ENo.0107　MEDICINE BAD DREAM

本日の「なんか霧世界が日常に侵食してくる日記」は作者更新日誤解のためお休みです

引き続きｶﾜｲｲカピバラの姿をお楽しみください

本日のニュースです
ついに巨大未識別融合体を撃破しました
領域も次々と解放に向かうでしょう
これは始まりにすぎません
我々の未来は、動き出したばかりです
戦いましょう、生き残りをかけて……

本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンの迎撃が完了しました
三大勢力は大きく兵力を失い、再編は容易ではないでしょう
弔いの鐘が各地で響いています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
未識別融合体撃破の喜びの花火が上がっています
粉塵でも透過するチャフの炎はモニター越しに七色に輝きます
これから復興に向けて動き出す祝いの炎です
戦火の世にも、人々の連環を。我々はまだ、戦えます

本日のニュースです
強化研究所による未識別融合体の解析が本格化しています
これによって、グレムリンのさらなる強化が見込めるとのことです
索敵による機体の練度強化などが示唆されています
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです

本日のニュースです
昨日、グレイヴネットアイドルを集めた番組が配信されました
各地で災害が起こる中、生き残った人々は喜びを分かち合い
歌を歌い、踊る。そんな番組です
戦う人々に祝福を……我々は、生き続けるのです

本日の”なんか霧世界が日常に侵食してくる系日記”は無限演習でハッスルしすぎたのでお休みです

本日のニュースです
タワー港湾部の未識別機動体を
ある程度撃退することに成功しました
これより先は、侵入する未識別機動体からの
長きにわたる防衛戦となります
我々の未来は、いまだ闇の中です
戦いましょう、生き残りをかけて……

本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンの迎撃が本格化しています
真紅連理防衛隊も大きく戦力を失い、各地で撤退が始まっています
連日の戦闘で死者数は数えきれないほどです
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
タワー港湾部にて、ささやかながら領域奪還の
祝勝会が開かれました
僅かながらメシに味付けをした「スシ」が振舞われました
戦火の世にも、人々の連環を。我々はまだ、戦えます

本日のニュースです
思念研究所によるヴォイドエレベータの調査が始まりました
内部の探索では、見たこともない素材が見つかり始めています
やがて、エレベータを通して領域をワープすることすらできると言われています
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです

本日のニュースです
昨日、ピグマリオン・マウソレウムによる
戦史を鼓舞する楽曲が発表されました
やがて、戦いを見守る人々の間に流れゆくことでしょう
戦う人々に祝福を……我々は、生き続けるのです

※ο株がざわついていますが、今日の日常に霧世界が浸透してくる日記はおやすみします

本日のニュースです
ジャンク財団は各地からコンテナを回収、集積しているようです
これが何を意味するか、我々はまだ察知していません
一説によると、ジャンク財団の新型グレムリンの開発に
何かしら関わっているというものがあります
我々の未来は、いまだ闇の中です
戦いましょう、生き残りをかけて……

本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンに対し、各地で迎撃が始まっています
青花師団の遊撃隊によって、安全かつ優位な位置へと誘導しています
遊撃隊の損耗は大きく、傭兵と真紅連理軍の最終防衛ラインに全てを託しています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています

本日のニュースです
小群島では白い鳥の群れが見つかったと話題になっています
鳥類は粉塵によってほぼ絶滅しましたが、
一部の種は生きながらえ、粉塵に適応しました
戦火の世にも、人々の連環を。我々はまだ、戦えます

本日のニュースです
領域に存在する次元の歪みに侵入し
まだ見ぬパーツや素材を手に入れられる可能性が高まっています
ヴォイド・エレベータと呼ばれる侵入システムがいま思念研究所で提唱されています
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです

11月26日 某クリニックにて（未来傷跡希望）


会社の健康診断で、市内のクリニックを訪れています


去年と同じ場所　朝9時には到着　昨晩から食事制限が掛かっているのでおなかがすきました


窓口で気が付きましたが健康診断ではなくて、人間ドックコースになっていました


職場のベテラン先輩が気を利かせてくれたみたいですが……


はじめての胃部検査　鼻からカメラを入れるか口からカメラを入れるか　こんな選べない選択肢しかないなんて……


初めてのドックと伝えるとバリウム検査になりました



――



検診用着に着替え様々な検査を乗り越え（超音波検査のジェルで悲鳴を2回ほど上げました）

今まさに胃部検査台に立ちバリウムを目の前にしています


これが噂に聴いていたバリウム……


白い液状のゴムかシリコンのような感じで口にしてよいものには見えません


指示に従い手渡された発泡剤をバリウムで飲み込みます


おっと、失礼　げっぷが　検査医のげっぷ我慢してくださいねの言葉が出る前のことです


睨まれました


気まずい……　もう一度手渡された発泡剤を飲み込もうとしたときに――


それまで暗い倉庫から変化がなかった視界異常光景が変わりました


ぼんやりと赤暗い雰囲気、形容しがたい色の海の光景がスゴイスピードで視界を流れていきます


突然の変化に戸惑っていると検査医から発泡剤を飲むようせかされました


そんな威圧的な声を出さなくても従いますから


胃を落ち着けてますのジェスチャーで間を取り繕ってから　発泡剤と一緒にバリウムを飲み干しました


とたん、視界に赤い光線が走り海面の彼方で爆発が見えました　と、爆発と同時に上下回転し、加速する視界


思わずげっぷが出そうになり――


胃部検査台の上で指示に従いぐるぐる回転し、台ごと逆さまにされ――


視界異常の世界もぐるぐる回転し、脳が揺さぶられ――



――



あれから10数分後、検査室に併設された洗面台で、白く染まった唇を眺めています


次があったらカメラを飲むことにしようと心にきめました


――


検査が終わってクリニックを出ると、11時をすこし回っています


普段なかなか来ることのない場所ですが、クリニックの裏に平日昼～夕でしかやっていない美味しいお蕎麦屋さんがあることを調査済みです

なんでもかしわ蕎麦が名物なんだとか　朝ごはんも食べいないし、発泡剤とバリウムで舌が沈んでいるので検診中はこれを楽しみに耐え忍んでいました


さあ、いざ！


――


11:30分昼営業開始でした……　近くで時間まで粘ろうかとも思いましたが、先ほど飲んだ下剤の効果がわからないので、事務所に戻ることにします……

※今週の日常生活に錆戦が強制的に割り込んでくる日記はお休みです※

未来連環希望傷跡

10月10日 幕間(未来連環)


退院してから1ヶ月が経ちました


視界異常は相変わらず続いています


普段は相変わらずの暗い倉庫が視えますが　週1くらいで赤い空と赤い海が出てきて睡眠を妨害してくれます


１回、在宅ワークのミーティング中に視界がおかしくなった時には流石に慌てました


この時まで自覚できてなかったのですが「あめんぼとみずすましって何が違うんだろ」とか「ぴかぴかーどかーん」とか視えた光景を無意識に口にしやすくなるようです　ミーティング相手に不審がられましたが『回線の調子が悪いみたいで』の魔法の言葉でその場はしのぎました


肌寒い日も増えてきました　不思議と視界異常の光景も冷え冷えとしてきた気がします


感染症の流行は少しずつ落ち着いてきていますが この視界異常はいつまで続くのでしょう

9月10日 いのちのかがやき(連環)クンが見えた日 act3


味の濃い物が食べたい


ICUからは昨日の夕方には解放されました


そのまま様子見ということで大学病院の大部屋へ移動


昨晩はICUから出てすぐということなのか夕食が出なかった（ICUではそもそも固形物がでてこなかったな）ので、今朝が入院して初めての食事


いや、病院食だしね、そんな、そんな期待してなかったけど、病院食だから期待してなかったけどね（2回言った）


ご飯（サイズは選べる、多めにした）、味噌汁（減塩っぽいというか、色の付いたお湯）、小鉢（薄味の付いたおひたし）、メイン（くたくたのゆでキャベツと魚の形をした練り物、鮭風味？）、ご飯のお供（あじのり!、神！）


終盤、やや多めに残ったご飯を前に、鉄分添加あじのりの小さいパウチを吸う衝動に抗った　あらがったのだ！


食事後、簡単な検査や往診があり、もうすぐお昼なんだけど、お昼ご飯も期待出来そうに無い……　昨日、兄に身の回りの物を持ってきてもらったときに、醤油も持ってきて貰うんだったなー……







虚無です


昼食後の午後、ベッドに横になり、虚無の面持ちでスマホをいじってます


退院は明日の朝の予定なので、後１回苦行が待ち構えています


相変わらず視界異常は収まって無いし、ふとした時に脳裏に浮かぶ謎のサジェストの頻度が深まっている気がしますが（『ドロ』ってなんでしょう？） あまり追求する気力が湧きません


今は「虚ろの海」について検索しています


月の地名？　と思っていましたが、検索エンジンでは何故か全世界的人気コンテンツのカードゲームの微妙なカードがヒットします


英名かなー？　と直訳「hollow sera」だと葛飾北斎 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏がヒットします　なるほど、「波の海」という月の地名はあるようですね


sea of nothingness？　中学二年生だったのは何年前だったか思い出せません


ベッドに寝たままスマホ、腕がだるくなってきたのでスマホを投げ出して目を閉じました


そもそも、何故「虚ろの海」を調べはじめたのか思い出せません　脳裏のサジェストが、理解出来ない文字を並べたアイコンのような画像を表示している気がします


目を閉じてしばらくすると、それまで時折曳光弾の光が差す暗い倉庫を移していた視界に変化がありました


視界を囲むキャットウォークごと視界が平行に後ろに回転していきます


しばらくするとそれまで背面にあった壁らしき光景が視界いっぱいに広がりました　そして壁が奥側に引き込まれながらせり上がり、倉庫内の暗がりよりは明るい弱い光が溢れてきます


海？

9月8日 いのちのかがやきクンが見えた日 act2


気が付くとビニールカーテンに仕切られた世界だった


所謂ICUに担ぎ込まれて1日後、今は病衣服でSNSを眺めている


アナフィラキシーの症状で、思いっきりゲロ吐いて担架に乗せられた後、体が寒くなったところまでは覚えている


症状が出た瞬間には、呼吸困難とは違う、異常な空気を吸ったようなぼんやりとした記憶がある


そして―― 私の視角異常は収まっていない


今この時もスマホの画面に被って薄暗い倉庫の中のような景色が視えている




「副反応」、「アナフィラキシー」で検索して症状例を探しているけど、視角異常は見当たらない


ちょっと検索範囲を広げると、途端に胡乱な投稿ばかりが目に付く ――磁力の体、5G接続、etc……


こんな胡乱な状況なのだから、この症状についてはまだ世話をしてくれている看護師さんにも伝えていない


錯乱されていると思われて、ベットに縛られたままICUから系列の閉鎖病棟に送り込まれる未来しか見えない


見えないと言えば、このおかしな景色には時折光りが刺す


窓？　から突き刺すような閃光が、倉庫の様子を浮かび上がらせる


なーんか足場？ が渡されている3階ぐらいの高さの目線から、ごっついトレーラーが視える　気がする


――へぇ、あの光は対空砲の曳光弾なんだ



――――――　


――アナフィラキシーのダメージが残ってるのかな 幻聴？ 妄想？ とにかくスマホを枕元に置いて寝ることにした


目を閉じると暗い倉庫の様子だけが残る 曳光弾の光も気にならず意識が遠のいていくのを感じた