第13回目 午前2時のS.Owen
プロフィール

名前
S.Owen
愛称
S.Owen
![]() | 経歴 鴉にも鷹にも成れなかったただの鳶。 頭部と左手の甲に大きな傷跡があり、肉体と脳の所有者が異なる。 時々ちぐはぐで噛み合わない挙動がみられる。 【脳: ■eli■ah】 記憶の欠落を自覚しているが、かつてC.C.という名の機体を駆っていた過去だけは忘れた事がない。 愛想がなく口が悪いが、唯一部下のことだけは信用している。 健康温泉は少し気に入った模様。 本人は認めたがらないが乗せられやすく、少しいいメシで釣られる。 肉体を制御出来ない事が増えた上、よく喋る整備士に出会って若干困惑中。 【肉体: Shawn】 灰色の短髪と目付きの悪さが特徴的で、若干筋肉質。くしゃみが豪快。 比較的温厚な性格で、食事が好きだった様子。 脳の持ち主を上長と呼び慕っていた。 補助寄りの気質。よく言えば献身的。 時々脳の命令を無視して勝手に動く。 一部のジャンクテイマーに素性を知られている。 脳から『C.C.』の制御権を奪い取れるだけの思念が残留しており、■■■■■■■■■■ (以降の文字は読み取れない) 【Sub: Nicolai】 東南東海域『南の島』第十二番工廠所属を名乗る整備士。 白髪に大きなゴーグルを着用している。 グレムリンとグレイヴネット・インターフェースが大好きで、両者について話す時は特に早口。 翡翠経典を「悠久の連環、希望の担い手」と称する。 |
◆日誌
【Day 12】
東南東海域『南の島』に位置する『第十二番工廠』。
ニコと名乗った少年整備士がそう呼ぶ、広々とした施設。
少年の口添えで「滞在中の仮住まいに」と倉庫の一角を宛がわれた男は、タワーより僅かに口に合う食事を済ませ、久しぶりのシャワーを浴び、寝処代わりに敷かれた固いマットに寝転んで天井を仰ぎ見ていた。
『C.C.』に乗り通しだった影響か、グレムリンの操縦席の方が身に馴染む――と考えたところで、少年が語った内容を思い出す。
(……右腕を無くしただと?)
『C.C.』が大破し、思念形跡が異常な状態で氷獄から南の島までの長距離を飛んだ――。男が操縦棺にいる間の出来事の筈、であるにも関わらず、男は何一つ思い出す事が出来なかった。
(いくらショーンでも……いや。お前なら俺以上に、そんなヘマはしねえだろうが。
何があった?あのデカブツの仕業か?そして――俺は何故生きている?)
少年の問いに対する回答が得られないまま、男は問い続ける。繰り返す自問はやがて仄かな微睡を誘い連れ、僅かな抵抗の後程なくして、両の瞼が観念したように閉じられた。
******
どれくらいの時間が経っただろうか。
男が目を開けると、倉庫の外がやけに騒々しい事に気付く。警報音は聞こえないが、襲来と同等の緊迫感と混乱を感じ取る。
舌打ちをしながら身を起こし、興奮した様子で口々に何事か唱える人々の合間を縫い、先程少年に案内された整備区画へ向かう。
辿り着いて間もなく、特に狼狽えた様子もなく図面と向き合う少年を発見した。声を掛ける寸前、視線に気付いたらしい少年が顔を上げた。
「あ。おはよう、やっと起きたね。少し遅かったけど」
「おい。コイツは何の騒ぎだ」
「ついさっき、グレイヴネットがジャックされてね。発信元は『ジャンク財団』――アンタも聞いた事あるんじゃない?」
そう言うと少年は傍らの通信機を手に取り、録音音声を流し始めた。
ジャンク財団を名乗る存在による、世界への宣戦布告。曰く、彼らは未識別機動体を既に掌握、制御したと――その証拠として、赤の海に「トリカゴ」を出現させ、無限の戦力の存在を示唆した上で世界に投降を促した。
しかし滔々と続く演説は、聞き覚えのある声に阻まれる。冷静な指摘を以て相手に応対し、世界を明け渡すなと後進を鼓舞するその男は――
「ホーレツァー……」
「うん。彼は立派だね。あの過去があって尚、信念を抱いて戦っている」
「過去だと?」
「彼はとある戦いで心身に深い傷を負った。この件が落ち着いたら調べてみるといい、16年前の記録を検索すると出て来る筈だから」
「勿体ぶりやがって」
「オレが語るより、資料の方が信じられるだろ。大戦でのホーレツァーはカッコよかった……そして音声を聞いて分かる通り、今も変わらずね。逃げずに向き合ってずっと戦い続けて来たんだよ。この世界を生き抜くためにさ」
どこか懐かしむように目を細める少年に対し、男は怪訝そうに呟く。
「見てきたみたいに言うじゃねえか」
「まあね。それより」
目を閉じて頷いた少年は、次いで男の瞳を見据える。
「アンタはどうする?戦いに行く?」
「……」
顔をしかめた男の答えを、少年は急かすことなくじっと待つ。
数秒の後、男の口から言葉が発された。
「『C.C.』が大破しやがったんなら、サボりてえのは山々だが……」
はあ、と大きな溜息を吐いた後、深く息を吸い込むと。
「……行くしかねえだろ、今の聞いちまったらよ。傭兵のくせに戦いもせず、無抵抗で支配を受け入れるなんざ御免だ。得体の知れねえ奴らなら尚更な。
それにジャンクテイマー共には因縁がある。その親玉だってんなら、たっぷりお返ししてやんねえと」
不本意だがな、と吐き捨てた男を見ると、少年は満足そうに微笑んだ。
「そっか。なら仕方ない、機体を組んでやらないとね。と言っても、今貸せそうなのが試作機のフレームくらいなんだけど」
「テメエが組むのか」
「うん。……って、今『ガキのくせに』って思ったでしょ。失礼しちゃうなー、オレ、こう見えて腕はいいんだぜ?」
「信用ならねえ」
「先入観は眼を曇らせるって!悪いけど選択肢はないよ、オレがアンタを拾ってる時点で察してほしいんだけど、他の面子は手が空いてないんだ」
「チッ……」
「手伝うのやめようかな……まあ見てて、大船に乗ったつもりでいてよ!」
そう言うと、少年は机上に広げた図面を指し示す。
「……重探知試作機・テンプトフレーム?」
「そ。いい名前でしょ、先に相手を見つけて攻撃を誘発する機体さ。挑発に乗った相手を叩くの好きそうだし、丁度いいかなって」
「余計なお世話だ」
「お互い様だろ。で、組むパーツだけど……アンタが乗ってきた機体は見たところ重量機だね。スロット構成が違うから完全再現は出来ないけど、方針は同じでいい?ガラッと変えて速度出すのもアリだけど」
「そんなら軽量に――」
取っ替える、と言おうとした男の声が途切れる。
「……?」
息は通っているが、唇が強張って動かない。もう一度試すが変化はない。
「軽量パーツなら、今ダウンロード出来るのはこの辺だけど」
少年がグレイヴネットの画面を中空に映し出した。首を傾げながらもパーツ一覧に並んだうちの一つを指し示そうとした男の手が途中で固まり、男の意図したパーツではなく、下方の重量パーツを指して止まった。
次の瞬間、男が大声で叫んだ。
「……ショーン!邪魔すんじゃねえ!」
「うわ!何!?驚かせないでよ!」
「何でも……、チッ、そういう体質でよ……肉体が時々勝手に動きやがる」
「そんな事ある?神経操作じゃなくて?」
「今見てるモンが事実だ。クソ……」
「へえ。面白……じゃなくて大変だね」
「他人事だと思って笑いやがって……」
******
小気味良い音を立て、軽重両機のイメージデッサンを引いては図面に載せていた少年は、ふと手を止めると男に問いかけた。
「ちょっと聞きたいんだけどさ。もし、さっき財団が言ったように未識別機動体を制御出来て、無限の戦力があって……世界を意のままに出来るとしたら、どうする?」
「急にどうした」
「アンタが何のために戦ってるのか知りたくて」
興味本位だけどさ、と呟く少年は図面を見据えながら続ける。
「ヒトは色んなモノのために戦うよね。名誉だったり、金だったり、何らかの組織の大義名分だったりさ。戦闘そのものを求めて戦うヤツだっている。
アンタはどうなのかなって。次にオレが組む機体を操るのはどんなヤツなのか……聞かせてほしい」
どこか引っ掛かる口調だ――と男は感じる。楽しげな声色の殻で奥に潜む本心を覆っているような。
目線を上げようとしない少年にやや苛立ちを覚えながら、男は口を開いた。
「……何を期待してるか知らねえが、俺にはご大層でキレイな大義名分なんざありゃしねえぞ。
世界を手中に収めたとして――無限の戦力を持ちゃ世界を好きに出来るかはさておき、俺がどうこうしてえとは思わねえ。端的に言や、興味がねえ」
「本当に?戦いを終結させて腹いっぱい美味いメシを食って、グレムリンに命を預けずに生きられるかもしれないのに?」
「……俺はずっと傭兵として生きてきた。そこまで魅力的にゃ感じねえな」
「フーン、そっか。自棄……と言うよりは、価値基準の相違か」
「何より……今更グレムリンから降りたところで、失ったモンは戻らねえ。たとえ平和になろうが、粉塵が一掃されようが、それは『元に戻った』訳ではねえだろ」
気付けば少年は顔を上げ、男の目を真っ直ぐに見ていた。
「じゃあ、どうして。戻らない事を知って尚、グレムリンに乗って戦うのは、何故だ」
「……知るか、と言いてえとこだが……強いて言や、俺自身の行き先を決めるためだ。俺が知りてえ事を知る妨げにならなきゃ、世界なんざただ存在してりゃいい――戦闘は吹っ掛けられりゃ買うに過ぎねえし、グレムリンには乗らなきゃならねえから乗った。唯一の過去への手掛かりで、機動力と力を兼ね備えた道具。……それだけだ」
その言葉を聞いた少年の眼差しが鋭くなる。
「……何?グレムリンをただの道具扱い?それは聞き捨てならない、アンタを守って戦う相棒だろ」
「悪ィがそうは思わねえな。俺の相棒は――」
ふと、部下の姿が脳裏を過ぎる。肉体は存在しているものの、かつての状態に戻る事は恐らく――
「……チッ。とにかく……今の俺にゃグレムリンが必要だ。操縦棺に肉体が収まってねえと、記憶へのアクセスすらままならねえ。相棒扱いだの敬意だのが必要なら善処はするが、期待はすんな」
少年は暫く顔をしかめていたが、やがて呆れたように溜息を吐いた。
「今のアンタには、肉体が示すように重量機が似合いだよ。周囲が見えないのに軽量機は危険だ……意識の連環を通り過ぎ、求めた希望を見失い、そっと触れるべきものを摩擦で傷付けてしまう」
「……何の話だ」
「さあね。という訳で、はい。こんな感じかな、試作機」
そう言うと、少年は一枚のデッサンを男に突きつけた。
「意思を持て。お前がどれだけ受け身でも、世界は容赦してなどくれはしない。内に溜めた意志を外へと向け放て、意力を以て世界に抗え。――そういう機体だ。覚悟はいいか?」
男が息を飲んだのを見て取ると、少年はプラスチックを思わせる光を宿した瞳を細め、にやりと笑った。
「……なーんてね。ちょっとやってみたかったんだ。どう?カッコよかった?
じゃあ、細部を調整したら組み上げようか。変えたいとこあったら早めに言ってね」
そのまま背を向けひらひらと手を振る少年の姿を、男は何も言わず睨み付けていた。
東南東海域『南の島』に位置する『第十二番工廠』。
ニコと名乗った少年整備士がそう呼ぶ、広々とした施設。
少年の口添えで「滞在中の仮住まいに」と倉庫の一角を宛がわれた男は、タワーより僅かに口に合う食事を済ませ、久しぶりのシャワーを浴び、寝処代わりに敷かれた固いマットに寝転んで天井を仰ぎ見ていた。
『C.C.』に乗り通しだった影響か、グレムリンの操縦席の方が身に馴染む――と考えたところで、少年が語った内容を思い出す。
(……右腕を無くしただと?)
『C.C.』が大破し、思念形跡が異常な状態で氷獄から南の島までの長距離を飛んだ――。男が操縦棺にいる間の出来事の筈、であるにも関わらず、男は何一つ思い出す事が出来なかった。
(いくらショーンでも……いや。お前なら俺以上に、そんなヘマはしねえだろうが。
何があった?あのデカブツの仕業か?そして――俺は何故生きている?)
少年の問いに対する回答が得られないまま、男は問い続ける。繰り返す自問はやがて仄かな微睡を誘い連れ、僅かな抵抗の後程なくして、両の瞼が観念したように閉じられた。
******
どれくらいの時間が経っただろうか。
男が目を開けると、倉庫の外がやけに騒々しい事に気付く。警報音は聞こえないが、襲来と同等の緊迫感と混乱を感じ取る。
舌打ちをしながら身を起こし、興奮した様子で口々に何事か唱える人々の合間を縫い、先程少年に案内された整備区画へ向かう。
辿り着いて間もなく、特に狼狽えた様子もなく図面と向き合う少年を発見した。声を掛ける寸前、視線に気付いたらしい少年が顔を上げた。
「あ。おはよう、やっと起きたね。少し遅かったけど」
「おい。コイツは何の騒ぎだ」
「ついさっき、グレイヴネットがジャックされてね。発信元は『ジャンク財団』――アンタも聞いた事あるんじゃない?」
そう言うと少年は傍らの通信機を手に取り、録音音声を流し始めた。
ジャンク財団を名乗る存在による、世界への宣戦布告。曰く、彼らは未識別機動体を既に掌握、制御したと――その証拠として、赤の海に「トリカゴ」を出現させ、無限の戦力の存在を示唆した上で世界に投降を促した。
しかし滔々と続く演説は、聞き覚えのある声に阻まれる。冷静な指摘を以て相手に応対し、世界を明け渡すなと後進を鼓舞するその男は――
「ホーレツァー……」
「うん。彼は立派だね。あの過去があって尚、信念を抱いて戦っている」
「過去だと?」
「彼はとある戦いで心身に深い傷を負った。この件が落ち着いたら調べてみるといい、16年前の記録を検索すると出て来る筈だから」
「勿体ぶりやがって」
「オレが語るより、資料の方が信じられるだろ。大戦でのホーレツァーはカッコよかった……そして音声を聞いて分かる通り、今も変わらずね。逃げずに向き合ってずっと戦い続けて来たんだよ。この世界を生き抜くためにさ」
どこか懐かしむように目を細める少年に対し、男は怪訝そうに呟く。
「見てきたみたいに言うじゃねえか」
「まあね。それより」
目を閉じて頷いた少年は、次いで男の瞳を見据える。
「アンタはどうする?戦いに行く?」
「……」
顔をしかめた男の答えを、少年は急かすことなくじっと待つ。
数秒の後、男の口から言葉が発された。
「『C.C.』が大破しやがったんなら、サボりてえのは山々だが……」
はあ、と大きな溜息を吐いた後、深く息を吸い込むと。
「……行くしかねえだろ、今の聞いちまったらよ。傭兵のくせに戦いもせず、無抵抗で支配を受け入れるなんざ御免だ。得体の知れねえ奴らなら尚更な。
それにジャンクテイマー共には因縁がある。その親玉だってんなら、たっぷりお返ししてやんねえと」
不本意だがな、と吐き捨てた男を見ると、少年は満足そうに微笑んだ。
「そっか。なら仕方ない、機体を組んでやらないとね。と言っても、今貸せそうなのが試作機のフレームくらいなんだけど」
「テメエが組むのか」
「うん。……って、今『ガキのくせに』って思ったでしょ。失礼しちゃうなー、オレ、こう見えて腕はいいんだぜ?」
「信用ならねえ」
「先入観は眼を曇らせるって!悪いけど選択肢はないよ、オレがアンタを拾ってる時点で察してほしいんだけど、他の面子は手が空いてないんだ」
「チッ……」
「手伝うのやめようかな……まあ見てて、大船に乗ったつもりでいてよ!」
そう言うと、少年は机上に広げた図面を指し示す。
「……重探知試作機・テンプトフレーム?」
「そ。いい名前でしょ、先に相手を見つけて攻撃を誘発する機体さ。挑発に乗った相手を叩くの好きそうだし、丁度いいかなって」
「余計なお世話だ」
「お互い様だろ。で、組むパーツだけど……アンタが乗ってきた機体は見たところ重量機だね。スロット構成が違うから完全再現は出来ないけど、方針は同じでいい?ガラッと変えて速度出すのもアリだけど」
「そんなら軽量に――」
取っ替える、と言おうとした男の声が途切れる。
「……?」
息は通っているが、唇が強張って動かない。もう一度試すが変化はない。
「軽量パーツなら、今ダウンロード出来るのはこの辺だけど」
少年がグレイヴネットの画面を中空に映し出した。首を傾げながらもパーツ一覧に並んだうちの一つを指し示そうとした男の手が途中で固まり、男の意図したパーツではなく、下方の重量パーツを指して止まった。
次の瞬間、男が大声で叫んだ。
「……ショーン!邪魔すんじゃねえ!」
「うわ!何!?驚かせないでよ!」
「何でも……、チッ、そういう体質でよ……肉体が時々勝手に動きやがる」
「そんな事ある?神経操作じゃなくて?」
「今見てるモンが事実だ。クソ……」
「へえ。面白……じゃなくて大変だね」
「他人事だと思って笑いやがって……」
******
小気味良い音を立て、軽重両機のイメージデッサンを引いては図面に載せていた少年は、ふと手を止めると男に問いかけた。
「ちょっと聞きたいんだけどさ。もし、さっき財団が言ったように未識別機動体を制御出来て、無限の戦力があって……世界を意のままに出来るとしたら、どうする?」
「急にどうした」
「アンタが何のために戦ってるのか知りたくて」
興味本位だけどさ、と呟く少年は図面を見据えながら続ける。
「ヒトは色んなモノのために戦うよね。名誉だったり、金だったり、何らかの組織の大義名分だったりさ。戦闘そのものを求めて戦うヤツだっている。
アンタはどうなのかなって。次にオレが組む機体を操るのはどんなヤツなのか……聞かせてほしい」
どこか引っ掛かる口調だ――と男は感じる。楽しげな声色の殻で奥に潜む本心を覆っているような。
目線を上げようとしない少年にやや苛立ちを覚えながら、男は口を開いた。
「……何を期待してるか知らねえが、俺にはご大層でキレイな大義名分なんざありゃしねえぞ。
世界を手中に収めたとして――無限の戦力を持ちゃ世界を好きに出来るかはさておき、俺がどうこうしてえとは思わねえ。端的に言や、興味がねえ」
「本当に?戦いを終結させて腹いっぱい美味いメシを食って、グレムリンに命を預けずに生きられるかもしれないのに?」
「……俺はずっと傭兵として生きてきた。そこまで魅力的にゃ感じねえな」
「フーン、そっか。自棄……と言うよりは、価値基準の相違か」
「何より……今更グレムリンから降りたところで、失ったモンは戻らねえ。たとえ平和になろうが、粉塵が一掃されようが、それは『元に戻った』訳ではねえだろ」
気付けば少年は顔を上げ、男の目を真っ直ぐに見ていた。
「じゃあ、どうして。戻らない事を知って尚、グレムリンに乗って戦うのは、何故だ」
「……知るか、と言いてえとこだが……強いて言や、俺自身の行き先を決めるためだ。俺が知りてえ事を知る妨げにならなきゃ、世界なんざただ存在してりゃいい――戦闘は吹っ掛けられりゃ買うに過ぎねえし、グレムリンには乗らなきゃならねえから乗った。唯一の過去への手掛かりで、機動力と力を兼ね備えた道具。……それだけだ」
その言葉を聞いた少年の眼差しが鋭くなる。
「……何?グレムリンをただの道具扱い?それは聞き捨てならない、アンタを守って戦う相棒だろ」
「悪ィがそうは思わねえな。俺の相棒は――」
ふと、部下の姿が脳裏を過ぎる。肉体は存在しているものの、かつての状態に戻る事は恐らく――
「……チッ。とにかく……今の俺にゃグレムリンが必要だ。操縦棺に肉体が収まってねえと、記憶へのアクセスすらままならねえ。相棒扱いだの敬意だのが必要なら善処はするが、期待はすんな」
少年は暫く顔をしかめていたが、やがて呆れたように溜息を吐いた。
「今のアンタには、肉体が示すように重量機が似合いだよ。周囲が見えないのに軽量機は危険だ……意識の連環を通り過ぎ、求めた希望を見失い、そっと触れるべきものを摩擦で傷付けてしまう」
「……何の話だ」
「さあね。という訳で、はい。こんな感じかな、試作機」
そう言うと、少年は一枚のデッサンを男に突きつけた。
「意思を持て。お前がどれだけ受け身でも、世界は容赦してなどくれはしない。内に溜めた意志を外へと向け放て、意力を以て世界に抗え。――そういう機体だ。覚悟はいいか?」
男が息を飲んだのを見て取ると、少年はプラスチックを思わせる光を宿した瞳を細め、にやりと笑った。
「……なーんてね。ちょっとやってみたかったんだ。どう?カッコよかった?
じゃあ、細部を調整したら組み上げようか。変えたいとこあったら早めに言ってね」
そのまま背を向けひらひらと手を振る少年の姿を、男は何も言わず睨み付けていた。
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NEWS
グレイヴネットは依然として大部分が機能不全に陥っていたあちこちの広告やニュース、画像は変わらず
ボロボロの帆船をイメージしたエンブレムが表示されている
あなたは情報を求めて、あるいは他の理由で、あるいは強制的に
グレイヴネットに接続します

「認証に失敗。思念接続が汚染されています。システム再起動。認証を試みます……思念接続を確認。ようこそ、ようそこそ、よ」

「全く、不便ったらありゃしない」

「我々は、世界に対し、宣戦を布告する」

「抵抗は無意味だ。いずれ、全ては我が手中に落ちる」

「投降せよ。待遇は悪くはない。抵抗しなければ……だが」

「我々は、世界に対し、宣戦を布告する」

「抵抗は無意味だ。いずれ、全ては我が手中に落ちる」

「投降せよ。待遇は悪くはない。抵抗しなければ……だが」

「ずっとこれの繰り返し。飽きてくるね」
そのとき、画面が急に、一斉に切り替わる

「ごきげんよう。本日は生放送だ。諸君らに、我々の真の力をお見せしよう」

「ここは横道潮流だ。挨拶をしろ、エアリアル=タイド」

「ひゃっはーーーーー!!! エンゲーーーーージ!!!」
流線形のグレムリンが空中を高速移動している!
目指す先には……真紅連理量産グレムリン!

「どけどけえーーーーー!!! 貫くぜぇ!!!」
突撃を受けた量産グレムリンはバラバラになり、横道潮流の激しい波間に消える!!

「俺を遮るなど不可能!!! エアリアル=タイドは不退転の潮流を貫く!!」

「さぁ、次は赤の海だ。挨拶をしろ、クリムゾン=フィアー」

「死山血河、鎧袖一触……撃!!」
真紅のグレムリン……まさに、地獄の悪魔のシルエット!!
目指す先には……赤の海要塞島!

「天網恢恢、会敵殲滅……斬!!」
抜かれた真紅のブレードが振るわれると、島ごと叩き切られる要塞!!

「生老病死、悔恨無用……了!!」

「まだまだ、次は巨人の島だ。挨拶をしろ、レックス=ロイヤルファング」

「恐れは屍、死に目覚める……前の夢」
巨大な肉食恐竜を象った山のようなグレムリン!!
対するは……巨人の島防衛砲兵隊!

「夢なら覚めよと人は言う……ならば覚ますが、わらわの牙」
巨大なあぎとから放たれる火球は一瞬して砲兵隊を灰に変える!!

「いい夢見れましたぁ……? あははっ」

「そして、次は南の島だ。挨拶をしろ、ハーミット=ビースト」

「ぐるるるああああああああっ!!」
地を走る獣のような四つ足のグレムリン!!
南の島沿岸を航行する警備艇を追いかける!

「おおおおおおおっ!!」
追いつかれ、バラバラに引き裂かれる警備艇!!

「があああああああっ!!! ぐおおおおおおおああああああッ!!!」

「……!!」

「見たこともない機体、そして力」

「我々の力の、ほんの片鱗だ」

「降伏はいつでも受け付けている」

「恐れ、震え、待つがいい」
――静まり返ったグレイヴネットの大通り
――恐ろしき戦いは、まだその牙を研ぐ……
ここは雨の海。ざあざあと、雨が降り続いている

「天気は雨! これからも雨!!」

「嵐が来るぞ!」
海の上に建てられた小屋から、スピーカーで音声が繰り返されている
わいるどはーとを破棄した
次元干渉推進装置を破棄した
◆アセンブル










広域メッセージミッション達成により鉄板が送られました
◆僚機と合言葉
次回ピグマリオン・マウソレウムに協賛し、参戦します

「フゥーッ!! アイドルしてる? いいね、あげる!!」
移動
あなたはその場に留まった
ユニオン活動
ニコの南方工廠の活動記録




































メッセージ
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
◆友軍からの通信
精算
報酬 50
経費 0
フラグメンツ獲得 50
【!】弾薬獲得 あなたは弾薬を 6発 入手しました
経費 0
フラグメンツ獲得 50
【!】弾薬獲得 あなたは弾薬を 6発 入手しました
あなたはフラグメンツと交換でインドラの端子を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で落雷予報を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で落雷予報を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で落雷予報を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換でインドラの端子を手に入れた……
【物資援助】あなたは[電解]が付与されたヒートストリングを入手した……
夜空には静かに星が浮かぶ……(コンテナ入手率 18.27%)
キャラデータ
__0






__6






_12






_18





