ENo.0113　レイジー・サム

第10回目　午前2時のレイジー・サム

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プロフィール

名前

レイジー・サム

愛称

サム

経歴

怠け者の誰かさん
(lasy some)

詳細不明の人物の記憶を元にした人格データを移植した、20代ほどの人間男性の外装を持つバイオロイド。
製造および起動までの経緯は不明であり、当人の記憶 (メモリ) もその大部分が断片化している。
そんな状況なのでやや卑屈であり、自発的になにかを行動することに対して怠惰な傾向がある。
グレムリン操縦技術は、彼の人格データの元となった人物に由来する。

要するに「自分が何者で、目的がないせいでやる気がない、なんかグレムリンの乗り方は知ってた人」。

僚機プロフィール

名前

蛍火のニフジ

愛称

ニフジ

経歴

螢火のニフジ（ニフジ・ケイカ）

親の親のそのまた親の、遺伝情報の改変により
体の一部がぼんやりと光帯する性質を受け継いでいる。
ケイカが螢火に由来することも、もう覚えている人は居ない。

なんやかんやで身寄りはなく
コレが一番いい稼ぎだ、と
生計を立てるためにグレムリンを駆る。

連環型生活補助ドローン『キキマラ』と一緒に暮らしている

--- --- 8＜ --- ---

明日の仕事
大人の都合

考えるほど心がきゅうきゅうに窮屈になるけど

思い通りに動くグレムリン・フレームの
操縦棺にいる間だけ、生きてる実感を得られるんだ。

なんたって、遠慮なく相手をボッコボコにして良いのは
キモチがイイからね。【僚機詳細】

◆日誌

――あれ喋るんだなあ。しかもなんか思ったより喋る。

あまり本筋ではないことをぼんやりと考えながら、航空者と見覚えがある程度の傭兵の会話を、他人事のように聞いて流す。
グレムリン。世界に干渉し、理想を叶えるための神。

今、彼自身が駆っているこの機体が「そのようなもの」であるとしても、そういうのは多分きっと他の――やる気があるとか、運がいい (悪い？) とか、意識高いとかいった――連中の仕事なのだろう、というようなことを思う。
少なくとも、ただただ目の前に積まれているものを片付けることで精一杯である、という自認の前には、世界の浄化などいささか遠すぎる話にしか聞こえなかった。
『墓掘り』と呼ぶ、そのように造られたこのグレムリンには申し訳ないことだが……、

――申し訳ない？

自身の思考に引っかかりを覚えて眉をひそめる。

「……お前がなんかご大層なモンの『理想』とやらを託されて造られたとして、『そいつ』に手が届かないのはお前にとって不幸なんかね？」

造物主の意に沿うことが被造物にとっての「幸福」であるとするならば、造物者に託された理想とやらも、なんなら造物者のことも知らない彼自身はどうなるのだろうか。
何気ない思いつきには違いないが、彼としてはぞっとしない話でもあった。
少なくとも、彼は今現在、幸せ駆動では人生などやっていない。

「いや、今んナシ、ガラでもねえし」

グレムリンの応答などないのをいいことに、即座に思考を打ち切ってニュースのチャンネルを開いた。

本日のニュースです
ジャンク財団について続報です
財団は各25領域全てに影響力を持っています
それゆえに、拠点の場所を割り出すことが難しいのです
我々の未来は、動き出したばかりです
戦いましょう、生き残りをかけて……

本日のニュースです
犠牲は大きく、多くの都市や船が焼かれました
その損害は計り知れません
復興には100年とも1000年とも言われています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
バイオ研究所の協力で、失われた人命の補填が計画されています
高知性バイオ兵器による労働力の強化です
バイオ・ワーカーはこれからの新しい常識になるかもしれません
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです

……そういう哲学は、今を降りたくなったときにでもやればいい。
少なくとも今のところは、目の前の理不尽を払って行ければそれでいい。

◆9回更新の日記ログ

本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンの迎撃が完了しました
三大勢力は大きく兵力を失い、再編は容易ではないでしょう
弔いの鐘が各地で響いています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
ついに巨大未識別融合体を撃破しました
領域も次々と解放に向かうでしょう
これは始まりにすぎません
我々の未来は、動き出したばかりです
戦いましょう、生き残りをかけて……

本日のニュースです
強化研究所による未識別融合体の解析が本格化しています
これによって、グレムリンのさらなる強化が見込めるとのことです
索敵による機体の練度強化などが示唆されています
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです

「はー、巨大未識別、目標数は討伐完了したって？　そりゃなにより」

ニュースの中から適当に拾い上げた朗報。
放置しておくには懸念が多すぎるが、相手をし続けるのは遠慮したい類いの相手との邂逅が1日で済んだのであれば、それは大変に素晴らしいことである。

「港湾区域の戦闘は一段落したらしいし、まあここいらで一息吐いて――、あァ？」

……真紅連理からの通信。
巨大未識別との戦闘に備えて連携する旨は伝えていた。
通信があることは自体は別におかしくはない。
なかったが。

「……は？　ジャンクのご集団を連れてきたァ！？　なん……いや、ええ…………はァー！？」

一息、というわけにはいかないようであった。

◆8回更新の日記ログ

真紅連理から提供された、未識別融合パーツの演習用データ。
貰ったものを使わない理由もない。相手はよほどの脅威であるらしい、というのならばなおさらである――実利7割、好奇心3割という心持ちでデータをひととおり走らせたのち、彼は思わず吹き出していた。

「んッふふ、はァー、なーるほどねえ？」

認識したくない現実を、目の前に突きつけられたときに出る類いの笑い。

――あんまりいい気分になれるモンじゃねえなコレ。

グレムリンと融合する巨大未識別。
ジャンクテイマーの成れの果て。

己の倫理観に自信を持っているわけでもないが、なんとはなしに冒涜的だな、というようなことを思う。
「そういったことが起こるらしい」という情報を忘れていたわけではない。しかし百聞は一見はしかずとはよく言ったもので、情報がシミュレーションというより具体的な姿に形を変えたことで、多少は認識に変化がもたらされたようではあった。
うんざりしたような笑い声は、いつの間にか景気の悪い大仰な溜息に変化する。
それから、データの実行結果が残る画面の上に、周辺海域のデータと広域出品のサーチ画面とを開く。

「あちらさんはデカブツだけあって手が長い……動き始めを捕捉出来る手段があると嬉しいんだが。あとは……」

数少ないやる気の在庫をかき集めて、ぶつぶつと口の中で思考を反芻する。

真紅連理のオペレーター曰く、巨大未識別に取り込まれるジャンクテイマーと、取り込まれない『こちら側』には、提供された秘匿データの有無という隔たりがあるという。
理屈はそうかもしれないが、彼の気分的には『こちら』と『あちら』に、ちょっとした運気以外の差があるようにも思えなかった。
ならば、少なくともその隔たりが確かなものであるうちに、要因を取り除くらいはしてもいい。

――万が一にも『あっち側』になるなんてーのは、いくらなんでもごめんだっつー話よ。

本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンの迎撃が本格化しています
真紅連理防衛隊も大きく戦力を失い、各地で撤退が始まっています
連日の戦闘で死者数は数えきれないほどです
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

「……予測結果11分。……いや、エンジンの負荷を上げてきゃもう少し――いずれにせよ時間は掛かんねえんだ――……」

シミュレーションを回す。
出力結果を検分する。
パーツを組み替える。
シミュレーションを回す。
出力結果を検分する。

無音よりは集中力が出る、という程度の理由で流しているニュースを背後に、時間は過ぎていく。

◆7回更新の日記ログ

「やー、『世界の不具合』と来たかあ」

がりがりと頭を掻く。
あまりいい気分ではない。
何が不具合で何がそうではないのか、世界で踊る側に自明であるならば少しは気が晴れるのかもしれないが。

「世界のバグフィクスってどこの誰がやってくれるんかねえ」

こういうのは宗教の範疇なんだろうか、そんな益体もないことを考えながらラジオを付けた。

本日のニュースです
ジャンク財団は各地からコンテナを回収、集積しているようです
これが何を意味するか、我々はまだ察知していません
一説によると、ジャンク財団の新型グレムリンの開発に
何かしら関わっているというものがあります
我々の未来は、いまだ闇の中です
戦いましょう、生き残りをかけて……

本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンに対し、各地で迎撃が始まっています
青花師団の遊撃隊によって、安全かつ優位な位置へと誘導しています
遊撃隊の損耗は大きく、傭兵と真紅連理軍の最終防衛ラインに全てを託しています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
領域に存在する次元の歪みに侵入し
まだ見ぬパーツや素材を手に入れられる可能性が高まっています
ヴォイド・エレベータと呼ばれる侵入システムがいま思念研究所で提唱されています
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです

本日のニュースです
昨日、巨人の島でラジオの収録が行われました
巨大粉塵獣を追う企画で、何かの死体を見つけたようです
持ち帰るには大きすぎ、探検隊は粉塵獣の卵を手にタワーへ帰還しました
戦う人々に祝福を……我々は、生き続けるのです

◆6回更新の日記ログ

本日のニュースです
未確認グレムリンの集合体に対し、翡翠経典の大部隊が先制攻撃を試みました
残念ながら、生存者はなく、データだけを回収した形です
翡翠経典は多くの戦力を失い、苦境に立たされています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

◆5回更新の日記ログ

「……………………。」

困ったことに (この場合の困りは、主に僚機に与えておきたいパブリックイメージに関する困りである)、なんとなく気分が上がらない時ほど戦果は上々である。
戦闘を「余計なことを考えない手段」として活用すればこそ、という話であった。

還ってくる死人の話。
噂に上る現象がどういう理屈で起こっているものかは知らないが、少なくとも彼にとって気分のいい話題ではない。

『果たして自分はそいつらとどれほど違うのか』

いつか撃墜されたはずの何者か。
(おそらく) 今は亡き人間の記憶を載せて駆動している自分。
いずれにせよくだらない過去の亡霊には違いない。

＞ chnet xxx.xxx.xxx -n c,m

舌打ちをしながら適当なニュースのチャンネルに接続する。

本日のニュースです
ジャンクテイマーに与する組織がいくつも確認されています
この世界を暴力と略奪でもって支配力を高めようとする存在です
多くの物資が奪われ、多くの人命が失われています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

適当に開いたニュースまで不景気である。
ただしこれは普段そういうニュースを好き好んで聞いているためであり概ね自業自得の産物であるが。

「……あーー！！」

ネットワークから切断。
呻きとも叫びともつかない声をひとしきり上げてから、狭苦しい操縦棺の中でがりがりと頭を掻く。

「やめやめ！　考えんのやめだクソ」

「ンなヒマがあったらフレームの整備でもしてた方が億万倍も建設的っつー話だっつー…………、うん？」

グレムリンのレーダーが上空から飛来するなにかを捉える。
……なんかちょっと前にも検知したような気がしなくもない、グレムリンで輸送可能な程度のサイズの直方体の、

「コンテナ……？」

が、目の前に落下してきた。
先頃の悲しいコンテナ開封事故のことは忘れようと思っていた矢先のコンテナに、なにやら心底空寒いものを覚えた顔で空を見上げる。

「えっ何。おかわりって？　怖……」

一瞬翻ったように見えた影の姿はもう形もない。

……大きく息を吐く。
気が進まなさそうな重い足取りで、コンテナの電子タグに指定された座標情報をスキャンする。
現在地からのルートを描いて、もう一度、今度は呻き声とともに嘆息した。

「いやこれ完ッ全に戻るルートじゃねえかよ。だッり……」

心の底からの言葉には違いないが、この一瞬だけでも「余計なこと」を頭から追い払えたぶん、まあ悪くはない贈り物ではあった。

◆4回更新の日記ログ

例えばここに、重要なデータが納められた記憶装置があり。
そしてこの中のデータを万全に守る必要があるとする。

やるべきことは単純である。
記憶装置ごと、物理的に何者も触れ得ない場所に隔離して、あらゆるネットワークの上から排除すればいい。

ではそのデータに存在価値が存在するかと言われれば、おそらくほとんどの場合においてノーである。
誰も関わることの出来ないデータは存在しないものと変わらない。
保持することに意味がなく、ならば破壊してしまっても変わらない、ということに同義である。

つまり、およそ「重要」なるものは、条件付きで何者かが持ち出せるか、アクセス出来る状態にしなくてはならない。
そしてここで開けざるを得なかった「穴」が、そのまま全体の守りの強度を規定することになるわけである。

---

「……………………」

操縦棺の中。
引きつった笑顔で明後日の方向に目を逸らす男。
しかしこの狭苦しい箱の中でモニターを視界に納めないというのも土台無理な話ではあり、彼の視野の端には、中身をぶちまけたコンテナ――もはやコンテナだったものの姿がしっかりと捉えられていた。

1. 面白そうな兵器のデータを見つけた
2. 嬉々として試運転をした
3. うっかり輸送中のコンテナを吹き飛ばした

事態は極めて単純であった。

慣れない兵器の試運転ともあれば、なにかが起こり得ること自体は織り込み済みである。
他に人がいない場所は選んでいたが、そこにコンテナまで持ち込んだのが失敗であった。

「輸送中の物資は目が届くところに置いておくべきである」
「急に空から降ってくるようなコンテナであれば、多少のことでは破壊されたりしないだろう」

わざわざ持ち込んだのはそのような理屈の上であった。
もちろんその理解に大きな誤解があったわけでもなく、兵器が直撃したコンテナ本体については、多少の傷跡が残ってはいるものの、無事と言って差し支えのない範疇に収まってはいる。
ではなにが問題であったか――ピンポイントに開封部を吹き飛ばしたのである。

コンテナとは、開封されることが想定されている輸送道具である。
開封出来るということは、開封部は他の部位に比べ構造上、強度が貧弱にならざるを得ないということである。

迂闊7割不運3割という出来事ではあるが、いずれにせよ覆水が盆に返るわけでもない。

「ええと…………」

急にコンテナを狙う野良グレムリンとかが出てきて激戦の果てにこんなことに、ということにならないか――そのようなことを思いながら周辺に視界を巡らせたが、そんなことになろうはずがなかった。
(野良グレムリンに遅れを取ったことにするのと、素直にうっかりを認めるのと、どちらが己の名誉にとってマシかという疑問は横に置いておくものとする)

……周辺を巡回していた僚機が戻ってきて、すごい視線を向けられるまであと数分。
祝福

◆3回更新の日記ログ

実は、昔ながらのタイピングデバイスは嫌いではない。

思念制御、まあ大層便利なものだとは思うが、思考を挟むぶんだけ速度は遅れる。反射で動かせる分だけフィジカルな入力は速さの面で有利だ――もっともこんな稼業だ、本来であれば思考くらいは無意識で御してみせろという話なのかもしれない。しかし生憎なことに、自身の思考 (メモリ) に全幅の信用がおけない身としてはむべなるかな、といったところではないだろうか。

なんの話かと言うと、

「メールの送信者くらいは確認してから消しゃよかったな」

顔文字おじさんからのメールを見た次の瞬間、指が反射で論理キーボードのyをタイプしていた、というだけの話である。
次は送信者を確認してきっちりとブラックリストに突っ込もう。
そう心に誓った。

　---

本日のニュースです
ジャンクテイマーによる大規模な略奪が横道潮流で発生
53人の死亡が確認され、多数の物資が奪われました
我々はこのような暴挙を決して許すわけにはいきません
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

BGMを流しながら次の進路を確認する。
空から降ってきたこのクソ目立つコンテナだが、いかにも仕事をしていますという風を装うにはうってつけではあった。
ふとした縁で同行することになったニフジもそのあたりにはあまりこだわりがないのか、まずはコンテナを運ぶのはどうかという提案にはたいして反発もなく同意を得られた。

「何考えてるのか全ッ然わからねえけど、まあ楽はさせて貰えそうだし、いっか」

少なくともグレムリンによる戦闘に関してはポジティブそうで結構なことである。

◆2回更新の日記ログ

葉擦れの音が地を駆ける。
あまねく陽光は天より降り注ぐ。
ああ、蒼穹 (そら) は遠く、手を伸ばしても届きそうにない。

俺はその光景を知っている。記憶の中の輝くような風景。
俺はその光景を識らない。記憶 (メモリ) の中でノイズの中へ掠れていった風景。

---

『人類の反抗』

まあ耳障りのいいお題目だと思うが、俺にとってさほどの興味が引かれるような内容でもなかった。
ご立派なことだとは思う。これは別に皮肉ではない。

”怠け者の誰かさん”

自分自身ですら自分が何モノかよく分かっていない輩には、その程度の名があれば充分だろう。
そして、そういうご立派な話は、そのようななんだか分からない半端者ではなく、もっと熱意だとか目的意識だとか、そういったナンカスラバシイモノに溢れたヤツに投げかけてやったほうが、効率がいいだろうと思う……というだけの話だ。

誘われるがままにメシを食って――記憶がマズさに悲鳴をあげる。この『誰かさん』の知らん記憶は、おぼろげなくせに妙なところで勤勉で呆れかえる――話に適当な相槌を返し、それなりのところで切り上げて別れを告げて、件のフレームの元に帰還する。
こいつが俺の命をすくい上げる天使なのか、光のない粉塵の向こうに押し込める悪魔なのかは知らないが。

「グレイヴディガー」

その前に立ち、名を呼ぶ。
……『誰かさん』の知識と技術を保管した、『誰かさん』の大袈裟な墓のような俺をわざわざ掘り起こしたグレムリン。

『… … … auth success.』

耳元の通信デバイスから応答。
待機モードに入った乗機に、なにか適当な話をしてほしいと回答 (コマンド) する。

ややあって、どこかのラジオにでも接続したらしく、人好きのしそうな人工音声の告げるニュースが耳朶を打つ。

本日のニュースです
各地で秩序の崩壊による略奪や暴力が横行しています
動くグレムリンフレームを手にしたことで
それを悪用する人々も少なからず存在しています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
昨日、星の海、真紅連理旗艦での連理会議が開かれました
真紅連理は戦力を結集し、系列企業や協力する傭兵に
連帯と結束を呼び掛けています
真紅連理はコモン・テイル・ストアで赤メシ無料配布を行い、人々を鼓舞しています
戦う人々に祝福を……我々は、生き続けるのです

「……適当な話っつわれて速攻で別に繋ぐスタンス嫌いじゃねえわ」

仲良くなれそうな気が急激にしてきてしまった。
さておき、随分と気が利いたBGMを聞いて流しながら、乗機の脚部に寄りかかり腕を組んで、今後の身の振り方について考える。

『人類の反抗』――さほどの興味が引かれるような内容ではない。
”墓守”など空っぽの棺桶の前に置いておいて、どこか適当なところに逃げて適当に過ごしてゆるやかに死を待つ――あまりにも誘惑的な選択肢に心惹かれながら、俺はタラップに足を掛けて狭苦しい操縦棺に滑り込む。

「アテがあるわけでもねえし、せいぜい傭兵でございって顔で『お題目』に乗っかっとくほうが逆に楽かね」

……少なくとも楽に過ごすだけならばこれは馬鹿の選択肢だ、ということは理解していたが、手を伸ばすことをやめようとする気にはなれなかった。
それがこの忌々しい『記憶』のせいなのか、それ以外の何物かの賜物なのかは、判断のしようがなかったのだが。

ＮＥＷＳ

破壊の爪痕は大きくも
ゆっくりと日常を取り戻していく
あなたはふと、一つのイメージが湧き上がるのを感じた
それはいま、まさに起こっていることだと確信できた
――ここはペンギン諸島
――健康温泉
――憩いひろば

グレイフロッグ『ジェト』
「激戦続きの身体に湯が染みた～～」

バグズキャンバス『ルキムラ』
「いい湯だったな。自撮りしちゃお」

――プルルルル
――ジェトの端末が鳴り始める

グレイフロッグ『ジェト』
「はいはい、誰でしょう」

航空者
「我らだ。航空者と呼ばれるものだ。指示をする。そこから脱出しろ」

ルキムラと目を合わせ、そそくさと憩いひろばを後にする二人

グレイフロッグ『ジェト』
「何かありました？　危機が迫っているとか……？」

航空者
「君たちは狙われている。いわゆるジャンク財団にな。それには理由がある」

グレイフロッグ『ジェト』
「ジャンク狩りなんてしてないよぉ」

航空者
「君たちのグレムリンは覚醒に近づいている。それを解析したがっているのがジャンク財団だ」

グレイフロッグ『ジェト』
「ガレージを狙った方が早くないですか？　警備はつけていますが……」

航空者
「グレムリンの覚醒はテイマーと深く関わっている。フレームだけ手に入れても無意味だ」

グレイフロッグ『ジェト』
「怖い話ですね。解剖かな、投薬かもな」

航空者
「まぁ、想像の通りだな。しかしながら、いつまでも逃げるというわけではない」

航空者
「ジャンク財団のアジトを突き止め、首魁を倒す。それが必要だ」

航空者
「巧妙に姿を隠している。しかし、方法はある」

航空者
「財団はグレムリンの覚醒を急いでいる。そのために必要なものがある」

航空者
「我々の投下したコンテナの物資を集めること」

航空者
「コンテナには弾薬の他、異世界の物品が多数格納されている」

航空者
「それを財団は求めている。世界の外のデータを使って、不具合をわざと起こして、世界に干渉する」

航空者
「覚醒の開発はだいぶ進んでいると見ている」

グレイフロッグ『ジェト』
「コンテナを奪われないようにする……ということ？」

航空者
「それも必要だ。そして、我々は……その上を行く」

航空者
「コンテナをわざと奪わせて、物品が運び込まれるジャンク財団の拠点を見つけていくのだ」

グレイフロッグ『ジェト』
「なるほど、コンテナに通信機か何かを紛れさせて、追跡するわけですね」

航空者
「すでに計画は進んでいる。いくつかのルートが判明している」

航空者
「君たちには、そこを強襲してほしい。この近くだと……氷獄だな」

グレイフロッグ『ジェト』
「りょうか……なっ！！？？」

――ジェトとルキムラが見たものは
――煙を上げる、自分の船の姿だった

ここは渇きの海。砂漠と砂浜と何もない海だけが広がる

灼熱の潮流《ヴィシェラ》
「平和だな。そういう時は遊ぶもんだ」

灼熱の潮流《ヴィシェラ》
「砂の城を作るとか、どうだ？」
布切れを身にまとった美女が、砂地で砂の城を作っていた

高耐久攻勢術導呪界鎌を出品した!!

オフプライスシャワーを出品した!!

マッチボックスを出品した!!

フライトレス・アーマーを出品した!!

帆風を出品した!!

サイコハイプレッシャーを出品した!!

広域レーダーを出品した!!

ヘヴィサイクロプスを出品した!!

𝙃𝙚𝙖𝙫𝙮を出品した!!

ヴォン・ヴォン・エンジンを出品した!!

残響投射擬砲《アネンスファリ》を出品した!!

サムは帆風を手に入れた!!（フラグメンツ-1）

サムはGardeniaを手に入れた!!（フラグメンツ-1）

貫通狙撃砲はリコンフェリス素材で強化された!!(素材消費)

貫通狙撃砲はガンナーズブースター素材で強化された!!(素材消費)

連動推進機はドラム缶で強化された!!(素材消費)

継接逆関節はゴミで強化された!!(素材消費)

耐異常螺旋腕部は肉の缶詰で強化された!!(素材消費)

燐壁操縦棺は燐光の小瓶で強化された!!(素材消費)

◆アセンブル

【頭部】に広域レーダーL型を装備した

【腕部】にレジスタントアームを装備した

【操縦棺】にエックス！エクスター！！エクストラ！！！を装備した

【脚部】に005-LEG《REX》を装備した

【エンジン】にLMEn-Walrusを装備した

【索敵】にジャミングバードを装備した

【索敵】にハイパーレーダーを装備した

【主兵装】にGardeniaを装備した

【副兵装】に貫通狙撃砲を装備した

【機動補助】に速防高耐久コアトルを装備した

◆僚機と合言葉

蛍火のニフジとバディを結成した!!

次回ラビットホール・バイオテックに協賛し、参戦します

ラビットホール・バイオテック担当
「さぁさぁ、生き急げ、若者よ！　君の命は限りある故に！！」

移動

南↓へ移動し、南部海域【渇きの海】へと到達した

ユニオン活動

メッセージ

◆6回更新のメッセログ

受信ログ
送信ログ
>>Eno.98　

サム
「や～偶然ですよ～？
マジな話、狙って狩るなら俺よりそっちのが得意でしょ。俺は索敵、そっちが戦闘。そういう役割分担でよくねえですかね」

サム
「あー…… (何事かを考えこむ間)」

サム
「……まあ、別に困るこたねえか。
や、俺、コイツ (コンコンとなにかを叩く音。おそらくグレムリンを小突いている) に起こされる前のことをビタイチ覚えてねえバイオロイドなんすわ。
なんで細かいご時世の話はそんな詳しかねえので、その辺はよろしく頼みますわってとこではあるんですけど……」

サム
「それはそれとしてそろそろ肉缶以外のモン食いたい気分ありますね。コモン・テイル・ストアとかどうすかね」

サム
「反論の余地あんまねえのがまた腹立つゥ。
……や、一失一得っつーか、実はコンテナん中にコンテナものの酒が1本紛れてたから一杯どうかって思ったんすけど、余計っつー話っすかね」

◆5回更新のメッセログ

受信ログ
ENo.98からのメッセージ>>

ニフジ
「サムさんの言う支援って、僕より先に敵を全部かっさらっていっちゃうってこと？
　さっきのはすごく驚いたよ。冗談がうまいんだね。」

ニフジ
「ハイドランジア・フリーランサーは苦手？
　後腐れもないしこっちが使う分には良いと思うけど。
　サムさんは他の企業に協賛してたことがあったとか、あれば聞いてみたいな。」

コンテナの顛末を聞くとガンと鈍い音が響き、通信が乱れる。

ニフジ
「サムさんは、間が抜けているのかもしれないね。」

ニフジ
「目の前で死なれないと良いんだけど…」

送信ログ

◆4回更新のメッセログ

受信ログ
送信ログ
>>Eno.98　

サム
「ニフジ、ね。改めてよろしく頼みますよ。」

サム
「そそ、頼れるのは自分だけ、ってコトで。
いやそりゃ俺だって楽するための支援ならすｒ、……違った。今ンなしで。
出来る支援ならしますって話っすわ」

サム
「いや、まあ、なんか……実験とかなんやかんやした結果光るようになっちまったたぐいの虫、とかならどっかで見たことあるかもしんねっすけど……多分そういう話してないですよね」

話をしながら携帯端末で告げられた企業の情報を眺めた彼は、うめき声を上げた。

サム
「……ゴリッゴリの傭兵斡旋企業じゃねえですかよ。
え、なに、アンタもしかしなくてもバトルジャンキーかなんかのケでもあったりします？」

サム
「あとその……(小声) うっかりコンテナぶっ散らばしちゃいまして……へへ……」

◆3回更新のメッセログ

受信ログ
ENo.98からのメッセージ>>

ニフジ
「期待に沿えないんだ。じゃああまり期待しないでおく。
 言う割には後ろから支援できてたのにね 」

ニフジ
「 @ニフジ@/2/さっきは途中で送信が切れたけど僕はニフジ。
 あらためてよろしく。獲物の取り合いにはならなさそうで助かるよ 」

ニフジ
「 @ニフジ@サムさんは光る虫は見たことないか。うん、いいんだ。
 毎回聞いてるだけだし、あまり知ってる人も居ないし
 
 それで、さっき拾ったコンテナを運ぶの？
 行き先は決めてないしそれでいいよ。ああただ、
 企業には恩を売っておきたいな、『ハイドランジア・フリーランサー』
 特に因縁もなければそこに売っておくね。
 
 じゃあ、また戦場で」

送信ログ

◆2回更新のメッセログ

受信ログ
送信ログ
>>Eno.98　

サム
「はあ、戦場で。……やっぱりそういうノリになるかぁー……そっかぁー……
　いや全然構わないんすけどご期待には添えないと思うんでまあその辺はひとつ？」

サム
「虫ねえ。あのクソしぶとい害虫の類いはそりゃ見たことありますけど、光るようなのは……(なにかを考え込むような沈黙数秒)……そういうのもいたらしいって話しか知らねっすね」

ノイズ混じりのメッセージに、まあそのうち復帰するだろうと別に騒ぐでもなく眺めている。

◆1回更新のメッセログ

受信ログ
>>Eno.113　

ニフジ・ケイカ
「こんにちは、僕が君の僚機だよ。
　まず早速だけどあの戦場でお互いの腕前を見るってどうかな。
　わかりやすくてシンプルでイイと思うけど」

ニフジ・ケイカ
「ちなみにこいつはファイアフライ、光る虫って意味なんだって。
　虫ってみたことある？

（機体の画像が添付されている）

　じゃあまた戦場で…あ、そうｄ。僕は　ニ　　ｈ　　　　　　　　よｒし　ね。」

以降の文章はノイズが混じって読み取れない。

送信ログ