◆グレムリンズ・ギフトの世界
◆◆概要◆◆
※注意※
ここに書かれた設定は、必ずしも真実とは限らず、一般的に広く周知されているものでもなく
まことしやかに囁かれている噂程度のものです
設定の履行を強制するものではありません
グレムリンズ・ギフトの世界は、虚空領域と呼ばれる異世界です
この世界は巨大な天体が宙に浮かぶ不思議な世界で
大地はなく、どこまでも広い海が広がっています
世界の中央には巨大な塔があり、それは山のように大きく
そのタワーを中心として、人々は船に乗り、暮らしています
◆◆三大勢力◆◆
この虚空領域には、世界を大きく3つに分ける思想があります
これは私たちの世界で言う国家や宗教、民族のような概念であり
人々の多くはいずれかの思想に身を寄せて、その支配を受けています
それは、
◆真紅連理【レッド・コネクション】
◆翡翠経典【ハルシオン・スートラ】
◆青花師団【デルフィニウム・ディビジョン】
の三つです
◆◆虚空領域の人口◆◆
虚空領域の全人口は1億人とも5千万人とも言われています
少なくとも、かつての残像領域人口の1%にしか満たない、寂しい世界です
七月戦役前には、少なくとも3~6億人はいたはずです
しかし、七月戦役末期に窮地に立たされた三大勢力は
粉塵の力を利用した重粒子粉塵兵器と呼ばれる攻撃兵器を多用し、
あらゆる通常兵器を無効化するグレムリン大隊に対抗
結果、すさまじい量の粉塵が世界を覆いつくし
ライフラインは破壊され、多くの人命が失われ
環境は蹂躙され、海の生き物の9割が死んだと言われています
人口分布としては、軍隊を含む1千万人がタワーに永住しています
これは地球で言う神奈川県の全人口より少し多い程度です
他4~9千万人が海をさまよい暮らしています
非戦闘巨大船にはおよそ5千~1万人程度が暮らしています
6000隻以上の巨大民間船が海を漂っていると言われています
過酷な環境、崩壊した社会の中で
人々はいずれかの勢力に身を寄せて、その支配を受け、庇護下に置かれています
どこの勢力にも属しない、アウトローな生き方は不可能に近いです
ただし、それを可能にする者たちがいます
それこそが傭兵、グレムリン・テイマーの中でも、誰にも属しない異端
グレムリンの力だけで生きていく真の自由
人々は恐れと憧れを込めて、彼らを「ヴォイドテイマー」と呼びます
そして、それこそがあなたなのです
◆◆虚空領域の食事・医療・服飾◆◆
医療について、千五百年以上前から伝わるバイオ融合手術や機械化手術が広く普及しています
「新生体」と呼ばれる培養された体のパーツを、自由に入れ替えることが可能です
手術を行わない純粋な人間は、地球で言う眼鏡をかけていないひとと同じ程度います
手術費用はそれなりに高く、おいそれとできないものです
しかし、生まれ持った天然の身体を売ることで、大きくお釣りを手に入れることができます
天然身体は富豪や権力者に流れ着き、貧しいものは新生体や機械体を持っています
粉塵の影響で、子供を産み育てるのはかなり難しくなっており、育ったとしてもまともに生活できるのはひと握りです
子供の天然身体目当ての人身売買や売却強要は勢力によって禁止されていますが
闇市場は確かに存在し、戸籍のない人間も数多くいます
そういった人間は闇に生きたまま消えるか、傭兵として自由を掴み取る他は道はありません
◆◆虚空領域の神々◆◆
虚空領域には神々が実在します
彼らは高高度の空の上、およそ高度3000メートル程度の高みにいます
神々は12柱存在し、まとめて十二条光柱と呼ばれています
十二条光柱は、タワー上空に12の光の柱が円を描くように佇んでいます
彼らはぴかぴか光ったり、時折旋回したりしています
意図は不明で、干渉を行ってくるようには見えません
残像領域の崩壊時に生まれたひと柱の根源神から分裂して現れました
専門家には光の色や形の僅かな違いから見分けることが可能で、それぞれ名前がついています
・兄神「カビノヲ」
・妹神「カビメ」
・兄神「ツグノヲ」
・妹神「ツグメ」
・兄神「オオトキツヨミ」
・妹神「トキツヨミメ」
・兄神「オオカヅラマイ」
・妹神「カヅラマイメ」
・兄神「オオアクタカゼ」
・妹神「アクタカゼノミコ」
・兄神「オオユメノヲ」
・妹神「ヤソユメミ」
◆◆資産家『ヴルッフ』◆◆
世界最高峰の資産家で、三大勢力に匹敵する資産を個人で所有しています
彼は秘書や執事を近くに置かず、一人部屋に籠り、経済を動かしています
その資産の源は、グレイヴネットの創設に深くかかわっています
彼はグレイヴネット・コントロールを提唱し
三大勢力とテイマーズ・ケイジの協力の元
世界中にグレイヴネットを張り巡らせました
それが世界経済を支配するのに要した時間はあまりありませんでした
ヴルッフはあるとき、三大勢力とテイマーズ・ケイジから
協力を求められます
それは世界を脅かす敵、未識別兵器の掃討です
出所不明の謎の兵器は三大勢力とテイマーズ・ケイジを狙い
執拗に攻撃を繰り返しています
その意図は不明であり、首謀者も分かっていません
そして、兵器はグレムリンに匹敵する性能を持っています
ヴルッフは溢れる資金を注ぎ、傭兵を雇います
それが、あなたなのです
◆◆25領域◆◆
虚空領域は大きく25の区域に分けることができます
◆タワー上層【シモムラ思念領域】
正体不明
◆タワー下層【ヒヨコ立像領域】
正体不明
◆タワー港湾部【カラビネル区画】
タワーのふもと、たくさんの空母や他の船が停泊する巨大船着き場
特に【カラビネル区画】は荒くれ者の船乗りや、ならず者、マフィアなどがたむろす危険区域
タワー港湾部はいくつかの区画に分けられるが、グレムリン傭兵が暴れる場所は
決まってここである
名前の由来は失われている
◆空母船団【コロッセオ・レガシィ】
遥か昔から存在する、巨大空母船団。タワー北側に陣取り、タワーを守護する
船団から出ることなく一生を終えられるほど潤沢な資源と人口を持つ
三大勢力から独立した権力を持ち、互いに影響を与えている
かつての七月戦役で多くの船が沈んだが、以前この世界では大きな力を持つ
船団の支配者は13の王家からなる王族院から選ばれた一人の王であり、
現在はシェフィル家の代表であるシェフィル47世という若き女王が頂点に立つ
富を集積し、新たな船を作り、巨大な群れとなって生き続けている古鯨
名前の由来は失われている
◆空母船団【ヒルコ・トリフネ】
遥か昔から存在する、巨大空母船団。タワー東側に陣取り、タワーを守護する
翡翠経典と深い繋がりがあり、実質的な本拠地となっている
代々受け継がれる《写しの巫女》と呼ばれる神女が宗教指導者となる
かつて姿を現したヒルコの神を信仰し、神の力によって結束している
七月戦役で大打撃をつけつつも、いまだ揺るがない巨大船団である
◆タワー近海【漂着の海】
異世界からの漂着物が最後にたどり着く潮流の果てである
ここには超古代要塞《サルガッソー》が、流れ着く漂着物を回収し
分解再利用して、自らの成長と進化を加速させている
《サルガッソー》と同等の要塞はかつて100を超えるほど存在していたようだが
時と共に失われ、あるいは互いに合体し、あるいは吸収し、最終的に
《サルガッソー》一人となった
1/2の確率で侵入者をネコと誤検知する不具合があるが、全て分解吸収されるため
今のところ問題は起こっていない
タワーの西に存在し、侵入者を全て撃退しているため、タワー防衛に利用されている
◆タワー近海【風の門】
タワー南部に築かれた超巨大防波堤であり防壁
タワー南部を守護する、タワー直属の防衛設備である
門番と呼ばれる防衛組織の管理者たちがいる
グレムリンで武装した防衛組織は幾度となく未識別機動体を撃退してきた
しかし、その防衛力も遠くには届かず、風の門を出る者は二度と帰らないという
ジンクスがまことしやかに伝わっている
南風の吹き抜ける場所であり、暖かく、住むには最高の場所かもしれない
◆西部海域【黄昏の壁】
虚空領域の西の果てであり、巨大な星の河が西の水平線に沈むのが見える
《使者》と呼ばれる炎のような存在が飛び交う
この場所では《使者》が絶対的な存在として君臨する
《神官》と呼ばれる組織が存在し、市民を統制し、《使者》の命に従う
《神官》も市民も赤い服を身にまとい、それは死と炎を意味する
その正体は古代の超技術のなれの果てと分析されているが
《使者》は何も語らず、ただ魂の行く果てのみを語る
◆真紅連理【レッド・コネクション】
◆◆概要◆◆
虚空領域千か年計画を発動し、強力な支配体系を維持することで生きながらえてきた、巨大思想団体
恐ろしい軍事力を持ち、膨大な物資を抱える古老です
◆◆文化◆◆
自由や個性を制限した統一色の強い文化を強制されます
普段着は連理統一服と呼ばれる、色気のない灰色の服を着させられます
ただ、豊富な物資から来る配給や福祉が魅力的です
他の勢力から「自由を売ってパンを買う」と揶揄されます
ただ、真紅連理自身は「自由とやらを抱いて餓死するのか?」と見下します
その豊富な物資から来る配給や福祉は、より多くの人材を集め
それが豊富な人員の元になっています
◆◆歴史◆◆
1200年頃……真紅連理会議結成。虚空領域千か年計画発動
1539年………タワー港湾部に勢力を広げる。真紅連理空母一番艦《ディープ・クリムゾン》進水
2001年………テイマーズ・ケイジと契約する。グレムリンの供給開始
2019年7月…スティミュラント・グレムリン《フレイムホイール》ロールアウト。勢力さらに拡大
2019年10月…シルエット・グレムリン《シャドウナイフ》ロールアウト。勢力さらに拡大
2019年12月…ターミネイト・グレムリン《ミラージュオブデス》ロールアウト。勢力さらに拡大
◆◆軍事◆◆
・第一軍……タワー駐留部隊
┣第1機甲師団……グレムリン200機、兵員1万人
┗第4歩兵師団……歩兵1万5千人
・第一艦隊…総司令・真紅連理旗艦
┣空母《ディープ・ブラッド》……グレムリン20機搭載
┣第23掃海隊……巡洋艦4隻、駆逐艦5隻
┗第14駆逐隊……駆逐艦8隻
・第二艦隊…タワー近海
┣空母《ディープ・ラビットアイ》……グレムリン20機搭載
┣第28掃海隊……巡洋艦3隻、駆逐艦4隻
┗第16駆逐隊……駆逐艦7隻
・第三艦隊…遠海
┣空母《ディープ・クラブ》……グレムリン20機搭載
┣第29掃海隊……巡洋艦5隻、駆逐艦5隻
┗第18駆逐隊……駆逐艦9隻
◆配備グレムリン◆
・ミラージュオブデス……80機
・シャドウナイフ…………120機
・フレイムホイール………60機
・ヘルストーム……………退役
・ブラッドウェイブ………退役
・ライオットハンマー……退役
◆翡翠経典【ハルシオン・スートラ】
◆◆概要◆◆
ヒルコ教団を母体とする、虚空領域に現れた新たな神々を保護・観察するための巨大宗教団体
高い科学知識と豊富な資金源を持ちます
◆◆文化◆◆
翡翠経典は緑の護符を身に着ける以外は、自由な宗教です
厳しい戒律や法は少なく、思想も個人個人の救済を第一にしています
救済は神によってなされるもので、他人に対する干渉や欲を制限しています
虚空領域には神々が復活しており、はるか天空の頂に住んでいます
その神々を観察し、救いを得るのが翡翠経典の教義です
この聖典となる翡翠経典は、最後の「ヒルコ」が書き記したと言われており
それは永久に秘匿されるものとされています
◆◆歴史◆◆
1210年頃……ヒルコ教団解体。遺産となる《翡翠経典》をもとに、再編が始まる
1411年………翡翠経典の名のもとに、結束を強める。翡翠経典一番艦《ティール・ハート》進水
2004年………テイマーズ・ケイジと契約する。グレムリンの供給開始
2018年4月……アンリミテッド・グレムリン《ジェイド・メダリオン》ロールアウト。勢力さらに拡大
◆◆軍事◆◆
・第一軍……タワー駐留部隊
┣第1機甲師団……グレムリン180機、兵員5千人
┗第2歩兵師団……歩兵8千人
・第一艦隊…総司令・翡翠経典旗艦
┣空母《ティール・ゴースト》……グレムリン25機搭載
┣第21掃海隊……巡洋艦3隻、駆逐艦2隻
┗第12駆逐隊……駆逐艦7隻
・第二艦隊…タワー近海
┣空母《ビリジアン・スピリット》……グレムリン24機搭載
┣第28掃海隊……巡洋艦2隻、駆逐艦3隻
┗第16駆逐隊……駆逐艦6隻
・第三艦隊…遠海
┣空母《グリーン・スワロウ》……グレムリン23搭載
┣第29掃海隊……巡洋艦3隻、駆逐艦4隻
┗第18駆逐隊……駆逐艦6隻
◆配備グレムリン◆
・ジェイド・メダリオン………100機
・グリーン・インセンス………80機
・???…………………………72機
・ビリジアン・ソウル…………退役
・ルート・メタセコイア………退役
・ダンデライオン・ファング…退役
◆青花師団【デルフィニウム・ディビジョン】
◆◆概要◆◆
傭兵や分解してしまった共同体を纏め上げた、強力な自由思想
権力に縛られることを嫌い、虚空の海を自由に航海します。豊富な人員と高い士気を持つのが特徴
◆◆文化◆◆
青花師団の一員であること以外は、何も縛るものはありません
デルフィニウムの紋章さえ、つけるも外すも自由です
組織への貢献や団結を求めることもありません
真紅連理、翡翠経典に馴染まない全ての受け皿になっています
彼らは自由のために戦い、自由のために死んでいきます
◆◆歴史◆◆
1260年頃……後ろ盾のない放浪者を中心として互助組織が立ち上がり、自らを青花師団と名乗る
1627年………第8師団までの勢力が固まる。遠海の空母師団によって、勢力が盤石になる
2002年………テイマーズ・ケイジと契約する。グレムリンの供給開始
2016年12月…セレスト・グレムリン《レーダー・マウント》ロールアウト。勢力さらに拡大
2017年8月……セレスト・グレムリン《シルフ・クレスト》ロールアウト。勢力さらに拡大
◆◆軍事◆◆
・第一師団…総司令・青花師団旗艦
┣空母《ラピスラズリ・ローズ》……グレムリン30機搭載
┣第29掃海隊……巡洋艦8隻、駆逐艦6隻
┗第18駆逐隊……駆逐艦10隻
・第二師団…遠海
┣空母《サファイア・デイジー》……グレムリン28機搭載
┣第34掃海隊……巡洋艦9隻、駆逐艦5隻
┗第25駆逐隊……駆逐艦10隻
・第三師団…遠海
┣空母《アクアマリン・コスモス》……グレムリン21搭載
┣第17掃海隊……巡洋艦8隻、駆逐艦5隻
┗第41駆逐隊……駆逐艦10隻
・第八師団……タワー駐留部隊
┣第1機甲旅団……グレムリン220機、兵員2万人
┗第7歩兵旅団……歩兵2万5千人
◆配備グレムリン◆
・レーダー・マウント…………10機
・シルフ・クレスト……………150機
・???…………………………139機
・フェアリー・トリック………退役
・シールド・ゴブリン…………退役
・パルスキャノン・マウント…退役
◆テイマーズ・ケイジ
◆◆概要◆◆
グレムリン技術の管理を行う組織です
フルスペックのグレムリンは非常に危険であり、世界を破壊するため
三大勢力に対して5個以上のパーツを装備するグレムリンを禁止しています
自由傭兵であるヴォイド・テイマーに対しては
パーツ流通の制限を行っています
そもそもグレムリンの基礎システムには、テイマーズケイジ以外のテイマーが
パーツを5個以上装備するのを制限するプログラムが施されています
あくまで正規品の話、ではありますが
◆虚空領域でのできごと
◆◆七月戦役◆◆
概要
支配領域の境界問題から始まった、三大勢力を巻き込んだ大規模戦役
おびただしい犠牲者と、広域にわたる破壊や汚染を引き起こし、この戦役は7年にわたって続く
◆◆経緯◆◆
1997年は、年始からきな臭いムードと共に始まった
タワーにおける採掘権、そして施設利用権について、三大勢力は終わらない平行線の議論を重ねていた
事態が急展開を迎えたのは、1997年4月。翡翠経典のタワー内部支配領域で、断続的に爆破テロが発生
翡翠経典はかねてより対立していた真紅連理との関連を疑い、
逆に真紅連理は翡翠経典の自作自演の言いがかりと決めつける
翡翠経典の教導者たちは事態の鎮静化を主張するが、勢力間の対立はエスカレート
ついに真紅連理の強硬派は1997年6月23日、タワー港湾部を武力制圧
抗議行動を続ける翡翠経典信者を虐殺してしまう
一方、青花師団もまた、翡翠経典と真紅連理両方との摩擦を抱えており
武力制圧を開始した真紅連理に対して、港湾部に進軍
翡翠経典防衛部隊との戦いで疲弊した真紅連理部隊を退け、一旦は翡翠経典に貸しを作る
ところが、真紅連理は敗走した強硬派を粛正し、
1997年6月29日には「強硬派」とされていた部隊が、実は青花師団のスパイであることを主張
青花師団が港湾部に部隊を駐留させるための工作であると暴露した
連続爆破テロや強硬派の武力制圧などの一連の出来事が、青花師団の計略であるとする証拠を次々と公開する
翡翠経典・青花師団の共闘となるはずが、不信感を募らせた翡翠経典は中立を宣言し、三大勢力は三つ巴の様相を呈する
青花師団はそれらの情報はフェイクであり、有力な証拠をこちらも持っていると、譲らない構え
そして1997年7月1日。港湾部に対し、三大勢力の機甲部隊が進軍を開始する
もはや何が正しく、何が真実で、何が起こっていたのか分からないまま、三大勢力は緊張を高め
そしてとうとう、1997年7月12日、三大勢力は互いに宣戦を布告。戦争状態となる
この戦争は7年の歳月を費やし、膨大な犠牲者と、人々の営みの破壊と、受け継がれた遺産の喪失を引き起こす
開戦後数ヵ月で、小さな世界は戦火に焼き尽くされ、全てが灰となり海に沈んだ
一人、煤まみれの顔で炎の街を見る者がいた
1997年12月24日。一つの決意を抱く
この世界を――
そして――翌年、テイマーズケイジを結成する
謎の古代兵器
グレムリン・フレーム量産計画
選ばれた""大隊""
そして……ちょうど2年後の1999年12月24日、テイマーズケイジは三大勢力に対し宣戦を布告する
誰もが正気を疑った。誰も知らない傭兵部隊。わけのわからない機体。その数は、100にも満たない
それでも――
世界を焼き尽くすには、十分だった
2001年、真紅連理がテイマーズケイジに降伏。翌2002年、青花師団が。そして2004年、翡翠経典が降伏し、テイマーズケイジと契約を果たす
そして、世界は新たな秩序の元、再び歩みだす
かつて、炎の街を見つめていた目は、いま、この虚空の海を見ていた
願いは叶ったのだろうか
あの時の決意は、叶えられたのだろうか
それは、本人にも――わからなかったのかもしれない
◆◆灰塵計画◆◆
概要
テイマーズ・ケイジが新しく開発した新型グレムリンと、その随伴グレムリン
そして、テイマーズ・ケイジは新型機に適応できる素養の持ち主を選別し、グレムリン大隊を結成した
◆◆経緯◆◆
2020年はテイマーズ・ケイジにとって転機の年となる
かねてより開発を進めてきた新型グレムリンの開発が終わり
その性能テストを予定していた
新型グレムリン「ダスト・グレムリン」
そしてその随伴グレムリン「マリオネット・グレムリン」
あらゆる性能が秘匿された、謎の新型機たち
そして、そのパイロットを大々的に募集し、
素養の持ち主を選別
最強のグレムリン大隊を結成する運びとなった
あなたは、選ばれなかった
才能が不足していたわけではないものもいた
けれども、ダスト・グレムリンには、適性が必要だった
あなたは悔しがったかもしれない
あるいは、面倒ごとから逃れられて安堵したかもしれない
いずれにせよ
あなたのあずかり知らぬところで、ダスト・グレムリンのパイロットが決まった
その日、三大勢力の特使であるガーネット少将、ツルギ中将、そしてミラー大将
その三人が、秘密裏に会合を行い、一つの同意を確認した
それは、高濃度粉塵を身にまとう
それは、完全思念制御システム《N.O.E.L》を搭載する
それは、ダスト・グレムリンに触れることを不可能にする
それは、マリオネット・グレムリンの全機撃破をでもって破ることができる
そして――
テイマーズ・ケイジは、暴走状態にある――と
◆◆霧の伝説◆◆
霧って知ってる? それは、粉塵よりもっと優しい、身を包む粒子。いつか来るよ、水平線の向こうから――
概要
霧という現象が消えて千年が過ぎた。空気中の水粒子は粉塵に吸着され、虹色のオイルのような雨になる
そして、人々は伝説となった霧に、思いを馳せた
遥か高空に雲が見える
あれは、霧だという
そこには霧が渦巻き、粉塵と調和している天界
僕らは、空を見上げて、夢を見ていた――
◆◆ハイドラ◆◆
――悪い子には……グレムリンの贈り物。蛇が出てくるびっくり箱
千年前のおとぎ話。世界を滅ぼし、霧の向こうに消えたハイドラ
その伝説は形を変え、正確な情報はもうほとんど残っていない
あのとき何が起こったのか、それからどうなったのか
誰も何も覚えていない
しかし、三大勢力に共通して伝わる、ひとつの伝説があった。霧の帰還の伝説である
いつか霧の復活する日がやってくる
その日に備えよ、というもの
霧はいつか、再び、世界を滅ぼすと
だれもが、おとぎ話だと思っていた
あの、霊障が巻き起こるまでは
そう、霊障の発現もまた伝説に予言された災厄の一つなのだ
そして、その恐れは7月戦役で確定的となった
霊障の予言
戦災の予言
全てが正確に予言されていたのだ
そして次なる予言……
霧の予言
死の霧がやってくる
水平線の向こうから
霧を纏った、鋼の棺
この、世界に向けて
再びの浄化の果てに
我々を滅ぼすだろう
死に抗うすべはなく
終着点へと向かう光
だが恐れることなく
我々は救済されゆく
そう
我らは霧と共にあるのだから
解釈の分かれる予言であった
霧とは何なのか
あるものは死と滅びを恐れた
そして、死すら克服した
でも、あなたは違ったかもしれない
救済を信じたのかもしれない
あるいは、滅びの果ての浄化を目指したのかもしれない
伝説の終節はこう締めくくられている
霧の剣を持て
それは我らと共にある
霧の盾を構えよ
それは我らと共にある
やがて我らは辿り着くだろう
水平線の向こう、霧の彼方へと――
その死の担い手は、ハイドラ=ザ・ミスト・アヴェンジャーと記されていた