第12回目 午前2時のS.Owen
プロフィール

名前
S.Owen
愛称
S.Owen
![]() | 経歴 鴉にも鷹にも成れなかったただの鳶。 頭部と左手の甲に大きな傷跡があり、肉体と脳の所有者が異なる。 時々ちぐはぐで噛み合わない挙動がみられる。 【脳: ■eli■ah】 かつてC.C.という名の機体を駆っていた記憶がある。 肉体に振り回される頻度が上がった。愛想がなく、口が悪い。 唯一部下のことだけは信用している。健康温泉は少し気に入った模様。 本人は認めたがらないが、乗せられやすい。 見知らぬ場所で目覚めた。記憶が飛んだことは認識可能。 【肉体: Shawn】 若干筋肉質な肉体。くしゃみが豪快。 比較的温厚な性格で、食事が好きだった様子。 脳の持ち主を上長と呼び慕っていた。 補助寄りの気質。よく言えば献身的。 時々脳の命令を無視して勝手に動く。 一部のジャンクテイマーに素性を知られている。 脳から『C.C.』の制御権を奪い取れるだけの思念が残留しており、■■■■■■■■■■ (以降の文字は読み取れない) |
◆日誌
//
Identification name: Eli■ah
Psychic connection: error
Level of consciousness: danger
Response: none
――System reboot――3, 2, 1……
//
肉体から切り離され、『C.C.』および『ファントム』との接続を絶たれ、融けるように暗闇を漂っていた意識が浮上を始める。
自身が脳の形状である事を認識し、ニューロンを起こしシナプスを働かせ、末梢神経を辿り隅々に至るまで意識を行き渡らせ――徐々に感覚を取り戻す。
脳が、ゆっくりと覚醒する。
……チッ。『また』か。
いつの間にか寝てしまっていた――と、男は認識した。
はっきりしない視界に舌打ちしつつ、重い肉体に鞭打って上体を起こすと、自身の居場所を確認すべく周囲に鋭い視線を走らせる。
かつて寝泊まりしていた、タワー居住区域の狭い部屋ではなかった。
船舶を思わせる硬質な壁が一面を覆っており、壁沿いに資材と思しきコンテナが積まれている他は特に目に留まるもののない、殺風景で薄暗い空間。物音はしないが、床を伝わる微弱な振動が肉体の芯に響く。
何処となく既視感を覚えたが、男の前に錆び付いた機体はなかった。
(……、どっかの勢力にでも捕まったか?)
訝しんだ男はふと、自分の顔を覆っていたはずのガスマスクが見当たらない事に気付いた。
記憶を呼び起こす。温泉を発ち、落下してきたコンテナを巡ってジャンクテイマーと交戦し、巨大な未識別融合体を目にし、白い空間に落ち――
(…………?)
その先の記憶が、靄がかかったように朧げだ。
思い出そうにも、捉えようとした事象が形を成さない。
記憶を呼び起こす際は自主的に痛む傷跡も、今は沈黙している。
眠っているか、或いは意思を失ったかのように。
(……まさかとは思うが、あの空間から現実に戻れずに墜ちたんじゃねえだろうな。
ショーンの野郎、また呼び出しやがったらシメてやる)
理不尽な悪態を脳内で唱えた男は、次いで深い溜息を吐いた。
(ったく……面倒くせえな)
肉体は痛むが、目立った外傷はないようだ。四肢も問題なく繋がっている。
だが――『C.C.』もガスマスクも手の届く範囲になく、己を守るものは沈黙する肉体のみ。
(……、このまま外に放り出されりゃ、一呼吸で粉塵吸い込んでお陀仏じゃねえか。クソ、)
脳裏を過ぎった末路から目を逸らすべく数秒瞼を閉じてから、可能な限り物音を立てずに気配を探り始める。
部屋の中。資材コンテナの隙間。床の下。天井の通気ダクト。
しかし――知覚可能な範囲に人の気配は感じられなかった。
(って事は、外に見張りが付いてやがんのか。
放り込まれた時にゃ無事だったみてえだが――ここから出たが最後かもしれねえな)
やがて、男の目が扉と思しき壁の切れ目を捉える。
曇った小さな窓が付いており、そこから僅かに光が漏れているようだ。
「……」
息を殺し聞き耳を立てながら、慎重に近付く。
窓以外は起伏がなく、周囲の壁にも制御盤の類は見当たらない。
外から操作するか、或いは何らかの認証が必要なのだろう。
――と考えたのも束の間、予想に反して扉が滑らかに上にスライドし、同時に射し込んだ光が瞳を刺す。
「……っ、クソ、」
強い光ではないはずだが、耐え切れずにぐっと目を瞑る。
右腕で顔を庇いながら他の感覚を研ぎ澄ませ、外からの攻撃に備えた――
が、数秒待っても、それらが襲ってくることはなかった。
不審に思いながら少しずつ目を開けるが、扉の向こうに人の姿はなかった。声はするものの、こちらに来る気配はない。
そして――部屋の外へ踏み出した男が目にしたものは、高い天井とクレーン、各区画に鎮座する組立途中のパーツが数機分。
広々とした、グレムリンの工廠だった。
******
【Day 11】
部屋の中とは対照的に、周囲は穏やかな喧騒で満ちていた。
巨大な鋼材を運搬するクレーンが轟音を響かせて稼働し、整備士や傭兵のものと思しき声が飛び、目の前を人員が忙しなく行き交う。時折男に一瞥をくれる者もいたが、少し睨み返してやればそそくさと逃げ去っていった。
ふと気付く。彼らは皆、緑色の札を身に着けている。
風習だろうか。何処かで聞いたような――
「あ。おーい、そこの兄ちゃん。起きたみたいだね、調子はどう?」
何処からか声がした。自身が呼ばれたのだ、と認識して左右に鋭く視線を走らせると、白髪にゴーグルを着けた少年が手を振りながら駆けてくるのが見えた。
カンカンと金属音を響かせ、器用に人を避け、転がるように男の前に辿り着くと、頭一つ分低い位置からにっと微笑みかける。
「昨日の今日でもう歩けるんだ。流石は傭兵テイマーってとこか。ところでさ……」
言葉を切って目を伏せた少年は、怪訝そうな視線と共に見上げてくる。
「その……無言で睨み付けるの、やめてくれない?威圧感凄くてやりづらいんだけど」
「テメエは何者だ。ここは何処だ?俺をどうする気――」
「悪化した!?喋ればいいってもんじゃない、説明するから待って!」
思わず後ずさった少年の背が、通りがかった男にぶつかる。
「っと、ごめんなさい」
相手は不機嫌そうに少年を睨み、通行の邪魔だ、と呟くとそのまま去っていった。
「うわー、感じ悪いなあ。最近来た傭兵かな……でも確かに邪魔か。場所を変えよう、ついてきて」
ちろりと舌を出して歩き始めた少年を見て、男は小さく溜息を吐く。
(仕方ねえな……)
暫し考えた後、警戒は解かず、周囲全てを睨み付けながら後を追った。
******
「で……さっきの質問だけど」
男が隣に並んだ頃合いを見計らい、少年が口を開く。
「オレはNicolai Ivanov(ニコライ・イヴァーノフ)。ここの整備士さ。皆ニコって呼ぶし、アンタもニコでいいよ。
んで、ここは通称『第十二番工廠』。タワーから見て東南東、南の島に位置してる」
「……南の島だと?何で俺がンな場所にいやがんだ。テメエ――」
「オレじゃないよ!アンタが自分で飛んできたんだ!覚えてない?」
「ア?」
「北からボロボロのグレムリンがすっ飛んできて工廠の離れに突っ込んだ、って聞いて、様子を見に行ったらアンタがいたんだ。
意識が途切れかけてたけど、オレに向かってこう聞いたよ――『ここは真紅連理の勢力下にあるか』って」
少年の口から語られる顛末。男は眉根を寄せ、沈黙と共に先を促す。
「違うよ、って答えたら『そうか』って呟いて目を閉じて……安心したのかな、そこから全然起きなかったから、あの部屋に寝かせてたってわけ。
でも、グレムリンはすぐ元通りには出来なさそう。右腕を無くしてるし、全体的に損傷が激しい。代替機を用意するのも、少しかかりそうだ……未識別機体の襲来の影響か、この工廠にもあちこちから傭兵が来るようになって忙しくてさ。
そうだ、ガスマスクもオレが預かってる。重いだろうし、工廠内では着けなくて平気だから――」
(……記憶にねえ)
話し続ける少年に対し、男は返答出来なかった。
(俺じゃねえならショーンの仕業だろうが……最後の質問の意図が分からねえ。
何故、動けなくなる直前にそれを聞いた?『真紅連理』とは、お前……いや、俺達にとって――何だ?)
頭部と左手の傷跡は答えない。目の前が白く霞む気配もなかった。
(チッ。聞きてえ時に限って寝やがって。いや、邪魔しねえなら自力で――)
「――もしもし?大丈夫、立ち眩み?」
男の思索は、少年の声で中断された。気付かぬうちに足を止めていたらしく、目の前で少年が手を振っている。
「……、いや……」
「来た時の記憶が無くても仕方ないよ。グレムリンの右腕がなくなった分の痛みも出てただろうし、あの状態でよく話せたなって。それよりも聞きたいことがあって」
一段落とされたトーンの声が、言葉を続ける。
「アンタの乗ってたグレムリンのログを読ませてもらったんだけどさ……おっと、非常事態でしょ。あんま目くじら立てないでよ、ただでさえ人相悪いんだからさ」
少年は大仰に怖がる素振りをしてみせたかと思うと、すっと真剣な表情で問い掛けた。
「……意味不明もいいとこだよ、何さあのログ。アンタ達、一体何してきたわけ?」
「……」
「途中までは普通の記録だ。座標からして氷獄の辺りまでかな。
でも、その後がおかしい。思念接続が途切れた後、別の機体の思念が混ざり込んで……、一機分じゃない、もっと多くの何かが機体を侵していた。正直……読んでいて恐ろしかったよ。
操縦棺にいたアンタは、何故生きている?外部思念の曝露に耐えられたのか?それとも――」
男は問いに答えられない。
報告は明らかに異常だが、自身に記憶の欠落以外の症状は見られない。
発する言葉も定まらないまま口を開きかけた瞬間――男の腹がぐう、と鳴る。
「……」
少年はゴーグルの奥の目を丸くした後、声を上げて笑い始めた。
「あっはは、そうか、ここに来てから眠り通しだったっけ。その前から何も口にしてなかったかもしれないし、腹ペコだよね!
気が利かなくてゴメン、話は後だ!先に腹ごしらえと行こうか。大したものはないけど、腹は満たせると思うよ」
そう告げて再び歩き始めた少年は、数歩進むと思い出したように足を止めた。
「そうだ、言い忘れてた。機会を逃して今になっちゃったけど、遅ればせながら」
少年は男に向き直ると、小さく咳払いをした後、笑顔で恭しく礼をしてみせた。
「悠久の連環、希望の担い手!翡翠経典『ハルシオン・スートラ』へようこそ!」
Identification name: Eli■ah
Psychic connection: error
Level of consciousness: danger
Response: none
――System reboot――3, 2, 1……
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肉体から切り離され、『C.C.』および『ファントム』との接続を絶たれ、融けるように暗闇を漂っていた意識が浮上を始める。
自身が脳の形状である事を認識し、ニューロンを起こしシナプスを働かせ、末梢神経を辿り隅々に至るまで意識を行き渡らせ――徐々に感覚を取り戻す。
脳が、ゆっくりと覚醒する。
……チッ。『また』か。
いつの間にか寝てしまっていた――と、男は認識した。
はっきりしない視界に舌打ちしつつ、重い肉体に鞭打って上体を起こすと、自身の居場所を確認すべく周囲に鋭い視線を走らせる。
かつて寝泊まりしていた、タワー居住区域の狭い部屋ではなかった。
船舶を思わせる硬質な壁が一面を覆っており、壁沿いに資材と思しきコンテナが積まれている他は特に目に留まるもののない、殺風景で薄暗い空間。物音はしないが、床を伝わる微弱な振動が肉体の芯に響く。
何処となく既視感を覚えたが、男の前に錆び付いた機体はなかった。
(……、どっかの勢力にでも捕まったか?)
訝しんだ男はふと、自分の顔を覆っていたはずのガスマスクが見当たらない事に気付いた。
記憶を呼び起こす。温泉を発ち、落下してきたコンテナを巡ってジャンクテイマーと交戦し、巨大な未識別融合体を目にし、白い空間に落ち――
(…………?)
その先の記憶が、靄がかかったように朧げだ。
思い出そうにも、捉えようとした事象が形を成さない。
記憶を呼び起こす際は自主的に痛む傷跡も、今は沈黙している。
眠っているか、或いは意思を失ったかのように。
(……まさかとは思うが、あの空間から現実に戻れずに墜ちたんじゃねえだろうな。
ショーンの野郎、また呼び出しやがったらシメてやる)
理不尽な悪態を脳内で唱えた男は、次いで深い溜息を吐いた。
(ったく……面倒くせえな)
肉体は痛むが、目立った外傷はないようだ。四肢も問題なく繋がっている。
だが――『C.C.』もガスマスクも手の届く範囲になく、己を守るものは沈黙する肉体のみ。
(……、このまま外に放り出されりゃ、一呼吸で粉塵吸い込んでお陀仏じゃねえか。クソ、)
脳裏を過ぎった末路から目を逸らすべく数秒瞼を閉じてから、可能な限り物音を立てずに気配を探り始める。
部屋の中。資材コンテナの隙間。床の下。天井の通気ダクト。
しかし――知覚可能な範囲に人の気配は感じられなかった。
(って事は、外に見張りが付いてやがんのか。
放り込まれた時にゃ無事だったみてえだが――ここから出たが最後かもしれねえな)
やがて、男の目が扉と思しき壁の切れ目を捉える。
曇った小さな窓が付いており、そこから僅かに光が漏れているようだ。
「……」
息を殺し聞き耳を立てながら、慎重に近付く。
窓以外は起伏がなく、周囲の壁にも制御盤の類は見当たらない。
外から操作するか、或いは何らかの認証が必要なのだろう。
――と考えたのも束の間、予想に反して扉が滑らかに上にスライドし、同時に射し込んだ光が瞳を刺す。
「……っ、クソ、」
強い光ではないはずだが、耐え切れずにぐっと目を瞑る。
右腕で顔を庇いながら他の感覚を研ぎ澄ませ、外からの攻撃に備えた――
が、数秒待っても、それらが襲ってくることはなかった。
不審に思いながら少しずつ目を開けるが、扉の向こうに人の姿はなかった。声はするものの、こちらに来る気配はない。
そして――部屋の外へ踏み出した男が目にしたものは、高い天井とクレーン、各区画に鎮座する組立途中のパーツが数機分。
広々とした、グレムリンの工廠だった。
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【Day 11】
部屋の中とは対照的に、周囲は穏やかな喧騒で満ちていた。
巨大な鋼材を運搬するクレーンが轟音を響かせて稼働し、整備士や傭兵のものと思しき声が飛び、目の前を人員が忙しなく行き交う。時折男に一瞥をくれる者もいたが、少し睨み返してやればそそくさと逃げ去っていった。
ふと気付く。彼らは皆、緑色の札を身に着けている。
風習だろうか。何処かで聞いたような――
「あ。おーい、そこの兄ちゃん。起きたみたいだね、調子はどう?」
何処からか声がした。自身が呼ばれたのだ、と認識して左右に鋭く視線を走らせると、白髪にゴーグルを着けた少年が手を振りながら駆けてくるのが見えた。
カンカンと金属音を響かせ、器用に人を避け、転がるように男の前に辿り着くと、頭一つ分低い位置からにっと微笑みかける。
「昨日の今日でもう歩けるんだ。流石は傭兵テイマーってとこか。ところでさ……」
言葉を切って目を伏せた少年は、怪訝そうな視線と共に見上げてくる。
「その……無言で睨み付けるの、やめてくれない?威圧感凄くてやりづらいんだけど」
「テメエは何者だ。ここは何処だ?俺をどうする気――」
「悪化した!?喋ればいいってもんじゃない、説明するから待って!」
思わず後ずさった少年の背が、通りがかった男にぶつかる。
「っと、ごめんなさい」
相手は不機嫌そうに少年を睨み、通行の邪魔だ、と呟くとそのまま去っていった。
「うわー、感じ悪いなあ。最近来た傭兵かな……でも確かに邪魔か。場所を変えよう、ついてきて」
ちろりと舌を出して歩き始めた少年を見て、男は小さく溜息を吐く。
(仕方ねえな……)
暫し考えた後、警戒は解かず、周囲全てを睨み付けながら後を追った。
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「で……さっきの質問だけど」
男が隣に並んだ頃合いを見計らい、少年が口を開く。
「オレはNicolai Ivanov(ニコライ・イヴァーノフ)。ここの整備士さ。皆ニコって呼ぶし、アンタもニコでいいよ。
んで、ここは通称『第十二番工廠』。タワーから見て東南東、南の島に位置してる」
「……南の島だと?何で俺がンな場所にいやがんだ。テメエ――」
「オレじゃないよ!アンタが自分で飛んできたんだ!覚えてない?」
「ア?」
「北からボロボロのグレムリンがすっ飛んできて工廠の離れに突っ込んだ、って聞いて、様子を見に行ったらアンタがいたんだ。
意識が途切れかけてたけど、オレに向かってこう聞いたよ――『ここは真紅連理の勢力下にあるか』って」
少年の口から語られる顛末。男は眉根を寄せ、沈黙と共に先を促す。
「違うよ、って答えたら『そうか』って呟いて目を閉じて……安心したのかな、そこから全然起きなかったから、あの部屋に寝かせてたってわけ。
でも、グレムリンはすぐ元通りには出来なさそう。右腕を無くしてるし、全体的に損傷が激しい。代替機を用意するのも、少しかかりそうだ……未識別機体の襲来の影響か、この工廠にもあちこちから傭兵が来るようになって忙しくてさ。
そうだ、ガスマスクもオレが預かってる。重いだろうし、工廠内では着けなくて平気だから――」
(……記憶にねえ)
話し続ける少年に対し、男は返答出来なかった。
(俺じゃねえならショーンの仕業だろうが……最後の質問の意図が分からねえ。
何故、動けなくなる直前にそれを聞いた?『真紅連理』とは、お前……いや、俺達にとって――何だ?)
頭部と左手の傷跡は答えない。目の前が白く霞む気配もなかった。
(チッ。聞きてえ時に限って寝やがって。いや、邪魔しねえなら自力で――)
「――もしもし?大丈夫、立ち眩み?」
男の思索は、少年の声で中断された。気付かぬうちに足を止めていたらしく、目の前で少年が手を振っている。
「……、いや……」
「来た時の記憶が無くても仕方ないよ。グレムリンの右腕がなくなった分の痛みも出てただろうし、あの状態でよく話せたなって。それよりも聞きたいことがあって」
一段落とされたトーンの声が、言葉を続ける。
「アンタの乗ってたグレムリンのログを読ませてもらったんだけどさ……おっと、非常事態でしょ。あんま目くじら立てないでよ、ただでさえ人相悪いんだからさ」
少年は大仰に怖がる素振りをしてみせたかと思うと、すっと真剣な表情で問い掛けた。
「……意味不明もいいとこだよ、何さあのログ。アンタ達、一体何してきたわけ?」
「……」
「途中までは普通の記録だ。座標からして氷獄の辺りまでかな。
でも、その後がおかしい。思念接続が途切れた後、別の機体の思念が混ざり込んで……、一機分じゃない、もっと多くの何かが機体を侵していた。正直……読んでいて恐ろしかったよ。
操縦棺にいたアンタは、何故生きている?外部思念の曝露に耐えられたのか?それとも――」
男は問いに答えられない。
報告は明らかに異常だが、自身に記憶の欠落以外の症状は見られない。
発する言葉も定まらないまま口を開きかけた瞬間――男の腹がぐう、と鳴る。
「……」
少年はゴーグルの奥の目を丸くした後、声を上げて笑い始めた。
「あっはは、そうか、ここに来てから眠り通しだったっけ。その前から何も口にしてなかったかもしれないし、腹ペコだよね!
気が利かなくてゴメン、話は後だ!先に腹ごしらえと行こうか。大したものはないけど、腹は満たせると思うよ」
そう告げて再び歩き始めた少年は、数歩進むと思い出したように足を止めた。
「そうだ、言い忘れてた。機会を逃して今になっちゃったけど、遅ればせながら」
少年は男に向き直ると、小さく咳払いをした後、笑顔で恭しく礼をしてみせた。
「悠久の連環、希望の担い手!翡翠経典『ハルシオン・スートラ』へようこそ!」
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NEWS
幕間の物語突然、グレイヴネット上に映像がジャックされて放映される
あちこちの広告やニュース、画像などが次々と塗り替えられていく
それはボロボロの帆船をイメージしたエンブレムだった
あなたは情報を求めて、あるいは他の理由で、あるいは強制的に
グレイヴネットに接続します

「認証に失敗。思念接続が汚染されています。システム再起動。認証を試みます……思念接続を確認。ようこそ、ようそこそ、よ」

「なんだい、電波ジャックかねぇ」

「我々は、世界に語り掛ける。我々は、君たちがジャンク財団と呼ぶものだ」

「!!??」

「私はジャンク財団の代表だ。この場を借りて、世界に宣告する」

「我々は、世界に対し、宣戦を布告する」

「無謀な行為にも思えるだろう。だが、覚えているはずだ」

「かつて、100機の悪鬼が世界を相手に戦い、それを……滅ぼしたことを」

「我々には、それができる。それを、証明しよう」

「我々の力、その一つ」

「信じられないかもしれんが、事実を伝えよう」

「我々は、未識別機動体を、すでに掌握し、制御している」

「馬鹿な! そんなこと、できるはずが……」

「信じたくないのも無理はない。しかし、事実だ。試してみるか?」

「赤の海、ヴァーム島沖合、東だ。未識別機動体を出現させる。そうだな、有名な防空巡洋艦だ」

「ライブカメラがあるだろう。定点観測のだ」

「ひっ、あの船影は……トリカゴ……」

「……ッ!!」

「結構『疲れる』のでな、これ以上はサービスはできないが」

「どうだね? 無限の軍勢、無限の戦力が我々にはある」

「抵抗など馬鹿らしいとは思わないかね?」

「さぁ、武器を捨てろ。投降を歓迎しようではないか」

「ほう……投降か」

「回りくどいことをするんだな」

「俺はてっきり、無限の軍勢で蹂躙するんだと思っていたのだがな」

「その方が楽だろう。痛みもなく、未識別機動体にやらせてな」

「何が言いたい」

「戦いを避けるのは、それにリスクがあるからだ」

「まさか、軍勢を少し動かすだけで、果てしなく『疲れる』んじゃないか?」

「それはお前の願望に過ぎない」

「すぐに現実を思い知ることになるだろう」

「ああ、俺たちはいつだって示してきたな。戦いの中で」

「愚か者に慈悲をかけても無意味であったな。そのまま消えろ」

「通信が切れたか」

「おっさん……ッ!!」

「(^-')☆彡(ウィンクのスタンプ)」

「じゃねぇだろ!! 勝算あんのかよ!!」

「世界を思うがままに操る。そんな輩に……明け渡す世界があるか?」

「腐った世界でも」

「壊れた世界でも」

「どうしようもない世界でも……」

「それぞれの世界を、それぞれが生きている。誰に渡すためのものでもない」

「そうは思わんか?」

「おっさん……ッ!!」

「(^-')☆彡(ウィンクのスタンプ)」

「しかし、こんな時にルキムラとジェトは何を……」
――時は加速し、その道を示す
――留まることはなく、旅立っていく渡り鳥のように
ここは雨の海。ざあざあと、雨が降り続いている

「天気は雨! これからも雨!!」

「でも、それは操るってもんじゃない!」
海の上に建てられた小屋から、スピーカーで音声が繰り返されている
第二乗換申請書を破棄した
S.Owenは広域レーダーL型を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.Owenは011-RADAR《YAMATSUMI》を手に入れた!!(フラグメンツ-1)
S.OwenはDS_YDdraigGochを手に入れた!!(フラグメンツ-1)
◆アセンブル










◆僚機と合言葉
移動
西←へ移動し、南東海域【雨の海】へと到達した
ユニオン活動
ニコの南方工廠の活動記録

さあ皆お待ちかね、ニコの南方工廠『Nico’s Southern Arsenal』!はじまり~!+次+誰に話し掛けてやがんだテメエは+次+

失礼、紹介がまだだったね。本日のゲストは常に不機嫌、S.Owen!+次+ヒネられてえのか+次+









見ないと損だ、後で案内するから+次+メシじゃねえなら興味ねえ+次+@@@



……をイメージした合成飲料!+次+完膚無きまでに極彩色じゃねえか+次+




水分は摂れる時に摂っときなよ。ほらほらほら+次+……チッ。一口だけだぞ+次+@@@

干乾びそうな時にゃ悪くねえ+次+





おい。もう二杯寄越せ。金は出す+次+


メッセージ
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
◆ダイジェスト結果
◆友軍からの通信
精算
報酬 64
売上 1
┗パーツ販売数 1個
今回の購入者-->>193
経費 -3
フラグメンツ獲得 62
売上 1
┗パーツ販売数 1個
今回の購入者-->>193
経費 -3
フラグメンツ獲得 62
あなたはフラグメンツと交換で獅子の咆哮を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で獅子の咆哮を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で死んだセミを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で突進するセミを手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で獅子の咆哮を手に入れた……
あなたはフラグメンツと交換で突進するセミを手に入れた……
【物資援助】あなたは[遅延撃]が付与された騎士操縦棺を入手した……
夜空には静かに星が浮かぶ……(コンテナ入手率 16.45%)
キャラデータ
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