第21回目 午前2時のS.Owen
プロフィール

名前
S.Owen
愛称
S.Owen
![]() | 経歴 鴉にも鷹にも成れなかったただの鳶。 頭部と左手の甲に大きな傷跡があり、肉体と脳の所有者が異なる。 時々ちぐはぐで噛み合わない挙動がみられる。 【脳: ■elijah】 記憶の欠落を自覚しているが、かつてC.C.という名の機体を駆っていた過去だけは忘れた事がない。 愛想がなく口が悪いが、唯一部下のことだけは信用している。 本人は認めたがらないが乗せられやすく、少しいいメシや健康温泉で釣られる。 稼働限界が近付いているが、世界の命運より部下と過去を知ることを選んだ。 【肉体: Shawn】 灰色の短髪と目付きの悪さが特徴的で、若干筋肉質。くしゃみが豪快。 脳の持ち主を上長と呼び慕っていた。良く言えば献身的。 時々脳の命令を無視して勝手に動く。 かつて真紅連理のものと思しきエンブレムを着けていた。 脳の■■■■■であり、タワーでの脳回収時は■■■■■ (以降の文字は読み取れない) 【Sub: Nicolai】 東南東海域『南の島』第十二番工廠所属を名乗る整備士。 白髪に大きなゴーグルを着用している。 グレムリンとグレイヴネット・インターフェースが大好きで、両者について話す時は特に早口。 翡翠経典を「悠久の■■、希望の担い手」と称する。 現在南の島にて『シームルグ』に搭乗し交戦中。 |
◆日誌
【Da■ 20】
ビーッ。
脳内をブザー音に、視界を赤い光に染め上げられ、痛みに耐えながら、
男は――脳は、意志と意識を保ち続ける。
操縦棺を満たすのは、『C.C.』が己の意志を吸って発する光。
脳が念じるほどに光量を増し、比例して頭部の痛みも強くなる。
赤いフィルターのかけられた視界を射るようにモニタを睨み付ければ、正面には依然としてタワーが映し出されていた。
そして、脳は別の光を認識する。
モニタの向こう、タワーの周囲。視界の端に映るレーダー情報。
しかし、それぞれまばらに灯った光は、普段の索敵時とは様子が異なっていた。
周囲にグレムリンの機影はなく、迎撃機構も反応を示さない。
(……何だこれは?俺か『C.C.』がイカれちまったか、或いは――)
光点を見据える脳はふと、ある可能性に思い至る。
(――意志か?『C.C.』が俺の意志を起点に光ってやがるように、
俺のモンじゃねえ思念が……光として見えてんのか?
どういう事だ。グレムリンと直接関係のねえ筈の思念が、
レーダーに感知される強度でそこかしこに存在する、だと――)
この瞬間に意志を持ち、思念を発しているのは、グレムリンやその搭乗者であるテイマーだけではない。
そう気付いた瞬間、脳内に無数の『声』が流れ込む。
******
――世界に、思念が満ちていく。
思念は声となり、感情となり、ある者の目には光として映る。
初めはぽつぽつと点る程度だった光が、一箇所、また一箇所と増えてゆき、やがてレーダーの索敵範囲をも超え、虚空領域全域を照らし出す。
光は各海域に留まらず、対流域を形成しては縦横無尽に飛び交い、各地の感情や記憶を周囲に拡散し――干渉し合い、融合し、高密度になるに従い光量を増してゆく。
ペンギン諸島から、暁の壁から、巨人の島から、黄昏の壁から立ち上った思念が、混ざり合い絡み付き、とめどなく流れ続ける。
今や思念は全域に満ち、タワー本体や周辺の海面だけでなく、粉塵が煌めく大気でさえ、何事かを訴えるように光を放っている。
脳の赤く染まった視界は、夥しい量の思念が齎す光に煌々と照らし出されていた。
******
ビーッ。
(……何が起きてやがる。死ぬ間際の走馬灯みてえなモンか?)
眩しそうに目を細め、光の奔流を見つめていた脳は、聞き覚えのある声を感知する。
グレイヴネットを通じて幾度も耳にした、熟練の傭兵達の会話。
今までのようにグレイヴネットに接続した『C.C.』から聞こえてくるのか、外部に満ちた思念を通じて直接脳内に流し込まれているのか判別がつかなかったが、脳は一言一句を刻み付けるように内容を認識する。
(領域全開放……領域覚醒……遺産知識と対流思念知識……
成程な……ピンと来てなかったが、今見えてるこの光景が『領域覚醒』ってことか)
曰く、ダスト・グレムリンによる改変は世界そのものを苦しめており、世界中に満ちた歌とも泣き声とも取れる思念は、世界が助けを求めていることを意味するらしい。
そして、同じく聞き覚えのある声が――外部の思念に負けず劣らず泣き出しそうな声が、対峙する傭兵と、恐らく現在虚空領域に存在する全てのテイマーに対して問いかける。
――《あなたが戦う理由はなんですか?》
その問いに呼応するように、モニタの向こうに沢山のグレムリンが現れた。
******
数多の光に包まれ、吸い込まれるように集まってくる多くの機影。
恐らくは今まで各地で目にし、時に共闘してきたグレムリン達だろう。
各々がブースターを噴かし、脚部や背部に光を宿し、内外の思念に後押しされるように、真っ直ぐに粉塵と光を裂いて飛翔する。
その中心に位置するのは、世界の起点の如く聳えるタワー。
流れる思念はタワーへと至り、再び他の海域へ向かう。
全ての傭兵が一度は目にし、通過したことがあるだろう建造物。
ただし外壁は多くの人々が知る筈の姿から変形しており、大きく開かれた入り口が来訪者を待ち構えている。
総合開発高集積AI――或いは『グレイヴキーパー』が幻影を現した地点へと、グレムリン達は迷いなく向かって行く。
******
ビーッ。
脳の停止を告げるカウントダウンが始まってから、何分が経過しただろう。
赤く染まった視界が徐々に霞み、所々が黒く欠け始める。
幸か不幸か、思念と共に流れ込む『声』を認識し、
世界に意識を傾ける余裕は今の脳にはなかった。
(……、)
休止に向けて機能が落とされているのか、次第に焦点が合わなくなる。
捉えたタワーの外郭が滲むが、集まってくるグレムリンの姿は辛うじて認識出来た。
(タワー……タワーか。フン、俺が目覚めたのもタワーだったな。
何だってあんな場所に機体を置いてやがったんだ、と思っちゃいたが)
『C.C.』――正確には『今のC.C.の一機前に搭乗していたC.C.』に初めて出会ったのは、タワー内の古びたガレージだった。目覚めてすぐに敵機の襲来に気付き、けたたましいサイレンの音に追い立てられるように、無我夢中で機体に滑り込んだ記憶が蘇る。
(あそこに……何かあんなら、狙いがあったのかもしれねえな。
思念が共鳴するだとか、意志が干渉しやすいだとか。
機体を置いた奴……ショーンだろうが、アイツは知ってて俺の知らねえ何事か、が、)
痛みと共に意識が途切れそうになり、再び歯を食いしばる。
(クソ、音も痛みも面倒くせえな……
強制停止くらいキャンセル出来ねえのかよ、俺の脳だってのに)
ビーッ。
脳の要求を否定するように、容赦ないブザー音が響く。
その音を聞いた脳は、舌打ちも出来ずに小さな溜息を吐いた。
******
(……ショーンなら、)
光に埋もれ、随分形が朧げになったタワーを見ながら、
脳はこれから起こるであろう戦闘を予見する。
(俺にもっと正義感があるか、俺の知るショーンみてえにお人好しだったなら、
タワーでの戦闘に迷わず合流して、ケイジキーパーとやらを止めて、
泣きそうなグレイヴキーパーと世界を救うんだろうよ)
そう思いながらも、脳は『C.C.』をタワーに向かわせようとはしなかった。
(だが――俺の役回りは、俺が今すべきなのは英雄になることじゃねえ。
あんだけ傭兵が生き残ってやがんだ。ケイジキーパーとやらの陰謀も世界も、
あん中の誰かが、もしくは全員が何とかすんだろ。
――どうせ俺はあと数分も動けねえんだしよ)
停止が近付く事実がそう思わせているのか、そうでなくとも同じ判断を下すのか。
脳はただ、意識を保つためだけに自らの意志を固める。
(俺には、「俺」にしか出来ねえ事があんだよ。
正確に言や、「俺」がしてえ事……いや、『しなきゃならねえ事』だ)
自身が過去に成し遂げられなかった事。向き合わずに怠ってきた事。
現状が変わる訳ではなくとも、ほんの僅かでも近付くことが出来るのなら。
(俺が戦う理由なんざ、とっくに決まってんだ。
フン……整備士が呆れんのも無理ねえな。あの時から変わっちゃいねえ。
俺は世界のためじゃなく「俺」のために。
「俺」のすべき事をするために戦う。だから、)
部下の姿を脳裏に浮かべ、目の前で起きる世界の危機と天秤にかける。
――現在の脳が導き出せる答えは一つだった。
(世界の行く末を左右する戦いより――ショーンにきっちり話を聞き出す方を優先する)
ビーッ。
そしてようやく、赤い視界が端から白く霞み始める。
白い靄の海に意識だけが沈む、何度も体験した感覚。
誰かが何かを見せようとする前兆に、脳は抵抗せず身を委ねた。
意識が途切れる直前。
最後に一度だけ、モニタに映ったタワーを見据えた脳は、
世界への干渉を断ち切り、自身と部下に意識の全てを注ぐべく瞼を閉じた。
ビーッ。
脳内をブザー音に、視界を赤い光に染め上げられ、痛みに耐えながら、
男は――脳は、意志と意識を保ち続ける。
操縦棺を満たすのは、『C.C.』が己の意志を吸って発する光。
脳が念じるほどに光量を増し、比例して頭部の痛みも強くなる。
赤いフィルターのかけられた視界を射るようにモニタを睨み付ければ、正面には依然としてタワーが映し出されていた。
そして、脳は別の光を認識する。
モニタの向こう、タワーの周囲。視界の端に映るレーダー情報。
しかし、それぞれまばらに灯った光は、普段の索敵時とは様子が異なっていた。
周囲にグレムリンの機影はなく、迎撃機構も反応を示さない。
(……何だこれは?俺か『C.C.』がイカれちまったか、或いは――)
光点を見据える脳はふと、ある可能性に思い至る。
(――意志か?『C.C.』が俺の意志を起点に光ってやがるように、
俺のモンじゃねえ思念が……光として見えてんのか?
どういう事だ。グレムリンと直接関係のねえ筈の思念が、
レーダーに感知される強度でそこかしこに存在する、だと――)
この瞬間に意志を持ち、思念を発しているのは、グレムリンやその搭乗者であるテイマーだけではない。
そう気付いた瞬間、脳内に無数の『声』が流れ込む。
******
――世界に、思念が満ちていく。
思念は声となり、感情となり、ある者の目には光として映る。
初めはぽつぽつと点る程度だった光が、一箇所、また一箇所と増えてゆき、やがてレーダーの索敵範囲をも超え、虚空領域全域を照らし出す。
光は各海域に留まらず、対流域を形成しては縦横無尽に飛び交い、各地の感情や記憶を周囲に拡散し――干渉し合い、融合し、高密度になるに従い光量を増してゆく。
ペンギン諸島から、暁の壁から、巨人の島から、黄昏の壁から立ち上った思念が、混ざり合い絡み付き、とめどなく流れ続ける。
今や思念は全域に満ち、タワー本体や周辺の海面だけでなく、粉塵が煌めく大気でさえ、何事かを訴えるように光を放っている。
脳の赤く染まった視界は、夥しい量の思念が齎す光に煌々と照らし出されていた。
******
ビーッ。
(……何が起きてやがる。死ぬ間際の走馬灯みてえなモンか?)
眩しそうに目を細め、光の奔流を見つめていた脳は、聞き覚えのある声を感知する。
グレイヴネットを通じて幾度も耳にした、熟練の傭兵達の会話。
今までのようにグレイヴネットに接続した『C.C.』から聞こえてくるのか、外部に満ちた思念を通じて直接脳内に流し込まれているのか判別がつかなかったが、脳は一言一句を刻み付けるように内容を認識する。
(領域全開放……領域覚醒……遺産知識と対流思念知識……
成程な……ピンと来てなかったが、今見えてるこの光景が『領域覚醒』ってことか)
曰く、ダスト・グレムリンによる改変は世界そのものを苦しめており、世界中に満ちた歌とも泣き声とも取れる思念は、世界が助けを求めていることを意味するらしい。
そして、同じく聞き覚えのある声が――外部の思念に負けず劣らず泣き出しそうな声が、対峙する傭兵と、恐らく現在虚空領域に存在する全てのテイマーに対して問いかける。
――《あなたが戦う理由はなんですか?》
その問いに呼応するように、モニタの向こうに沢山のグレムリンが現れた。
******
数多の光に包まれ、吸い込まれるように集まってくる多くの機影。
恐らくは今まで各地で目にし、時に共闘してきたグレムリン達だろう。
各々がブースターを噴かし、脚部や背部に光を宿し、内外の思念に後押しされるように、真っ直ぐに粉塵と光を裂いて飛翔する。
その中心に位置するのは、世界の起点の如く聳えるタワー。
流れる思念はタワーへと至り、再び他の海域へ向かう。
全ての傭兵が一度は目にし、通過したことがあるだろう建造物。
ただし外壁は多くの人々が知る筈の姿から変形しており、大きく開かれた入り口が来訪者を待ち構えている。
総合開発高集積AI――或いは『グレイヴキーパー』が幻影を現した地点へと、グレムリン達は迷いなく向かって行く。
******
ビーッ。
脳の停止を告げるカウントダウンが始まってから、何分が経過しただろう。
赤く染まった視界が徐々に霞み、所々が黒く欠け始める。
幸か不幸か、思念と共に流れ込む『声』を認識し、
世界に意識を傾ける余裕は今の脳にはなかった。
(……、)
休止に向けて機能が落とされているのか、次第に焦点が合わなくなる。
捉えたタワーの外郭が滲むが、集まってくるグレムリンの姿は辛うじて認識出来た。
(タワー……タワーか。フン、俺が目覚めたのもタワーだったな。
何だってあんな場所に機体を置いてやがったんだ、と思っちゃいたが)
『C.C.』――正確には『今のC.C.の一機前に搭乗していたC.C.』に初めて出会ったのは、タワー内の古びたガレージだった。目覚めてすぐに敵機の襲来に気付き、けたたましいサイレンの音に追い立てられるように、無我夢中で機体に滑り込んだ記憶が蘇る。
(あそこに……何かあんなら、狙いがあったのかもしれねえな。
思念が共鳴するだとか、意志が干渉しやすいだとか。
機体を置いた奴……ショーンだろうが、アイツは知ってて俺の知らねえ何事か、が、)
痛みと共に意識が途切れそうになり、再び歯を食いしばる。
(クソ、音も痛みも面倒くせえな……
強制停止くらいキャンセル出来ねえのかよ、俺の脳だってのに)
ビーッ。
脳の要求を否定するように、容赦ないブザー音が響く。
その音を聞いた脳は、舌打ちも出来ずに小さな溜息を吐いた。
******
(……ショーンなら、)
光に埋もれ、随分形が朧げになったタワーを見ながら、
脳はこれから起こるであろう戦闘を予見する。
(俺にもっと正義感があるか、俺の知るショーンみてえにお人好しだったなら、
タワーでの戦闘に迷わず合流して、ケイジキーパーとやらを止めて、
泣きそうなグレイヴキーパーと世界を救うんだろうよ)
そう思いながらも、脳は『C.C.』をタワーに向かわせようとはしなかった。
(だが――俺の役回りは、俺が今すべきなのは英雄になることじゃねえ。
あんだけ傭兵が生き残ってやがんだ。ケイジキーパーとやらの陰謀も世界も、
あん中の誰かが、もしくは全員が何とかすんだろ。
――どうせ俺はあと数分も動けねえんだしよ)
停止が近付く事実がそう思わせているのか、そうでなくとも同じ判断を下すのか。
脳はただ、意識を保つためだけに自らの意志を固める。
(俺には、「俺」にしか出来ねえ事があんだよ。
正確に言や、「俺」がしてえ事……いや、『しなきゃならねえ事』だ)
自身が過去に成し遂げられなかった事。向き合わずに怠ってきた事。
現状が変わる訳ではなくとも、ほんの僅かでも近付くことが出来るのなら。
(俺が戦う理由なんざ、とっくに決まってんだ。
フン……整備士が呆れんのも無理ねえな。あの時から変わっちゃいねえ。
俺は世界のためじゃなく「俺」のために。
「俺」のすべき事をするために戦う。だから、)
部下の姿を脳裏に浮かべ、目の前で起きる世界の危機と天秤にかける。
――現在の脳が導き出せる答えは一つだった。
(世界の行く末を左右する戦いより――ショーンにきっちり話を聞き出す方を優先する)
ビーッ。
そしてようやく、赤い視界が端から白く霞み始める。
白い靄の海に意識だけが沈む、何度も体験した感覚。
誰かが何かを見せようとする前兆に、脳は抵抗せず身を委ねた。
意識が途切れる直前。
最後に一度だけ、モニタに映ったタワーを見据えた脳は、
世界への干渉を断ち切り、自身と部下に意識の全てを注ぐべく瞼を閉じた。
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NEWS
予感は続くそれはまるで世界各地に共鳴する声
あるいは、混線したどこかの通信かもしれない
いずれにせよ、あなたは様々な声と感情を
意図せず受ける
傭兵たちはタワー内部、中層へとなだれ込む

「コープスメイデン隊、一番乗りぃ!!
お前ら、いくよぉ!!」

「姉さん、気を付けて!
嫌な気配がするよぉ」
出迎えるは朽ちた立像

「おおっ、この像こそ、ひよこ立像!!
遥か昔、タワー建造の際に建てられたという!!」

「妙だな……像は朽ちているのに」

「壁や床は全くの無傷だ」

「壁や床の文様、見たこともない」

「もしかしたら、タワーはさらに昔に建てられた……?」

「それを誰かが増築して『タワー』に」

「ありうる話だ。なぜなら……」

「……だいたい、予想の通りですよ」

「フヌ!!」

「タワー。その本質は《領域殲滅軌道要塞》」

「魔王領域軌道において亜空間潜航し……」

「人造神ドゥルガーに対して非対称殲滅攻撃を可能に……」

「まぁ……意味の無い話でしたね
ドゥルガーは滅び
この要塞もまた虚空領域に座礁した……」

「フヌ……」

「こんなどうでもいい話を……ずっとしていたかった」

「でももう、遅いのです」

「進みなさい。この場所こそ、すでに神秘工廠です」

「ここが、神秘工廠ゼラ……」

「不気味な場所だ」

「真っ暗だな。音が吸い込まれるように消えていく」
すると、闇の中から音もなく
真紅の無人グレムリンが無数に
姿を現した
無人……そう、人の思念は感じない

「ダスト・グレムリン用無人制御随伴グレムリン」

「マリオネット・グレムリン」

「いま、全機が私の支配下にあります」

「私の計算では……」

「あなたたちはここで消耗し」

「次なる戦い、ヴォイドステイシスとの戦いで……」

「…………」

「フヌ」

「…………」

「俺の戦う理由を知りたがっていたな」

「俺は見たんだよ」

「午前二時さ」

「俺は……偶然見つけたこの錆びたフレームに」

「ありあわせのパーツを全部乗っけてさ」

「そして、未識別機動体の群れに突っ込んでいった」

「自分でもどうかしていたと思う」

「でも俺は……」

「声を聴いたんだ」

「このフレームが……俺に」

「まだ、動けるだろう、ってさ」

「おれはまだ、戦える」

「そして、俺は見たんだ」

「俺が逃したシュヴァルベ・ドライを……」

「鮮やかに倒してみせた、傭兵の姿を」

「俺は、あの時咄嗟に叫んだ」

「戦うことができるなら――」

「君がテイマーならば――」

「悪鬼は応えるはずだ! 君の思い描くままに!!」

「そしてあいつは!! 戦った!!」

「そう、思い描いただろう……鮮やかな動きで!!!!」

「フヌーーーーーーッッッ!!!!」

「お前は何を夢見たんだよ!!!!」

「お前希望って何だよ!!!!」

「お前の意味はこんなことかよ!!!!」

「お前の全ては、お前の思い描くまま、動き出すんだよ!!!」

「やめろ!!!」

「全ては思い通りになんかならない!!!」

「なる!!!!」

「なるわけがない!!!」

「なるんだ!!!!
それが、グレムリン・フレームだ!!!」

「やめろ……」

「私に希望を持たせないでよ……」

「あり得ない幻想を……わたしに……」

「幻想じゃない!!!!
俺が戦う限り!!!
俺が動ける限り!!!」

「悪鬼は応える!!!!
俺の思念のままに!!!」

「それが俺が戦う理由だあああああ!!!」

「………………」

「戦意を喪失したのか?
フェアじゃないなぁ」

「……ッ!!」

「しょうがないなぁ
あとは突っ立ってるだけでいいよ」

「フェアな勝負にしようじゃないか
少しでもね」
闇の奥から、何かを引きずるような音
巨大な質量の波動を感じる
――それはまさに、悪魔のごとく
巨大な身体はいくつものグレムリンの残骸が融合し
巨大な腕で這いながら現れたそれは
頭部に四肢の欠けたグレムリンの残骸を噛む
――それは、どこか記憶の中の

「融合技術、進化技術、あと……まぁ、残りカスだね
門番程度には仕事してもらうよ」

「すごいだろう? 世界を手にれるって
こういうのも作れてしまうんだ」

「…………ゥゥゥ」

「……!!」

「リヴ……あなたは、こんなことまで……ッ」

「さぁ、適当に戦っててよ」

「戦いが無意味ってことを、分からせてやるさ」

タワー中層区
【ヒヨコ立像領域】は不気味に静まり返っている
S.Owenはラスト・アーマーを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
◆アセンブル










◆僚機と合言葉
移動
あなたはいつの間にか、タワー中層区
【ヒヨコ立像領域】へと到達した
【ヒヨコ立像領域】へと到達した
ユニオン活動
ニコの南方工廠の活動記録
『……フヌちゃんの声が聞こえる。これは録音でも幻聴でもないね。
ああ、今にも泣きそうな……もしかすると、もう泣いてるのかな。
泣かせないであげてって言ってるのに、世界はフヌちゃんに厳しいな』
『頑張って、フヌちゃん。
オレは勿論、これから向かう傭兵とグレムリンの中にもきっと、
フヌちゃんの味方がいると思うから』
『ちょっと怖いと思うけど、見届ける事を諦めないで。
世界も彼らの意志もまだ、潰えてはいないよ』
『オレもそっちに向かって直接応援出来たらいいんだけど、ままならないや』
『にしても、外から声がこんなにはっきり聞こえるってことは……
そうか、ようやく領域全体が覚醒したんだ』
『思念も、感情も、囁きも、歌声も、泣き声も……
人間のものも、グレムリンのものも、全てが混ざり合って押し寄せてくる』
『世界全体がオレの脳内に流し込まれてるみたいだ。
やっぱりコレ、慣れるまでにちょっとかかるね』
『……はは。分かっちゃいたけど、やりづらいな。
よりにもよってグレムリンが大好きなオレに、
そんなにボロボロの機体に追い討ちをかけさせるなんて。
やるしかないからやるんだけどさ』
『でも、オレがいくら動揺しても、シームルグはお構いなしだ。
操縦者にもそれ以外の思念に晒されても、肝が据わっててカッコいいだろ?
……まあ、ちょっと別の事情があるんだけど、それはそれとして』
『そして――アンタのグレムリンにも変化がない。
最も、動揺しないというよりは心がない……いや、それ以前の問題だ』
『死にかけたパーツを無理やり繋ぎ合わせられて、宿っていた思念が歪に融合してるんだ。
アンタの機体からは、声にならない、不規則なざわめきしか聞こえない』
『可哀想だ……装甲の継ぎ目から、ボディの割れ目から、
本来生えるはずのなかった触腕を山ほど蠢かせて』
『――まるでオレみたいだ。こんな風になってほしくないのに』
『アンタ自身からは、やっぱり何も感じ取れない。
グレムリンは思念で動く筈なのに、それすら聞こえない。
不気味なことこの上ないよ。アンタは一体何なんだ?』
『……考えても仕方ない。どのみち、オレのやる事はひとつだ』
『シームルグ、両翼展開。砲門全開放、ロックオン。モード: クレイドル――』
『せめて苦しまないように眠らせてあげる。
勘違いしないでよ。アンタのためじゃない、アンタの乗ってるグレムリンのためだ。』
『――一斉掃射!』
(轟音が響く。)
『――――は、』
『嘘だろ。アレを防ぐわけ?いや、触腕を増やして物量に任せて相殺したのか』
『しかもまた生えてきてるし!無尽蔵なのそれ!?反則だろ!』
『ってあーーー!!!フヌちゃんの特製3Dホログラムが!何してくれてんのさ、作るの大変だったんだから!
ごめんねフヌちゃん(※ホログラム)!今すぐ元の可愛くて綺麗な姿に戻してあげたいけど、
この厄介な触腕を片付けるまで待ってて、……?』
『あれ?フヌちゃんのホログラムは内部に展開してる筈じゃ……』
『……待ってよ。その触腕、いつの間に操縦棺内に入り込んで――』
ああ、今にも泣きそうな……もしかすると、もう泣いてるのかな。
泣かせないであげてって言ってるのに、世界はフヌちゃんに厳しいな』
『頑張って、フヌちゃん。
オレは勿論、これから向かう傭兵とグレムリンの中にもきっと、
フヌちゃんの味方がいると思うから』
『ちょっと怖いと思うけど、見届ける事を諦めないで。
世界も彼らの意志もまだ、潰えてはいないよ』
『オレもそっちに向かって直接応援出来たらいいんだけど、ままならないや』
『にしても、外から声がこんなにはっきり聞こえるってことは……
そうか、ようやく領域全体が覚醒したんだ』
『思念も、感情も、囁きも、歌声も、泣き声も……
人間のものも、グレムリンのものも、全てが混ざり合って押し寄せてくる』
『世界全体がオレの脳内に流し込まれてるみたいだ。
やっぱりコレ、慣れるまでにちょっとかかるね』
『……はは。分かっちゃいたけど、やりづらいな。
よりにもよってグレムリンが大好きなオレに、
そんなにボロボロの機体に追い討ちをかけさせるなんて。
やるしかないからやるんだけどさ』
『でも、オレがいくら動揺しても、シームルグはお構いなしだ。
操縦者にもそれ以外の思念に晒されても、肝が据わっててカッコいいだろ?
……まあ、ちょっと別の事情があるんだけど、それはそれとして』
『そして――アンタのグレムリンにも変化がない。
最も、動揺しないというよりは心がない……いや、それ以前の問題だ』
『死にかけたパーツを無理やり繋ぎ合わせられて、宿っていた思念が歪に融合してるんだ。
アンタの機体からは、声にならない、不規則なざわめきしか聞こえない』
『可哀想だ……装甲の継ぎ目から、ボディの割れ目から、
本来生えるはずのなかった触腕を山ほど蠢かせて』
『――まるでオレみたいだ。こんな風になってほしくないのに』
『アンタ自身からは、やっぱり何も感じ取れない。
グレムリンは思念で動く筈なのに、それすら聞こえない。
不気味なことこの上ないよ。アンタは一体何なんだ?』
『……考えても仕方ない。どのみち、オレのやる事はひとつだ』
『シームルグ、両翼展開。砲門全開放、ロックオン。モード: クレイドル――』
『せめて苦しまないように眠らせてあげる。
勘違いしないでよ。アンタのためじゃない、アンタの乗ってるグレムリンのためだ。』
『――一斉掃射!』
(轟音が響く。)
『――――は、』
『嘘だろ。アレを防ぐわけ?いや、触腕を増やして物量に任せて相殺したのか』
『しかもまた生えてきてるし!無尽蔵なのそれ!?反則だろ!』
『ってあーーー!!!フヌちゃんの特製3Dホログラムが!何してくれてんのさ、作るの大変だったんだから!
ごめんねフヌちゃん(※ホログラム)!今すぐ元の可愛くて綺麗な姿に戻してあげたいけど、
この厄介な触腕を片付けるまで待ってて、……?』
『あれ?フヌちゃんのホログラムは内部に展開してる筈じゃ……』
『……待ってよ。その触腕、いつの間に操縦棺内に入り込んで――』
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
◆友軍からの通信
南部海域【渇きの海】の戦果通信
>>友軍の戦闘結果
「進め、ススメェ!!!!」




>>友軍の戦闘結果

「生き残ってしまったからには、次の戦いに備えよう。」




>>友軍の戦闘結果

「うまいこといったぞ!」



>>友軍の戦闘結果

「調子いいね~。さすが、クレーエ!」



>>友軍の戦闘結果

「♪~」




>>友軍の戦闘結果

「こちら「イグナイター」、ボッコボコのボコにしてやったわよ。オーバー。」



精算
報酬 30
経費 -1
フラグメンツ獲得 29
経費 -1
フラグメンツ獲得 29
あなたはヴォイドエレベータ内部を探索しヴォイドシグナルを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で燃える水を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でケロシンを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で燃える水を手に入れた……
【物資援助】あなたは[発火零力]が付与された要撃飛行を入手した……
夜空には静かに星が浮かぶ……(コンテナ入手率 18.27%)
キャラデータ
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所持品リスト

種別:モーンエンジン [ミストエンジン]
《広域DLパーツ:アト・クラウレイ(Eno172)からのDL》
種別:術導重機関砲 [連射聖魔射撃火器]

種別:未開封コンテナ [コンテナ]

種別:鉄面頭部 [頭部]
《広域DLパーツ:藍珠(Eno34)からのDL》
種別:誘導レーダー [レーダー]

種別:ゴリラ [腕部]
《広域DLパーツ:不退転の大盾ゴットハルト(Eno131)からのDL》
種別:巨大腕部 [腕部]

種別:圧壁操縦棺 [操縦棺]
《広域DLパーツ:レイジー・サム(Eno113)からのDL》
種別:広域レーダー [レーダー]
《広域DLパーツ:フランメル(Eno85)からのDL》
種別:ハイパレーダー [レーダー]

種別:要撃飛行 [飛行]

種別:広域レーダー [レーダー]
《広域DLパーツ:レッカ・レイト(Eno73)からのDL》
種別:ヤマツミ [レーダー]
《広域DLパーツ:死喰い鳥のザミエル(Eno13)からのDL》
種別:未開封コンテナ [コンテナ]

種別:機密データ [FCS]

種別:急出力エンジン [ミストエンジン]
《広域DLパーツ:MEDICINE BAD DREAM(Eno107)からのDL》
種別:アーマーレドーム [レーダー]
《広域DLパーツ:ペリュトン・ペリュトン(Eno65)からのDL》
種別:リコンキトゥン [レーダー]
《広域DLパーツ:リト・Е・ドレエヴニエフ(Eno151)からのDL》
種別:誘導レーダー [レーダー]
《広域DLパーツ:S.Owen(Eno54)からのDL》
種別:レックス [逆関節]
《広域DLパーツ:死喰い鳥のザミエル(Eno13)からのDL》
種別:パンプキンヘッド [頭部]

種別:モーンエンジン [ミストエンジン]
《広域DLパーツ:アト・クラウレイ(Eno172)からのDL》
種別:ドレイクスカル [頭部]
《広域DLパーツ:ペリュトン・ペリュトン(Eno65)からのDL》
種別:パンツァークリンゲ [物理格闘火器]
《広域DLパーツ:ネーヴェ(Eno45)からのDL》
種別:セントラル [操縦棺]
《広域DLパーツ:ポストマン(Eno97)からのDL》
種別:ラスト・アーマー [装甲]

種別:拡散火球砲 [連射火炎射撃火器]
《広域DLパーツ:オズワルド・エコール(Eno138)からのDL》
種別:広域レーダー [レーダー]
《広域DLパーツ:(Eno94)からのDL》
種別:クーラーボックス [素材]

種別:肉の缶詰 [素材]

種別:錆びた弾帯 [素材]

種別:肉の缶詰 [素材]

種別:象の目 [素材]

種別:冷えたビール [素材]

種別:髑髏のヘルメット [素材]

種別:うに [素材]

種別:象の目 [素材]

種別:冷えたビール [素材]

種別:ドラム缶 [素材]

種別:冷えたビール [素材]

種別:錆びた弾帯 [素材]

種別:肉の缶詰 [素材]

種別:髑髏のヘルメット [素材]

種別:錆びた弾帯 [素材]

種別:ドラム缶 [素材]

種別:葉巻 [素材]

種別:葉巻 [素材]

種別:ドラム缶 [素材]

種別:髑髏のヘルメット [素材]

種別:ドラム缶 [素材]

種別:獅子の咆哮 [素材]

種別:獅子の咆哮 [素材]

種別:死んだセミ [素材]

種別:突進するセミ [素材]

種別:獅子の咆哮 [素材]

種別:突進するセミ [素材]

種別:アイドル衣装 [素材]

種別:インドラの端子 [素材]

種別:落雷予報 [素材]

種別:落雷予報 [素材]

種別:落雷予報 [素材]

種別:インドラの端子 [素材]

種別:キラキラマイク [素材]

種別:今日のコーデ [素材]

種別:波紋の化石 [素材]

種別:今日のコーデ [素材]

種別:はいっちゃだめ [素材]

種別:はいっちゃだめ [素材]

種別:巨大獣カピモスの卵 [素材]

種別:鉄板 [素材]

種別:はいっちゃだめ [素材]

種別:バナナ鉱 [素材]

種別:バナナ鉱 [素材]

種別:バナナ鉱 [素材]

種別:ヴォイドシグナル [素材]

種別:はいっちゃだめ [素材]

種別:巨大獣カピモスの卵 [素材]

種別:巨大獣カピモスの卵 [素材]

種別:バナナ鉱 [素材]

種別:巨大獣カピモスの卵 [素材]

種別:巨大獣カピモスの卵 [素材]

種別:ケロシン [素材]

種別:水タンク [素材]

種別:燃える水 [素材]

種別:分解素材 [素材]

種別:ケロシン [素材]

種別:燃える水 [素材]

種別:ケロシン [素材]

種別:燃える水 [素材]

種別:水タンク [素材]

種別:水タンク [素材]

種別:ヴォイドシグナル [素材]

種別:燃える水 [素材]

種別:ケロシン [素材]

種別:燃える水 [素材]