ENo.0116　クロウラー

各地から未識別融合体の情報が集まる最中、朗報も届いた。
以前協賛企業の計らいで戦場を一緒にした二人と組む事になったのだ。
（Eno100、Eno102）

この二人は申し分ない能力を持っているので安心だが、
一つ懸念があって海域にはジャンクテイマーもうろついている。
つまり融合体が未識別機動体ではなくグレムリンと融合される可能性があった。

演習を何度かする必要がありそうだったので索敵して情報を集めねば…
と思ったのも束の間、どうやらこの二人が先んじて索敵を済ませてくれたらしい。
口を酸っぱくして言った甲斐があったというものだ。

「さて…まずはパーツを考えるか…」

今までの戦法では駄目だな。
まずは相手の数を減らす事から考える必要があった。

「………」

通信が終わる。
その相手は私と同じ"協賛者"だった。
（Eno100、Eno102）

二人も居て、そして戦場を共にする事になる。
前回は一人で防衛にあたったので頼もしい限りだった。

…そんな思いが打ち砕かれたのは出撃よりいくらか前の日だった。

「こいつら全然索敵しないんだが…！？」

いくらか整備も終え、ふと思い出したように索敵状況を確認した時に気づいた。

私は三回程索敵して、予想される驚異の内一体だけを残す事になった。
整備の事も考えなければいけず、これ以上の索敵は無理なので、
その為にこの"協賛者"に任せようと思ったのだが………

結局この穴が原因で大規模な演習ができない事になる。
そして出撃前のこの時間もやはり索敵はされていなかった。

索敵は重要だ。だが敵の数が多ければ一人だけに負担させるものではない。
それに気付いていないこの"協賛者"達は恐らく素人だ…。