちに張り巡らされた管を通る空気やら何やらの音で、意外とにぎやかだ。これも、夜、船の中を歩いてみなければわからないことではあった。
日々眠れぬ夜を過ごしているからだろう、足取りは重く、片目だけの視界もどこか曖昧だ。こんな毎日を続けていたら、早晩どこかが壊れてしまうだろうな、とレイルは内心苦笑する。人間の体に「壊れる」という言葉はふさわしくないかもしれないが、何となく、自分にはその言葉がしっくり来る、ような気がした。
今宵、レイルの足は、自然とグレムリンの格納庫に向かっていた。
いっそ、グレムリンで夜の海を駆けたら気分が晴れるだろうか?
実際にそんなことを考えたわけでもないはずなのだが、引き寄せられるように、レイルは船を深く深く下りていく。
やがて、グレムリンたちが眠る場所にたどり着こう、としていたその時、行く手に明かりがついていることに気づく。
――誰か、いるのか?
疑問符を浮かべながら、ちいさな明かりに照らされた通路を歩いていき、格納庫の扉をそっと開ける。
すると、ライトに照らされた二足歩行のグレムリンの姿がまず目に飛び込んできた。引き出されているのは僚機である『カズアーリオス』だ、と判断するのと同時に、その足元に立っていた人物と目が合った。
「ネグロ、さん」
こんばんは、と挨拶するも、ネグロは一瞬こちらを睨めつけた後に露骨に視線を逸らす。相手をする気がない、という意思表示だ。
そもそも、僚機という関係性を結んではいるが、本当にそれは戦場に在るときだけの関係性で。今の今に至るまで、レイルはネグロと打ち解けることができないままでいる。それどころか、日々溝を深めているようなありさまだ。
『何のつもりだ。訳知り顔で言いやがって。お前が俺の何を知ってるってんだ』
『テメェの死ぬ理由に他人を使うのは勝手だが俺を巻き込むじゃねえよ。俺は死ぬつもりはない。たとえこの世が地獄だとしてもな』
『逃げねえっていうならせいぜい働くんだな。どうせ、戦場以外じゃ何も出来ねえんだからよ』
なるほど、言われていることはもっともなのかもしれない。レイルは妙に納得してしまったものだった。納得はしたが、それで自分の行動や思考を改められるかというと、また別の話だ。
戦いを嗜好しているわけではないのだが、その一方で自分に「戦わない」という選択肢があるとは思えないでいる。目の前に危機に瀕しているものや場所があって、戦う力があるならばそれらを守るために戦うべきだ――そう、レイルは考えずにはいられないのだった。
ミアからも「ただでさえ危険な戦い方をしてるんだから、無茶しないでよ」と散々言われているが、必要とあらば無茶をするだろうな、と他人事のように思っている。これではネグロから「死ぬ理由に他人を使う」と言われても反論できるはずもない。
そんな詮無きことを考えながら、レイルは『カズアーリオス』に歩み寄る。どうやら、『カズアーリオス』は整備中であったらしく、ところどころに足場がかけられ、パーツのいくつかが取り外されている。
ネグロには整備の心得があるようで、ここ最近はミアがことあるごとにネグロについて回る姿が見られるようになった。ミアにとって、ネグロの側で整備の様子を見ていることは、よい刺激なのだそうだ。
レイルには、グレムリンの仕組みはよくわかっていない。やっと最低限のアセンブルはこなせるようになったが、細かな調整はミアに任せきりだ。だからネグロの腕をレイルが推し量ることはできない、けれど。
「こんな時間まで、整備をしていたんだ」
これが、ネグロにとっての大事な「手続き」なのだろう、とは思う。
ネグロはこちらを見もしなければ整備の手を止めもしなかった。が、レイルが次の言葉を放つよりも先に、不意にレイルの意識の中に声が入り込んできた。
「……何だ、鬱陶しい」
それがネグロの声だと気付いたのは、一拍遅れてからだった。レイルは「ごめんなさい」と反射的に謝ってしまってから、ネグロの背を改めて見やる。
そういえば、声をかけても罵倒されないのは初めてだと気付く。だから、いつも言おうとして言えていなかったことを、言っておくことにした。
「いつも、ミアさんに、色々教えてくれてありがとう。僕も、とても、助かってる。それと」
それと。……常々、どこか噛み合わない言葉を交わしながら、ずっと思っていたこと。
「質問が、あるんだ」
ネグロはレイルには背を向けたまま作業を続けている。果たしてこの言葉も聞こえているかもわからない、が、レイルはそのまま言葉を続ける。
「ネグロさんは、本当は、テイマーじゃなくて、整備士だって、ミアさんから、聞いた」
すると、微かに、舌打ちの音が聞こえた。果たしてそれが、どのような感情から放たれたものなのか、レイルにはわからない。わからない、けれど。
「その時から、ずっと、気にかかっていたんだ。……ネグロさんは、どうして、グレムリンに乗って、戦いに身を投じているんだ?」
ネグロは答えない。だが、作業の手は既に止まっていた。
「ネグロさんは『お前が俺の何を知ってる』って言った。確かに、僕は何も知らない、けど。……ネグロさんが、戦いを好んでいるようには、どうしても、見えない」
――だって、いつだって、辛そうだ。
レイルは内心でそう付け加える。戦闘に赴く時、そして戦闘中に通信から漏れ聞こえるネグロの声に耳を傾ければ、それが、尋常な感情から出ているものではないことくらいは、レイルだって気付いている。
「だから、僕は、ネグロさんが戦う理由を、知りたい」
そこまでを語り終えたところで、ゆっくりと、ネグロがこちらを振り向いた。睨むように目を細め、眉を寄せてみせる。それでも、ネグロが真っ直ぐにこちらを見た、というそれだけでも、レイルにとっては十分であった。
「……知らないから知ろうって言うのか、殊勝な事だな」
ネグロの、低く唸るような声が、静かな格納庫に響く。
「――知りたきゃ教えてやる。生きる為に戦うんだ」
「生きる、為に」
レイルはネグロの言葉を鸚鵡返しにする。生きる為。この虚空領域は、ただ生きているだけでも難しい世界だ。生きるにも力が要るということはレイルにもわかる。必ずしも「戦う力」である必要はないかもしれないが、何らかの力が。
ただ、ネグロにとって、その力は――。
「俺は、俺の身体が動く限り、この世界を破壊しやがった全てを……俺がブチ壊してやるんだ……!」
あまりにも激しく燃え盛る「怒り」だった。
苛烈な感情に歪んだ表情で吐き捨てられた言葉に、レイルは何かに撃たれたような感覚に陥る。体を震わせ、ぎり、と歯を鳴らしたネグロは、再びレイルに背を向ける。
「……終わりだ。これ以上は何もねえ」
それきり、ネグロは口を噤んだ。何も無い、という言葉通りに。
レイルは、しばし、その場に立ち尽くす。整備を再開するのかと思われたネグロは、けれど、動こうとしない。音一つ聞こえない沈黙がそこにあった。
その重苦しい静寂を破ったのは、レイルの方だった。
「それが、ネグロさんにとって『生きる』ということなのか」
生きる為に、必要なこと。
「それだけ、ネグロさんの『世界』は、大切なものだったんだな」
レイルはかつての世界を知らない。それがネグロから見た世界であるなら、尚更。
だからこそ、思うのだ。
「僕はネグロさんと、もっと、一緒に居たい」
それは、言葉を交わしているうちに、レイルの中に生まれた望みだった。
「僕には無いものを、ネグロさんが持っていると思うから。僕には無いものを、守れたらいいと思うから」
――それは、例えば、『生きる』という意志だとか。
それがどのような形でも、今のレイルには得難いものであったから。
「終わりだって言ったのは、聞こえなかったのか?」
背を向いたままのネグロの声は、僅かに震えているように聞こえた。レイルはそこに含まれた感情を読み取ることはできない。ただ、これ以上話をする気はないという意志表示であることは、伝わった。
レイルはネグロの背に向けて、軽く頭を下げる。
「……おやすみ、ネグロさん」
【Scene:0005 眠れぬ夜】
◆4回更新の日記ログ
◆3回更新の日記ログ
◆2回更新の日記ログ
NEWS
あなたは夢を見ていました巨大な光の河が東から昇り、西へ沈んでいく
その夜の明かりの下、靄をかき分けて視点が下がっていきます
やがて一つの戦場へとあなたの意識は降りていきます

「捉えたぞ! 未識別グレムリン!!」

「ザッ……ザザーッ……こちら、グレ……リン大隊、……クパレット、2番機! 戦果、良好ォ!! ザザーッ」

「操縦棺をばらばらにしてやる、幽霊め!!」
カエルのエンブレムの機体が、ノイズのちらつく機体を捕まえ、操縦棺をこじ開けます。そこには――


「なんだよ、これ……!!」

「ザッ……ザザーッ……こちら、グレ……リン大隊、……クパレット、2番機! 戦果、良好ォ!! ザザーッ」

「ちくしょう、お前はただの、影だ!!」
カエルのエンブレムの機体が、そのまま掴んだ機体をばらばらにします
火花を散らして爆散する、ノイズちらつく機体
あなたはそのままゆっくりと意識を失い、視界に光が満ちて、そして――

「認証に成功。思念接続を開始……対流域を確保。ようこそ、グレイヴネットへ!!」

「……よう、そこのテイマー……お前も、見たか?」

「あっ、ルキムラのなりきりアカウント」

「ま、なりきりでもいいさ。伝説の傭兵ルキムラがこんな所にはいないからな、それより」

「見たか? お前……そう、光の河が昇って、西へ……」

「見たならいいんだ。それを確かめたかった。俺だけが見たただの夢ではない、ということだ」

「頼みたいことがある。夢の続きを、ジェトを探してほしい」

「あいつは知っているはずだ、未識別グレムリンが何なのか」

「核心に迫っていなくとも、何か手がかりを持っているはずだ」

「【領域通信】を使えばジェトにも届くかもしれん。助けを求めているはずだ」

「なんでそんな確信を持っているのか……気になるのならば、答えておこう」

「俺は見たんだ。天使と、天国をな。少し、昔話をしよう」

「俺は伝説と呼ばれるまでに、戦って、戦って、戦い続けた」

「ある時、俺は命を落としかけた。機体は爆散。傷だらけのスーツは緊急遮断機構が働き皮膚ごと硬化」

「名前も知らねぇ島の海岸に打ち上げられて、じっと横になって目を閉じた」

「見たんだよ。夢をな。巨大な光の河が昇って、西へ……」

「そして、夢に天使が出てきて、海岸の向こうをずっと指さしていた」

「俺は海岸を歩いた。天使が導くままに。やがて、目の前に錆びついた機体が横たわっていた」

「天使はにっこりと笑って、自己紹介をして、消えていった」

「目が覚めて、天使の導いた方へ歩いて行ったら、錆びた機体が夢のまま横たわっていた」

「光の河の夢は、あの時のままだ。俺は助けられた。今度は、助ける番だ」

「だから、頼んだぞ、【領域通信】だ。頼む……この借りはいつか返す」

「……そう、天使。名前は『フヌ』って言ってたな。じゃあな」
ルキムラがログアウトしました

「フヌ……か。聞いたこともないな。不思議な名前だ」

「俺もジェトさんを探してみるかね」
スコルパピーがログアウトしました
ここは雨音列島。しとしとと、雨が降り続いている

「かたじけない……ジェラートアイスかたじけない……」

「天国か。それこそ、約束の場所、辿り着く場所なのだ。幸せの場所とは限るまい」
ファンシーなおじさんが雨の中剣を振るい、舞っている
鉱石ラジオを破棄した
鉱石ラジオを破棄した
鉱石ラジオを破棄した
鉱石ラジオを破棄した
鉱石ラジオを破棄した
鉱石ラジオを破棄した
機密データを破棄した
波紋の化石を破棄した
重鎮を破棄した
キラキラマイクを破棄した
波紋の化石を破棄した
ガストエンジンを破棄した
スリーピング・レイルはパンプキンヘッドを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
◆アセンブル










◆僚機と合言葉
次回ピグマリオン・マウソレウムに協賛し、参戦します

「フゥーッ!! アイドルしてる? いいね、あげる!!」
移動
南↓へ移動し、北東海域【雨音列島】へと到達した
ユニオン活動
パッチワーク・ゴーストシップの活動記録
迷子の迷子の幽霊船。継ぎ接ぎだらけの幽霊船。
仮初の船長と集まって来た人達を乗せ、目指すのは粉塵の果て、霧の果て――
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
戦艦をもとに継ぎ接ぎに足された船に乗る人達や、その船と情報交換してくれる人の集まり。
仮初の船長と集まって来た人達を乗せ、目指すのは粉塵の果て、霧の果て――
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
戦艦をもとに継ぎ接ぎに足された船に乗る人達や、その船と情報交換してくれる人の集まり。

「呼んだっ?」

「緊急時の連絡に、狭い場所での軽作業に、もちろんオペレーション作業も出来る」

「さらに言うなら見た目もかわいくて癒し効果もあるトカないトカ全継ぎ接ぎ幽霊船で評判のワレワレが力を貸そうじゃないかニィ?」

「なに、本来ワレワレは服飾デザイナーを自称しているからして、「ちょっときれいめのよそ行きコーデとか意識しちゃってる感じ~?」とかの相談も乗るからニィ?」

「ときにそこのふさふさ尻尾がキュートなレディ。あなたにはワレワレのモデルになっていただきたいものだニィ」

「おや、お嬢さん。この船は、時々道が入れ替わるからマッピングを頼りにしてると思わぬ落とし穴があるかもしれませんよ」

「まあ、一応私の方で確認はしてるので迷われた場合は迎えに行けはするが」
メッセージ
ENo.15からのメッセージ>>
通信
「ミア、無事でよかった」
通信
「俺たちも今のところ何とか無事でやってる。未識別機動体と戦ってる連中のおかげだな」
通信
「それと、わかっているよな。ルーカスはもういない。いないんだ、どこにも」
通信
「どうか、これからも無事でいてくれ。俺たちは、ミアの帰りを待っている」
通信
「ミアと一緒にいるテイマー。スリーピング・レイルといったか」
通信
「どうか、ミアを守ってやってくれ。頼んだぞ」
ミア
「……………………」
スリーピング・レイル
「ミアさん、ルーカスって、誰だ?」
ミア
「あたしの、父さん。翡翠のテイマーだったんだ。死んじゃったけどね」
スリーピング・レイル
「……ルーカス、か……」
ミア
「レイル?」
スリーピング・レイル
「なんでもない。……なんでも、ないよ」
ENo.140からのメッセージ>>
ハンプバック
「スリーピング・レイルに、ミアか。記憶しておこう。
それにしても……グレムリンと同じ名とは面白いな。
意外と目立ちたがり屋かい?通信の限りでは、そうは見えないが」
ハンプバック
「……いいかな、レイル氏。
戦う理由は、あまり安易に尋ねないほうが良い。」
ハンプバック
「例えば、親類が亡くなって後継として乗らざるを得ない場合もある。
未識別機動体が憎くてしょうがなくとも、グレムリンに頼らざるを得ない場合だってある。
人によってはトラウマを誘発する可能性もあるだろう?」
ハンプバック
「まあ、ボクに関してはそんなことは無いのだがね!
ボクの戦う理由はシンプル。『金を稼ぐこと』さ」
ハンプバック
「と言っても、ただ闇雲に稼いでいるわけでもない。
ボクには養わないといけないものがあるのさ。」
ハンプバック
「……ところでヒューマン諸君、
『天然身体の子』について何か知っているかい?
噂程度で構わない。
彼ら目当ての闇市だとか、”蒐集家”について知っているとありがたいんだが」
3件のメッセージを送信しました
>>Eno.96 >>Eno.15 >>Eno.51

「ミア、無事でよかった」

「俺たちも今のところ何とか無事でやってる。未識別機動体と戦ってる連中のおかげだな」

「それと、わかっているよな。ルーカスはもういない。いないんだ、どこにも」

「どうか、これからも無事でいてくれ。俺たちは、ミアの帰りを待っている」

「ミアと一緒にいるテイマー。スリーピング・レイルといったか」

「どうか、ミアを守ってやってくれ。頼んだぞ」

「……………………」

「ミアさん、ルーカスって、誰だ?」

「あたしの、父さん。翡翠のテイマーだったんだ。死んじゃったけどね」

「……ルーカス、か……」

「レイル?」

「なんでもない。……なんでも、ないよ」
ENo.140からのメッセージ>>

「スリーピング・レイルに、ミアか。記憶しておこう。
それにしても……グレムリンと同じ名とは面白いな。
意外と目立ちたがり屋かい?通信の限りでは、そうは見えないが」

「……いいかな、レイル氏。
戦う理由は、あまり安易に尋ねないほうが良い。」

「例えば、親類が亡くなって後継として乗らざるを得ない場合もある。
未識別機動体が憎くてしょうがなくとも、グレムリンに頼らざるを得ない場合だってある。
人によってはトラウマを誘発する可能性もあるだろう?」

「まあ、ボクに関してはそんなことは無いのだがね!
ボクの戦う理由はシンプル。『金を稼ぐこと』さ」

「と言っても、ただ闇雲に稼いでいるわけでもない。
ボクには養わないといけないものがあるのさ。」

「……ところでヒューマン諸君、
『天然身体の子』について何か知っているかい?
噂程度で構わない。
彼ら目当ての闇市だとか、”蒐集家”について知っているとありがたいんだが」
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>>Eno.96 >>Eno.15 >>Eno.51
◆3回更新のメッセログ
◆2回更新のメッセログ
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
◆友軍からの通信
北北東海域【氷獄】の戦果通信
>>友軍の戦闘結果
「終わりました~」




>>友軍の戦闘結果

「……」

―― 通信を切断します。




>>友軍の戦闘結果

「......作戦完了。それ以上の報告は不要だろう。」




精算
報酬 87
経費 -1
フラグメンツ獲得 86
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 5発 になりました
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 6発 になりました
◆パンプキンヘッドを開けた!!(ライフスチール獲得)
経費 -1
フラグメンツ獲得 86
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 5発 になりました
【!】増殖 フライトレス・フェザーは弾数が増加し 6発 になりました
◆パンプキンヘッドを開けた!!(ライフスチール獲得)
あなたはフラグメンツと交換で波紋の化石を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で波紋の化石を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で波紋の化石を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で鉱石ラジオを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で波紋の化石を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で鉱石ラジオを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でキラキラマイクを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でキラキラマイクを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でキラキラマイクを手に入れた……
夜空には静かに星が浮かぶ……(コンテナ入手率 11.5%)
キャラデータ
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109



