◆虚空領域

◆◆概要◆◆

※注意※
ここに書かれた設定は、必ずしも真実とは限らず、一般的に広く周知されているものでもなく
まことしやかに囁かれている噂程度のものです
設定の履行を強制するものではありません

この世界は、虚空領域と呼ばれる異世界です
この世界は巨大な天体が宙に浮かぶ不思議な世界で
大地はなく、どこまでも広い海が広がっています
世界の中央には巨大な塔があり、それは山のように大きく
そのタワーを中心として、人々は船に乗り、暮らしています

◆◆三大勢力◆◆

この虚空領域には、世界を大きく3つに分ける思想があります
これは私たちの世界で言う国家や宗教、民族のような概念であり
人々の多くはいずれかの思想に身を寄せて、その支配を受けています

それは、
◆真紅連理【レッド・コネクション】
◆翡翠経典【ハルシオン・スートラ】
◆青花師団【デルフィニウム・ディビジョン】
の三つです

◆◆虚空領域の人口◆◆

虚空領域の全人口は1億人とも5千万人とも言われています
少なくとも、かつての残像領域人口の1%にしか満たない、寂しい世界です
七月戦役前には、少なくとも3~6億人はいたはずです
そして灰燼戦争後の未識別機動体の侵入により、生存者は一千万人程度まで減ったと言われています

七月戦役末期に窮地に立たされた三大勢力は
粉塵の力を利用した重粒子粉塵兵器と呼ばれる攻撃兵器を多用し、
あらゆる通常兵器を無効化するグレムリン大隊に対抗
結果、すさまじい量の粉塵が世界を覆いつくし
ライフラインは破壊され、多くの人命が失われ
環境は蹂躙され、海の生き物の9割が死んだと言われています

人口分布としては、軍隊を含む1千万人がタワーに永住していました
これは地球で言う神奈川県の全人口より少し多い程度です
他4~9千万人が海をさまよい暮らしていました
非戦闘巨大船にはおよそ5千~1万人程度が暮らしていました
6000隻以上の巨大民間船が海を漂っていると言われていました

現在、タワーの生き残りは300万人程度
他700万人程度が海や島に孤立しています
船舶は多くが沈み、2000隻程度まで減っています

過酷な環境、崩壊した社会の中で
人々はいずれかの勢力に身を寄せて、その支配を受け、庇護下に置かれています
どこの勢力にも属しない、アウトローな生き方は不可能に近いです
ただし、それを可能にする者たちがいます

それこそが傭兵、グレムリン・テイマーの中でも、誰にも属しない異端
グレムリンの力だけで生きていく真の自由
人々は恐れと憧れを込めて、彼らを「ヴォイドテイマー」と呼びます

そして、それこそがあなたなのです

◆◆虚空領域の食事・医療・服飾◆◆

食事
ごはんの図
主食

・コーンミール

セルロースとでんぷんを合成して作られた市民主食一号です
旧カプセルビオシス社によって作られました
安価かつ栄養豊富で、古来より量産されていました
よくお湯で溶いて食べます
食感は粉っぽい葛です
トウモロコシに似た香料が使われていますが
何の香りだったのか今では失伝しています

・メシ

でんぷんを粒状に成形し作られた市民主食二号です
コーンミールが不味すぎたため生まれたメシですが
コストが高く、上級市民が主に味わいます
大抵の市民はコーンミールで我慢しています

・コンブレッド

市民の努力により、いくらか食えるように調理されたコーンミールです
パンに似ていますが、硬いし酸っぱいしすぐかびます
地球で言うトルティーヤのような味と食べ方をします


主菜


・バイオベーコン

培養肉を薄くスライスして炙ったもの。臭いにおいがします
豚肉の匂いだということを知るものは、すでにいません

・虚空魚

虚空の海から釣った魚です。粉塵で変化し、耐性を得ています
主に焼いたり煮たりして食べます
港湾部では魚市が開かれ、毎日新鮮な魚が並んでいました
外洋やタワー中枢に魚はいないため、食べることは稀です

・鶏肉

生きた動物肉を食べることは、特権階級にのみ許された贅沢です
ニワトリを〆るときは、結婚式くらいですね


副菜


・ドロ

謎の合成食物。変に酸っぱいゼリー状のものです
貴重なビタミン源になります

・栄養剤

錠剤やカプセルで手に入ります。足りない栄養をカバーしています

・冷凍みかん

凍らせたシャーベット状の合成食物です
ドロよりはおいしく、人気がありますが、高価です
みかんが何を意味する言葉かは失われています


飲み物


・バイオコーヒー

飲めたものではない臭い水を飲めるようにしたものです
水にコーヒーポーション(コーヒーシロップ)を垂らすと完成です

・クリーチャー

ケミカルな色をした合成飲料です。カフェインが多く含まれています

・清浄水

非常に貴重です。一周まわって雑味のない水が最高級の飲み物になります

医療について、千五百年以上前から伝わるバイオ融合手術や機械化手術が広く普及しています
「新生体」と呼ばれる培養された体のパーツを、自由に入れ替えることが可能です
手術を行わない純粋な人間は、地球で言う眼鏡をかけていないひとと同じ程度います
手術費用はそれなりに高く、おいそれとできないものです
しかし、生まれ持った天然の身体を売ることで、大きくお釣りを手に入れることができます
天然身体は富豪や権力者に流れ着き、貧しいものは新生体や機械体を持っています

粉塵の影響で、子供を産み育てるのはかなり難しくなっており、育ったとしてもまともに生活できるのはひと握りです
子供の天然身体目当ての人身売買や売却強要は勢力によって禁止されていますが
闇市場は確かに存在し、戸籍のない人間も数多くいます
そういった人間は闇に生きたまま消えるか、傭兵として自由を掴み取る他は道はありません

フィルタースーツ
30年前から開発が始まった耐粉塵空調防護服
粉塵の脅威に備えて作られ、粉塵を完全に除去できます
フィルタースーツの図

・LL式
リリウム=ラーゼ式耐粉塵空調防護服
粉塵研究の第一人者、リリウム博士とラーゼ博士から名を取る
特徴はぶかぶかした宇宙服のような構造で
これにより十分な量の空気を確保し、海上での浮上に有利となる
フリーサイズのため、安いのも特徴

・Ft式
フレキシブルコート(トルソマトリクス)式耐粉塵空調防護服
緊急気密遮断機構「フレキシブルコート」を使用するもの
LL式の弱点を改良するために作られた
LL式は破損時に粉塵がスーツ内に混入する危険があるが
Ft式はスーツがぴっちりとしており
傷ができても破損個所が膨らんで固まり、粉塵が入らないようになっている
ぴっちりしたため動きやすくなり、全体的に性能が向上している
基本的にオーダーメイドのため、比較的高価
体形の維持も頑張らねばならない

第七型Ft式フィルタースーツ
第七型Ft式フィルタースーツの図 第七型Ft式フィルタースーツの図その2
タワー港湾部第七仮設駐屯地にかき集められた量産型Ft式スーツ
補給物資の中に大量に紛れていた
元はタワー防衛隊の制服として運用予定だったようだが
急な仕様変更により短期間で廃止
在庫の山として保管されていた
民間に払い下げる予定だったが、この危機を受けて
市民や傭兵に無料提供された
不具合として、ケミカルな消毒液臭いにおいがする

◆◆虚空領域の嗜好品◆◆

酒類
虚空領域では元となる植物はすでにほぼ滅びていますが
バイオ植物やバイオ合成したでんぷんから酒が造られています
地球の酒と似たようなフレーバーを付与された酒が各地に存在します
以下が各地の特産品です
・ビール……ペンギン諸島
・ワイン……赤の海
・ウィスキー……虚ろの海
・日本酒……雨音列島
・焼酎……静かの海
・ウォッカ……小群島
・テキーラ……南の島
・ジン……風の門
・ラム……巨人の島

あるいは、稀にコンテナの中にもこれらの酒が
見たこともないラベルを貼られて
はいっていることがあります
これは非常に美味なものが多く、
【コンテナもの】としてありがたがれます

合成密造酒も多く出回っていますが
傭兵たちは高給取りなのであまりハズレは引かないかもしれません
市民はよく死んだり後遺症が残ったりします

たばこ
広く普及しているわけではないですが
たばこのようなものはあります
主に合成されたフレーバーチップを過熱し
出てくるフレーバーを楽しむものです
見た目は煙が出るただの白い小さな棒です
紙巻も少量出回っています
水たばこも渇きの海では有名です

愛玩動物
ペットを飼うことはかなり贅沢な行為であり
権力者のステータスでもあります
権力がないワナビーな人間はバイオ生物を愛でます
バイオ生物も買えない場合、VRペットを飼います
これはデータとして広く流通するもので
VRペット行動パターン演算のために
グレムリンの戦闘システムを間借りする方法さえあります
こうして生産されたVR行動データは、人々に広くいきわたり
市民の癒しとなります
同じ理由で植物の飼育……盆栽もまた貴重です
興味のない人間ももちろんいます

◆◆粉塵◆◆

虚空領域に古くから存在する猛毒物質です
古代ははるか高空にのみ存在し、雲と反応して対消滅するものでした
しかし、その強すぎる特性に気付いた人類により
重粒子粉塵兵器として活用されます
重粒子化した多重粉塵は強力な粉塵放射線を発し、
人体や他の様々な物質を貫通、そこに存在する水素と対消滅します
その際発生したエネルギーで周囲のあらゆる物質をエネルギーへと還元します
その後冷却されたエネルギーは粉塵へと相転移してしまいます

粉塵の人体への作用
粉塵は肺から吸収されると、血液と反応して対消滅を起こし、
体中をボロボロに崩壊させ全身をめぐるまでそれを続けます
粉塵1gが完全に対消滅するまで100ℓの水が必要なため、
ほんのわずかな粉塵が致死量となります
ただ、粉塵が吸収されるためには肺か腸を経由する必要があるため、
目や口、鼻さえ覆えばある程度は耐えられます
濡れた身体で粉塵に晒されると、全身に火傷を負う可能性があります
ただ、海水に関しては海水に溶け込んだ希少重金属によって
粉塵の反応が抑制されています
この抑制効果はフィルタースーツにも応用されており、過激な反応を抑えています
この希少重金属(ドラコニウム)は人体に多少有害なため、身体に組み込むことはできません

◆◆虚空領域の神々◆◆

虚空領域には神々が実在します
彼らは高高度の空の上、およそ高度3000メートル程度の高みにいます
神々は12柱存在し、まとめて十二条光柱と呼ばれています

十二条光柱は、タワー上空に12の光の柱が円を描くように佇んでいます
彼らはぴかぴか光ったり、時折旋回したりしています
意図は不明で、干渉を行ってくるようには見えません
残像領域の崩壊時に生まれたひと柱の根源神から分裂して現れました

専門家には光の色や形の僅かな違いから見分けることが可能で、それぞれ名前がついています

・兄神「カビノヲ」
・妹神「カビメ」
・兄神「ツグノヲ」
・妹神「ツグメ」
・兄神「オオトキツヨミ」
・妹神「トキツヨミメ」
・兄神「オオカヅラマイ」
・妹神「カヅラマイメ」
・兄神「オオアクタカゼ」
・妹神「アクタカゼノミコ」
・兄神「オオユメノヲ」
・妹神「ヤソユメミ」

◆◆資産家『ヴルッフ』◆◆

世界最高峰の資産家で、三大勢力に匹敵する資産を個人で所有しています
彼は秘書や執事を近くに置かず、一人部屋に籠り、経済を動かしています
その資産の源は、グレイヴネットの創設に深くかかわっています
灰燼戦争のさなか死亡し、グレイヴネットの多くがブラックボックス化してしまいました

彼はグレイヴネット・コントロールを提唱し
三大勢力とテイマーズ・ケイジの協力の元
世界中にグレイヴネットを張り巡らせました
それが世界経済を支配するのに要した時間はあまりありませんでした

ヴルッフはあるとき、三大勢力とテイマーズ・ケイジから
協力を求められます
それは世界を脅かす敵、未識別兵器の掃討です
出所不明の謎の兵器は三大勢力とテイマーズ・ケイジを狙い
執拗に攻撃を繰り返しています
その意図は不明であり、首謀者も分かっていません
そして、兵器はグレムリンに匹敵する性能を持っています
ヴルッフは溢れる資金を注ぎ、傭兵を雇いました
しかし、ヴルッフはその目的を達する前に命を落とし、グレイヴネットは暴走状態にあります

◆◆25領域◆◆

虚空領域は大きく25の区域に分けることができます

◆タワー上層【シモムラ思念領域】

正体不明

◆タワー下層【ヒヨコ立像領域】

正体不明

◆タワー港湾部【カラビネル区画】

タワーのふもと、たくさんの空母や他の船が停泊する巨大船着き場
特に【カラビネル区画】は荒くれ者の船乗りや、ならず者、マフィアなどがたむろす危険区域
タワー港湾部はいくつかの区画に分けられるが、グレムリン傭兵が暴れる場所は
決まってここである
名前の由来は失われている

◆空母船団【コロッセオ・レガシィ】

遥か昔から存在する、巨大空母船団。タワー北側に陣取り、タワーを守護する
船団から出ることなく一生を終えられるほど潤沢な資源と人口を持つ
三大勢力から独立した権力を持ち、互いに影響を与えている
かつての七月戦役で多くの船が沈んだが、依然この世界では大きな力を持つ
船団の支配者は13の王家からなる王族院から選ばれた一人の王であり、
現在はシェフィル家の代表であるシェフィル47世という若き女王が頂点に立つ
富を集積し、新たな船を作り、巨大な群れとなって生き続けている古鯨
名前の由来は失われている

◆空母船団【ヒルコ・トリフネ】

遥か昔から存在する、巨大空母船団。タワー東側に陣取り、タワーを守護する
翡翠経典と深い繋がりがあり、実質的な本拠地となっている
代々受け継がれる《写しの巫女》と呼ばれる神女が宗教指導者となる
かつて姿を現したヒルコの神を信仰し、神の力によって結束している
七月戦役で大打撃をつけつつも、いまだ揺るがない巨大船団である

◆タワー近海【漂着の海】

異世界からの漂着物が最後にたどり着く潮流の果てである
ここには超古代要塞《サルガッソー》が、流れ着く漂着物を回収し
分解再利用して、自らの成長と進化を加速させている
《サルガッソー》と同等の要塞はかつて100を超えるほど存在していたようだが
時と共に失われ、あるいは互いに合体し、あるいは吸収し、最終的に
《サルガッソー》一人となった
1/2の確率で侵入者をネコと誤検知する不具合があるが、全て分解吸収されるため
今のところ問題は起こっていない
タワーの西に存在し、侵入者を全て撃退しているため、タワー防衛に利用されている

◆タワー近海【風の門】

タワー南部に築かれた超巨大防波堤であり防壁
タワー南部を守護する、タワー直属の防衛設備である
門番と呼ばれる防衛組織の管理者たちがいる
グレムリンで武装した防衛組織は幾度となく未識別機動体を撃退してきた
しかし、その防衛力も遠くには届かず、風の門を出る者は二度と帰らないという
ジンクスがまことしやかに伝わっている
南風の吹き抜ける場所であり、暖かく、住むには最高の場所かもしれない

◆西部海域【黄昏の壁】

虚空領域の西の果てであり、巨大な星の河が西の水平線に沈むのが見える
《使者》と呼ばれる炎のような存在が飛び交う
この場所では《使者》が絶対的な存在として君臨する
《神官》と呼ばれる組織が存在し、市民を統制し、《使者》の命に従う
《神官》も市民も赤い服を身にまとい、それは死と炎を意味する
その正体は古代の超技術のなれの果てと分析されているが
《使者》は何も語らず、ただ魂の行く果てのみを語る

◆東部海域【暁の壁】

虚空領域の東の果てであり、巨大な星の河が東の水平線から立ち上がっていくのが見える
《使者》と呼ばれる光のような存在が飛び交う
この場所では《使者》は忌み嫌われ、姿を見ないように人々は隠れ住んでいる
《防衛者》と呼ばれる組織が存在し、市民が《使者》を目にしないように統制している
《防衛者》も市民も黒い服を身にまとい、それは生と闇に瞬く光を意味する
その正体は何らかの古代の超技術であると言われているが
《使者》は何も語らず、ただ魂の再誕のみを語る

◆南部海域【渇きの海】

虚空領域の南の果てであり、地の果てに広大な砂漠が広がる。それは地平線まで続いている
しかし、そこから南に進もうとしても蜃気楼に阻まれ、先に進んだはずが海岸線から進めていない
灼熱の潮流《ヴィシェラ》と呼ばれる謎の不死者がいて、スーツなしに粉塵の砂漠を歩き、水を求める
彼女はこの砂漠の秘密を知っているようだが、水を提供しても特に語るわけではない
この砂漠は可動範囲としてはタワーの次に広い場所である

◆北部海域【ペンギン諸島】

虚空領域の北の果てであり、地の果てに巨大な氷山と氷河が一望できる小さな島嶼である
そこから北へは巨大な氷に阻まれて進めず、挑んだ者も誰一人帰らなかった
人語を話す、王冠を被ったペンギンがおり、彼はこの世界の秘密を知るようだが
楽しくお気楽に君臨する以外の行動は行わないようだ
島のあちこちから温泉が出るので、あちこちに温泉施設が建っており
虚空領域一の健康温泉と名高い

◆南西海域【星の海】

遠浅の海には、海底に様々な巨大生物の化石を見ることができる
座礁しやすく、あちこちに錆びて島となった船舶が見える
海域の中心にはボロボロの案山子である星を見上げるもの『フォコッコ』がいる
彼は星の航路について何か知っているようだが、意思疎通は不可能
星に届く船の話をただひたすら繰り返している

◆北東海域【雨音列島】

タワーより北東にある列島で、よく雨が降っており、粉塵に適応した奇妙な樹木が生い茂る
日本に似た文化を持っており、武士道やサムライを志す人間も多い
『センリツ』という名の不死の武士が、粉塵混ざる雨の中生身で外を出歩き、剣を奮って鍛錬している
本人曰く、魔王領域と呼ばれる技術を受け継いでいるようだが、その言動は奇妙奇天烈であり
理解しがたい

◆南東海域【雨の海】

タワーより南東の、何もない海。深い海に島の姿は見えず、巨大ブイに小さな集落が作られる程度
台風がよく発生する海域で、定住は厳しい。タワーに来る台風を予報するために、観測者が多数存在する
特にでたらめ予報士『りんくる』という不死者は一目置かれており、通常予報は外れるのだが
未曽有の災害を予報した時だけは的中するので、その時だけ重宝される
虚空領域の空について何か知っているようだが、聞いてもはぐらかされる

◆北西海域【虚ろの海】

タワーの北西にある、虚空領域で一番深い海と言われている
人の気配はなく、日も差さない澱んだ場所で、通りかかる船も足早に去る
不吉な海とは呼ばれているが、その海を小舟で渡る不死者、渡し守『カローーーーーネ』がいる
彼女は海の底にある何かを護り、弔っているらしいが、誰も気味悪がって通り過ぎるので
打ち明ける機会は少ない

◆南南西海域【赤の海】

海の水が赤く染まっている奇妙な海域。海面に建つ巨大な城があり、それは『赤の氏族』と呼ばれる王族の住まう城である
当主である赤の姫騎士『ネオシンシア』は、城から通りかかる船をよく眺めている
赤いものを持たないものは入国を拒否されるという変わった自治体である
古代の呪いや盟約が関連していると言われているが、赤の氏族はそれを語らず
ただ静かに君臨する

真紅工廠[スルト]
スルト工廠の図
赤の氏族の支援の下作られた、真紅連理のグレムリン工廠
ここではアサルト・フレームの量産を進めている
闇の中浮かび上がる赤い光は、グレムリンの攻撃性を高めると言われている
「君、赤いものを持っているか?」
「ああ、ちょうどいい! 貸してくれ!」
「やっぱり、これでいい。これで開発がまた一歩進むぞ!!」

◆北北東海域【氷獄】

氷河に覆われた広大な氷の大地。歩ける部分の広さは渇きの海に次いで虚空領域で3位
氷の下には古代遺跡が眠っているが、誰もそれを掘り当てることはできないし、余力もない
遺跡の管理者であり不死者でもある冷蔵庫の護り手『ヴィル』が氷の上を歩き回っている
彼は古代の遺跡の知識を受け継いでいるとされているが
記憶喪失であり、何の力も持たない

◆南南東海域【巨人の島】

巨大な島には粉塵に適応したいくつもの巨大生物が住んでいる
特にそういった生物の一人である巨人少女『アカネ』は、身長12メートルの巨人である
『アカネ』には同族がおらず、通りかかるグレムリンを話し相手に暮らしている
生物が巨大化した原因が島の地下に存在する古代遺跡プラントと言われているが
真偽は定かではない

島にはいくつもの古代の建築物の残骸があり、多くは傾いている
これらは海底にあったものが隆起して現れたと伝わっている
これらの遺跡から手に入る資源や知識を利用して
青花師団のルピナス工廠が稼働している
都市遺構は地下にまだまだ存在するという

赤い靄に覆われた世界なのは変わらずだが
比較的靄が薄く、遠くを見通しやすい
住人は巨大粉塵獣に追われるためか少なく、
多くが粉塵獣の入り込めない地下や遺跡の中で暮らす
地下は度々落盤や水没が起こるため
暮らしやすいとは言えないだろう

巨人の島の図

◆北北西海域【小群島】

小さな島が冷たい海に点在する辺境。奇妙な鳥が無数に暮らしている
人の気配はなく、定住するものも少ない
産業も、資源もなく、荒涼としており、奇妙な自然しか見どころはない
虚空領域随一の田舎と言われている

◆西南西海域【横道潮流】

激しい渦や潮流のぶつかる海の難所。いくつもの船が沈んだ魔海
そこに挑むのは不死者である熟練航海士『リトオ』。彼に助けられた船は多い
この海を越えれば、南西柱の果てに辿り着くと言われており、
赤の海が面倒な荒くれが良くここを横切っていく

◆東北東海域【静かの海】

穏やかな海に森に覆われた島が点在する静かな場所
翡翠経典とは別の流れをくむ宗教組織が存在する
静寂の教祖『テオネ』はそんな宗教の一つをまとめ上げる不死者で
はるか昔から生き続けている
道に迷うものが悟りを求めてこの海を訪ねるという

◆東南東海域【南の島】

気温が高い島で、ヤシのような粉塵世界の植物が生えている
島には南国の少年『ハターカ』と呼ばれる不死者が生身で粉塵の中を歩いている
彼は何年も歳を取っていない。しかし、その性格は天真爛漫であり、なんの知識も得られないだろう
と見せかけて、気を許した者には何かを伝えているようだ

◆西北西海域【赤渦】

粉塵世界の巨大生物であるクラーケンの僭主『ルリオーネ』が支配する海
『ルリオーネ』はこの海域を政治的に支配しており、人類を手駒のようにかわいがっている
赤い渦の中心に潜んでおり、無礼にも近づくと船ごと粉砕される
本人は遊びに来たとしか思ってはいないようだ

◆辺境海域【北西柱】

巨大な光の柱の立つ、謎の領域であり、世界の果て
何かの声が聞こえる。あなたはそれが《対流思念》だということをなんとなく感じる
それが何なのかは分からない

◆辺境海域【北東柱】

巨大な光の柱の立つ、謎の領域であり、世界の果て
何かの声が聞こえる。あなたはそれが《対流思念》だということをなんとなく感じる
それが何なのかは分からない

◆辺境海域【南西柱】

巨大な光の柱の立つ、謎の領域であり、世界の果て
何かの声が聞こえる。あなたはそれが《対流思念》だということをなんとなく感じる
それが何なのかは分からない

◆辺境海域【南東柱】

巨大な光の柱の立つ、謎の領域であり、世界の果て
何かの声が聞こえる。あなたはそれが《対流思念》だということをなんとなく感じる
それが何なのかは分からない

◆真紅連理【レッド・コネクション】

◆◆概要◆◆

虚空領域千か年計画を発動し、強力な支配体系を維持することで生きながらえてきた、巨大思想団体
恐ろしい軍事力を持ち、膨大な物資を抱える古老です

◆◆文化◆◆

自由や個性を制限した統一色の強い文化を強制されます
普段着は連理統一服と呼ばれる、色気のない灰色の服を着させられます
ただ、豊富な物資から来る配給や福祉が魅力的です
他の勢力から「自由を売ってパンを買う」と揶揄されます
ただ、真紅連理自身は「自由とやらを抱いて餓死するのか?」と見下します
その豊富な物資から来る配給や福祉は、より多くの人材を集め
それが豊富な人員の元になっています

◆◆歴史◆◆

1200年頃……真紅連理会議結成。虚空領域千か年計画発動
1539年………タワー港湾部に勢力を広げる。真紅連理空母一番艦《ディープ・クリムゾン》進水
2001年………テイマーズ・ケイジと契約する。グレムリンの供給開始
2019年7月…スティミュラント・グレムリン《フレイムホイール》ロールアウト。勢力さらに拡大
2019年10月…シルエット・グレムリン《シャドウナイフ》ロールアウト。勢力さらに拡大
2019年12月…ターミネイト・グレムリン《ミラージュオブデス》ロールアウト。勢力さらに拡大

◆◆軍事◆◆

・第一軍……タワー駐留部隊
  ┣第1機甲師団……グレムリン200機、兵員1万人
  ┗第4歩兵師団……歩兵1万5千人
・第一艦隊…総司令・真紅連理旗艦
  ┣空母《ディープ・ブラッド》……グレムリン20機搭載
  ┣第23掃海隊……巡洋艦4隻、駆逐艦5隻
  ┗第14駆逐隊……駆逐艦8隻
・第二艦隊…タワー近海
  ┣空母《ディープ・ラビットアイ》……グレムリン20機搭載
  ┣第28掃海隊……巡洋艦3隻、駆逐艦4隻
  ┗第16駆逐隊……駆逐艦7隻
・第三艦隊…遠海
  ┣空母《ディープ・クラブ》……グレムリン20機搭載
  ┣第29掃海隊……巡洋艦5隻、駆逐艦5隻
  ┗第18駆逐隊……駆逐艦9隻

◆配備グレムリン◆

・ミラージュオブデス……80機
・シャドウナイフ…………120機
・フレイムホイール………60機
・ヘルストーム……………退役
・ブラッドウェイブ………退役
・ライオットハンマー……退役

◆翡翠経典【ハルシオン・スートラ】

◆◆概要◆◆

ヒルコ教団を母体とする、虚空領域に現れた新たな神々を保護・観察するための巨大宗教団体
高い科学知識と豊富な資金源を持ちます

◆◆文化◆◆

翡翠経典は緑の護符を身に着ける以外は、自由な宗教です
厳しい戒律や法は少なく、思想も個人個人の救済を第一にしています
救済は神によってなされるもので、他人に対する干渉や欲を制限しています
虚空領域には神々が復活しており、はるか天空の頂に住んでいます
その神々を観察し、救いを得るのが翡翠経典の教義です
この聖典となる翡翠経典は、最後の「ヒルコ」が書き記したと言われており
それは永久に秘匿されるものとされています

「ジェス・エスト・レム・メシエール。ほうき星を我が手に」
翡翠経典に伝わる最も有名な言葉です。意味は失われています
救済を願う祈りだと言われています

◆◆歴史◆◆

1210年頃……ヒルコ教団解体。遺産となる《翡翠経典》をもとに、再編が始まる
1411年………翡翠経典の名のもとに、結束を強める。翡翠経典一番艦《ティール・ハート》進水
2004年………テイマーズ・ケイジと契約する。グレムリンの供給開始
2018年4月……アンリミテッド・グレムリン《ジェイド・メダリオン》ロールアウト。勢力さらに拡大

◆◆軍事◆◆

・第一軍……タワー駐留部隊
  ┣第1機甲師団……グレムリン180機、兵員5千人
  ┗第2歩兵師団……歩兵8千人
・第一艦隊…総司令・翡翠経典旗艦
  ┣空母《ティール・ゴースト》……グレムリン25機搭載
  ┣第21掃海隊……巡洋艦3隻、駆逐艦2隻
  ┗第12駆逐隊……駆逐艦7隻
・第二艦隊…タワー近海
  ┣空母《ビリジアン・スピリット》……グレムリン24機搭載
  ┣第28掃海隊……巡洋艦2隻、駆逐艦3隻
  ┗第16駆逐隊……駆逐艦6隻
・第三艦隊…遠海
  ┣空母《グリーン・スワロウ》……グレムリン23搭載
  ┣第29掃海隊……巡洋艦3隻、駆逐艦4隻
  ┗第18駆逐隊……駆逐艦6隻

◆配備グレムリン◆

・ジェイド・メダリオン………100機
・グリーン・インセンス………80機
・???…………………………72機
・ビリジアン・ソウル…………退役
・ルート・メタセコイア………退役
・ダンデライオン・ファング…退役

◆青花師団【デルフィニウム・ディビジョン】

◆◆概要◆◆

傭兵や分解してしまった共同体を纏め上げた、強力な自由思想
権力に縛られることを嫌い、虚空の海を自由に航海します。豊富な人員と高い士気を持つのが特徴

◆◆文化◆◆

青花師団の一員であること以外は、何も縛るものはありません
デルフィニウムの紋章さえ、つけるも外すも自由です
組織への貢献や団結を求めることもありません
真紅連理、翡翠経典に馴染まない全ての受け皿になっています
彼らは自由のために戦い、自由のために死んでいきます

◆◆歴史◆◆

1260年頃……後ろ盾のない放浪者を中心として互助組織が立ち上がり、自らを青花師団と名乗る
1627年………第8師団までの勢力が固まる。遠海の空母師団によって、勢力が盤石になる
2002年………テイマーズ・ケイジと契約する。グレムリンの供給開始
2016年12月…セレスト・グレムリン《レーダー・マウント》ロールアウト。勢力さらに拡大
2017年8月……セレスト・グレムリン《シルフ・クレスト》ロールアウト。勢力さらに拡大

◆◆軍事◆◆

・第一師団…総司令・青花師団旗艦
  ┣空母《ラピスラズリ・ローズ》……グレムリン30機搭載
  ┣第29掃海隊……巡洋艦8隻、駆逐艦6隻
  ┗第18駆逐隊……駆逐艦10隻
・第二師団…遠海
  ┣空母《サファイア・デイジー》……グレムリン28機搭載
  ┣第34掃海隊……巡洋艦9隻、駆逐艦5隻
  ┗第25駆逐隊……駆逐艦10隻
・第三師団…遠海
  ┣空母《アクアマリン・コスモス》……グレムリン21搭載
  ┣第17掃海隊……巡洋艦8隻、駆逐艦5隻
  ┗第41駆逐隊……駆逐艦10隻
・第八師団……タワー駐留部隊
  ┣第1機甲旅団……グレムリン220機、兵員2万人
  ┗第7歩兵旅団……歩兵2万5千人

◆配備グレムリン◆

・レーダー・マウント…………10機
・シルフ・クレスト……………150機
・???…………………………139機
・フェアリー・トリック………退役
・シールド・ゴブリン…………退役
・パルスキャノン・マウント…退役

◆テイマーズ・ケイジ

◆◆概要◆◆

グレムリン技術の管理を行う組織です
フルスペックのグレムリンは非常に危険であり、世界を破壊するため
三大勢力に対して5個以上のパーツを装備するグレムリンを禁止しています
自由傭兵であるヴォイド・テイマーに対しては
パーツ流通の制限を行っています

そもそもグレムリンの基礎システムには、テイマーズケイジ以外のテイマーが
パーツを5個以上装備するのを制限するプログラムが施されています
あくまで正規品の話、ではありますが


しかし、灰燼戦争のさなかテイマーズケイジは崩壊、消滅しました
今生き残っているのは、ケイジキーパーと呼ばれる3人の権力者だけです
テイマーズケイジが管理していた世界中のグレムリンは、灰燼戦争後全て機能を停止
世界を壊滅的状態に陥らせます

◆メカニック

◆◆グレムリン◆◆

スペック

乗員1~2名
全高6メートル~10メートル。一般的には8メートル
全重量5トン~15トン。一般的には10トン
駆動系重粒子イオン=パルス駆動
戦闘システムG.I.F.Tシステム

アフリカゾウが直立するくらいの大きさ・重さです

概要
ケイジキーパーによって発掘された古代兵器です
かつての文明で猛威を振るっていたと予想されます
特筆すべきは、その世界干渉能力
および、世界再構築シミュレーション能力です
グレムリンは多かれ少なかれこの能力を持ち
攻撃の回避や索敵、追跡、攻撃、防御に利用しています
しかし、それを完全にコントロールできる人間はおらず
暴走状態のコントロールシステムを無理やり制御しています
起源は古く、700年前とも、800年前ともいわれます
500年前に完全となり覚醒
それ以降、究極となったダスト・グレムリンは世界再製のため
ループを500年間繰り返しています

重粒子イオン=パルス駆動
heavy-particle-ion=pulse-drive(HPI=PD)
交流電線2本に追加で、パルス線というワイヤーを追加した3本線の電源を持つ機関
主にグレムリンのボディパーツに使用される駆動系です
これによって、まるで磁石のように関節が吸いつき、自由に可動します
また、浮遊力を発生させることができ、海面や地上を滑るように移動できます
消費電力は従来の兵器に比べ圧倒的に少ないですが、
パルスの生成が非常に困難であり、かつ、電流と密接にリンクしているため
専用のエンジンかバッテリーを必要としています

G.I.F.Tシステム
Gravenet
Intersect
Failure
Thoughts
グレイヴネット交錯不全型思念戦闘システム

グレムリンのシステムに関する解析は進んでいますが、
そこで名付けられているこのシステムはいまだブラックボックスです

◆◆乗用機械(RM)◆◆

スペック

乗員1~2名
全高3メートル~7メートル。一般的には5メートル
全重量1トン~6トン。一般的には4トン
駆動系重粒子イオン=パルス駆動
戦闘システムB.B.P.Wシステム

概要
Ride Mechine(RM)
タワーや各地の遺跡から発掘される搭乗型ロボット
○○機と呼ばれることが多いです
グレムリンと同じ駆動系を用いる点から
その進化図に何らかのかかわりを持っていると予想されています
こちらのシステムは解析が完了しています

B.B.P.Wシステム
Battle
By
Pulse
Wire
パルス線制御戦闘システム
パルス線を通して各部をコントロールします
この技術は完全に解析され
様々な分野で活用されています

◆◆自動機械◆◆

防衛設備
グレムリン随伴用防空護衛迎撃設備
思念で操縦できる大型ドローンの一種で、グレムリンの随伴用として開発された
防衛設備を動かすにはグレムリンが必須であり、グレムリン撃墜後もある程度自律行動はできる。 ただ、それを展開したり、自律行動をセットするためにグレムリンの力が必要である
思念の力は装置を動かすのと同時に、未識別機動体にダメージを与える方法としても機能している
グレムリンの思念が混線するため、複数のグレムリンの制御下で多数を運用できない欠点もあり
主に少人数で作戦に入るグレムリンの護衛用として活用されていた
テイマーズケイジによって開発され、無数に量産されたが
灰燼戦争でグレムリンの機能が停止した結果機能不全になり、置物となっていた

『零力照射気嚢』
突如出現した、未識別機動体の零力供給装置
いまだかつてこのような装置は存在したことはなく、記録にもなかった
鹵獲に成功し、これが安定してグレムリンに零力を供給できることが分かる
それまでは、零力を高めることは零力酔いを引き起こし、
深刻な後遺症をもたらしたため、実用化が望まれている
鹵獲した気嚢を回収、分析、付け焼刃で運用を始めている
その実態はいまだ、不明な点も多い
・テイマーの「CR-2871『クシー』」が辺境海域【南東柱】にて接近遭遇、これを鹵獲
・強化研究所にて分析を行い、機能の再現に成功
・風の門での試験において、試作型が性能を発揮。テストパイロットは『落ちこぼれ社員』アレッポ
・急ピッチで実戦配備に向けて生産開始

◆◆船舶◆◆

悪鬼巡洋艦
グレムリン発着陸能力を備えた高速巡洋艦
主に船体後部や側面に広い甲板があり、そこから発進・着地できる
グレムリン整備能力もある程度備えており、便利に使える
空母の随伴として、傭兵の拠点として、あるいは集落の護衛として
様々な形で見ることができる
砲や機関砲を備えているが、未識別機動体には無力

◆◆未識別機動体◆◆

突撃艇『ビルフィッシュ』
突撃して敵船体に衝突、撃沈させる高速水雷艇
長い剣のような衝角には爆薬が取り付けられており
これをぶつけて大打撃を与える
未識別機動体として再来したビルフィッシュは
赤い靄の中を音もなく忍び寄り、突然現れ爆破してくる
ただ、油断さえしなければ大抵のグレムリンなら爆発に耐え、
その脆い船体を容易に引き裂けるだろう

重砲撃巡洋艦『ライナー・ガンマ』
重装甲、高火力、高速機動を兼ね備え……るはずだった重巡洋艦
予算不足からその性能は中途半端に終わった感が否めない
主砲である粒子砲の発射頻度も少なく、
安く済ませた意味もなく数隻の建造で終わってしまった
未識別機動体として再来したライナー・ガンマは
じっくりと構え、手痛い一撃を与えてくるかもしれない
もっとも、大多数のグレムリンにとっては防衛設備の方が
何倍も脅威に感じるかもしれない

偵察ドローン『アルミビートル』
銀色に輝く小型無人ドローン。羽ばたいてホバリングする
偵察用に安価で量産されたが、攻撃性能はほぼない
集団で行動し、時には拡散して情報を集め、戦況を有利に導く
未識別機動体として再来したアルミビートルは
装甲をも貫く突進を群れで浴びせてくるので
過ぎ去った後の船は穴だらけになってしまう
グレムリンにとっては、羽虫程度かもしれない

中量格闘機『金砕棒』
巨大な棍棒を持った中型格闘ロボット。タワーより発掘された
建築解体用として運用されているものを格闘機として流用している
比較的厚い装甲と高い打撃力が特徴だが、動きが速いというわけではない
未識別機動体として再来した金砕棒は
通常の物理法則を無視した打撃を与え、小型船なら二つに折れるだろう
グレムリンにとっては、動きの遅いブリキのおもちゃだ

◆虚空領域でのできごと

◆◆七月戦役◆◆

概要
支配領域の境界問題から始まった、三大勢力を巻き込んだ大規模戦役
おびただしい犠牲者と、広域にわたる破壊や汚染を引き起こし、この戦役は7年にわたって続く

◆◆経緯◆◆

1997年は、年始からきな臭いムードと共に始まった
タワーにおける採掘権、そして施設利用権について、三大勢力は終わらない平行線の議論を重ねていた
事態が急展開を迎えたのは、1997年4月。翡翠経典のタワー内部支配領域で、断続的に爆破テロが発生
翡翠経典はかねてより対立していた真紅連理との関連を疑い、
逆に真紅連理は翡翠経典の自作自演の言いがかりと決めつける
翡翠経典の教導者たちは事態の鎮静化を主張するが、勢力間の対立はエスカレート
ついに真紅連理の強硬派は1997年6月23日、タワー港湾部を武力制圧
抗議行動を続ける翡翠経典信者を虐殺してしまう
一方、青花師団もまた、翡翠経典と真紅連理両方との摩擦を抱えており
武力制圧を開始した真紅連理に対して、港湾部に進軍
翡翠経典防衛部隊との戦いで疲弊した真紅連理部隊を退け、一旦は翡翠経典に貸しを作る

ところが、真紅連理は敗走した強硬派を粛正し、
1997年6月29日には「強硬派」とされていた部隊が、実は青花師団のスパイであることを主張
青花師団が港湾部に部隊を駐留させるための工作であると暴露した
連続爆破テロや強硬派の武力制圧などの一連の出来事が、青花師団の計略であるとする証拠を次々と公開する
翡翠経典・青花師団の共闘となるはずが、不信感を募らせた翡翠経典は中立を宣言し、三大勢力は三つ巴の様相を呈する
青花師団はそれらの情報はフェイクであり、有力な証拠をこちらも持っていると、譲らない構え
そして1997年7月1日。港湾部に対し、三大勢力の機甲部隊が進軍を開始する

もはや何が正しく、何が真実で、何が起こっていたのか分からないまま、三大勢力は緊張を高め
そしてとうとう、1997年7月12日、三大勢力は互いに宣戦を布告。戦争状態となる

この戦争は7年の歳月を費やし、膨大な犠牲者と、人々の営みの破壊と、受け継がれた遺産の喪失を引き起こす
開戦後数ヵ月で、小さな世界は戦火に焼き尽くされ、全てが灰となり海に沈んだ

一人、煤まみれの顔で炎の街を見る者がいた
1997年12月24日。一つの決意を抱く

この世界を――

そして――翌年、テイマーズケイジを結成する

謎の古代兵器
グレムリン・フレーム量産計画
選ばれた""大隊""
そして……ちょうど2年後の1999年12月24日、テイマーズケイジは三大勢力に対し宣戦を布告する

誰もが正気を疑った。誰も知らない傭兵部隊。わけのわからない機体。その数は、100にも満たない
それでも――
世界を焼き尽くすには、十分だった

2001年、真紅連理がテイマーズケイジに降伏。翌2002年、青花師団が。そして2004年、翡翠経典が降伏し、テイマーズケイジと契約を果たす
そして、世界は新たな秩序の元、再び歩みだす

かつて、炎の街を見つめていた目は、いま、この虚空の海を見ていた
願いは叶ったのだろうか
あの時の決意は、叶えられたのだろうか
それは、本人にも――わからなかったのかもしれない

◆◆灰塵計画◆◆

概要
テイマーズ・ケイジが新しく開発した新型グレムリンと、その随伴グレムリン
そして、テイマーズ・ケイジは新型機に適応できる素養の持ち主を選別し、グレムリン大隊を結成した

◆◆経緯◆◆

2020年はテイマーズ・ケイジにとって転機の年となる
かねてより開発を進めてきた新型グレムリンの開発が終わり
その性能テストを予定していた
新型グレムリン「ダスト・グレムリン」
そしてその随伴グレムリン「マリオネット・グレムリン」
あらゆる性能が秘匿された、謎の新型機たち
そして、そのパイロットを大々的に募集し、
素養の持ち主を選別
最強のグレムリン大隊を結成する運びとなった

あなたは、選ばれなかった
才能が不足していたわけではないものもいた
けれども、ダスト・グレムリンには、適性が必要だった
あなたは悔しがったかもしれない
あるいは、面倒ごとから逃れられて安堵したかもしれない
いずれにせよ
あなたのあずかり知らぬところで、ダスト・グレムリンのパイロットが決まった

その日、三大勢力の特使であるガーネット少将、ツルギ中将、そしてミラー大将
その三人が、秘密裏に会合を行い、一つの同意を確認した

それは、高濃度粉塵を身にまとう
それは、完全思念制御システム《N.O.E.L》を搭載する
それは、ダスト・グレムリンに触れることを不可能にする
それは、マリオネット・グレムリンの全機撃破をでもって破ることができる

そして――

テイマーズ・ケイジは、暴走状態にある――と

◆◆灰塵戦争◆◆

概要
ダスト・グレムリンの覚醒に伴う、三大勢力とTsC間の大抗争。これにより世界が危機に陥る

◆◆経緯◆◆

2020年7月、ダスト・グレムリンは不死の傭兵部隊と抗争を起こす
それはダスト・グレムリンの覚醒に必要な闘争であり
覚醒を危険視した三大勢力はTsCから離反
世界を巻き込んだ大抗争に発展する
しかし、ダスト・グレムリンの撃破は叶わず
不死の傭兵部隊は行方不明
ダスト・グレムリンによってTsCは消滅
世界中のグレムリンが機能を停止し
未識別機動体の侵攻を許す事態となった

死の眠りの16時間
2020年7月8日午前10時から7月9日午前2時までの16時間を指す
7月8日未明のTsC消滅によって引き起こされた大規模なグレムリンの機能停止状態
各地でグレムリンが機能停止状態に陥り、10時には全てのグレムリンが機能停止
それに伴い防衛設備も正午には全て機能不全を起こす
同時に大規模な未識別機動体の侵攻が発生
記録には残らないが、多数の死傷者が出る

落日作戦
オペレーション「フォーリングサン」
稼働するグレムリンの確保によって最初に成功した未識別機動体への反撃
雨音列島での大規模戦闘の記録

参戦者
アンネリーゼ・アンガーミュラー
レイスタ・バリトゥス
タケル・ガサトウ
北城 蒼百合
ホードル・ガランスク【戦死】
エルム・ハーゼンタイス【戦死】

2020年7月8日12時
雨音列島に無数の未識別機動体が接近。防衛隊全滅

8日15時
参戦した6名がほぼ同時に別々の場所で、錆びたグレムリンを発見

8日16時
雨音列島の翡翠経典の施設「モリ工廠」に戦力を結集

8日17時
モリ工廠にて「落日作戦」を発動。モリ工廠に接近する37機の未識別機動体撃破を目指す

8日18時3分
戦闘開始。6機のグレムリンと防衛設備15基による強襲を行う

8日18時41分
ホードル機、被撃墜。ホードル・ガランスク戦死

8日18時50分
北城機、ダメージ増大により撤退

8日18時52分
エルム機、被撃墜。エルム・ハーゼンタイス戦死

8日19時35分
戦闘終了。未識別機動体全機の撃破を確認


戦果
アンネリーゼ機 8体撃墜
レイスタ機 6体撃墜
タケル機 6体撃墜
北城機 5体撃墜
ホードル機 7体撃墜
エルム機 5体撃墜

◆◆霧の伝説◆◆

霧って知ってる? それは、粉塵よりもっと優しい、身を包む粒子。いつか来るよ、水平線の向こうから――

概要
霧という現象が消えて千年が過ぎた。空気中の水粒子は粉塵に吸着され、虹色のオイルのような雨になる
そして、人々は伝説となった霧に、思いを馳せた
遥か高空に雲が見える
あれは、霧だという
そこには霧が渦巻き、粉塵と調和している天界
僕らは、空を見上げて、夢を見ていた――

◆◆ハイドラ◆◆

――悪い子には……グレムリンの贈り物。蛇が出てくるびっくり箱

千年前のおとぎ話。世界を滅ぼし、霧の向こうに消えたハイドラ

その伝説は形を変え、正確な情報はもうほとんど残っていない
あのとき何が起こったのか、それからどうなったのか
誰も何も覚えていない

しかし、三大勢力に共通して伝わる、ひとつの伝説があった。霧の帰還の伝説である
いつか霧の復活する日がやってくる
その日に備えよ、というもの
霧はいつか、再び、世界を滅ぼすと

だれもが、おとぎ話だと思っていた
あの、霊障が巻き起こるまでは
そう、霊障の発現もまた伝説に予言された災厄の一つなのだ
そして、その恐れは7月戦役で確定的となった
霊障の予言
戦災の予言
全てが正確に予言されていたのだ
そして次なる予言……
霧の予言

死の霧がやってくる

水平線の向こうから

霧を纏った、鋼の棺

この、世界に向けて

再びの浄化の果てに

我々を滅ぼすだろう

死に抗うすべはなく

終着点へと向かう光

だが恐れることなく

我々は救済されゆく

そう

我らは霧と共にあるのだから

解釈の分かれる予言であった
霧とは何なのか
あるものは死と滅びを恐れた
そして、死すら克服した
でも、あなたは違ったかもしれない
救済を信じたのかもしれない
あるいは、滅びの果ての浄化を目指したのかもしれない
伝説の終節はこう締めくくられている

霧の剣を持て

それは我らと共にある

霧の盾を構えよ

それは我らと共にある

やがて我らは辿り着くだろう

水平線の向こう、霧の彼方へと――

その死の担い手は、ハイドラ=ザ・ミスト・アヴェンジャーと記されていた